推しの悪役令嬢を幸せにします!

みかん桜

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思いが通じる日

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 王都の公園の中にある温室サロン。

 ここは2年前にルーク様からバラの花束を頂いた場所。ちょっとムッとしてしまう事もあったけど幸せな気持ちになったこの場所に、もう一度来たいと思っていた。……ルーク様と行っておいでと誰一人付き合ってくれなかったけど。


 そんな場所で、今日、ルーク様から101本のバラの花束を頂いた。


 あれ? コレ夢かな?


 今日は人生初の告白をするつもりだった…よね?

 目の前に片膝ついてる王子様がいるんですけど。

「エレナ。その…返事を貰えないだろうか…?」
「あっ! えっと。その。はい。こ、こちらこそ、よろしくお願いします?」

 慌ててバラの花束を受け取った。お、重っ。

「そこ疑問なんだ」
「ち、違うんです! 私も今日、ルーク様に思いを伝えようと思っていたので…告白する前に両思い、みたいな? 夢かな? みたいな…私何言ってるんだろう」

 落ち着くためにも温室内にあるソファーに横並びで座り、バラの花束も横に置かせてもらう。

「エレナの気持ちを聞かせてほしい」
「えっ!」

 で、ですよねぇ…。断られることはないと分かっていても、一度話の腰を折られ、好きって伝える勇気が戻ってこない。

「す…」
「…す?」
「す、す、……好き、です」
「うん。俺も好き」

 あ、はい。ルーク様、なんか甘くない? 何その笑顔…アイドルかよ。そもそも101本のバラって…意味知ってるんだよね? 愛されすぎだろ私。やばっ、こんなのニヤニヤしちゃうわ。

「私も、残りの人生をルーク様と共に過ごしたいと思ってました。だから、ずっとルーク様の婚約者の存在が気になっていて…」

 『好き』って直接的な言葉じゃなければ言える謎。

「エレナだよ。俺の婚約者」
「はい。婚約者にしてほしいです」
「じゃなくて。もう6年になるかな? 俺の婚約者はずっとエレナだよ」

 ………は? 聞いてないんですけど。

「みんな知ってるよ」
「みんなって、みんなですか?」
「オリヴィエ公爵家嫡男とマーリン侯爵令嬢の婚約だからね。貴族で知らない人の方が少ないんじゃないかな」

 そう言って私の抱きしめながら頭を撫でるルーク様。ふわふわした髪が可愛いって、ずっと触っていられるよ。じゃないよ。

「なんで教えてくださらなかったんですか!?」

 悩んでた日々はなんだったんだ…。

「うーん、言ったよ? 婚約してすぐの頃にね。ただ…エレナはニーナ嬢を見るのに必死だったから聞いてなかったのかもね」
「っ!!」

 私かー!

 いや待て待て、私が推し活命だって知っているくせに、タイミング悪すぎじゃない? ジト目でルーク様を見るも…。

「可愛い」

 う、嬉しいけど! 嬉しいけどさ。

「真っ赤だ。あー、可愛い。ごめんね? 婚約者だから良い関係を築くんじゃなく、俺自身を好きになった上で婚約したいと思ってほしかったんだ」
「やっぱり隠してたんじゃないですか」
「伝えたのは本当だよ? エレナが聞いていないから、俺のことを好きになるまで教えないでおこうと周りに口止めはしたけど」
「もうっ!」

 ポカポカとルーク様の胸を叩いて抗議するも、それすら嬉しいって顔で見つめられると…もう何も言えないじゃんか。

 2年前、私がサナさんの助言が嫌だと言ったから急遽告白は取りやめたけど、あの後ルーク様自身も準備が足りなかったと反省したらしい。

 次は確実に私を仕留めるため、私がルーク様を好きになってからにしようって決めてたんだって。

 私は昔から自覚なしにルーク様を好きだったらしいけど…ニーナ様が仰っていた通り、ルーク様は気付いてなかったことに驚くわ。

 私、自覚してから絶対態度に出てたし、それでバレちゃったんだろうなぁ。

 でもやっぱり、お父様もお母様もお兄様も、ニーナ様もソフィーもみーんな隠し続けるなんて酷いんじゃない? なんて考えていたら…


 ちゅっ。ちゅっ。ちゅっ。

「ル、ルーク様っ!」

 待って。幸せそうな顔をしたルーク様が顔中に口付けを落としてくるとか、心臓が破裂しそうなんですけど。 

「なに? 俺ずっと我慢してたんだけど」
「そんな事言われたって…ってちょっ、降ろしてください!」

 ドサクサに紛れてルーク様の膝の上に抱きかかえられてしまった。

「それは無理なお願いかな」
「うぅ…」
「ふっ。でも今日はここまでにしておくよ。これ以上するとエレナが茹でダコになっちゃうからね」

 なんて言ったくせに、一番長い口付けをされてしまい、完全にキャパオーバー。

 ~~~っ! もうっ! ファーストキスのロケーション、最高かよ。

 だ、だからっ! 頬を撫でないでー! よしっ、無だ。無になろう。無理だけど。



ーーーーーーーーーー
101本のバラの花束の意味:これ以上ないほど愛しています


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