恋人がキスをしてくれなくなった話

神代天音

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おまけ その後の2人

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 ただのエロ回です。

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 誤解も解け、付き合っていた頃のようにイチャイチャしている海斗と僕。今日は2人とも大学が休校で暇だから、のんびりおうちデートをすることになった。
 おうちデート、なんて言っているが基本やることに特別感はない。みたい映画を2人で借りて、ポップコーンと飲み物を並べて、ラグでのんびり寝転がりながら見るだけ。時々イチャイチャもする。
 それで、夕方になったら早めに夕飯を食べて、そのあとはまあお察しだ。

「ずびっ、面白かったね……! 確かに全米が泣いたっていうのも頷ける」
「全米が泣いたっていうか、とにかく翠が泣いた映画だけどね」

 ちなみに、今日は海外の恋愛映画を見た。ヒロインとヒーローが周りで起こる事件に翻弄されながら、最後には心を通じ合わせる映画。
 王道と言えばそうなのだが、僕は涙脆い。もう号泣だ。一方で海斗はすんっとして僕にティッシュを渡していて、見ているこちらはつまらない。

「じゃあそろそろ早めに夕飯作るかぁ」
「涙止まったらでお願い」

 映画を見終わり感動も薄れたところで、夕食作り。

「海斗どんな感じ?」
「結構準備してあったから、あとあっためてサラダ作るくらいかな」

 こんな感じで料理は海斗が中心となって作る。基本的に2人で作る約束だけど、僕は役に立たないらしい。

「翠こっち切っ……やっぱちぎって」

 包丁を使おうにも、こんな風に止められる。今までずっとただのサラダ係から抜け出せない。
 でも、僕がいなくても海斗の料理の腕が良いので、すぐに出来上がる。……むしろ、僕がいない方が早くできる疑惑すら持ち上がっている。

 その後、できる配膳はしっかり手伝って、食事。今日はカレーにレタスの入ったサラダ。
 そして、2人で食べるときは大抵デザートにフルーツがセットだ。

「じゃしゃーん、なんと今日はさくらんぼ買ってきました!」
「よしっ! 今すぐ洗って食べよう」

 特に海斗の好きなさくらんぼがデザート。なんだか映画を見ているときより盛り上がっている気がする。
 そして、さくらんぼを食べるときお決まりの話題がある。

「ねえ、翠。スプタンになってから初めてさくらんぼ2人で食べるよね?」
「うん? たしかに?」
「まだちゃんと舌で結べるかな?」

 それはズバリ、「さくらんぼのヘタを舌で結べるのかどうか問題」だ。
 と言っても、大概変わり映えしない話題だ。海斗はキスが大好きなだけあって大抵結べる。僕は海斗に結べる自慢をされまくってキレて、練習しまくったので普通に結べるようになった。

 でも、今は舌が二股。上手く結べる気がしない。

「よし、海斗! どっちが早く結べるか勝負しよう!」

 そう言って勝負を持ちかける。
 以前の勝率は初めの方を除いて五分五分。始めた頃はやはり海斗が強かったが、今では僕だって健闘している。

「じゃあ、よーいスタート」

 そんな合図で勝負が始まる。
 ちなみにさくらんぼはこの時点で、ほぼ海斗のお腹に消えている。僕は三つしか食べられなかった。
 そんなことを考えつつ、ヘタを口に入れくるくるといじる。舌先が単純に二倍に増えたので、結構やりやすいような気がする。でも、なんだか慣れない部分もあって、ついつい声が漏れてしまう。

「……んっ、んぅ? ……ほうかぁ?こうかな?

 なんだか、自分の声が恥ずかしくて、ついつい照れ隠しで海斗を見てしまう。すると、海斗が思いの外こちらをガン見していて驚いた。

はぁにぃ?なぁに?
「……っ」

 でも、何も答えてくれない。むしろ何かと尋ねた瞬間から眉間の皺が増えた。解せぬ。
 そして、眉間に皺を寄せることに忙しいのか、海斗の口は全く動いていない。これ幸いと集中して結び、舌を出す。僕の舌の上に乗っているさくらんぼのヘタは綺麗に結ばれているはずだ。

ほうだ!どうだ!
「……」

 相変わらず無言。 
 反応がなくて面白くないので、すぐティッシュの上にヘタを吐き捨て、海斗をいじる。

「海斗さぁん? 何か喋ってくれます? 僕勝っちゃったじゃん!」
「……」

 また無言。
 
 かと思ったら。

「ひゃあ! なにすんの!?」

 徐に席を立ったと思ったら、僕を抱き上げ歩き出した。向かう方向は……寝室。

「えっ、なんで?! なんもしてないけど!?」
「……」

 まだまだ無言。そしてベットに落とされ、やっと海斗が喋り出した。

「……いつもやってる勝負なのに、今日に限ってえろい声出しだよね? しかも見せつけるように舌出して」
「いや、なんか慣れない感じだったから声漏れただけだし!? 舌に乗っけて見せるのはいつもやってるじゃん?」
「……まあ、とりあえず煽って責任は取ってもらうよ」
「へっ?」

 そんなことを言われて、あれよあれよと服を剥かれる。今日は朝っぱらから一回ヤっているから中は綺麗だけど、いくらなんでもいきなりすぎる。  

「海斗さぁん、ちょっとお話し合いしませんっ!? んぁ……ちょっ、ぁ……」

 思わずストップをかける。が、相変わらず海斗はおかまいなしに続けてくる。
 しかも、いつもよりなんだか舌が器用に動いて、僕の気持ちいいところばかりを狙ってくる。舌が二股になったから? にしても器用すぎる。

「舌、気持ち良すぎるって思ってる? なんでって? 見てて」

 海斗はそう言う。……僕の考えを読んでるなかな。
 そして、「見てて」と言った通り、どこから取り出したのかさくらんぼのヘタを口に入れる。すると口を軽く動かし、10秒後。

ほあほら

 舌の上で綺麗に結ばれたヘタを見せてくる。

「っや、はやくなぃ?」

 そう思わず聞くと、ティッシュにヘタを包み、また舌を見せてくる。
 その舌は左右別々に器用に動いている。

「これが器用な理由。翠はできないでしょ? 変なところで不器用だし」
「……う゛っ」

 ついでに盛大に煽られる。
 確かに、スプタンが安定してしばらく経った今でも、ほとんど左右別々に動かすことはできない。慣れていないのかなんなのか、無意識の時に少し動かせるだけ。
 全く言い返せない。

「まあ、翠はそのまま気持ちよくなっててよ」

 そして、またキスをされて、そのまま服を脱がされる。さらに、おまけとでもいうように胸の片側を舌の隙間で挟んで、噛んでを繰り返してくる。

「んぁ……、むねっ、だめぇ、んっ……やめてぇ、おし、りっ……やぁ」

 今までにない快感でいつもより声が出てしまう。恥ずかしい。
 そのまま翻弄されている間に、海斗は片手間に下をほぐしている。それも、前立腺ばかりを狙って。あらゆる方向から快楽が襲ってきて、休む間もない。
 でも、喘いで翻弄されているだけではなんだか嫌だ。

「えっ、翠?!」

 僕の胸を舐めることに夢中になっていた海斗の下からするりと抜け出し、横に倒して仰向けにする。そして、僕は海斗の足の間に顔を持っていき、海斗のものに舌をつけた。

「すいっ!? そこきたないっ?!」
ひょっほははっへへ!ちょっと黙ってて

 いわゆるフェラだ。
 海斗は抵抗するが、こちらがぺろりと裏筋を舐めると息を詰めて静かになる。ちょうどいいと思ってそのまま続ける。
 基本的に僕の舌は別々には動かない。でも、今まで機会をまって、魚肉ソーセージで練習してきた! なかなかに自信はある。

ひもひぃ?気持ちい?
「……っ、ぁ」

 裏筋をなめ、玉を揉み、口に入るところまで竿を入れる。そのまま出したり入れたり。噛まないように気をつけて。
 そうしながら海斗に聞いてみると、僕が入れたまま喋るのも気持ちがいいらしい。手で覆っている口から微かに声が漏れている。
 そのまま出したり入れたりを繰り返すと口の中がどんどん苦くなっていく。そろそろだろう。

「……ぁ!」

 思いっきり竿を吸うようにすると、海斗が微かな喘ぎ声をあげて、僕の口の中に出した。
 僕は全て出し終わったのを見計らって、海斗の方を見上げて口を噛むように動かす。そしてごくんっと飲み干す。

「海斗、ご馳走様」

 最後ににっこり。
 海斗は唖然として声も出ていない。さっきの仕返しができたな。そう思ったのに。

「へっ?」
「……お仕置きだね」
「あっ、あ゛ぁ?!」
 くるりと位置を変えられ、形勢逆転。海斗はそのまま思いっきりほぐしてあった僕の穴に突き立ててきた。
 声が漏れる。ゴツゴツと腰を持ちながら気持ちいところを擦られて、視界に白いものがちらつく。

「……でも、これじゃいつも通りだもんね?」
「も゛う゛、ごれい゛じょうむりぃ゛……あ゛ぁ゛」

 だと言うのに海斗はまだお仕置きがしたりないとでも言うように最奥をこねるように突き出した。

「あ゛あ゛、ひぃ゛———むりぃ゛、まっで」

 さらに強い快感が襲ってきて、声も濁る。

 どのくらいそうしていただろうか。

———ぐぽっ

「あ゛あ゛、っあ゛? な゛んかきぢゃっ゛」

 聞こえてはいけない音が最奥から聞こえて、快感とも言い難い、強烈な何かがくる感覚がする。叫んでも喚いてもどうしようもない強い快楽だ。

「あっ、はいっちゃったっ? すい、お仕置きだからがんばろうねっ」

 海斗が何か言っている声も聞こえない。ただひたすらに快楽で高いところに持ち上げられて降りてこられない。気持ちいいと言うよりも苦しい。

「ごめっ、なさ゛……っ゛、っぅ゛、ゆるし゛っで、ぁ゛、とめ゛て゛っ」
「むり、がんばろうねっ?」

 自分が何を言っているのかもわからない。ひたすらに苦しい。助けてほしい。
 そんなことを思ったのが、覚えている最後だ。






「うーん、なんかデジャヴ?」

 またもや暗い時間に目を覚ます。
 やっぱり体はさっぱりしていて、海斗が洗ってくれていることがわかる。でも、隣に海斗はいない。微かに温かいだけだ。
 どこに行ったのだろう。温もりの残る布団の隣のスペースをなんとなく撫でる。

———ガチャ

「……翠、ごめん。昨日はやりすぎた」

 そうしているうちに扉が開き、開口一番海斗が謝ってくる。

「……反省してる?」
「してます!」
「ふーん」

 べつに怒ってはない。でも、なんだかそのまま許すのも癪で、ついつい意地悪をしてしまう。
 すると海斗はオロオロして、面白い。でも、この辺にしてやろう。

「あははっ! べつに怒ってないよ? ……結構辛かったけど」
「それは本当にごめん。もうしない」

 海斗は冗談だと示してもしゅんとして、謝ってくる。さらに、もうやらない、とも。

 でもね。

「……気持ちよかったから、またやっても」
「いいの?!」
「……いいよ」

 海斗はガバッと抱きついてくる。昨日のはとてつもなく苦しかったが、気持ちよく良かった。なんだかんだ海斗が喜ぶなら良いかなと言う気持ちになる。

……その考えを後悔するまであと少し。



 



 
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