一億回の転生者

きのっぴー♪

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第一章「『魔法少女☆マジカラ』編」

第7話(Bパート)

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現在家主の居ない、ただしの住処にて



そこではかないを除く三人全員は、アイリスの告白によって驚愕していた
「復、讐…!?」
「…それ、本当なの?」
「…………!!」
アイリスの口から出た事実はそれだけ衝撃だった模様
のぞみは思わず両手で口元を抑えゆめみは普段より一層鋭い目つきになり、いつもは無表情なかさみですらも額や身体から冷や汗をかいていた
「ど、どどどどういう事ですかアイリスさん!?」
混乱しているのかのぞみはアイリスの小さな体を両手でガッシリと掴みながら、勢い良く振り回しながら問いただす
頭をガックンガックン揺らされてる為、普通なら絶対に酔う上に動揺からかめっちゃ強く握りしめてるから割と痛い
「あだだだ痛い痛い握りながら振らないで
どうも何もAパートでのかないさんの回想そのまんまの通りッスよ、かないさんが家族居ないのもう知ってるでしょ?」
「いやそりゃ知って…って回想とか言うな!!」
そんなゆめみのツッコミは兎も角、かないの過去が深刻なのは最早アイリスの口から発せられた通りである
Aパー…いやかないの過去をあらかた話し終えたアイリスはのぞみのせいかグッタリとしながら、かなりしょぼくれた表情になっている
「まぁそんな通り元々かないさんは私が会って間もない頃は引きこもりだったんスよ、そりゃあもう今の面影も無い位には」
「にしたってあのかないが?信じられないわね…」
それもその筈、そんな様子なんて一欠片も見せる事は無かった
「そもそも、その時の事を知ってる私からすれば何であんなネタキャラじみたはっちゃけた性格になったのかが知りたい位ッスよ」
確かにそれもそうなのだが正直ネタキャラ云々はポンコツ妖精であるアイリスには誰にも言われたくは無いと思う
「…しかし、あの急な態度の変りよう
もしかしたら、本当にそれと関係あるかもッスね」
そう言いながら一人で首を傾げているアイリス、その後ろでかさみとゆめみとのぞみの三人はずっと立ち尽くしていた

「…あの」
と、ここでかさみが突然ふと手を挙げた
「どうしたんですか?かさみさん」
「言い忘れてた、事が…」
何やら気不味そうにオドオドした様子、此処まで来て何を言う気なんだろうか
「何かフラグ臭いッス…」
「アンタじゃないんだから大丈夫よ、でどうしたの?」
そして更に重要な事を発言します的なフラグを重ねだすゆめみ
「お、怒らない?」
「怒らないわよ、約束するわ」
意味の無い念押しに影でアイリスは諦めモード、のぞみもうっすらではあるが何かあると頭を抱えかけている
という事で急かすゆめみに、かさみが口を開いた
ただし、かないの昔の話…聞いてないんだよね」
回想に入るはなす前から居なくなってるし、そりゃまぁそうね」
ゆめみがうんうんと頷くとそれに続いてかさみが更に言う



ただしがかないの家に行って話してくるって、言ってた」
「…今すぐにでも連れ戻せぇぇえええええッッ!!!!」
はい、フラグ通りでした
「…だから言ったんスよ」
「もうお約束ですよねコレ」
発狂気味に叫ぶゆめみとそれに若干ビクつくかさみ、そしてその傍で呆れているアイリスとさり気なくいつも通りそこそこ辛辣なのぞみなのだった



