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51 すれ違ったナニカと、流石の兄弟。
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「どうしましたの? ロキシーお姉ちゃん」
「実は、ある場所からネイリストの派遣依頼が来ていてね。外に出れない女性達が、一度でいいからネイルを試してみたいって言う話なんだけど」
「お外に出れない……病院ですの?」
「いや、娼館だよ」
「「「「娼館……」」」
なるほど、夜のお店で働いている女性達からの依頼ですのね。
でも、何故言いにくそうに仰るのかしら?
なるほど……まだ幼い年齢であるライトさんの為ですわね!
なんてお優しい!!
「リディアには刺激が強かったかねぇ……」
「え?」
「リディア姉さんには、まだ早い場所ですから」
「ライトさん?」
「リディア、一歩ずつ大人の階段をのぼろうな?」
「カイル?」
可笑しいですわ。
わたくしだって成人した女性でしてよ!?
「ご心配には及びませんわ! これでも成人女性ですもの!」
「そうだな、リディアは確かに成人女性だ」
「そうですね。お姉さんですもんね!」
「そうでしてよ! だからロキシーお姉ちゃん、詳しくお聞かせ願えるかしら?」
「はいはい」
クスクス笑うロキシーお姉ちゃんに、何となく解せない気分になりつつも話を聞くと、娼館にて一週間だけ、ネイリストの派遣をして欲しいとの依頼でしたわ。
また、男性の護衛も欲しいらしく、カイルもその人数に含まれているのだとか。
確かにカイルはBランク冒険者ですもの。護衛に選ばれるのは道理ですわ。
「それで、これは皆の意見を聞きたいんだがいいかい?」
「なんですの?」
「どうしたんだ?」
「実は、借金の肩代わりに働かされていた女性達も多くいたみたいでね……。その借金を払い終えて、外に出される女性達がいるらしい。皆帰る家もないらしくって……どうだろう? 皆に偏見がないのであれば、ってか、既にアタシの知り合いだった5人を雇ってる時点で大丈夫とは思うけど、そう言う女性達を雇い入れるのはどうだい? 元々そう言う仕事をしていただけあって、神殿契約は結んでくれると思うよ」
「「「なるほど」」」
「人数までは分からないけど、考えてみてはどうかと思って」
「雇いましょう」
「リディア即決だね、理由は?」
「そう言うお店で働いていた女性は迫害されやすいと聞いたことがありますわ。でしたら保護も含めて店で雇うべきです。ただでさえ自分の所為ではなく身体を売る羽目になったのに、これ以上傷ついて欲しくありませんわ」
「リディア……」
わたくしの真剣な声に、表情に、皆さんは思う所があったようで、ならばお店に行ったタイミングで多かろうと少なかろうと雇い入れる事を決められましたわ。
無論、雇ったそのうちに神殿契約を結ぶこと、人数次第では直ぐに宿屋を借りれないかも知れない為、お店に泊って頂くことも決めましたの。
「じゃあ、三日後に皆で行くことになるから、リディアは何時も通り」
「池鏡でみてますわ!」
これで新たに雇用が出来れば、女性達も安心して生活が出来るようになれば、それが一番ですもの!
けれど、ふと自分にユニークスキル箱庭師が無かったらどうなっていただろうかと思うと、追い出された時、庶民に落とされた時……まともに生きて行けるだろうかと思えば、きっと無理でしょう。
この王国で女性が働くことはとても難しいこと。
元日本人の感覚で言うと、就職氷河期より少し悪いと思えばいいかしら。
それくらい、女性が働くことはとても困難な国ですの。
生きる為に身売りするしかない女性が今後減る事を祈るしかないけれど、せめて自分たちが、そこでしか働けない女性達を救い上げることができるのならば、したいと思う事は罪ではない筈ですし、驕りでもない筈。
そんな事を考えながら夕食を食べ終え、男性陣が温泉に入っている間、わたくしはロキシーお姉ちゃんと一緒に話をします。
「リディアは良いのかい?」
「何がですの?」
「カイルがそう言う娼館にいっても、大丈夫なのかなと思って」
「男性ならば、娼館に通う方だって多いでしょう? お父様もナスタもお気に入りの娼館の話を大っぴらにしてましたわよ?」
「あんたのとこ、本当最低だね。そうじゃなくて、カイルが娼館とかに通ってたら幻滅するんじゃないのかい?」
「幻滅するとは?」
「だって、付き合い始めたんだろう?」
「付き合ってませんが?」
「え?」
「え?」
なんだか、話が噛み合いませんわ。何故かしら?
「カイルが娼館に護衛で行く事はお仕事でしょう?」
「仕事だね」
「下半身の処理に向かうのも、男の性では?」
「割り切ってるね」
「寧ろ、ロキシーお姉ちゃんが好きな方が娼館に通ったらどう思いますの?」
「そうだね、通うのは成人してからとして……仕方ないかなって思うね」
「あら、ロキシーお姉ちゃんが好きな男性って年下でしたの? しかもまだ成人してない」
「悪いかい?」
「オネショタですわね! 大いにアリですわ!」
これは、ロキシーお姉ちゃんの事も観察せねばなりませんわ!
