11 / 44
りんご農園
しおりを挟む
「お待たせしました。お兄様じゃなく私に用って…?」
「まぁ座ってよ」
ルーク様は我が物顔でソファーに座ってるけど、ここ私の家だからね。
「この間のピクニックは楽しかったね」
「はい! また行きたいです。それで…どうされたんですか?」
質問には答えずメイドに頼んでお茶を淹れてもらい、優雅に飲んで……いや、ここ私の家だからね。大事なことだから2回言っちゃったよ。
「そんな急かさなくてもいいじゃないか。それよりエレナはりんごが好きなの?」
「そうですけど…」
「うちの公爵領はりんご農園がたくさんあるんだ。もぎたてのりんご、食べたくない?」
それは…なんて魅力的な話なのっ! 前世は特段りんごが好きというわけじゃなかった。でも風邪をひいた時にすりおろしりんごをねだったらすごく懐かしい気持ちが広がって、それからりんごを食べると心がぽかぽかするから大好きになったの。
「ふっ。気になるみたいだね。もうすぐ収穫期に入るから視察を兼ねて一緒に行こう」
「本当ですかっ!? りんご、楽しみですっ! えっと…今日はその誘いに来てくださったのですか?」
「まぁね。ライナスには内緒だよ」
内緒は……難しいんじゃないかな。私も嘘が下手だし。
「もちろん僕も行くよ」
!?
「はぁぁ。来るの早すぎだよライナス」
実は元々お兄様と約束していたようで、その後2人は剣術がどうとか、今こういう勉強をしていてとか、最終的にはりんごのメニューをどれだけ知っているかとか、私を蚊帳の外にして話をしだしたので、仲良いなぁってぼーっとしていたらいつの間にか寝てしまっていた。
どこでも寝るねって言われたのは前世だったか今世だったか…それにしてもわずか数秒しかお兄様に内緒にできなかったな。
*
*
*
*
*
「孤児院…?」
「そう。ここは孤児院がやってるりんご農園で、僕は去年から数回ここに来ているけど、収穫期に来るのは初めてなんだ」
「私もお兄様と領内の孤児院に行ったことがあるんですけど…」
「全然違うね」
うちの侯爵領内の孤児院だって別に悪いところはない。清潔にしてあるし、3食問題なく食べているみたいだし、みんな仲が良くて楽しそうにしていた。
「12歳になったら孤児院から出なければならないし、困らないようこのりんご農園や他にも仕事を覚える場を設けているんだ」
「そうなんですね」
確かうちの領も12歳って聞いた気がする。小学校卒業と同時に社会に放り出されるって…いくら前世より早熟な世界とはいえ何も持ってない状況って不安よね。
「お兄様…」
「うん。帰ったらお父様に相談してみよう」
まぁ貴族の私達も前世と比べ物にならないくらい幼いうちから大人な対応を求められるし…私は大人だった記憶があるからだけど、小学生が孤児院の子供達の将来を考えるって思うと変な感じね。
「それじゃあ向かおうか」
孤児院の裏にあるりんご農園は思っていたより大きくなかったけど、他にも色々育てているようだった。
こうやって仕事を手伝っているのは10歳から12歳の私より少し年上の子供たちが中心のよう。よかった…もっと小さい頃から働かなきゃいけないとかじゃなくて。
「あっ、ルーク様だ!」
「ほんとだっ」
「ルーク様~」
「一緒にいるのって誰だろ?」
「お友達かな?」
お兄様やルーク様よりも背の高い子が近付いてきて、こうやってみると2人はまだまだ子供なんだなぁと、それなのにしっかりしていて偉いなぁなんてしみじみと思ってしまう。
