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自分でも、どうすればいいかちっともわからない。
心の中には、ソレイユ、ノクト、アレンにいますぐ助けて欲しいと思っている部分と、冷静にそれは絶対に無理だと思っている部分がある。実際、3人が助けてきてくれることはないだろう。
だって、それほどまでにさっきまでのフィンは間違いなく僕たちの仲間だったから。3人はきっと違和感すら持っていないはずだ。
「ささ、天使様。私と手を繋いでくださいませ」
フォスターは言葉の上では僕にお願いする形をとっているけど、行動は違った。僕に声をかけると同時に僕の手を取ったのだ。そして、そのまま力を入れて、僕を引きずるように歩き出す。
「フィン、ご苦労でした。私と天使様は今から教会本部に向かいます」
「わかりました。坊主を……アンジュ様をよろしくお願いします」
フィンは僕にいつもの笑みを向けて、そのまま頭を下げた。僕はそんなことして欲しいわけじゃないのに。ただ5人で一緒に暮らしたいだけなのに。
その思いは声には出せなくて、ただただ僕はフォスターに引きずられるだけ。
そのまま外で待機していた馬車に乗せられた。
その馬車は内装は豪華。でも、窓には鉄格子がはまっていて、実際は綺麗なだけの牢獄だ。
「さて、天使様。今から私たちは教会の本部に向かいます。その後のご予定も決まっておりますので、私めのいうことに従っていただけますと……。もちろん、意にそぐわない場合は拒否されても結構です」
フォスターの言葉に、僕はせめてもの反抗として反応を見せなかった。でも、フォスターはそのまま言葉を続ける。
「そういえば名乗っておりませんでしたね。私、ルネ・フォスターと申します。以後お見知り置きを、天使様」
これも無視。
どうしても反応する気になれなくて、ガン無視を貫き通す。そのうちフォスターも話すことがなくなったのか声を発さなくなって馬車の中に沈黙が降りる。
するといきなり——。
「はああああ……。かったりなあ!」
「え?」
フォスターがため息をつくと、そうつぶやいた。先ほどまでなんとか無視を貫いていたけれど、これにはついつい反応してしまう。
「誰?」
「誰も何もないだろ。さっきまでおチビと喋ってたルネ・フォスターだっつうの!」
「キャラ違いすぎない?」
「しょうがないだろ! 親が教会のトップだからって教会に入れられて、見た目通りの清廉潔白な神官様やらなきゃいけないんだから。ほんとの俺はこれ」
聞けば聞くほど清廉潔白な神官様ではないような気がするのは気のせいなんだろうか。
そんなことを思う僕をよそに、フォスターはずっと愚痴を言い続ける。
「今日もさあ、せっかく3ヶ月ぶりの休日だったっつうのに仕事に駆り出されてえ? おチビ知ってるか? 神官って激務なんだ」
「そ、それは大変」
「そうなんだよお! しかも依頼された仕事が信者からのたしかな情報があるから天使を迎えにいけぇ? ふざけてんだろ! しかも行ったら行ったでちんちくりんなおチビしかいないし! たしかに天使だけど! 連れて行ってどうすんだよ!」
「でもさっき、僕の腕掴んだし、僕に拒否権なかった……」
愚痴に適当に相槌を打ちながら話を聞く。なんだか神官も大変そうだし、僕を連れて行ったのもこの人の本意じゃなさそう。
でも、あの空間に僕の意思は関係なかった。なぜあそこまで強引に僕を連れて行ったんだろう?
「あのね、おチビ。教会も一枚岩じゃないんだよ。天使を利用したい一派と純粋にただ自由に生きて欲しい一派がいるの。で、俺の親が自由に生きてほしい派。多少強引でも早めに保護して、そのあとすぐに保護者に話をつけて、面倒ごとが少ない教会のお膝元で自由に暮らしてもらおうってことになってた。わかるか?」
「うん」
「そして、情報提供元がああいう行動するのも予想がついてた。だから、もう他の3人には話が通してある。情報提供元にそのことは話していないんだけど」
「なんで?」
「あいつは教会全部を盲信してる。だから、知らず知らずのうちに過激思想に染まってる部分があるんだ。だから、利用したい一派に利用される可能性が高い。だから言わなかった」
ふむふむ。僕の頭のスペックではイマイチ難しくて理解ができない。
「ふむ?」
「その証拠に、あの現場には利用したい一派、過激派の手の奴も何人もいた。多分フィンが利用されてる。だからおチビの話聞いている暇なかったの。オーケー?」
「おーけー……」
要するに教会内部は二つにわれていて、フォスターは安全な方の人。フィンは安全じゃない方に目をつけられていて、すでに利用されている。だから、僕保護計画を伝えなかったと。
わかるようなわからないような。
「とりあえず、フィンは別口で保護してそのうち会えるようにする。おチビが会いたいならな。んで、他の3人にはこの先すぐ会える。今別ルートで移動してるはずだからな」
「ほんと!」
「ほんとだ」
ソレイユ、ノクト、アレンに会える! それだけでややこしい話で頭がこんがらがった僕の気分は上向いた。
———————————————————————————
自分で書いておいて矛盾だらけのお話です。スルーしていただけると……。