ーーーー

そして肝心である、近所の公園では
「……は?」
予想だにしていない言葉に目を丸くするかないと、いやに不気味な雰囲気でニヤつきながら様子を伺っているただしが居た

「何、言ってんの…?」
かないの声が、同様から微かに震え始める
「何もクソも決まってんでしょ、とぼけちゃってさ
怪人退治ひとごろしを続ける気はあるのか、って話だよ」
それもその筈、中学生の女の子に問う質問とはとても思えない発言
だがしかし魔法少女となると話は別である
「もし仮にだよ?このまま魔法少女を続けるとするならお前らはまた怪人退治に明け暮れるんだろうなぁ、それが街の平和を守る方法だから
でもどこぞのチャーシュー怪人に言われたんでしょ?怪人の元は実は人間だったんだ!!…なんていう風にさぁ?」
豚の怪人だからチャーシューとかいうセンスもクソも無い渾名は兎も角として、確かにその通りではある
人が怪人だと憎たらしく言うところまでそっくりだ
「じゃあ殺すしか無いじゃないか、今のままじゃ」
ただしは耳のヘッドホンを片方抑えながら嫌らしく言い放つ
だが、しかし
(だ、誰にも言ってないのに何…で知って!?
まさか気づかないうちに、いつの間にか口から漏れてた…!?)
手を抑えながら頭の中ぐるぐると回し考え続けるかない
(それともまさか、味方に見せかけた怪人の仲間…!?)

「やっだなぁ随分と疑ってくれちゃって、こんなに親切に教えてやってんのにそんなワケないじゃん?
ただちょっとだけお節介焼きなオジサンだよぼかぁ」
「!?」
かないの思考が一瞬にして読み取られたかの様なセリフを、ただしはまるでからかっているかの如く言い放った
それによりかないからの視線には益々疑惑の気配が増してくる
(心を読まれて…いや、ブラフ…!?)
「おっとそんな睨むなよ、本当に違うんだって」
「…ふん」
そう言って奇怪なものを捉えた目で見るかないを横目に、ただしは自分は怪しくないと言わんばかりに両手を軽く振りながら話を続ける
しかしそれすらも最早わざとらしく、怪しさも大きくなるばかり
「まぁいいや、それよりも話を続けるぞ?

それでえーっと何処話したっけ…あぁそうそう、人が怪人って話だ
もしも怪人が人だって話が本当なら、そういう考え方が必要って事じゃない?」
「さっきから何を急に…!!」
次第にかないの中で段々と怒りが溜まり、イラつき始める
「犠牲と平和、優先するのははどっちかって話だよ
仮に怪人を殺さず放っておけば街は荒れるかもしれない、でも平和になるには元が人間って設定の怪人を倒さなきゃならないじゃん?」
「そ、それは」
そんなかないにただしは、まるで諭しているかの様に人差し指を目の前に立てて振りながら説明する
「それじゃあ結局お前はどっちを選ぶんだい?…って事になるよなぁ」
「ぐ…!?」
ただしが更にかないに詰め寄り、立てた人差し指でさしながらそう言い放つ
心做しかからかう様な口調で話す度にただしは一層怪しい雰囲気を増し続け、目は不気味かつ光を失いつつあるかに見える始末
「じゃあどうしろってのさ…人殺してまで戦い続けろっての?」
それでもかないは意地だからか、引く様子を見せない
「そうは言って無いだろ、どっちにするのって聞いてるだけ」
「同じでしょうが!!」
ただしの煽りに段々ヒートアップしていくかない、まるで全て思惑通りかの様に
「じゃどうするのさ、俺に当たっても原因は無くならないよ?」
「そ、それは…!!」

と、ここで少しただしが段々と強めの口調で言い返し始める
「それに『大体真実が発覚したのでじゃあハイ辞めます』だなんてマネをしようとしたのは、紛れも無くお前じゃあないの?」
「いや、だ…だからそれは!!」
感情的に話そうとするかないの声を遮ってただしは更に言い続けた
「それをあのお友達には言ったの?お前だけしか知らないんだろう?」
確かにこの事に関してはゆめみやのぞみ、ましてアイリスにすら言っていない
ただ単に自分の口から言うのを躊躇っているだけにも思えるのだが
「…………」
「それじゃあつまりお前、一人だけ勝手に逃げただけって事じゃんかよ」
辛辣もいいところ、手加減も無しに言いたい放題に伝えるただし
「ち、違っ…!!」
「同じだよ、こんなの知らなかった忘れてたで済む様な事なの?
辛辣でもまして脅迫でも何でも無い、一歩間違えれば人が死ぬんだよ?」
確かに魔法少女だからと忘れがちにはなるがそもそもの怪人は大体が人にとって脅威、襲われれば命すらも危ういものである