ルーク様が私達をみんなに紹介し、私は今からりんごの収穫へ向かう女の子に教えてもらいながらりんご狩りへ行くことに。まぁ、収穫なんだけどね? もちろんちゃんとするけど、いちご狩りが楽しかった記憶のある私の気分は、りんご狩りなの。
「エレナ様、食べてみますか?」
「いいの? ありがとう」
いくつか収穫した後、味に問題がなくてもキズがあって出荷は難しいであろうりんごを手渡してくれた。
ん~。甘くて美味しい。もぎたてだからとってもジューシー。
「可愛い…」
「えっ?」
「いえっ。美味しいですか?」
「とっても! いつものより甘い気がするわ」
他にも出荷できないりんごを使って夕食を作るから、ぜひ食べていってほしいと言われお言葉に甘えることに。
「私、もうすぐここを出て、りんご農園をやっている老夫婦のところでお世話になるんです。今よりもっと大きな農園で、今から楽しみで…でもきっとエレナ様にはもう会えないですよね?」
「そんなことないわ! 必ず会いに行くって約束する」
ありがとうございますと涙を流しながら喜んでくれた彼女を見て、自領の孤児院へもっと行こうって思えた。それにどこかよそよそしい貴族令嬢達よりちゃんと友達になれそうだし、気を張らずにいれるこの場所は落ち着くしね。
「楽しんでるみたいだね」
「ルーク様っ!」
収穫の途中でルーク様は責任者の方と出荷先、数や価格の相談に行ってしまわれ、勉強のためとお兄様も同席していた。だから私は孤児院のみんなと夕食の準備をしていたのだけど…。
「何を作っているの?」
「りんごのクッキーです。実はさっき昨日作った物を1枚頂いて、とっても美味しかったので作り方を教わっていたんです」
こりゃ侯爵家のデザートに出ないはずだわって納得するほどシンプルな見た目だけど、知ってしまったからには明日から作ってもらうつもり。
「お兄様とルーク様も一緒にどうですか?」
「いいよ。何をすればいい?」
「僕も手伝うよ」
みんなで作ったクッキーは他のどの料理よりも美味しく感じたし、何よりすっごく楽しかった。普段料理なんてしないから余計にそう思ったのかもしれないけど…。
今度はニーナ様もお誘いして、またみんなで作りたいな。
「まぁ座ってよ」
ルーク様は我が物顔でソファーに座ってるけど、ここ私の家だからね。
「この間のピクニックは楽しかったね」
「はい! また行きたいです。それで…どうされたんですか?」
質問には答えずメイドに頼んでお茶を淹れてもらい、優雅に飲んで……いや、ここ私の家だからね。大事なことだから2回言っちゃったよ。
「そんな急かさなくてもいいじゃないか。それよりエレナはりんごが好きなの?」
「そうですけど…」
「うちの公爵領はりんご農園がたくさんあるんだ。もぎたてのりんご、食べたくない?」
それは…なんて魅力的な話なのっ! 前世は特段りんごが好きというわけじゃなかった。でも風邪をひいた時にすりおろしりんごをねだったらすごく懐かしい気持ちが広がって、それからりんごを食べると心がぽかぽかするから大好きになったの。
「ふっ。気になるみたいだね。もうすぐ収穫期に入るから視察を兼ねて一緒に行こう」
「本当ですかっ!? りんご、楽しみですっ! えっと…今日はその誘いに来てくださったのですか?」
「まぁね。ライナスには内緒だよ」
内緒は……難しいんじゃないかな。私も嘘が下手だし。
「もちろん僕も行くよ」
!?