重要案件でしてよ!!
「年下なのにシッカリしてたら、ちょっといいなって思っちまうじゃないか」
「まぁ、照れてますのね! お相手はどなたですの?」
「それは、」
「面白い話をなさってますね」
「「!!」」
まさか、既にお風呂から上がっているとは露知らず、後ろを振り向くとカイルとライトさんが笑顔で立っていましたわ!
「お二人は……どこから聞いて」
「ロキシーお姉さんの好みが年下と言う所です」
「おやおや、その前の話の方が凄かったんだよ? なんとリディアがね?」
「カイルの下半身の事を話していただけですわ! 健全ですわよ!」
「それを健全と呼ぶには少々問題があると思います……」
「リディアは俺の下半身に興味があったのか……早く言ってくれればいいのに。今度一緒に温泉にでも入るか?」
「入りませんわよ!」
「まぁ、前半は仕事の話。後半はコイバナってところで、女性の秘密の話に男が顔を突っ込むと……痛い目にあうよ?」
ロキシーお姉ちゃんの凄味のある声に、カイルとライトさんは苦笑いしながら頷いていましたわ。
「全く、油断も隙もない兄弟だねぇ」
「僕も兄さんも必死ですから」
「おや、何に必死なんだい? お姉さんにいってみな?」
「男の秘密に顔を突っ込むと、大変ですよ?」
「おやおや、言うねぇ」
あらあら?
もしかして、ロキシーお姉ちゃんの好きな方って……もしかして??
それに、ライトさんもなんだか……。
あらあら、まあまあ!
「ライトさんって、ロキシーお姉ちゃんの事好きですのね!」
「はい、好きですよ」
「はいはい、お世辞は良いから」
「いえ、本当に好きです。成人したら私と付き合って下さいませんか」
ストレートに。
甘い雰囲気も無く。
思わぬライトさんの告白に、ロキシーお姉ちゃんは顔を真っ赤に染めて言葉が出ず。
わたくしは顔を真っ赤にしながら二人を交互に見つめ。
カイルは――。
「ライト、お前もそっち系か」
「どっち系ですの!?」
カイルだけが、流石俺の弟と言わんばかりに感慨深そうにしていたその後――。
「大人をからかうのもいい加減にしな!」
「私は諦めませんから!」
と言う二人のやり取りがされていたのは、ネイリストの皆さんには内緒にしておきましょう。
「実は、ある場所からネイリストの派遣依頼が来ていてね。外に出れない女性達が、一度でいいからネイルを試してみたいって言う話なんだけど」
「お外に出れない……病院ですの?」
「いや、娼館だよ」
「「「「娼館……」」」
なるほど、夜のお店で働いている女性達からの依頼ですのね。
でも、何故言いにくそうに仰るのかしら?
なるほど……まだ幼い年齢であるライトさんの為ですわね!
なんてお優しい!!
「リディアには刺激が強かったかねぇ……」
「え?」
「リディア姉さんには、まだ早い場所ですから」
「ライトさん?」
「リディア、一歩ずつ大人の階段をのぼろうな?」
「カイル?」
可笑しいですわ。
わたくしだって成人した女性でしてよ!?
「ご心配には及びませんわ! これでも成人女性ですもの!」
「そうだな、リディアは確かに成人女性だ」
「そうですね。お姉さんですもんね!」
「そうでしてよ! だからロキシーお姉ちゃん、詳しくお聞かせ願えるかしら?」
「はいはい」
クスクス笑うロキシーお姉ちゃんに、何となく解せない気分になりつつも話を聞くと、娼館にて一週間だけ、ネイリストの派遣をして欲しいとの依頼でしたわ。
また、男性の護衛も欲しいらしく、カイルもその人数に含まれているのだとか。
確かにカイルはBランク冒険者ですもの。護衛に選ばれるのは道理ですわ。
「それで、これは皆の意見を聞きたいんだがいいかい?」
「なんですの?」
「どうしたんだ?」
「実は、借金の肩代わりに働かされていた女性達も多くいたみたいでね……。その借金を払い終えて、外に出される女性達がいるらしい。皆帰る家もないらしくって……どうだろう? 皆に偏見がないのであれば、ってか、既にアタシの知り合いだった5人を雇ってる時点で大丈夫とは思うけど、そう言う女性達を雇い入れるのはどうだい? 元々そう言う仕事をしていただけあって、神殿契約は結んでくれると思うよ」
「「「なるほど」」」
「人数までは分からないけど、考えてみてはどうかと思って」
「雇いましょう」
「リディア即決だね、理由は?」
「そう言うお店で働いていた女性は迫害されやすいと聞いたことがありますわ。でしたら保護も含めて店で雇うべきです。ただでさえ自分の所為ではなく身体を売る羽目になったのに、これ以上傷ついて欲しくありませんわ」
「リディア……」
わたくしの真剣な声に、表情に、皆さんは思う所があったようで、ならばお店に行ったタイミングで多かろうと少なかろうと雇い入れる事を決められましたわ。
無論、雇ったそのうちに神殿契約を結ぶこと、人数次第では直ぐに宿屋を借りれないかも知れない為、お店に泊って頂くことも決めましたの。
「じゃあ、三日後に皆で行くことになるから、リディアは何時も通り」
「池鏡でみてますわ!」
これで新たに雇用が出来れば、女性達も安心して生活が出来るようになれば、それが一番ですもの!