という感じで、何度反論しようとするも何度もあしらわれ倍に帰ってくる
それは最早かない自身にトドメを刺しに来ているようなものだ
「お前がその気じゃ無くても実際はそうなんだよ
少なくとも俺にはお前が逃げ回ってる様にしか見えないね」
まるで、いや実際に自分が人として悪であると言われているみたいな感情と思考に埋め尽くされ、かないは次第と言葉すら失った
「仲間だろ?報告位しても良いとは思うが…
別に見捨ててる訳でも無いのに、何でアイツらを突き放そうとしてんだ?」
最早話す気もなれなくなったかないは、ただただただしの話すらも霞み何をすれば良かったのかと自問自答を頭の中で繰り替した
ただただ、色々な事に後悔をしていた


「…………」
「…っと、流石に言い過ぎたかな?」
その様子をただしは頭を掻きながら、じっと見ていた
言葉から察するにただし自身もわかっていた上でかないを追い込んでいたとみて間違いは無いだろう
では一体何の理由でかないをこんな状態になるまで追い込んでいたのだろうか、何か策があってこの行動にでたのだろうか
「ちょいとイジワルしちまったかねぇ、まーそう悪く思うなよ」
まるで悪気一つ無かったかの様に、薄ら笑いを続けるただし
「……」
「なぁ聞こえてるか?おーい、もしもーし?」
既にただしの声も届かなくなり、目は死んだ様に濁り切っていた
何度起こそうとしても何も反応は無く息をしてるのかと思ってしまう程、それ程までには生気が感じられない
「ふぅむ……」

と、ここでただしが次の手に出た
「…そういえば、お前が辞めたらアイツらはどうなるんだろうねぇ?」
「…………!!」
微かにかないが反応しピクリと動く
実に、実に何ともいやらしい…もとい嫌がらせの様な気の引き方だ
「お前が抜ければ二人だけでしょ?かさみもまた変身出来るかも分からない
となると、またいつもみたいに戦い続けられるとは思えないけど?」
ため息混じりに言うただし、三人で戦ってきたからこそ尚更このままかない抜きで戦うのはとてもじゃないが難しいだろう
「そのうちお前みたいに怪人の正体に気づくかもしれないし、そもそもお前が居なくなった時点で士気はダダ下がりだろうね
そんな状態で戦えば…そりゃあ誰にだって負けると思うよ?」
「…………」
あの豚みたいな怪人はただ吹っ飛ばされただけ、まだ倒されてはいない
今かないが言わずともまたあの怪人がやってきた場合、今度は他の全員に知れ渡る可能性だって大いにある
そうでなくてもあの狡猾さ、かさみが居てもまた勝てるかどうか

その時、ただしの口元がほんの僅かに歪んだ
「本っ当に考え無しだったんだなお前」
「………っ…」
かないが下唇を軽く噛みながらも意識を戻しまた悔しがりつつある
それに感づいたただしは歪んだ口を即座に戻して、また話を続けた
「まぁそのままずっと不貞腐れてんなら良いよそのまんまでさ、お前が良いなら俺も関わる気も無いだろうしねぇ」
何かを仕掛けてくる気配が嫌な位にプンプンとしている
では満身創痍のかないに今度は一体、何を仕掛けてくる気だというのか
それは正に
「まぁそうだな、そうなったらどうせ…



…お前の両親の末路みたいには、なるだろうね」
「――――ッ」
所謂『逆鱗』だった
本当に何を考えているのか、あろう事かかないにとって一番言ってはいけない事を最悪の形かつ最悪の状況で口にしてしまったのだ
「いやぁもっと酷いかもねぇ?
散々いたぶられて虐められた上に、やっと殺されるって状況もーーーー」
それでも尚悪気を見せずお気楽そうに言い続けるただし
当然の事ではあるのだがそんな行動をした奴を目の前にした子供の行動は、至ってシンプルかつ決まっている
「…いい加減にしろよお前」
当然、怒りのままに動くものだ
かないは有無を言わさず強引にただしの胸倉を勢いよく掴み、今にも殴りかかりそうな気迫で声を荒げながら睨む
「何処まで人を貶せば気が済むんだよ、言っていい事悪い事があるだろ!!
幾ら恩人でも、仲間に酷い事したら…!!」
「仲間?見捨てたんじゃ無かったっけか?」
「ッお前ぇ!!」
ただしの余計な一言にも思える返答に、遂に拳を顔に目掛けて放つかない

