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249 狂い始める歯車①
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――メリンダside――
つまらないわ。
つまらないわ。
アレだけ好きに作っていた薬も作れなくなって、人が壊れていく姿を見れなくなったのはつまらないわ。
お父様は私を見ると直ぐ「薬はもうないのか!?」って喚くし、煩いったらないわ。
「薬なら城から来た人たちが全部持って行ってしまったわ。作る為の薬草も全て、持って行ってしまったわ」
「うぅぅぅううう……」
「お父様、また薬草を仕入れて来て下さい。そしたら直ぐにでも作りますわ」
「それが出来ればこんなにも困る事などないわ!」
「きゃ!」
急にキレたお父様に突き飛ばされると、メイド達が駆け寄って私を庇うように連れて行ってくれたわ。
以前のお父様なら何でも言う事を聞いてくれたのに、つまらないわ、つまらないわ。
しかもお屋敷から出ることも出来ないだなんて。
つまらないわ、とっても暇だわ。
嗚呼、こんな時マリシアがいてくれたら良かったのに。
あの子が帰ってこないから悪いのよ。
今度は帰りたくなくなるような、とってもとっても強い薬を作らないといけないわね。
ず――と私の傍にいるの。
ず――と私の言う事を聞くの。
とってもとっても可愛いお人形さんになるの。
嗚呼、その為にもまずは薬草を手に入れなくてはならないわ。
「ねぇ、そこの貴女」
「はい、何でしょうお嬢様」
「此処に書いてある薬草を買って来て頂戴」
「申し訳ありませんが、王家から薬草を買う事を禁じられています」
「王家は何でもダメダメいうのね。何故かしら? 私は人々が幸せになる為の薬しか作っていないのに」
「そうなのですか?」
「ええそうよ。毒だって苦しまずに死ぬ為の物でしょう? 薬だって身体を治す為の物でしょう? 最近作っていた薬はストレスを発散させるための素晴らしい薬だったのよ? それを何故作ってはいけないの?」
「王家から作ってはならないと厳しく通達されていますから」
「お父様はストレスできっと可笑しくなったんだわ。お父様の為にも薬を作らないといけないのに。ストレスが無くなれば私の言う事は何でも聞いてくれるのに。王家って碌な事をしないのね」
「いけませんよお嬢様。不敬罪となってしまいますよ」
「つまらないわ、つまらないわ。せめてマリシアが居れば違ったのに、つまらないわ」
そう言うと私は一人、全ての薬草が消えた研究室へと入っていった。
此処の香りは大好き。
あらゆる薬草があった棚には何もなくなってしまったけれど、まだ匂いだけは残っている。
折角作っていた薬も毒薬も、全部全部持っていかれてしまった。
隠し扉部屋?にも入れていたのに、そこも探し当てられて持っていかれてしまった。
好きな薬も作れなくて、毎日がとっても退屈でつまらないわ。
メイド達も入れ替わってしまっていう事を聞いてくれる人が誰も居ない。
今では薬を貰いに来る者たちもいなくなってしまったわ。
私はとっても寂しいの。
マリシアの事を知る人もいないし――。
そう思った時、ふと思い出したことがあったわ。
アカサギ商店のクウカと言う少年は確か、マリシアの事を知っていたわね。
クウカとお話し出来たら、色々マリシアの事を語り合えるかしら?
それに、家は商店だからお薬の材料だって手に入るんじゃないかしら?
お友達の家に遊びに行くと言えば、家の外に出してくれないかしら?
いいえ、いっそクウカを我が家に呼びましょう。
色々話し相手になってくれるわ。
「ねぇ? お友達を家に招くことも禁止なの?」
「お友達……ですか? お嬢様にお友達はいないと聞いておりますが」
「いるわ、いるわ。共通の話が出来る人が。アカサギ商店のクウカを呼んできて欲しいの」
「アカサギ商店のクウカ様ですか?」
「妹のマリシアと同期だと聞いているわ。マリシアの事を語り合いたいの」
「許可が下りるかは分かりませんが」
「それでも良いわ、お手紙を書くから後で部屋に来て頂戴」
「……分かりました」
そう言うとメイドは去って行ったわ。
これで少しだけ暇つぶしが出来そう。
そう言えばクウカは箱庭師だったわ。
箱庭の中に案内してくれないかしら?
ついでに箱庭の中に私専用の部屋を作って貰うの。
そしたらまたお薬が作れるわ。
なんて素敵なアイディアかしら!
私はやっぱり天才なんだわ。お父様の言っていた通りね。
お薬を作ったらまずはお父様に飲ませて、また薬草を沢山買ってきて貰いましょう。
私の作るお薬はとっても素晴らしいの。
何故王様達は理解してくれないのかしら?
私が作る薬はストレスに悩む人たちの救済なのに。
可笑しいわ、可笑しいわ?
取り敢えずクウカが来るのを待たないとダメね。
ドレスを着替えてお待ちしましょう。
相手は男性だもの、美しい装いをしていればそれだけでも嬉しい筈よね。
それに、アカサギ商店程の商家だったら、クウカと上手くいけば婿養子に来て貰えるかもしれないわ。
私はとっても美しいのに、婚約者が決まらなかったの。
お父様もその事は悩んでいたわ。
共通の話題があれば、きっと仲良く出来る筈よね?
早くクウカに会いたいわ。
お呼びするにもお手紙は必要ね。
早速お誘いのお手紙を書かなくちゃ!