「はぁぁ。来るの早すぎだよライナス」
実は元々お兄様と約束していたようで、その後2人は剣術がどうとか、今こういう勉強をしていてとか、最終的にはりんごのメニューをどれだけ知っているかとか、私を蚊帳の外にして話をしだしたので、仲良いなぁってぼーっとしていたらいつの間にか寝てしまっていた。
どこでも寝るねって言われたのは前世だったか今世だったか…それにしてもわずか数秒しかお兄様に内緒にできなかったな。
*
*
*
*
*
「孤児院…?」
「そう。ここは孤児院がやってるりんご農園で、僕は去年から数回ここに来ているけど、収穫期に来るのは初めてなんだ」
「私もお兄様と領内の孤児院に行ったことがあるんですけど…」
「全然違うね」
うちの侯爵領内の孤児院だって別に悪いところはない。清潔にしてあるし、3食問題なく食べているみたいだし、みんな仲が良くて楽しそうにしていた。
「12歳になったら孤児院から出なければならないし、困らないようこのりんご農園や他にも仕事を覚える場を設けているんだ」
「そうなんですね」
確かうちの領も12歳って聞いた気がする。小学校卒業と同時に社会に放り出されるって…いくら前世より早熟な世界とはいえ何も持ってない状況って不安よね。
「お兄様…」
「うん。帰ったらお父様に相談してみよう」
まぁ貴族の私達も前世と比べ物にならないくらい幼いうちから大人な対応を求められるし…私は大人だった記憶があるからだけど、小学生が孤児院の子供達の将来を考えるって思うと変な感じね。
「それじゃあ向かおうか」
孤児院の裏にあるりんご農園は思っていたより大きくなかったけど、他にも色々育てているようだった。
こうやって仕事を手伝っているのは10歳から12歳の私より少し年上の子供たちが中心のよう。よかった…もっと小さい頃から働かなきゃいけないとかじゃなくて。
「あっ、ルーク様だ!」
「ほんとだっ」
「ルーク様~」
「一緒にいるのって誰だろ?」
「お友達かな?」
お兄様やルーク様よりも背の高い子が近付いてきて、こうやってみると2人はまだまだ子供なんだなぁと、それなのにしっかりしていて偉いなぁなんてしみじみと思ってしまう。
ルーク様が私達をみんなに紹介し、私は今からりんごの収穫へ向かう女の子に教えてもらいながらりんご狩りへ行くことに。まぁ、収穫なんだけどね? もちろんちゃんとするけど、いちご狩りが楽しかった記憶のある私の気分は、りんご狩りなの。
「エレナ様、食べてみますか?」
「いいの? ありがとう」
いくつか収穫した後、味に問題がなくてもキズがあって出荷は難しいであろうりんごを手渡してくれた。
ん~。甘くて美味しい。もぎたてだからとってもジューシー。
「可愛い…」
「えっ?」
「いえっ。美味しいですか?」
「とっても! いつものより甘い気がするわ」
他にも出荷できないりんごを使って夕食を作るから、ぜひ食べていってほしいと言われお言葉に甘えることに。
「私、もうすぐここを出て、りんご農園をやっている老夫婦のところでお世話になるんです。今よりもっと大きな農園で、今から楽しみで…でもきっとエレナ様にはもう会えないですよね?」
「そんなことないわ! 必ず会いに行くって約束する」
ありがとうございますと涙を流しながら喜んでくれた彼女を見て、自領の孤児院へもっと行こうって思えた。それにどこかよそよそしい貴族令嬢達よりちゃんと友達になれそうだし、気を張らずにいれるこの場所は落ち着くしね。
「楽しんでるみたいだね」
「ルーク様っ!」
収穫の途中でルーク様は責任者の方と出荷先、数や価格の相談に行ってしまわれ、勉強のためとお兄様も同席していた。だから私は孤児院のみんなと夕食の準備をしていたのだけど…。
「何を作っているの?」
「りんごのクッキーです。実はさっき昨日作った物を1枚頂いて、とっても美味しかったので作り方を教わっていたんです」
こりゃ侯爵家のデザートに出ないはずだわって納得するほどシンプルな見た目だけど、知ってしまったからには明日から作ってもらうつもり。
「お兄様とルーク様も一緒にどうですか?」
「いいよ。何をすればいい?」
「僕も手伝うよ」
みんなで作ったクッキーは他のどの料理よりも美味しく感じたし、何よりすっごく楽しかった。普段料理なんてしないから余計にそう思ったのかもしれないけど…。
今度はニーナ様もお誘いして、またみんなで作りたいな。
56
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は反省しない!
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢リディス・アマリア・フォンテーヌは18歳の時に婚約者である王太子に婚約破棄を告げられる。その後馬車が事故に遭い、気づいたら神様を名乗る少年に16歳まで時を戻されていた。
性格を変えてまで王太子に気に入られようとは思わない。同じことを繰り返すのも馬鹿らしい。それならいっそ魔界で頂点に君臨し全ての国を支配下に置くというのが、良いかもしれない。リディスは決意する。魔界の皇子を私の美貌で虜にしてやろうと。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……
もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
カーラは小国モルガン王国の王女だ。でも、小国なので何かと大変だ。今国は北の大国ノース帝国と組んだ宰相に牛耳られており、カーラは宰相の息子のベンヤミンと婚約させられそうになっていた。そんな時に傷ついた子犬のころちゃんを拾う王女。
王女はころちゃんに癒やされるのだ。そんな時にいきなりいなくなるころちゃん。王女は必死に探すが見つからない。
王女の危機にさっそうと現れる白い騎士。でもその正体は……
もふもふされる子犬のころちゃんと王女の物語、どうぞお楽しみ下さい。
折角転生したのに、婚約者が好きすぎて困ります!