心の中には、ソレイユ、ノクト、アレンにいますぐ助けて欲しいと思っている部分と、冷静にそれは絶対に無理だと思っている部分がある。実際、3人が助けてきてくれることはないだろう。
だって、それほどまでにさっきまでのフィンは間違いなく僕たちの仲間だったから。3人はきっと違和感すら持っていないはずだ。
「ささ、天使様。私と手を繋いでくださいませ」
フォスターは言葉の上では僕にお願いする形をとっているけど、行動は違った。僕に声をかけると同時に僕の手を取ったのだ。そして、そのまま力を入れて、僕を引きずるように歩き出す。
「フィン、ご苦労でした。私と天使様は今から教会本部に向かいます」
「わかりました。坊主を……アンジュ様をよろしくお願いします」
フィンは僕にいつもの笑みを向けて、そのまま頭を下げた。僕はそんなことして欲しいわけじゃないのに。ただ5人で一緒に暮らしたいだけなのに。
その思いは声には出せなくて、ただただ僕はフォスターに引きずられるだけ。
そのまま外で待機していた馬車に乗せられた。
その馬車は内装は豪華。でも、窓には鉄格子がはまっていて、実際は綺麗なだけの牢獄だ。
「さて、天使様。今から私たちは教会の本部に向かいます。その後のご予定も決まっておりますので、私めのいうことに従っていただけますと……。もちろん、意にそぐわない場合は拒否されても結構です」
フォスターの言葉に、僕はせめてもの反抗として反応を見せなかった。でも、フォスターはそのまま言葉を続ける。
「そういえば名乗っておりませんでしたね。私、ルネ・フォスターと申します。以後お見知り置きを、天使様」
これも無視。
どうしても反応する気になれなくて、ガン無視を貫き通す。そのうちフォスターも話すことがなくなったのか声を発さなくなって馬車の中に沈黙が降りる。
するといきなり——。
「はああああ……。かったりなあ!」
「え?」
フォスターがため息をつくと、そうつぶやいた。先ほどまでなんとか無視を貫いていたけれど、これにはついつい反応してしまう。
「誰?」
「誰も何もないだろ。さっきまでおチビと喋ってたルネ・フォスターだっつうの!」
「キャラ違いすぎない?」
「しょうがないだろ! 親が教会のトップだからって教会に入れられて、見た目通りの清廉潔白な神官様やらなきゃいけないんだから。ほんとの俺はこれ」
聞けば聞くほど清廉潔白な神官様ではないような気がするのは気のせいなんだろうか。
そんなことを思う僕をよそに、フォスターはずっと愚痴を言い続ける。
「今日もさあ、せっかく3ヶ月ぶりの休日だったっつうのに仕事に駆り出されてえ? おチビ知ってるか? 神官って激務なんだ」
「そ、それは大変」
「そうなんだよお! しかも依頼された仕事が信者からのたしかな情報があるから天使を迎えにいけぇ? ふざけてんだろ! しかも行ったら行ったでちんちくりんなおチビしかいないし! たしかに天使だけど! 連れて行ってどうすんだよ!」
「でもさっき、僕の腕掴んだし、僕に拒否権なかった……」
愚痴に適当に相槌を打ちながら話を聞く。なんだか神官も大変そうだし、僕を連れて行ったのもこの人の本意じゃなさそう。
でも、あの空間に僕の意思は関係なかった。なぜあそこまで強引に僕を連れて行ったんだろう?
「あのね、おチビ。教会も一枚岩じゃないんだよ。天使を利用したい一派と純粋にただ自由に生きて欲しい一派がいるの。で、俺の親が自由に生きてほしい派。多少強引でも早めに保護して、そのあとすぐに保護者に話をつけて、面倒ごとが少ない教会のお膝元で自由に暮らしてもらおうってことになってた。わかるか?」
「うん」
「そして、情報提供元がああいう行動するのも予想がついてた。だから、もう他の3人には話が通してある。情報提供元にそのことは話していないんだけど」
「なんで?」
「あいつは教会全部を盲信してる。だから、知らず知らずのうちに過激思想に染まってる部分があるんだ。だから、利用したい一派に利用される可能性が高い。だから言わなかった」
ふむふむ。僕の頭のスペックではイマイチ難しくて理解ができない。
「ふむ?」
「その証拠に、あの現場には利用したい一派、過激派の手の奴も何人もいた。多分フィンが利用されてる。だからおチビの話聞いている暇なかったの。オーケー?」
「おーけー……」
要するに教会内部は二つにわれていて、フォスターは安全な方の人。フィンは安全じゃない方に目をつけられていて、すでに利用されている。だから、僕保護計画を伝えなかったと。
わかるようなわからないような。
「とりあえず、フィンは別口で保護してそのうち会えるようにする。おチビが会いたいならな。んで、他の3人にはこの先すぐ会える。今別ルートで移動してるはずだからな」
「ほんと!」
「ほんとだ」
ソレイユ、ノクト、アレンに会える! それだけでややこしい話で頭がこんがらがった僕の気分は上向いた。
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自分で書いておいて矛盾だらけのお話です。スルーしていただけると……。
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