だが、その拳が当たる前に即座にただしはかないの腕を片手でしっかりと掴み余裕気に止めてみせた
「おおっと危ないねぇ…急にキレるなよ、本当の事だろ全部
というかそもそも追い返したのはお前さんだろ?」
「んのッ…!!」
それでも強引に腕ごとねじ込もうとするかない、だが幾ら力を入れようと一ミリも動く気配がしない
「ふん、ぐ…!!」
「動かないよそんな程度じゃ、いつまで経ってもさ」
プルプルと震える腕を尚強く抑え込むただし
魔法少女になってもいないのとかなり疲労した精神状態からか、次第にかないの腕は力を無くしてしまう
「…ぁ、……ょ」
「あ?」
そして、かないの口から微かに声が漏れた
「じゃあ、どうすれば良いんだよ…」
その声は泣きじゃくった様な震え切った、悲しみ怯えた声であった
「確かにそうしなきゃ街は守れないよ
でも、どうしてもやらなきゃって思う度に…パパとママが死んだ時の事を思い出すんだよ」
かないから出た言葉、それは昔に経験した悪夢の事である
「怪人は憎いよ、殺したい位憎かったよ
でももし怪人が人だったなら、私がやってきた事は…私のパパを、ママを殺した奴らと同じ事だって事でしょ…?」
消え入る様なか細い声
いつの間にかかないの目には大粒の涙が溢れ、零れ落ちていく
「じゃあ…じゃあ、一体どうすれば良いんだよ!!
怪人を倒せなかったらアイリス達を守れない!!でも怪人も倒せない!!
こんなのどうしたって選べる訳無いでしょうが!!!!」
その言葉はまるでかないの心の底からの悲鳴にも聞こえた
どちらを選んでも自分が不幸な結果にしか起こり得ない、そう悟ったただ一人の少女の悲痛な叫びだった

ジャドーからの言葉が例え確証の無い事だろうがかないにとっては信じられない真実を目の前に突き付けられた様なもの、加えて心辺りがちらほらと浮かぶ記憶の中の怪人の様子がかないを陥れたのである
一度信じ…そして同時に混乱してしまった人間には例え信頼出来る人だろうと容易には踏み込めない、嘘と勝手に断言し処理されてしまうからだ
ましてそれが本人にとって最も大切な事となると…
「ふぅ…ふぅ…!!」
そりゃあ、ここまで荒れるというものだ
「…さっきから好き勝手言って余計な口挟んでくる部外者のお前に、一体私の何が分かるっていうんだよ!!
何も分からないくせに、何も経験した事のないくせに!!」
「…………」
その上ここまで煽られればこうも激怒はするだろう、まして実際にただしは魔法少女にとって部外者も同じだ
例えかない達の命の恩人だろうが、本人が魔法少女と同じ様に怪人から街を守る気がない以上そこは変わる事は無い
「経験ねぇ…ま、お前が良いんなら良いんじゃない?
今みたいにそうやって押し付けて、挙句過去のせいにして逃げ回れば」
「うるさい、うるさいうるさい!!」
最早ここまでやってしまったのだ、余計に聞く耳なんか無い
傍から見ればただ悪化しただけだ
「そうだなぁ、経験…経験ねぇ」
「今度は何が言いたいのよ…!!」
既にただしに映るかないの目は親の仇そのものと謙遜が無い、本当にそうであるかの如き殺気立った眼光である
すると今度はただしがある一言を呟いた
「あー…そんじゃお前さー、もしだよ?



俺が本当に、…としたらどうする?」
「は?」
かないの目が、復讐のそれから驚愕した様な丸い目に変わる
「…あぁ悪い例えだったな、少し話変えるわ」
「いやちょっ、アンタ今の…」
意味深に間を開けてから話を変えると言い出すただしの様子を見て、瞬時にも殺気が急激に失せてしまうかない
(まさか…私と同じ、なら何で…!?)
まるで何か自分と同じ事を隠していたと感じたのか、少しだけ感じ取れた感情は同情や哀れみのそれだった
「…んじゃ、話を続けるぞー?」
だがそれを無かったかの様にただしは気を取り直して、さっきのおちょくった様な顔に戻して喋り始めた

「ま、確かに俺は部外者以外の何物じゃないなぁ、別にこの街を誠心誠意守ってる訳で無いし偶の怪人退治もハッキリ言って気まぐれよぉ」
ただしは自分が町やかない達とは何の関りも無いと言うかの如く両手を頭の後ろに置いて暢気そうに言った
「でも俺はお前らの心配して言ってるんだぜ?
何も貶しに来た訳じゃないんだって、ただの忠告もといアドバイス」
そう弁解しているただしだが、正直説得力が欠片も無い
「何、今更言い訳?あれだけ言いたい放題言っておいて…!!」
またもかないが拳を振りあげようとする、するとただしがすぐに止めろとでも言いたげに半歩だけ足を引いた
それでも何処か余裕そうなのはただの雰囲気かわざとやっているのか
「待った待った!!本当だって悪かったって、真面目な話よコレ」
そう言って頭のヘッドホンの位置をほんのちょっとだけ治すと、ただしはさっきまでの不気味な空気を取り払う様に明るく喋り出した
「…分かったわ、ただしまた同じ事でも言ったら引っぱたくから」
「わぁおっそろしい…まー話は続けさせてもらうけどねぇ」
かないはゆっくりと腕を下ろしため息を吐く
と言ってもあれだけやったのだ、まだまだ殺気立って睨む目はt辞める気配こそ無いし下手すればまたすぐにでも殴りかかってきそうな勢いだ
それを見てただしは一回だけ、軽く深呼吸をしてまた話しだした

「…ま、本当に真面目な話をするとな?
さっきみたいに引き篭ってもどの道アイツら死ぬだろーし、かと言ってお前がこのままの調子でやっても失敗するのが見えてる」
さっきも言った通り、もし引き篭れば言い方こそ悪いがただしの煽った通り魔法少女は全員倒れてしまうかもしれないだろう
かと言って今出ても怪人が人に見えてしまい殺す…もとい倒す事もままならない
「じゃあどうすれば…!!」
「まーまーそう焦らない、何も方法はそれだけじゃないんだって」
急かすかないを落ち着かせながらもただしは言う
「方、法?」
「あぁ、しっごーく簡っ単な話さ」
至極簡単であると言い切る、がかないには何の事やらさっぱりだった
その様子を尻目にただしはアドバイスみたくかるーく答えを促す
「怪人が人だから倒したく無いんでしょ?」
「う、うん」
「でも怪人は暴れるから倒さないといけない」
「うん」

「はい間違いどす」
「えっ!?」
バッサリと言い切るただし、益々こんがらがってくるかない
「つまーり、怪人イコール人間なんでしょ?って事はそんじょそこらの悪酔いしてる酔っ払いの強化バージョンみたいなモンでしょ」
(いや、その言い方はどうなのかなー…)
例え的に今までやってきた事が馬鹿らしく見えてきて何か結構複雑な気持ちのかないだが、ここまで言われてもまだ分からないっぽい
そこで、遂に痺れを切らしたただしが大ヒントを出した
「あー、ところで…君のお父さんの職業は何かな?
その職の人が暴れてる酔っ払いに、対処してる事ってのは分かる?」
「うーん…」
読者の皆は分かっただろうか、コレが一番のヒントである
かないの父親は警察官…つまり暴動を起こした奴に警察がする事とは

