【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

寿明結未

文字の大きさ
234 / 274

234 『キッズハウス・サルビア』オープンとマリシアの望む形の温泉体験。

しおりを挟む
クウカの事は残念な出来事だったと言う事で数日が過ぎ、ついに王都に『キッズハウス・サルビア』がオープンを迎えましたわ。
お店の中には無論、フラフープやトランポリンの展示もしていて、注目はされているようだと池鏡から様子を伺いましたの。
元女騎士さん達とマリシアの運動に関する修行ももう少しで完成段階に入りましたし、あと一週間もすれば完成に至るでしょう。
更に、あれからと言うもの、雇った20人の主婦の方々はフェイシャルエステを一定以上マスターすることが出来た為、今もまだ完成形に近づくために必死に腕を磨いていらっしゃいますわ。

それは兎も角、店の出だしは上々の様で、宝石箱や化粧箱、ドレスも飛ぶように売れていて、高めの値段設定だったにも関わらずその勢いは止まるところを知りませんわ。
特に皆さんの注目は――壁に貼られたポスター。

【近日オープン! ダイエット・サルビア! あなたの身体を若返らせ、サポートします!】

と書かれたポスターの前には、フラフープにトランポリンと言う展示もしていて、奥様方は集まって見ていらっしゃいますわ。
更に、フラフープやトランポリンの前に置かれた二枚折りの宣伝用の広告には、体験型の全身フィットネスの教室案内に、それらの後の温泉でのデトックス。更に温泉が終わった後のフェイシャルエステにラストのネイルコースと言う宣伝を書いた広告は奪い合うように取られて行き、途中途中で店員さんが広告の補充をしていらっしゃいますわ。

今回、ダイエット・サルビアでは、教室に入って運動をシッカリして頂く契約をして貰い、運動を行ったうえで、温泉までのコースはお安く。トータルケアを求めている方にはお高くお値段設定をしていて、貴族女性なら間違いなくトータルケアを求めるでしょうし、それが年頃の娘であるのなら、温泉までのコースを選ぶかもしれない。
二つの値段設定でおいてあるのには、貴族の矜持がどちらに向くかによっても変わるのですから、用意はしておいて損はありせんわ。


『いつオープン為さるのかしら』
『近日オープンと書いてありますわ。これらの器具を使った運動を取り入れたダイエットのようですわね……』
『本当に痩せるのかしら? いえ、わたくしは常に努力を怠りませんが、やはりプロに見て貰うというのも一つの手だと思っていますわよ?』


なんて声がチラホラ聞こえますわ。
虚勢を張らないと生活が出来ないのが貴族なのかしら?


『まぁ! 元女騎士と元Sランク冒険者が監修のようですわ。徹底したダイエットになりそうね』
『ついていけますかしら?』
『でも、頑張った後の温泉と言うものとフェイシャルエステにネイルは魅力的ですわ』
『しかも温泉に入ってデトックスって書いてありましてよ?』
『美しくなると言う事よね……』
『身体も美しく、そして全身も美しくと言うのであれば、このお値段はお安いのではなくて?』
『お手頃価格ですわ。月謝がたったの金貨5枚だなんて良心的だわ』
『それは温泉だけのコースでしてよ? トータルのものですと金貨10枚と書いてありますわ』
『金貨10枚で美しくなるのでしたらお安いのでは?』
『効き目のないあやしげなツボを買うよりはお安いですし、あのダンノージュ侯爵家が行うのでしょう? 素晴らしい効果がでるのではなくて?』
『既に一人トータルで美しくなった方もいらっしゃるようですわ。その方とは会う事が可能なんですって』
『まぁ! どれ程お美しいのかあってみたいものですわね!』


是非是非会ってみて下さいませ!
マリシアは、わたくしのゴッドハンドによってお肌はピカピカツヤツヤの美しさを保ってましてよ!
スタイルも無駄な肉は落とし、あるべき場所へ肉は付き、それはもう、ボンキュンボンですわ!!

このわたくしの教えた運動のお陰で、ロキシーお姉ちゃんは更に色気がアップしてライトさんは気が気ではありませんし、フェイシャルエステ組から徹底的に磨かれたわたくしとロキシーお姉ちゃんの美しさは箱庭のお爺様たちからも好評でしてよ!
今では実験台というか、練習台になりたい女性はとても多いんですの!
ふふふっ! きっとお会いしたら皆さん驚かれますわね!
そして、何と言っても目玉はコレでしてよ!


『産後太りを元通りに……出来るのかしら』
『もし元に戻るのが早いというのであれば……もう一人くらい産みたいですわ』
『産後太りを元に戻せるほどの運動とありますけれど、運動自体はゆっくりしたものみたいですわね』
『わたくしも三人産んでからは少し体型が……』
『わたくしもですわ』
『でも、産後太りを改善して綺麗になるのでしたら、試してみる価値はありますわよね?』


『キッズハウス・サルビア』はお子様の物をお求めになる方が多い店。
無論、産後太りを気にしている方だって多い筈ですもんね。
しっかりそこはケアしましてよ!


『随時追加情報を発表とありますから、何度か通う必要がありますわね』
『情報共有しないと、見逃してしまいますわ』
『早くオープンして欲しい所ですわね』


そんな嬉しい声が飛び交う中、商品も飛ぶように売れましたし、わたくしとしては大満足の結果に終わった訳ですけれど、隣で様子を見ていたマリシアは、何やら考え事をしているようですわ。


「どうかしましたの? マリシア」
「いえ……これだけの貴族の前に出ると思うと胃が……」
「まぁ、薬師の所で胃薬を煎じて貰う?」
「そうします……。あと、私も焦りはしたくはないですが、温泉について考えていることもあって」
「どのような事をですの?」
「実は、運動した後って汗が中々引かないじゃないですか。なので、一つは汗の引くような温泉にしたいんですが……その様な温泉ってありますかしら?」
「ありますわよ?」
「本当ですか? 一度そう言う温泉を体験してみたいと思いますけど出来るでしょうか?そしたら分かりやすいので」
「でしたら、一度使ってみます? 用意ならすぐできますし、効果でしたら今頃クタクタの女騎士さんたちにもきけるのではなくて?」
「そうですね、聞いてきます」
「では、わたくしは女湯を一つその様な効果の物に変えてきますわ。想像でなんとかなりますでしょうし」
「お願いします」


こうして、現在誰も使っていない女湯のお湯を、湯上りサッパリ系のお湯に祈りを込めて変え終わる頃、女騎士さんたちとマリシア、ロキシーお姉ちゃんがやってきましたわ。
そこで、今回の温泉は思わず長湯したくなりますけれど、気を付けてくださいませと告げて様子を伺ったんですけれど――。


「もう直ぐ温泉に入って30分……そろそろ声を掛けますかしら」


そう思っていると、それから更に30分後――湯上りサッパリした女騎士さん達とロキシーお姉ちゃん、更にマリシアが温泉から上がってきましたわ。
そして――。


「リディア様! 温泉のお湯、もしかして少しだけ温めにして下さいました?」
「いいえ? 何時もの温度ですわ。さぁさぁ、水を飲んでくださいませ! 何時もより長湯してらっしゃいましたわよ!」
「ついつい気持ちよくてね……湯上りもサッパリしていて気持ちが良いし、何だいあのお湯」
「効能としては、同じ疲労回復効果の高い温泉ですわ。ただ少しだけ、ハッカやミントの香りで肺での呼吸がしやすくして、お湯から身体が出るとスッとしたでしょう? それもハッカやミントの効果を出してますの」
「素晴らしいお湯です!」
「最高です!」
「また入りたいです!!!!」
「わたくしも気に入りましたわ!! わたくしの温泉ではこれを主軸にしたいと思いますの! 女性は長湯ですから、呼吸がしやすいのは大事ですもの!」
「では、お湯の成分については決まりましたわね」
「はい!! 後は内装ですわね……。個室を多くしてフェイシャルエステ専用の道具を置けるようにして、更にその個室で最後はネイルエステが出来るようにしないといけませんから」
「そうね、後は香りについてはわたくしの方から用意しますけれど、一つ一つが広めのお部屋が欲しいですわね」
「部屋数的には50部屋位でしょうか」
「そうね、最低でも50あればいいと思うわ。後は御付きの方々が付きそう為の続きの部屋が一つ、一人に付き二部屋ずつと考えていいですわね」
「化粧台も置きたいですし、入ると空間的に個室が広くなるようなお部屋って作れるのかしら。あまり大きくは作れそうになくて」
「では、箱庭の入り口のように個室の入り口を入ると別空間のように広がった部屋と言うのはどうかしら?」
「それは素敵です!! アリだとおもいます!!」
「そうなると外観はファビーの温泉とは違って、洋風が良いわね。こちらの本を参考にしてみて下さる?」
「はい!」


そう言うと、洋館特集の一冊を手渡し、わたくしは少しだけ満足しましたわ。
クウカの事があって少しだけ気持ちが沈んでいましたけれど、マリシアの元気な姿を見ると安心するというか、ホッとすると言うか。


「三つくらいに候補を絞れたら、後は好みだと思いますわ。頑張ってね」
「はい!」
「それと、養女の件はこちらで進めても宜しいかしら?」
「お願いします!」


こうしてマリシアが洋館を選んでいる間に、わたくしとカイルとでマリシアのご実家にお手紙を出し、養女にしたいとの申し出をしたのですけれど――。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

【バフ】しかできない無能ちゃん。クランから追放されたら、全員を【バフ】する苦行から解放される。自分一人だけ【バフ】したら、なんか最強でした

北川ニキタ
ファンタジー
ニーニャは【バフ】と呼ばれる支援スキルしか持ってなかった。 おかげで戦闘には一切参加できない無能。 それがクラン内でのニーニャの評価だった。 最終的にクランはニーニャを使い物にならないと判断し、追放することに決めた。 ニーニャをダンジョン内に放置したまま、クランメンバーたちは去っていく。 戦えないニーニャはダンジョン内で生き残ることは不可能と誰もが思っていた。 そして、ニーニャ自身魔物を前にして、生きるのを諦めたとき―― 『スキル【バフ】がレベル99になりました。カンストしましたので、スキルが進化します』 天の声が聞こえたのである。 そして、ニーニャを追放したクランは後に崩壊することとなった。 そう誰も気がついていなかった。 ニーニャがクラン全員を常に【バフ】していたことに。 最初だけ暗いですが、基本ほのぼのです。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!! 祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。 「よし、とりあえず叩いてみよう!!」 ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。 ※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

寿明結未
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

美女エルフの異世界道具屋で宝石職人してます

網野ホウ
ファンタジー
小説家になろうで先行投稿してます。 異世界から飛ばされてきた美しいエルフのセレナ=ミッフィール。彼女がその先で出会った人物は、石の力を見分けることが出来る宝石職人。 宝石職人でありながら法具店の店主の役職に就いている彼の力を借りて、一緒に故郷へ帰還できた彼女は彼と一緒に自分の店を思いつく。 セレナや冒険者である客達に振り回されながらも、その力を大いに発揮して宝石職人として活躍していく物語。

処理中です...