純白のレゾン

雨水林檎

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赤い髪の転校生

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「問題児って言えば、……いや、まあそうなんだけど」

 夏休みが終わり新学期が始まって青海の担任を勤める二年四組に転校生がやって来た。以前の学校でどうやら何かとやらかしたらしく、転校直後すでにクラス内では外れもの。なんでも先日同級生の学級委員長の女子生徒に手を出したらしい。だからと言って別に犯罪級のことをしたわけではないようだが、当該の学級委員長はそれから一週間、学校を休んでいると言う。

「青海先生、彼は一体何をしたんです? その、真崎くんでしたっけ」
「真崎祥吾(まさきしょうご)、十七歳。授業中に突然肩を組んで囁いて、そっと耳たぶを噛んだ」
「は?」
「だから、その学級委員長の女子の、耳たぶを……」

 それは怖い。私だって知らない男に急にそんなことをされたら翌日学校に行くのを躊躇うだろう。それをあの真面目そうな学級委員長に……彼女は私の考えている以上にきっと恐ろしい思いをしたのだ。

「前の学校では一人の男子生徒に執着して、挙げ句の果てに放課後そいつ監禁して無理矢理膝枕してたって」
「女子も男子もお構いなしですね。膝枕をしていたのはどちらですか?」
「真崎がされてたらしい。本人曰く相手に無理強いはしてないって言うけど……どうだか」

 職員室のベランダから放課後の帰宅する生徒らを見ていた。そこへ一人、背が高く赤い髪を伸ばした少年がポケットに手を入れてご機嫌に歩いている。

「赤い髪は、校則違反ですよね」
「真崎は天然って言い張ってるけどな」
「明らかに嘘ですよね。真っ赤、むしろピンク」

 その時赤い髪をなびかせた真崎がこちらを見て、私と目があった瞬間に一瞬真顔になるも、その後満面の笑みでウインクをして手を振った。

「お、青海先生……」
「な、扱いに困るだろう?」

 大きな目をしてどこかのアイドルグループのセンターにでもいそうな生徒だ。成績は問題ないらしいのだが、その人となりに問題があるのはわかる。鞄にはやたらと多種多様なキーホルダーをつけて、ここからでもじゃらじゃらとなる音が聞こえる。制服も着崩しているどころではなく、ネクタイを女子生徒のようにリボン結びにしているしどこから突っ込んだら良いのやら。

「おい、真崎ー! だらしないからポケットに手を入れて歩くな!」
「青海先生、注意するのはそこですか」

 ともかく色々と問題があるのは、間違いない。

 ***

 風紀検査で引っかかった生徒は一つの教室に集められた。そんな放課後、教頭から彼らに反省文を書かせるようにと言われて私は作文用紙を持って件の教室に入る。そこにいたのは今時のヤンキー、今時のギャル、そして……真崎祥吾。
 いるだろう、それはいて間違いない。だってあんな赤い髪をしているのだから。
 教室では皆、心にもない反省文を書いているが、唯一真崎は何も書く様子がない。書かないと家に帰ることは出来ないって言ったのに。そもそもこんなもの形式だけで、ごめんなさいもうしませんと書けば終わるのだから、さっさと書いてしまえばいいじゃないか。

「真崎くんも書きなさい、染髪は禁止。でもこの学校では黒染めする規則はないので、それ以上染めないように。黒髪がある程度まで伸びたら切って、元に戻すんだよ」
「へー坊主にしなくても良いんだ?」
「そこまでは言わないけど……でも」
「ねえ、じゃあさ先生は何色の髪が好きなの? 先生の好きな色に染めようかな」

 なんだその甘えるような、私の心をのぞいて見るような言い方は。

「……私が黒髪って言ったらどうするんだ?」
「あ、うまいこというね。さすが先生、あったまいい! ふふ、良いね。正直気になってたんだぁ先生のこと」
「……」

 その言葉と言い方に一瞬全身に鳥肌がたつ。でもそれ以外に私はどう返したら良かったんだ。しかし真崎はすっかりご機嫌になって、反省文を書き始めた。書き終えた生徒が次々と退室していくうちに、最後教室に残ったのは真崎だけ。放課後の終わり日が暮れる頃、やっと真崎は反省文を書き終える。しかしそこに書いていたのはいかに反省しているのかと言う文章ではない。

「真崎くん、私が書いて欲しかったのは自己紹介じゃない。校則違反をどう改めるかの……」
「連絡してくれて良いよ?」
「は?」
「最後に僕の携帯番号とメールアドレス書いたから。好きな方に連絡してね」
「個人的な相談とかは青海先生にしなさい、担任は青海先生だろう?」
「あの先生大きくてタイプじゃないんだよね。僕は先生みたいに小柄で可愛いのがタイプかな」

 タイプ……もしかしなくても、私は真崎に目をつけられている。答えようのない言葉に真崎はけらけらと笑って、私の頬に向かって手を伸ばした。耳たぶを噛まれてはならないと慌てて寸前で避けると少しムッとした表情の真崎は投げキッスをして教室を出て行く。呆然とした私はそれからしばらく、廊下に真崎がいたらどうしようかと思うと怖くて職員室に帰ることが出来なかった。

 ***

「はは、いっそのことお前メル友にでもなってやれば良いじゃん」
「そう言うのはちょっと」
「完全に真崎にからかわれたな、砂和」

 その日の夜は青海とともに学校近くの居酒屋で。日本酒を頼んではみたもののそんなことがあったためどうしても酒がすすまない。一方青海は冷えたビールを一気に飲み干して、ご機嫌に人の不幸を笑う。全く、なんて生徒が転校して来てしまったのだろう。

「無垢は最近落ち着いて来たのになあ、夜遊びもしなくなったって?」
「割と夜は家にいますね、部屋で何やってんだか知りませんが」
「そのうちギターでも引き出すぜ。社会への不満を歌にして」
「ああ、それはないです。無垢は根っからの音痴ですよ。だからカラオケには一切付き合いでも行きません」
「えっマジでか。ふふ、今度歌わせてやろうっと」
「やめてください……また荒れます」

 それから一時間でもたった頃だろうか。食事を食べ終えた青海はビールをお代わりしたせいで、見事に酔っ払いダウンした。だからと言ってこの店に置いて行く訳にはいかないので、私は責任を持って青海を家に返さねばならない。青海の肩を抱えながら、帰宅ラッシュの電車を待つ。

「ちょっと、青海先生。せめてちゃんと自分で立ってください!」
「砂和ァ、今夜泊めろよ」
「私の家より青海先生の家の方が駅から近いじゃないですか。急行止まるし」
「誰もいない家に帰りたくねえんだよ……」
「私の家は定員オーバーですよ。部屋は埋まりました」
「お前の部屋で良いから」
「無垢ならともかく一緒になんか眠れませんよ、青海先生大きいし」

 それでもこの世の全てを嘆くかのようにしくしくと声をあげる青海。もう手に負えないと、困っていた時私はどこからか視線を感じてふと顔を上げて辺りを見る。満員電車の中で頭一つ分だけ大きい赤色の髪が見えた。角度によってはピンク色にも見える。

「ひ……っ」

 人と人の間からその顔を見た。私に気がついてニヤリと笑い再度ウィンクをした真崎祥吾。なんでこんな時間に電車に乗っているんだ。そもそも学校が終わって一体何時間たったと……。

「お、青海先生。一緒に帰りましょう、うちにお泊まりしても構いません。むしろ歓迎します」
「なぐさめてくれるのか、砂和」
「なんなら一晩中お話聞きますよ、そのかわり絶対に一緒に家までついてきてくださいね?」
「ああ?」

 いまいち頼りにならない青海を連れて、息を潜めて電車が最寄駅に一刻も早く到着することを願う。最寄駅から家までついてこられたらどうしよう、ああ、そうだタクシーだ、タクシーに乗ってしまえばまけるかもしれない。視線はずっと感じているがあえて知らぬ気付かぬのていで。

 電車が駅に間も無く到着する。この青海を抱えながら一刻も早く改札を抜けてタクシー乗り場へ行かなければ。どうかタクシーが空いてますように……!

 ***

「げっ、なんで青海まで連れて帰ってくるわけ?」
「事情があるんだ、青海先生は悪くない」
「なんだそれ、今日はやけに青海の味方するじゃん」
「ピンク色の、ストーカーが……と、とにかく早くドアの鍵を閉めて!」
「は? なんの話、砂和さん?」

 真崎はついては来ていないようだ。しかし、電車を降りるときに確かに彼は私を見ていた。最寄駅はバレてしまったが仕方がない。駅から家までは多少の距離があるから、その道までさすがに予測は出来ないだろう。青海はすっかり眠ってしまって、仕方がないので私のベッドへ。青海は良いよな、お気楽で……そもそもなぜ担任でもない私がこんな恐怖を感じなければならないのか。しかし、彼の本質を知らぬままストーカー扱いも良いことではないか。青海が起きたら真崎について色々と聞いてみよう。ああ見えて本当は良い子なのかもしれないし。しかし私もこの歳にしてアイドルでもないのにばっちりウィンクをする人間を見たのは初めてだった。

 ***

 深夜、私の部屋のベッドで青海がいびきをかいて眠っている。部屋の一角にはすっかり青海の着替えまであって、むしろ追いやられた私の居場所がない。横になった床が固くて眠りづらく、仕方なくこのまま起きている覚悟をして私は一人朝が来るのを待っている。
 無垢の部屋からは明かりが漏れていて、どうやら今夜は洋楽を聴きながら眠っているらしい。微かなリズムを聴きながら横になっていると、無性に実家の風景が愛おしくなりいつかまたあの風景を見に行きたくてたまらなくなった。過ぎていった時間は戻らないけれど、それを懐かしむことは悪いことじゃない。幼い私と無垢が育った場所、現在の私にはその風景が違ったものとして見えたりはするのだろうか。そして向島の両親の墓参りにも行かなければ……大きくなった無垢の顔を見せてやりたい。薄明かりのカーテンの向こうは静かな夜。ダメだな、やっぱり今夜は眠れない。一方でぐっすりと寝入っている青海の寝顔があまりにずっと能天気で、夜のノスタルジックな感傷はどこかへ飛んでいってしまった。

 ***

「なんで俺この家にいるんだっけ……」
「知るかよ、青海のくせに記憶なくすくらいべろべろに酔うやつが悪いんだろ」

 結局眠れないまま朝を迎えてしまった。家事を片付けて二人を起こしたらもうすぐ出勤時間だ。二日酔いの青海はぼんやりとして、無垢は青海がいるから機嫌が悪い。私はなんだか疲れてしまって、良い朝を迎えたとは言い難かった。

「朝食がすんだら学校ですよ、青海先生。今日は会議が」
「行きたくねぇ、今日はそんな気分じゃないんだよなあ」

 私だって学校に行きたくない。仕事は大切なものだが、それに付随する様々なことが……ああ、今日は平穏な一日を送れたら良いのだけれど。昨日の赤い髪の背中を思い出す、もう彼には関わりたくない。

 午前七時を過ぎて、早朝の職員会議のため青海と電車に乗って学校へ向かう。混雑する満員電車、朝からこれだと一日が憂鬱なまま始まってしまうじゃないか。だからと言って朝から何か楽しいことなんてここ数年ほど経験していない。
 電車になんとか耐えて学校に到着して一旦青海と別れた。会議前に授業で使う資料を用意しておかねば、そう思って人通りの少ない資料室のドアを開けた、その時だ。

 誰かが資料室で入り口で鍵を開けた私の背中を突き飛ばし、私は資料室内に転がり倒れる。そのまま彼は鍵を閉めた、その大きなシルエット。逆光の中での赤い髪は……。

「あ……」
「向島先生おはようございます、早朝からお仕事ご苦労様でーす」
「真崎……」
「あっ、僕の名前覚えてくれたんですね! 嬉しいなあ」

 真崎祥吾と二人きりになった資料室。窓から差し込む淡い日差しに、満面の笑みで真崎は私の両手を床に押さえつけた。

「痛……っ、やめてくれないか?」
「やめろやめろも好きなうちですよね」
「相手の感情の相違を確かめることも必要だと思うけれど」
「なるほど、僕は先生と仲良くなりたいんです」
「勉強以外で相談があるなら然るべきところに」
「先生は個人的に相談には乗ってくれないんですか?」
「あいにくそう言う余裕はないんだ」

 そう答えたのにも関わらず、真崎は私の手を離さない。体格差諸々により、私は真崎には力では勝てなかった。資料室は人通りの少ない場所にあるため、大声を出しても聞き取ってもらえる自信はない。

 一層の力を込めて真崎が手を押さえつけるから、必死の思いで真崎を蹴り飛ばす。床に転がった彼から素早く離れて、本棚にぶつかりながら立ち上がった。

「乱暴なことはしたくない、もうこう言うことはやめてほしい」
「痛いなぁ……冷たいの」

 途端に冷めた顔をした真崎は、静かにドアの鍵を開けてあっさりと室内から出て行った。去り際に小さな声で呟く。

「……あきらめないからね」

 午前八時のチャイムが鳴る。会議はもう始まっていると言うのに、私はしばらくその場から動くことができなかった。
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