「…あ、拘束?」
「あぁまぁ合ってるけど…正確には『取り押さえ』だな」
そう、つまりは怪人を敢えてという事である
「犯罪者を殺さないと街が壊滅、でも人は容易に殺せない…コレは日本の警察でもフツーに言える事だよな?
じゃ警察と同じく現行犯逮捕の真似事すりゃ良いって事」
ドロドローンはスライム状ではあるものの要は魔力で出来た生命体、魔法ならば拘束し一先ず行動を抑える事は可能かもしれない
「成程…これなら確かに、倒さずに…!!」
自分の悩みに対しての光明が見え、いつの間にか怒りは何処へやらと段々笑みを浮かべつつあるかない
と思いきや、すぐにまた少し疑問はが浮かんだ
「…アレ?じゃ捕まえた後どうすんの、怪人って確か街の魔力で自然発生するからほぼ無尽蔵に増殖するんじゃなかったっけ?」
無尽蔵かは語られては居なかったがまぁ確かに街から魔力が溢れ、その魔力で怪人が発生する筈である
じゃあ一体それはどうするのか、とただしに聞いてみれば
「あぁ、それは当然…
…高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応する的な感じです」
「おいコラ待てや」
つまり全く考えてなかったって事です、はい
「テメェ散々こっちの事弄りながら意味深な雰囲気醸し出しといてソレってタチの悪い悪ふざけも大概にしろよこの野郎!!
コッチがローテンションだからって好き放題言いやがって!!」
「あぁうんそれは俺が悪かった悪かったって頭揺らすな酔う気持ち悪くなるゴメンゴメンすいませんっした」
再びヤンキーみたく胸倉を強く掴み、ガクンガクンとただしをまるで腹いせかの様に揺らしまくる
「お前マジで殴ったろか!!」
「まぁまぁ、でもちゃんとやれる事はあったじゃないか」
首をガクガクさせられつつただしはかないの肩をポンと叩き落ち着かせようとする
「あ…」
かないの手が離れ、少しだけ足を引いた
今までが大分おかしなテンションというか感情の振れ幅が大きかったせいか、一度落ち着くとまるで借りた猫みたく静かになる
そして離れた手は徐に自然と、自分の胸にいく
(そうか…怪人が人だったとしても、まだ私達が出来る事はあるんだ

…それもお父さんと同じの、私が昔憧れてた方法で!!)
するとただしが何を思ったのか急にかないに向かって軽く頭を下げた
と、その時だった
「ま、お前らを貶したのは流石に悪かったよ…お礼に何かさせてくれない?
…と思ったが、もう先客が居るみたいだな」
「え?」
かないがただしがふと唐突に指さした方向に振り向くと、そこには何故かあの四人が既に到着していた
恐らくだが先に行ってしまったただしへの説教もとい制止にと向かったところ、かないの姿が見えたので来たようである
「かない!!」
「み、皆!?何で此処に…」
かないが何故此処に居るのかと問う間も無く、ゆめみはズンズンと零距離にまで近づきかないの両肩をがっしりと掴む
「大丈夫!?何かされてない!?頭大丈夫!?」
「何もされてないし最後どういう意mみみみみみみみッ!?」
「いやアンタが一旦落ち着いてくださいゆめみさんかないさんが大丈夫じゃない事になってるッス!!」
そして先程のかないみたく動揺しまくった挙句にゆめみはかないの顔をガックンガックンと揺らしまくった
当本人のかないは勿論頭を揺らされて酔っている、というかほぼリバース直前にまでいってる
「気は確かですかかないさん!?」
「それ聞く相手違う、というか言葉が違う…オェェッ」
それに続いてのぞみも介抱しようとかないに近づくのだが、こちらもテンパっているのか言葉を明らかに間違えている
恐らく大丈夫ですかと言いたいのだろう…いや普通に丁度今ゆめみが言った言葉そのまんまなんですけれども
「かない、大丈夫?」
「あぁうん大丈夫だよかさみちゃnヴォエェッ!!」
「全っ然無事に見えないんスけれども」
遂に胃液を吐くかないにさり気なく背中を擦るアイリス、そして完全にパニック状態に陥ってる馬鹿二人に尚直立してるかさみ
あ、結果的にかないはアイリスが介抱する羽目になりました

「そ、そんで結局何しに来たのさ…うぷっ」
吐き気を何とかギリギリのところで口を抑えて持ち堪えながらも、そろそろと何故か此処に来ていたゆめみ達四人に聞いてみた
「えっえーと、それはその…」
ただしさんが先走ってアンタんとこに行ったからシバきに来たのよ」
(絶対に無理だろそれ)
のぞみが未だに軽く混乱しているところを見かねてかやっと何とか平常心を取り戻したゆめみが事の事情を簡潔に説明する
それをかないは呼吸を戻しながら、落ち着いた様子で聞いていた
「…というかかないさん、平気なんですか?」
と、そこにゆめみと同じく平静を保ちつつあるのぞみが疑問を投げかける
「うん?何が平気…って、あぁ」
「前はかなりその、落ち込んでいたので…何かあったのかなと」
前に見たかないの荒れた姿とはまた別の今の冷静な姿を頭の中で照らし合わせ、どう見ても何かあったと考えたのだ
「やっぱりあんのド変態男が何かやらかして…!!」
「ストップ!!ゆめみさん落ち着いて、まだ決まったわけじゃないから!!」
「いやアイリスもまだって言うな、まだって
というか別に心配しなくても特にそこまでされたワケじゃあ…」
アイリスと一緒にまた暴走しかけるゆめみを止めようとするかない
だがここで、さっきの散々なただしの行動がフラッシュバック
「された、ワケじゃあ…」
先程のシリアスな怒りこそ無いものの、かないの心の奥底からふつふつと強い感情の様な何かが湧き上がってくる
するとどうなるかというと

かない自身も、シラを切る
「…あぁうんそうだね結構されたね、危うく本気で魔法少女辞めかけたね!!」
「かないさん!?」
止めに入ろうとしたのが一瞬見えたアイリスが「えっ!?」とでも驚いて叫びそうな表情をしながら振り返る
が本人であるかないは何食わぬ顔素知らぬ顔でサラッと吹き込んだ、いや確かにコレに関しては色々酷い事されちゃってたが
「やっぱり…ちょっとあの不審者殴ってくる」
「ちょっと待ってそれ無理、返り討ちに遭うッスから!?」
(ゆめみさん、結局かないさんを心配しているのに口に出しちゃってるんですけど良いんでしょうか?)
勿論素直にも即信じるゆめみ
「OK、私もやるわ」
「アンタまで悪乗りすると収集着かなくなるからやめい!!」
当然の如くそれに乗っかろうとするかない
そして、ふとさっきまでただしが立っていた場所へと振り返り目を向けた
「てなワケでぇ…大人しく私達にボコられろォいッ!!



…って、ありゃ?」
だが、そこには既にただしの姿は見当たらなかった
「…どうしたのよかない?」
「いや、さっきまでそこにただしさんが…」
確かにちょっと前まで此処で自分と立っていた筈なのにいつの間にか気配すら感じさせぬまま痕跡すら残さずに消えてしまった
そう思っていながらかないは、不安げな顔で辺りを見探す
ただしさんッスか?いや居なかったッスけど」
「…居なかった」
だが、そんなかないの言動にアイリスとかさみは見ていないと断言した
「え、そんな筈は…」
確かについさっきまでそこに居た筈のただしは影一つ無い
「その口振りからするとさっきまで此処に居た様ね」
「そうですね、もう何処かに行ってしまったみたいですけど…」
まるでアイリス達が来た時から居なかったみたいな言い方
いやそんな筈は無い、アイリスが来ているのを見つけたその直前までそこに居て話していたのだから
だからこそ、少なくとも姿を見ていない筈は無いのだ
(いつの間に…何処に行ったんだろ?)
そう考えるかないに、アイリスが質問を投げかける
「…で、かないさん結局何で落ち込んでたんスか?
あんなに落ち込んでるの最初に会った時以来だったッスよ」
まぁそりゃ聞くというか何というか、事の始まりもとい原因を問うアイリスにその時かないに注目を集めた魔法少女+α
「あ、あぁうんその事…ね
…まぁ絶対に話さなきゃいけないだろうし、分かったよ」
「………?」

かないも丁度良いと思い、一先ずただしの行き先等の事を考えるのを一旦止めて目の前の四人に話そうとした

ーーーー

「…という訳だよ、それでちょっとその…塞ぎこんじゃってね、ゴメン」
所々どもり度々俯きながらも何とか告白したかないの話に対し、予想外にも大きいものであったのか暗い面持ちになる面々
「それはまた…随分とデカい爆弾だことね」
「…幾ら何でも、そんな事って」
まぁこの問題自体がかないだけにしか影響がない訳じゃない
魔法少女と言っても彼女らも所詮人間、それも花の女子ともなるとどれだけ冷酷になろうとしたって人殺しと思えば躊躇うものだ
「…………」
重い空気の今の三人を、かないはただ見守る様に遠くに立つ
「…その話、非常に悪いんスけれども」
そしてアイリスがその話の真意を知っているかの様な雰囲気で三人の間に入り、ある事を口に出した
「それはッスね…



…思いっきりデマッスねソレ」
いやほんっとぉーにシリアスな空気のトコロ悪いんスけれども、マジで」
「「「えっ」」」
そう、雰囲気を本当にぶち壊すかの様な否定を
「嘘って、事…?」
「そッスね、いやぁだってそんな事例聞いた事も無いッスし…
というかそもそも怪人の正体って、『人間の悪感情が魔力で形作られた的な不思議生命体』って結論が出てまスし」
「おまっ、折角の良い感じのシリアスを…
っちょっとて待て今何て言った」
アイリスがさり気もなく知っているテイで話す新事実に、まるで素早く二度身をするかの如く鋭く迫り問いただそうとする
「あ、アレ?言って無かったでしたっけ
怪人は悪魔王が人間の悪感情を利用して作った魔力体の生物だって…
…言ってなかったッス、言ったつもりって怖いッスねホント」
「おいコラ待てや」
全く言った覚えが無い、少なくとも人間の悪感情自体が素体になった生物なんてこの小説内でも言っては居ないだろう
まぁつまりこの一連、どういう事だったかというと
「え?事は何、怪人=人間って線は?」
「無いです」
「じゃああの怪人…らしい豚の未確認生物の言ってた事は?」
「嘘ッスね、恐らくトドメついでにその場でテキトーにぶっこいたッスね」
「つまり?」
「つまり…

私の伝え忘れって事ッスね、メンゴっ☆」
「天誅じゃオルァアッッ!!!!」
「めそッッ!!!?」
ただの味方同士による空回りだったという事である
ウザったらしい顔と共にかないによって見事軽快に空高くにまで何故か近くにあった木製バットによってぶっ叩かれたアイリス
「はぁ…本当、さっきまでの私の葛藤何だったんだよ」
かないはアイリスをぶっ飛ばした後に手で顔を隠しながらその場でしゃがみ込み落ち込んでしまう
「まぁかないが馬鹿なのはいつもの事として」
「そこまでは言ってねーよ喧嘩売ってんのか!!」
心配損だと分かったばかりにゆめみはかないをいつもの調子で煽りだし、またかないも同じく激高する…勿論いつもの軽い感じで
「まぁまぁ…でも、何にせよ間違いで良かったです!!
てっきりわたしはかないさんがその…居なくなっちゃうのかと」
「そ、それは…まぁ」
「良いっちゃあ…良かった、わね」
確かにアイリスの報告ミスには相変わらずではあったし、ただしの煽りにも腹は立っただろうが気鬱だったのは良かった
まぁ怪人の生まれ方に人間が関係していて、しかも人間そのものではないにしろ意思のある感情を相手にはしているのだが
だがそれでも、少しだけ心持ちは軽くなった
「ゆめみちゃぁーん、やっぱり素直じゃあないなぁー」
「うっさい!!誰がアンタの心配なんか…」
「でもゆめみさん、かないさんをずっと心配してて…」
「ぬぁあああデジャヴぅぅうううう!!」
またもやのぞみからの暴露に身悶えするゆめみとそれを指さして笑ってるかない、後天然でか何で悶えてるのか理解すらしてないのぞみ
…まぁ簡単に言えば、いつも通りの光景である
「でもなーんだ…何かと思えば全然大した事じゃなかったッスね」
「お前後でリンチな」
「ふぇッ!?」
ふぇっじゃないのである、至極当然なのである
まぁアイリスの後始末の事については一旦置いておくとして、一先ずは今回の話の一つとしては…

「…一見、落着?」
と言ったところだろうかーーーー










ーーあぁ、コッチは順調だ

お前もどうせまた出刃亀してたんだろ?俺があぁやってた時…というよりその後もずーっとか、どうせお前の事だから
見てた通り上手くいってたし何も心配無かったでしょ?

そうでしょーね、
あんなモン見抜けない方が可笑しいだろ、わざわざ調べる無いわボケ
アレの言う敵が言ってた奴の嘘も最初から分かってたしアレがそこそこ精神的に病んでたのも丸わかりだったしねぇ

…あん?
最初から全部知ってたって?そりゃそうだろ
あ、何?『じゃあ何でこの世界の主人公が病んでんのを理解した上であんなに悪堕ちするギリギリのレベルまで追い込んだのか』って?
やっだなぁ…いっくら馬鹿でも神様ならとっくに分かってんでしょお?俺が考える事なんてさぁ
直接伝えないと分かんない位ボケたか?






《第八話に続く》
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