けれど、ふと自分にユニークスキル箱庭師が無かったらどうなっていただろうかと思うと、追い出された時、庶民に落とされた時……まともに生きて行けるだろうかと思えば、きっと無理でしょう。
この王国で女性が働くことはとても難しいこと。
元日本人の感覚で言うと、就職氷河期より少し悪いと思えばいいかしら。
それくらい、女性が働くことはとても困難な国ですの。
生きる為に身売りするしかない女性が今後減る事を祈るしかないけれど、せめて自分たちが、そこでしか働けない女性達を救い上げることができるのならば、したいと思う事は罪ではない筈ですし、驕りでもない筈。
そんな事を考えながら夕食を食べ終え、男性陣が温泉に入っている間、わたくしはロキシーお姉ちゃんと一緒に話をします。
「リディアは良いのかい?」
「何がですの?」
「カイルがそう言う娼館にいっても、大丈夫なのかなと思って」
「男性ならば、娼館に通う方だって多いでしょう? お父様もナスタもお気に入りの娼館の話を大っぴらにしてましたわよ?」
「あんたのとこ、本当最低だね。そうじゃなくて、カイルが娼館とかに通ってたら幻滅するんじゃないのかい?」
「幻滅するとは?」
「だって、付き合い始めたんだろう?」
「付き合ってませんが?」
「え?」
「え?」
なんだか、話が噛み合いませんわ。何故かしら?
「カイルが娼館に護衛で行く事はお仕事でしょう?」
「仕事だね」
「下半身の処理に向かうのも、男の性では?」
「割り切ってるね」
「寧ろ、ロキシーお姉ちゃんが好きな方が娼館に通ったらどう思いますの?」
「そうだね、通うのは成人してからとして……仕方ないかなって思うね」
「あら、ロキシーお姉ちゃんが好きな男性って年下でしたの? しかもまだ成人してない」
「悪いかい?」
「オネショタですわね! 大いにアリですわ!」
これは、ロキシーお姉ちゃんの事も観察せねばなりませんわ!
重要案件でしてよ!!
「年下なのにシッカリしてたら、ちょっといいなって思っちまうじゃないか」
「まぁ、照れてますのね! お相手はどなたですの?」
「それは、」
「面白い話をなさってますね」
「「!!」」
まさか、既にお風呂から上がっているとは露知らず、後ろを振り向くとカイルとライトさんが笑顔で立っていましたわ!
「お二人は……どこから聞いて」
「ロキシーお姉さんの好みが年下と言う所です」
「おやおや、その前の話の方が凄かったんだよ? なんとリディアがね?」
「カイルの下半身の事を話していただけですわ! 健全ですわよ!」
「それを健全と呼ぶには少々問題があると思います……」
「リディアは俺の下半身に興味があったのか……早く言ってくれればいいのに。今度一緒に温泉にでも入るか?」
「入りませんわよ!」
「まぁ、前半は仕事の話。後半はコイバナってところで、女性の秘密の話に男が顔を突っ込むと……痛い目にあうよ?」
ロキシーお姉ちゃんの凄味のある声に、カイルとライトさんは苦笑いしながら頷いていましたわ。
「全く、油断も隙もない兄弟だねぇ」
「僕も兄さんも必死ですから」
「おや、何に必死なんだい? お姉さんにいってみな?」
「男の秘密に顔を突っ込むと、大変ですよ?」
「おやおや、言うねぇ」
あらあら?
もしかして、ロキシーお姉ちゃんの好きな方って……もしかして??
それに、ライトさんもなんだか……。
あらあら、まあまあ!
「ライトさんって、ロキシーお姉ちゃんの事好きですのね!」
「はい、好きですよ」
「はいはい、お世辞は良いから」
「いえ、本当に好きです。成人したら私と付き合って下さいませんか」
ストレートに。
甘い雰囲気も無く。
思わぬライトさんの告白に、ロキシーお姉ちゃんは顔を真っ赤に染めて言葉が出ず。
わたくしは顔を真っ赤にしながら二人を交互に見つめ。
カイルは――。
「ライト、お前もそっち系か」
「どっち系ですの!?」
カイルだけが、流石俺の弟と言わんばかりに感慨深そうにしていたその後――。
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