たぬきち25番
恋愛
ある日私は乙女ゲームのヒロインのライバル令嬢キャメロンとして転生していた。
なんと私は最推しのディラン王子の婚約者として転生したのだ!!
幸せすぎる~~~♡
たとえ振られる運命だとしてもディラン様の笑顔のためにライバル令嬢頑張ります!!
※主人公は婚約者が好きすぎる残念女子です。
※気分転換に笑って頂けたら嬉しく思います。
短めのお話なので毎日更新
※糖度高めなので胸やけにご注意下さい。
※少しだけ塩分も含まれる箇所がございます。
《大変イチャイチャラブラブしてます!! 激甘、溺愛です!! お気を付け下さい!!》
※他サイト様にも公開始めました!
実家を追い出され、薬草売りをして糊口をしのいでいた私は、薬草摘みが趣味の公爵様に見初められ、毎日二人でハーブティーを楽しんでいます
さら
恋愛
実家を追い出され、わずかな薬草を売って糊口をしのいでいた私。
生きるだけで精一杯だったはずが――ある日、薬草摘みが趣味という変わり者の公爵様に出会ってしまいました。
「君の草は、人を救う力を持っている」
そう言って見初められた私は、公爵様の屋敷で毎日一緒に薬草を摘み、ハーブティーを淹れる日々を送ることに。
不思議と気持ちが通じ合い、いつしか心も温められていく……。
華やかな社交界も、危険な戦いもないけれど、
薬草の香りに包まれて、ゆるやかに育まれるふたりの時間。
町の人々や子どもたちとの出会いを重ね、気づけば「薬草師リオナ」の名は、遠い土地へと広がっていき――。
追放令嬢の発酵工房 ~味覚を失った氷の辺境伯様が、私の『味噌スープ』で魔力回復(と溺愛)を始めました~
メルファン
恋愛
「貴様のような『腐敗令嬢』は王都に不要だ!」
公爵令嬢アリアは、前世の記憶を活かした「発酵・醸造」だけが生きがいの、少し変わった令嬢でした。 しかし、その趣味を「酸っぱい匂いだ」と婚約者の王太子殿下に忌避され、卒業パーティーの場で、派手な「聖女」を隣に置いた彼から婚約破棄と「北の辺境」への追放を言い渡されてしまいます。
「(北の辺境……! なんて素晴らしい響きでしょう!)」
王都の軟水と生ぬるい気候に満足できなかったアリアにとって、厳しい寒さとミネラル豊富な硬水が手に入る辺境は、むしろ最高の『仕込み』ができる夢の土地。 愛する『麹菌』だけをドレスに忍ばせ、彼女は喜んで追放を受け入れます。
辺境の廃墟でさっそく「発酵生活」を始めたアリア。 三週間かけて仕込んだ『味噌もどき』で「命のスープ」を味わっていると、氷のように美しい、しかし「生」の活力を一切感じさせない謎の男性と出会います。
「それを……私に、飲ませろ」
彼こそが、領地を守る呪いの代償で「味覚」を失い、生きる気力も魔力も枯渇しかけていた「氷の辺境伯」カシウスでした。
アリアのスープを一口飲んだ瞬間、カシウスの舌に、失われたはずの「味」が蘇ります。 「味が、する……!」 それは、彼の枯渇した魔力を湧き上がらせる、唯一の「命の味」でした。
「頼む、君の作ったあの『茶色いスープ』がないと、私は戦えない。君ごと私の城に来てくれ」
「腐敗」と捨てられた令嬢の地味な才能が、最強の辺境伯の「生きる意味」となる。 一方、アリアという「本物の活力源」を失った王都では、謎の「気力減退病」が蔓延し始めており……?
追放令嬢が、発酵と菌への愛だけで、氷の辺境伯様の胃袋と魔力(と心)を掴み取り、溺愛されるまでを描く、大逆転・発酵グルメロマンス!
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる