59 / 274
59 追い詰められたリディアと、追い詰めたカイルの攻防戦。
しおりを挟む
雪の園の方々とカイルがお会いした時、初めてカイルの好きな人を知りましたの。
それがまさか、自分だとは夢にも思いませんでしたわ。
『――愛する彼女』
そう言って柔らかい笑顔を見せるカイルに、その日の夜はカイルを見るたびに「ひあああああ!!」と叫んで逃げまくりましたが、道具店サルビアが休日の現在。わたくしはカイルにガッツリと捕まっておりますわ。
何故かって?
それは――。
「リディア、いい加減俺をみたら逃げるのを止めてくれ!」
「ひあああああ!!」
「そんなに俺が嫌なのか? 悲鳴を上げる程嫌なのか!?」
「ひええええぇぇぇ!」
「だがもう遅い! お前が悲鳴を上げようが何をしようが、絶対に逃がさないからな……」
「お助けをぉぉぉおおお!!」
箱庭の誰かに助けを求めても、柔らかい笑顔で去って行くのみ。
わたくしはカイルに抱き上げられると逃げ場を更に無くしてしまいましたわ……。
ズンズン進むカイルにドナドナされてやってきたのは、箱庭でも美しい波の音のする砂浜でした。
顔を真っ赤に染めて生まれたての小鹿のように震えるわたくしに、カイルは逃がさないとばかりに膝の上に座らせて、ガッチリホールドされましたわ!
「どうしたんだ? 存分に面白がるんじゃなかったのか? ん?」
「カ……カイルの好きな相手がわたくしとは思いもしませんでしたもの!」
「周囲にはバレバレなくらい、俺はお前にガンガンいってたと思うが?」
「好きな相手への練習だとばかり!」
「へぇ……」
胡乱な目でジッと見つめられると、今度は目まで逃げられないっ!
「お前、俺からもう逃げられると思うなよ?」
「ヒィ!」
「まさか、俺が嫌いなんてことはないよな?」
「滅相もありませんわ!」
ここで返事を間違えれば、多分命が危ないと判断しましたわ!
「じゃあ……好き?」
「うう……」
「……どっち?」
耳元で囁かれると腰が砕けそうで、ヘナヘナとカイルの胸の中にスッポリ入ってしまいました……。嗚呼、逃げ場がない場所でこんなこと……!
「……リディア? どっち?」
「心臓が爆発しそうですわ……っ!」
「俺は返事を聞きたいんだけど?」
そう言って耳を触ってくるカイルが憎たらしい!!
プルプル震えるしかないわたくしではダメだわ! 反撃……そう、反撃しないと!
「カイルは何時からわたくしが好きでしたの!?」
「一目惚れって知ってる?」
「ヒトメボレ」
「そう、自分の身体を魔付きになったから身売りしにいこうとした俺に、怖がりもせず手を差し伸べた時から」
「~~~!!」
「その時から、俺の心臓はもうお前のモノだったんだよ?」
ウットリとした表情で、至近距離で顔を撫でながらそう言われると、目を反らして顔を真っ赤にするくらいしか出来ませんわ……。
生前は彼氏いない=年齢のまま亡くなり、こちらの世界でだって恋愛経験も全くないまま、本当に箱庭に引き籠って生活してきたわたくしにとって、まさに未知の領域!
世の女性達はどうやって恋愛してますの!?
皆さん恋愛と言うナニカと戦ってますの!?
どうやったらこの場を逃げることができますの!?
嗚呼……どこかに先輩がいるのなら教えて頂きたいですわっ!
――カイルから逃げるにはどうしたら宜しいんですの!?
「こんなに心からリディアの事を想ってるのに、リディアは俺の事を無視して考え事?」
「ひぁ!」
「随分と余裕があるんだな? 俺は何時も余裕が無くて、どれだけお前を箱庭に閉じ込めておけるか大変だったのに」
「と……閉じ込めておける?」
「そう、リディアが外の事なんか気にせず、俺の事だけを想って、ず――っと箱庭で過ごせるように、どうやったら出来るかなって、毎日毎晩考えてたのに……。リディアは随分と余裕なんだなぁ……。俺の事、本当に好き?」
「えっと……閉じ込め、」
「好き? 好きなの? どうなの?」
「カ……カイルはわたくしの事を閉じ込めておきたいくらいに好きなんですのよね?」
何とかそう問いかけると、カイルは一瞬キョトンとした表情をなさいましたけれど、直ぐに「そうだよ」と笑顔で答えられましたわ。
――なるほど。
カイルはわたくしを一生外の世界に出さず、箱庭で過ごして欲しい程に……引き籠っているわたくしの事が大好きですのね?