つまらないわ。
つまらないわ。
アレだけ好きに作っていた薬も作れなくなって、人が壊れていく姿を見れなくなったのはつまらないわ。
お父様は私を見ると直ぐ「薬はもうないのか!?」って喚くし、煩いったらないわ。
「薬なら城から来た人たちが全部持って行ってしまったわ。作る為の薬草も全て、持って行ってしまったわ」
「うぅぅぅううう……」
「お父様、また薬草を仕入れて来て下さい。そしたら直ぐにでも作りますわ」
「それが出来ればこんなにも困る事などないわ!」
「きゃ!」
急にキレたお父様に突き飛ばされると、メイド達が駆け寄って私を庇うように連れて行ってくれたわ。
以前のお父様なら何でも言う事を聞いてくれたのに、つまらないわ、つまらないわ。
しかもお屋敷から出ることも出来ないだなんて。
つまらないわ、とっても暇だわ。
嗚呼、こんな時マリシアがいてくれたら良かったのに。
あの子が帰ってこないから悪いのよ。
今度は帰りたくなくなるような、とってもとっても強い薬を作らないといけないわね。
ず――と私の傍にいるの。
ず――と私の言う事を聞くの。
とってもとっても可愛いお人形さんになるの。
嗚呼、その為にもまずは薬草を手に入れなくてはならないわ。
「ねぇ、そこの貴女」
「はい、何でしょうお嬢様」
「此処に書いてある薬草を買って来て頂戴」
「申し訳ありませんが、王家から薬草を買う事を禁じられています」
「王家は何でもダメダメいうのね。何故かしら? 私は人々が幸せになる為の薬しか作っていないのに」
「そうなのですか?」
「ええそうよ。毒だって苦しまずに死ぬ為の物でしょう? 薬だって身体を治す為の物でしょう? 最近作っていた薬はストレスを発散させるための素晴らしい薬だったのよ? それを何故作ってはいけないの?」
「王家から作ってはならないと厳しく通達されていますから」
「お父様はストレスできっと可笑しくなったんだわ。お父様の為にも薬を作らないといけないのに。ストレスが無くなれば私の言う事は何でも聞いてくれるのに。王家って碌な事をしないのね」
「いけませんよお嬢様。不敬罪となってしまいますよ」
「つまらないわ、つまらないわ。せめてマリシアが居れば違ったのに、つまらないわ」
そう言うと私は一人、全ての薬草が消えた研究室へと入っていった。
此処の香りは大好き。
あらゆる薬草があった棚には何もなくなってしまったけれど、まだ匂いだけは残っている。
折角作っていた薬も毒薬も、全部全部持っていかれてしまった。
隠し扉部屋?にも入れていたのに、そこも探し当てられて持っていかれてしまった。
好きな薬も作れなくて、毎日がとっても退屈でつまらないわ。
メイド達も入れ替わってしまっていう事を聞いてくれる人が誰も居ない。
今では薬を貰いに来る者たちもいなくなってしまったわ。
私はとっても寂しいの。
マリシアの事を知る人もいないし――。
そう思った時、ふと思い出したことがあったわ。
アカサギ商店のクウカと言う少年は確か、マリシアの事を知っていたわね。
クウカとお話し出来たら、色々マリシアの事を語り合えるかしら?
それに、家は商店だからお薬の材料だって手に入るんじゃないかしら?
お友達の家に遊びに行くと言えば、家の外に出してくれないかしら?
いいえ、いっそクウカを我が家に呼びましょう。
色々話し相手になってくれるわ。
「ねぇ? お友達を家に招くことも禁止なの?」
「お友達……ですか? お嬢様にお友達はいないと聞いておりますが」
「いるわ、いるわ。共通の話が出来る人が。アカサギ商店のクウカを呼んできて欲しいの」
「アカサギ商店のクウカ様ですか?」
「妹のマリシアと同期だと聞いているわ。マリシアの事を語り合いたいの」
「許可が下りるかは分かりませんが」
「それでも良いわ、お手紙を書くから後で部屋に来て頂戴」
「……分かりました」
そう言うとメイドは去って行ったわ。
これで少しだけ暇つぶしが出来そう。
そう言えばクウカは箱庭師だったわ。
箱庭の中に案内してくれないかしら?
ついでに箱庭の中に私専用の部屋を作って貰うの。
そしたらまたお薬が作れるわ。
なんて素敵なアイディアかしら!
私はやっぱり天才なんだわ。お父様の言っていた通りね。
お薬を作ったらまずはお父様に飲ませて、また薬草を沢山買ってきて貰いましょう。
私の作るお薬はとっても素晴らしいの。
何故王様達は理解してくれないのかしら?
私が作る薬はストレスに悩む人たちの救済なのに。
可笑しいわ、可笑しいわ?
取り敢えずクウカが来るのを待たないとダメね。
ドレスを着替えてお待ちしましょう。
相手は男性だもの、美しい装いをしていればそれだけでも嬉しい筈よね。
それに、アカサギ商店程の商家だったら、クウカと上手くいけば婿養子に来て貰えるかもしれないわ。
私はとっても美しいのに、婚約者が決まらなかったの。
お父様もその事は悩んでいたわ。
共通の話題があれば、きっと仲良く出来る筈よね?
早くクウカに会いたいわ。
お呼びするにもお手紙は必要ね。
早速お誘いのお手紙を書かなくちゃ!
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