【R-18】呪いを解かない神官ちゃん

右折坊太郎

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呪いの発現編

4、実力

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「それじゃあ、簡単な依頼から始めてみようか」
「は、はいっ!」

 会話を終え、パーティーを組むことになったユーリとミューは、酒場を後にする。
 簡単に依頼の手続きを済ませ、外に出た。

 時刻は、朝。
 天気は良く、雨は降りそうにない。
 暖かな春風が吹き、気持ちの良い一日になる予感がしてくる。

 受けた依頼は、街の近くにある森に出た、熊の形をしたモンスター、バンディットベア一匹の討伐だった。

 農作物を嗅ぎつけたのか、農村近くに出没し、近隣住民が怯えているらしい。

 バンディットベアは、体格が大きく、凶暴ではあるが、武器を用いたスキルや魔法が使える冒険者からすれば、そこまでの脅威ではない。

 ユーリはローザから聞いていたが、ミューの実力をこの目で見てみたい意図があった。

 軽く準備を整えた二人は、農村へ向かい、情報を収集する。

 バンディットベアを見た住民から、目撃情報を聞き、該当する場所から始め、捜索した。

「――あれだね」
「……はい」

 茂みに隠れた二人は、標的を見つける。

 黒い毛皮に覆われ、頭頂部には赤いタテガミを持つ、巨体の熊がいた。

 のそのそと歩き、食べ物を探し回っている様子。

「ひとりでやれそう?」
「あ、えっと……はい」

 そう答えるミューは、少し緊張しているようだ。

「大丈夫。何かあったら、すぐ俺がフォローするよ。安心して」
「ユーリさん……。わかりました」

 酒場で見せた時と変わらない、柔らかなユーリの笑みに、ミューの緊張は解れたようだった。

 杖を強く握りしめ、あまり音を立てないよう、バンディットベアの後方30メートルほどの位置に、移動する。

 杖を掲げ、魔力で青く発光する魔法陣を浮かび上がらせた。

 バンディットベアは、背後にいるミューに気付く様子はない。

 ――そして、魔法陣が一際強く発光した瞬間。

 杖の先端から、無数の氷の杭が放たれた。

 異変を感じたのか、バンディットベアは振り返る。

 だが、高速で飛来してくる物体を避ける間すらなく、身体を貫かれた。

 飛んだ氷の杭は、槍のように鋭く、その全てが全身に命中している。

『グォォオオァアアァッーーッ!?』
 断末魔を上げ、血を噴き出しながら、その場に大きな音を出して倒れ、絶命する。

(凄いね……。魔法も素早く使えるし、攻撃魔法の制御も申し分ない。ローザさんの言う通り、腕は確かだ)

 周囲の安全を確認し、ユーリはミューに駆け寄る。

「お見事。いやぁ、大したもんだねっ!」
「は、はい……ありがとうございます」

 ミューは照れて、顔を赤くしていた。

「それじゃあ、依頼も達成したことだし、村の人達に報告へいこうか」
「……そうですね」

 こうして彼らは無事に、バンディットベアの討伐を終えた――。
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