「それは、引き籠りであるわたくしが好きと言うこと?」
「ずっと引き籠っていていいんだよ。外に何て出なくていい。他の男にリディアをみられると、胸がモヤモヤして相手を殺したくなるんだ。それを理解したから二度と外に出なくていい。本当に仕方なく用事があるときだけなら許すけど、ずっと箱庭に引き籠って笑っていてくれればいいって思ってるよ」
「カイル……」
引き籠りのわたくしがそこまで好きだなんて……。
そうよ、お外に出たら何かと色々ありますものね。
箱庭の中は快適ですし、外の世界が見たくなったら池鏡でなんとでもなりますし、外に出る理由がありませんわね。
店の全てはカイルとロキシーお姉ちゃんがしてくれますし……あら? そう思ったら、カイルの言う引き籠りのわたくしが好きって……わたくしにとってもかなり良い話じゃなくって?
それなら――。
「今後も引き籠ってて宜しいのですわよね……?」
「そうだよ?」
「でしたらわたくし、カイルに好きになって貰って良かったですわ!」
思わぬ発言だったかしら?
カイルは目を見開いて驚いてますわ。
「お外は危険がいっぱいですものね!」
「ああ、とても危険がいっぱいだ。下手にリディアが他の男に微笑んだら、次の日にはその男は冷たくなっているかもしれない程に」
「命は大事ですわね。分かりましたわ……わたくしがカイルだけの存在になって、カイルがそれで満足して、誰の命を奪う事無く、今まで通り平和に纏まるのでしたら、わたくしはカイルのものになりますわ!」
「なんか、取引みたいじゃないか? それって本当に俺の事を好きだって言ってるつもり?」
「まだ好きとか嫌いとかはイマイチわかりませんの」
「え?」
もう、此処まで来たら本当のことを伝えた方が良いですわ。
逃げるから余計カイルが黒くなったのですわよね?
黒カイルより白カイル。
ブラックカイルよりホワイトカイル。
そう、白い清いままのカイルに戻さねばなりませんわ!!
ならばわたくしに出来ることは、本当の気持ちを伝えるだけ!!
「ですから、カイルがわたくしを女にしてくださいませ!」
「は!?」
「出来れば今すぐに! 早急に!!」
「ま……えっ!?」
「大人の女性に進化させてくださいませ! さぁ! さぁ!!」
「そう言うのはもう少し順序があって」
「順序なんて勿体ぶらないでくださいませ! カイルがわたくしを女にして下さるんでしょう? やり方は任せますわ!!」
「ヤリ方ってっ!」
「恋する女になるには、外でなれますの? 中でなれますの!?」
「ストップリディア、落ち着こう。ちょっとお互いに落ち着こう」
「わたくしは落ち着いてますわ! カイルの方が心臓なんか爆発しそうですわよ? どうしましたの?」
「あ、ああああ……!! ……うん、本当にもう俺の好きになった女は本当にもう!!」
何故かしら。
カイルが顔を背けて雄叫びを上げてますわ。
あら? でも元の普通の白カイルに戻ったんじゃん無くって??
これは大分黒い部分が落ちたんじゃないかしら!?
「リディア!!」
「はい!!」
「俺はお前が好きだ! 女にだってしたい!」
「はい! では今すぐに!」
「でも今すぐはダメだ! 何事も順序って言うものがある!」
「そうでしたのね!?」
「そうだとも! まずはお互いの事をもっと理解して抱きしめ合ったりキスし合ったり……もっとこう……スキンシップを増やそう! まだヤルのは早い!」
「まあ! わたくしったら……順序をすっ飛ばそうとしてましたのね!」
恋愛初心者ゆえに、ちょっと間違った話をしてしまったのね。
恋愛には色々複雑な問題がある事をスッカリ忘れてましたわ……。
「順序……まずは二人でデートする回数を増やそう。そこから始めよう、な?」
「そう……ですわね。順序があるのでしたら、カイルの指示に従いますわ」
「じゃあ決まり事その一。出来るだけ休みの日は二人で箱庭デートする事。外デートは禁止な」
「質問ですわ。お外にある有名なお菓子が食べたい時はどうしたらいいんですの?」
「俺が買ってくるから箱庭で待っててくれるよな?」
「お外は危険ですから、箱庭の中でちゃんと待ってますわ!」
「偉いぞリディア」
「うふふ!」
「そのニ、寝る前はキスをしよう」
「頬からのスタートでも宜しくて?」
「ああ、リディアが大人になる為にも順序良く、テンポよく、頬からキスを始めよう。じゃあ次、その三! いっぱい抱きしめあおう。沢山沢山抱きしめあって愛を深めよう」
「分かりましたわ。つまり三は何時も通りにと言うことですのね?」
「そう、何時も通りだ」
「カイルがそれで喜んでくださるのでしたら沢山しますわ!」
「理性が保たれる程度で頼むな?」
「あなたの理性の加減なんてわかりませんわよ?」
「あ、うん。俺がエスコートするから大丈夫だと思う、うん」
「分かりましたわ!」
良かった……何時ものホワイトカイルと言うべきか、白カイルと言うべきか。
本当に何時ものカイルに戻りましたわ!!
わたくしも分からない事は、逃げずに素直に聞けばよかったのね。
これからは黒いブラックカイルが出ない様に気を付けねばなりませんわね。
「ではカイル、恋愛初心者過ぎるわたくしですけれど、呆れながらでもいいので、末永く大事にして下さいませ」
「ああ、末永く、来世でも一緒にいような」
死んだ後の事まで約束事に入りましたわ。
これが普通の恋愛なのかしら?
世の男女は凄いんですのね。
「分かりましたわ。来世でも一緒にいましょうね」
「ああ!! リディア!! 本当に嬉しいよ!!」
「グエェッ!」
思いきり抱き締められ、潰れたカエルのような声が出てしまいましたけれど、丸く収まって良かったですわ。
でも、これでわたくしも彼氏持ちと言う事?
あら、あらあらあらあら?
それだけでも大人の階段のぼったんじゃなくって??
「今日は記念日ですわね!」
「ああ、記念日だ!」
「お祝いしましょう!」
「そうしよう!」
そう言うとわたくし達は立ち上がり、その後皆さんのいる居住エリアにてお付き合い始めました報告をすると、拍手で祝われましたわ!
今日は御馳走ね!
これからは、ブラックカイルが出てくる前に、対処しようと心に決めたそんな日でしたわ。
それがまさか、自分だとは夢にも思いませんでしたわ。
『――愛する彼女』
そう言って柔らかい笑顔を見せるカイルに、その日の夜はカイルを見るたびに「ひあああああ!!」と叫んで逃げまくりましたが、道具店サルビアが休日の現在。わたくしはカイルにガッツリと捕まっておりますわ。
何故かって?
それは――。
「リディア、いい加減俺をみたら逃げるのを止めてくれ!」
「ひあああああ!!」
「そんなに俺が嫌なのか? 悲鳴を上げる程嫌なのか!?」
「ひええええぇぇぇ!」
「だがもう遅い! お前が悲鳴を上げようが何をしようが、絶対に逃がさないからな……」
「お助けをぉぉぉおおお!!」
箱庭の誰かに助けを求めても、柔らかい笑顔で去って行くのみ。
わたくしはカイルに抱き上げられると逃げ場を更に無くしてしまいましたわ……。
ズンズン進むカイルにドナドナされてやってきたのは、箱庭でも美しい波の音のする砂浜でした。
顔を真っ赤に染めて生まれたての小鹿のように震えるわたくしに、カイルは逃がさないとばかりに膝の上に座らせて、ガッチリホールドされましたわ!
「どうしたんだ? 存分に面白がるんじゃなかったのか? ん?」
「カ……カイルの好きな相手がわたくしとは思いもしませんでしたもの!」
「周囲にはバレバレなくらい、俺はお前にガンガンいってたと思うが?」
「好きな相手への練習だとばかり!」
「へぇ……」
胡乱な目でジッと見つめられると、今度は目まで逃げられないっ!
「お前、俺からもう逃げられると思うなよ?」
「ヒィ!」
「まさか、俺が嫌いなんてことはないよな?」
「滅相もありませんわ!」
ここで返事を間違えれば、多分命が危ないと判断しましたわ!
「じゃあ……好き?」
「うう……」
「……どっち?」
耳元で囁かれると腰が砕けそうで、ヘナヘナとカイルの胸の中にスッポリ入ってしまいました……。嗚呼、逃げ場がない場所でこんなこと……!
「……リディア? どっち?」
「心臓が爆発しそうですわ……っ!」
「俺は返事を聞きたいんだけど?」
そう言って耳を触ってくるカイルが憎たらしい!!
プルプル震えるしかないわたくしではダメだわ! 反撃……そう、反撃しないと!
「カイルは何時からわたくしが好きでしたの!?」
「一目惚れって知ってる?」
「ヒトメボレ」
「そう、自分の身体を魔付きになったから身売りしにいこうとした俺に、怖がりもせず手を差し伸べた時から」
「~~~!!」
「その時から、俺の心臓はもうお前のモノだったんだよ?」
ウットリとした表情で、至近距離で顔を撫でながらそう言われると、目を反らして顔を真っ赤にするくらいしか出来ませんわ……。
生前は彼氏いない=年齢のまま亡くなり、こちらの世界でだって恋愛経験も全くないまま、本当に箱庭に引き籠って生活してきたわたくしにとって、まさに未知の領域!
世の女性達はどうやって恋愛してますの!?
皆さん恋愛と言うナニカと戦ってますの!?
どうやったらこの場を逃げることができますの!?
嗚呼……どこかに先輩がいるのなら教えて頂きたいですわっ!
――カイルから逃げるにはどうしたら宜しいんですの!?
「こんなに心からリディアの事を想ってるのに、リディアは俺の事を無視して考え事?」
「ひぁ!」
「随分と余裕があるんだな? 俺は何時も余裕が無くて、どれだけお前を箱庭に閉じ込めておけるか大変だったのに」
「と……閉じ込めておける?」
「そう、リディアが外の事なんか気にせず、俺の事だけを想って、ず――っと箱庭で過ごせるように、どうやったら出来るかなって、毎日毎晩考えてたのに……。リディアは随分と余裕なんだなぁ……。俺の事、本当に好き?」
「えっと……閉じ込め、」
「好き? 好きなの? どうなの?」
「カ……カイルはわたくしの事を閉じ込めておきたいくらいに好きなんですのよね?」
何とかそう問いかけると、カイルは一瞬キョトンとした表情をなさいましたけれど、直ぐに「そうだよ」と笑顔で答えられましたわ。
――なるほど。
カイルはわたくしを一生外の世界に出さず、箱庭で過ごして欲しい程に……引き籠っているわたくしの事が大好きですのね?
「それは、引き籠りであるわたくしが好きと言うこと?」
「ずっと引き籠っていていいんだよ。外に何て出なくていい。他の男にリディアをみられると、胸がモヤモヤして相手を殺したくなるんだ。それを理解したから二度と外に出なくていい。本当に仕方なく用事があるときだけなら許すけど、ずっと箱庭に引き籠って笑っていてくれればいいって思ってるよ」
「カイル……」
引き籠りのわたくしがそこまで好きだなんて……。
そうよ、お外に出たら何かと色々ありますものね。
箱庭の中は快適ですし、外の世界が見たくなったら池鏡でなんとでもなりますし、外に出る理由がありませんわね。
店の全てはカイルとロキシーお姉ちゃんがしてくれますし……あら? そう思ったら、カイルの言う引き籠りのわたくしが好きって……わたくしにとってもかなり良い話じゃなくって?
それなら――。
「今後も引き籠ってて宜しいのですわよね……?」
「そうだよ?」
「でしたらわたくし、カイルに好きになって貰って良かったですわ!」
思わぬ発言だったかしら?
カイルは目を見開いて驚いてますわ。
「お外は危険がいっぱいですものね!」
「ああ、とても危険がいっぱいだ。下手にリディアが他の男に微笑んだら、次の日にはその男は冷たくなっているかもしれない程に」
「命は大事ですわね。分かりましたわ……わたくしがカイルだけの存在になって、カイルがそれで満足して、誰の命を奪う事無く、今まで通り平和に纏まるのでしたら、わたくしはカイルのものになりますわ!」
「なんか、取引みたいじゃないか? それって本当に俺の事を好きだって言ってるつもり?」
「まだ好きとか嫌いとかはイマイチわかりませんの」
「え?」
もう、此処まで来たら本当のことを伝えた方が良いですわ。
逃げるから余計カイルが黒くなったのですわよね?
黒カイルより白カイル。
ブラックカイルよりホワイトカイル。
そう、白い清いままのカイルに戻さねばなりませんわ!!
ならばわたくしに出来ることは、本当の気持ちを伝えるだけ!!
「ですから、カイルがわたくしを女にしてくださいませ!」
「は!?」
「出来れば今すぐに! 早急に!!」
「ま……えっ!?」
「大人の女性に進化させてくださいませ! さぁ! さぁ!!」
「そう言うのはもう少し順序があって」
「順序なんて勿体ぶらないでくださいませ! カイルがわたくしを女にして下さるんでしょう? やり方は任せますわ!!」
「ヤリ方ってっ!」
「恋する女になるには、外でなれますの? 中でなれますの!?」
「ストップリディア、落ち着こう。ちょっとお互いに落ち着こう」
「わたくしは落ち着いてますわ! カイルの方が心臓なんか爆発しそうですわよ? どうしましたの?」
「あ、ああああ……!! ……うん、本当にもう俺の好きになった女は本当にもう!!」
何故かしら。
カイルが顔を背けて雄叫びを上げてますわ。
あら? でも元の普通の白カイルに戻ったんじゃん無くって??
これは大分黒い部分が落ちたんじゃないかしら!?
「リディア!!」
「はい!!」
「俺はお前が好きだ! 女にだってしたい!」
「はい! では今すぐに!」
「でも今すぐはダメだ! 何事も順序って言うものがある!」
「そうでしたのね!?」
「そうだとも! まずはお互いの事をもっと理解して抱きしめ合ったりキスし合ったり……もっとこう……スキンシップを増やそう! まだヤルのは早い!」
「まあ! わたくしったら……順序をすっ飛ばそうとしてましたのね!」
恋愛初心者ゆえに、ちょっと間違った話をしてしまったのね。
恋愛には色々複雑な問題がある事をスッカリ忘れてましたわ……。
「順序……まずは二人でデートする回数を増やそう。そこから始めよう、な?」
「そう……ですわね。順序があるのでしたら、カイルの指示に従いますわ」
「じゃあ決まり事その一。出来るだけ休みの日は二人で箱庭デートする事。外デートは禁止な」
「質問ですわ。お外にある有名なお菓子が食べたい時はどうしたらいいんですの?」
「俺が買ってくるから箱庭で待っててくれるよな?」
「お外は危険ですから、箱庭の中でちゃんと待ってますわ!」
「偉いぞリディア」
「うふふ!」
「そのニ、寝る前はキスをしよう」
「頬からのスタートでも宜しくて?」
「ああ、リディアが大人になる為にも順序良く、テンポよく、頬からキスを始めよう。じゃあ次、その三! いっぱい抱きしめあおう。沢山沢山抱きしめあって愛を深めよう」
「分かりましたわ。つまり三は何時も通りにと言うことですのね?」
「そう、何時も通りだ」
「カイルがそれで喜んでくださるのでしたら沢山しますわ!」
「理性が保たれる程度で頼むな?」
「あなたの理性の加減なんてわかりませんわよ?」
「あ、うん。俺がエスコートするから大丈夫だと思う、うん」
「分かりましたわ!」
良かった……何時ものホワイトカイルと言うべきか、白カイルと言うべきか。
本当に何時ものカイルに戻りましたわ!!
わたくしも分からない事は、逃げずに素直に聞けばよかったのね。
これからは黒いブラックカイルが出ない様に気を付けねばなりませんわね。
「ではカイル、恋愛初心者過ぎるわたくしですけれど、呆れながらでもいいので、末永く大事にして下さいませ」
「ああ、末永く、来世でも一緒にいような」
死んだ後の事まで約束事に入りましたわ。
これが普通の恋愛なのかしら?
世の男女は凄いんですのね。
「分かりましたわ。来世でも一緒にいましょうね」
「ああ!! リディア!! 本当に嬉しいよ!!」
「グエェッ!」
思いきり抱き締められ、潰れたカエルのような声が出てしまいましたけれど、丸く収まって良かったですわ。
でも、これでわたくしも彼氏持ちと言う事?
あら、あらあらあらあら?
それだけでも大人の階段のぼったんじゃなくって??
「今日は記念日ですわね!」
「ああ、記念日だ!」
「お祝いしましょう!」
「そうしよう!」
そう言うとわたくし達は立ち上がり、その後皆さんのいる居住エリアにてお付き合い始めました報告をすると、拍手で祝われましたわ!
今日は御馳走ね!
これからは、ブラックカイルが出てくる前に、対処しようと心に決めたそんな日でしたわ。
189
あなたにおすすめの小説
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
寿明結未
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる