高塚くんと森くん

うりぼう

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番外編

おまじないに頼るべからず

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※石野くん視点




ある日の事。
珍しく机に向かい真剣にペンを動かしている変態もとい高塚に斜め前から声をかけた。

「なにやってんの?」
「うわっ、ちょ、見ないで!」

手元を覗き込もうとしたのだが素早い動きで隠されてしまった。
気になる。

「は?見られたくねえなら学校でやんな。隠してんじゃねえよ」
「ギャーッ!ちょちょちょちょ石野くん実力行使は感心しないなボク!」
「頑張って難しい言葉使うなおばかさん」
「おばかさんだけれどもおおおちょおおッ!!!」

抗う高塚を押しのけ無理矢理に手元にあったものを奪い取る。

「なんだコレ消しゴム?」
「なんでもないなんでもないなんでもないから返してええええ!」
「なんでもねえなら騒ぐ、な……」

と、その消しゴムを見て歯切れの悪くなる口。
ついでに石化する体。

「……………………………なんだ、コレ」

まじまじとそれを見つめたっぷりたっぷり五秒以上を費やし漸く出てきた言葉。
消しゴムにはマジックででかでかと森の名前が書いてあった。

「あーもう最悪見られたら効果なくなんじゃん!!何してくれてんだよ石野ー!」
「いやいやいやお前が何してくれてんだ何消しゴムに森の名前書いてんだよ呪いかそれ?」
「ちっげーよバカッこれはおまじないだっつーの両想いになれる!」
「……」

再び時が止まる。

「……おまじない?」
「そう!好きな相手の名前書いて誰にも見せない貸さない使わせないで自分一人で使い切ったら両想いになれるんだよ!それなのにもー!」

もうバカかと。
アホかと。
大体いつの時代のおまじないだそれ何年も前のやつじゃないのか、つかそんなのが本当に効くと思っているのだろうかこのバカは。

「……バカだろお前」

やはり出てくるのはこの一言。
バカだろうというかバカだコイツ本物だ。

「バカですー!もっかい新しいの買ってこなくちゃいけねえじゃん石野のアホッ」
「アホだあ?そんなん効くと思ってるお前の方がよっっぽどアホだ」
「だって効くもん!」
「もんとか言ってんじゃねえよキモイ。つかサムイわお前何おまじないとかって。そもそもまじないって呪いとおんなじ漢字だって知ってるか?」
「えっ!?そうなの!?」
「それをお前、ちっげーよとか。ぷっ、おばかさんめ。あーさむっ。超さむっ」
「うううううるせえええ!!!」

そこでちょうど教室へ戻ってきた森。
どうせ席はこちらなのだから必要はないのだが手招き。

「お、森、早く来いよおもしれえぞこのバカ」
「はあ?」
「おおおい石野てめえええッバラすなよ!?絶っっ対バラすなよ!?」
「何騒いでんだよ、うっさいなあ」
「ああんっ森!どこ行ってたの寂しかったー!」
「うっざ」
「酷い……!」

瞬時に目を輝かせる高塚に対し、本気でうざそうな森。
少し気の毒になったがいつもの事なので放置。
席に近付いてきた森に、何気に持ったままだった消しゴムを手渡す。

瞬間、高塚が廊下にまで響く大声をあげた。

「あああああ!!森ちゃんそれ見ちゃダメ!」
「あー?」

見ちゃダメと言っても時既に遅し。
森の視線はしっかりと手の中の消しゴムに向けられていた。

「……………なんだこれ、呪い?」
「ぶはっ」

オレと同じ事を言う森に噴き出す。
やはりそう思ったか。

「おまじないだってば!」
「うっわ、おまじないとかきもい」
「ひどっ!オレの愛を……!」
「そんな愛はいらん」
「あはははははは!」

想定していたやりとりそのままを目の前で再現され、大声で笑ってしまった。

その後高塚は懲りずに消しゴムに名前を書いたらしいのだが、その都度森の鉄拳制裁を受け、一時ナリを潜めたかと思ったのだが。

「お前、今度は何企んでやがる」
「あっ、あっ、あああああ!折れちゃったじゃんか森ちゃんのバカあああ!!これで名前書けたら両想いになれたのにっシャー芯これが最後だったのにいいいっ」
「なんなくて良いっつってんだろうがああ!!」

別のおまじないとやらをやって、再び制裁を受ける高塚がいた。
ほんと懲りねえなコイツ。







end.


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