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◇6 ちゃんとドレス、入るよね……?
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「奥様、そろそろ首都に入りますよ」
馬で護衛してくれている騎士の一人が馬車に乗る私にそう声をかけてくれた。
一度馬車が停まり、話し声が聞こえてくる。そして、また馬車は動き出した。
「まぁ、奥様! 外をご覧ください!」
「……凄いね」
馬車の窓から外を覗くと、街並みが見えてきた。そして、大勢の人達も。今まで緑が多い場所にいたからか、なんだか、都会に来た感覚がする。
私のいた国は人口が少なかった。ここは人が多いし、周りの雰囲気ががらんと違う。
私、これからここで生活していくのか。じゃあ大公の屋敷ってどんな感じなんだろう。そう思うとなんだかワクワクしてきた。食事の事は抜きにして。
これから、すぐに教会の方に向かうみたいだけど、これからいきなり結婚式ってなるとだいぶ忙しくなってくる。まぁでもこれがしきたりなのだから仕方ない。何とかなるでしょ。
「さ、奥様。長旅お疲れさまでした」
「ありがとう」
馬車が止まり、差し出してくれた騎士の手を借り降りるとどデカい建物が目の前にそびえ立っていた事に気が付いた。
これは、教会というよりもはや城でしょ。少し小さいお城。世界遺産に登録されていそうなレベルだ。
こんな所で結婚式するのかぁ。まぁ王族の血が流れた人と他国の王族である私の結婚式だからこうなるか。
私の支度を手伝ってくれる使用人三人の案内で、その教会らしい建物に入り、用意されていた更衣室に連れてこられた。これからお着替えが始まる。案内されている最中に教会の内装を眺めてみたけれど、外装と同じく迫力がある。
自国とは全然違うからまじまじと見たいところではあったけれど、時間がないから仕方ない。
「時間がありませんので、さっそくご準備いたしましょう」
「うん、よろしくリーファ」
自国でしたのは採寸くらいで、最後に完成したウェディングドレスは見ていなかったけど……ここまで凄いとは思っていなかった。
マネキンに着せられていたのは、純白で、地球のウェディングドレスをもっと華やかにしたようなドレス。どんなドレスなのかデッサンを見せてもらっていたけれど、それよりも重ね布が多い。オフショルダーだから肩などの露出はあるけれど、これくらいなら私も我慢出来る。
それはいいんだけど、装飾品が多い。ティアラとネックレスとピアスは予測出来ていたけれど、ウェディングドレスにいくつもちりばめられている。しかもここに私が持ってきたサッシュもですか。
肩から反対側の腰へ斜めにかける帯ではあるけれど、腰の方には母国の王家の紋章が入った大きなブローチ。これだけでも派手だっていうのに。
とりあえず、用意されたものは仕方ない。諦めよう。それより、採寸後に太らないでくださいねと周りにだいぶ言われたので甘いものとか制限したけれど……入る? 大丈夫かな?
と、思いつつハラハラしていると……良かった、入ったぁ……!
なら甘いもの、結婚式終わったら食べていい? いいよね?
……という私の訴えに、リーファはにっこりと笑ってくれた。よし、食べよう。この国のデザートの味がどうなっているのかは分からないけれど。
着々と結婚式が行われる時間が近づいてきて、ようやくお着替えが完了した。
「では、ご案内いたします」
前世でも歩いたことのないバージンロードをまさか一人で歩かされてるとは微塵も思っていなかった。きっとこの気持ちは一生忘れない。けど、とりあえずビシッと他国の王女様らしくキメましょう。
大公夫人という大層な地位に立たされてしまったわけでもあるから、さすがに後ろ指を差されるのは勘弁したいところだ。まぁ色々あるだろうけれど大人しく過ごしてよぼよぼのおばあちゃんになるまで生きるって決めてるし。
そう気合いを入れつつも、扉が開かれ長いレッドカーペットの先に待つ旦那様の元へ、ゆっくりと足を進めた。
……ベールを被っているけれど、両脇に用意され参列している方々の視線に、ビビってしまいそう。王族だからそういうのには慣れている、はずなのに……知らない人達ばかりだからかな。
そして、その数秒後に私は驚愕してしまうのである。
「久しぶり」
「……おひさし、ぶり、です」
……何故、貴方がここに?
綺麗な赤の短髪に、輝く金色の瞳。確か、おにぎりを食べていただいた、あの幽霊さ……護衛さん、ですよね……?
もしかして、いや、もしかしなくても、あの人が……ダルナード大公殿下、ですか……
……やっば、偉い人に何て態度取っちゃったんだ、私。これから旦那様になるこの人に向かって、敬意を払わず、名乗りもせず、おにぎりを渡して、しかもお行儀の悪い食べ方もさせた……
私、なんて事しちゃったんだ。
でも……この笑顔が、非常に眩しい。怒っている風には見えないんだけど……だ、大丈夫だよね。
「おにぎり、美味しかったよ」
あ、はい、そうですか。大丈夫そうね。
「これからよろしく」
やばいな、顔が整いすぎている。笑顔の破壊力ヤバすぎる。双子達の言っていたことは本当だった。一瞬お父様に全力で感謝してしまった。
私の理想をはるかに超えたイケメンのところに嫁がせていただき誠にありがとうございます。国王陛下万歳、お父様最高。
でもまぁ、今頃泣いてるんだろうなぁ。しきたりでこっち来れなかったし。めそめそしてんな国王陛下。
とまぁ馬鹿な事はそっちに置いておいて……勇気を振り絞って誓いのキスをしてしまった。危うくブーケ落としそうになっちゃったけど。この方は背もデカいから大変だ。
「国王陛下、王妃殿下にご挨拶申し上げます。この度シャレニア王国ダルナード大公家に嫁ぎました、スイラン・ダルナードと申します」
「遠路はるばる来てくれて感謝する。長い旅路で大変だった事だろう」
「国王陛下のご配慮もあり何事もなく首都に到着する事が出来ました。感謝いたします」
「もうシャレニアのマナーが身に付いているではありませんか。今回の婚礼が決まったのは少し急だったから学べる期間が短かったでしょうに、とても素晴らしいわ」
「勿体ないお言葉でございます、王妃殿下」
最初にこの国の国王陛下にご挨拶するだろうと分かってはいたけれど、だいぶ緊張する。この会場に私の知ってる人は誰一人いなくて不安に思っている部分もあるから、それのせいもあるかも。
「これなら、貴殿も心配はいらないな、ダルナード卿」
「はい。まだ今日ちゃんと顔を合わせただけではありますが、これから仲を深めていきたい所存です」
……いや、おにぎり食べたでしょ。今日が初めてじゃないでしょ。もしかして、あれ内緒で来てた?
じゃあ、私黙ってなきゃいけない? 面倒は起こしたくないから黙ってよう。
「わざわざこんな異国の地まで来てくれたのだ、幸せにしてやりなさい」
「心得ています」
それに、こんなイケメンを愛でながら生活出来るのであれば何とかなりそうでもある。
……食事さえよければ。
馬で護衛してくれている騎士の一人が馬車に乗る私にそう声をかけてくれた。
一度馬車が停まり、話し声が聞こえてくる。そして、また馬車は動き出した。
「まぁ、奥様! 外をご覧ください!」
「……凄いね」
馬車の窓から外を覗くと、街並みが見えてきた。そして、大勢の人達も。今まで緑が多い場所にいたからか、なんだか、都会に来た感覚がする。
私のいた国は人口が少なかった。ここは人が多いし、周りの雰囲気ががらんと違う。
私、これからここで生活していくのか。じゃあ大公の屋敷ってどんな感じなんだろう。そう思うとなんだかワクワクしてきた。食事の事は抜きにして。
これから、すぐに教会の方に向かうみたいだけど、これからいきなり結婚式ってなるとだいぶ忙しくなってくる。まぁでもこれがしきたりなのだから仕方ない。何とかなるでしょ。
「さ、奥様。長旅お疲れさまでした」
「ありがとう」
馬車が止まり、差し出してくれた騎士の手を借り降りるとどデカい建物が目の前にそびえ立っていた事に気が付いた。
これは、教会というよりもはや城でしょ。少し小さいお城。世界遺産に登録されていそうなレベルだ。
こんな所で結婚式するのかぁ。まぁ王族の血が流れた人と他国の王族である私の結婚式だからこうなるか。
私の支度を手伝ってくれる使用人三人の案内で、その教会らしい建物に入り、用意されていた更衣室に連れてこられた。これからお着替えが始まる。案内されている最中に教会の内装を眺めてみたけれど、外装と同じく迫力がある。
自国とは全然違うからまじまじと見たいところではあったけれど、時間がないから仕方ない。
「時間がありませんので、さっそくご準備いたしましょう」
「うん、よろしくリーファ」
自国でしたのは採寸くらいで、最後に完成したウェディングドレスは見ていなかったけど……ここまで凄いとは思っていなかった。
マネキンに着せられていたのは、純白で、地球のウェディングドレスをもっと華やかにしたようなドレス。どんなドレスなのかデッサンを見せてもらっていたけれど、それよりも重ね布が多い。オフショルダーだから肩などの露出はあるけれど、これくらいなら私も我慢出来る。
それはいいんだけど、装飾品が多い。ティアラとネックレスとピアスは予測出来ていたけれど、ウェディングドレスにいくつもちりばめられている。しかもここに私が持ってきたサッシュもですか。
肩から反対側の腰へ斜めにかける帯ではあるけれど、腰の方には母国の王家の紋章が入った大きなブローチ。これだけでも派手だっていうのに。
とりあえず、用意されたものは仕方ない。諦めよう。それより、採寸後に太らないでくださいねと周りにだいぶ言われたので甘いものとか制限したけれど……入る? 大丈夫かな?
と、思いつつハラハラしていると……良かった、入ったぁ……!
なら甘いもの、結婚式終わったら食べていい? いいよね?
……という私の訴えに、リーファはにっこりと笑ってくれた。よし、食べよう。この国のデザートの味がどうなっているのかは分からないけれど。
着々と結婚式が行われる時間が近づいてきて、ようやくお着替えが完了した。
「では、ご案内いたします」
前世でも歩いたことのないバージンロードをまさか一人で歩かされてるとは微塵も思っていなかった。きっとこの気持ちは一生忘れない。けど、とりあえずビシッと他国の王女様らしくキメましょう。
大公夫人という大層な地位に立たされてしまったわけでもあるから、さすがに後ろ指を差されるのは勘弁したいところだ。まぁ色々あるだろうけれど大人しく過ごしてよぼよぼのおばあちゃんになるまで生きるって決めてるし。
そう気合いを入れつつも、扉が開かれ長いレッドカーペットの先に待つ旦那様の元へ、ゆっくりと足を進めた。
……ベールを被っているけれど、両脇に用意され参列している方々の視線に、ビビってしまいそう。王族だからそういうのには慣れている、はずなのに……知らない人達ばかりだからかな。
そして、その数秒後に私は驚愕してしまうのである。
「久しぶり」
「……おひさし、ぶり、です」
……何故、貴方がここに?
綺麗な赤の短髪に、輝く金色の瞳。確か、おにぎりを食べていただいた、あの幽霊さ……護衛さん、ですよね……?
もしかして、いや、もしかしなくても、あの人が……ダルナード大公殿下、ですか……
……やっば、偉い人に何て態度取っちゃったんだ、私。これから旦那様になるこの人に向かって、敬意を払わず、名乗りもせず、おにぎりを渡して、しかもお行儀の悪い食べ方もさせた……
私、なんて事しちゃったんだ。
でも……この笑顔が、非常に眩しい。怒っている風には見えないんだけど……だ、大丈夫だよね。
「おにぎり、美味しかったよ」
あ、はい、そうですか。大丈夫そうね。
「これからよろしく」
やばいな、顔が整いすぎている。笑顔の破壊力ヤバすぎる。双子達の言っていたことは本当だった。一瞬お父様に全力で感謝してしまった。
私の理想をはるかに超えたイケメンのところに嫁がせていただき誠にありがとうございます。国王陛下万歳、お父様最高。
でもまぁ、今頃泣いてるんだろうなぁ。しきたりでこっち来れなかったし。めそめそしてんな国王陛下。
とまぁ馬鹿な事はそっちに置いておいて……勇気を振り絞って誓いのキスをしてしまった。危うくブーケ落としそうになっちゃったけど。この方は背もデカいから大変だ。
「国王陛下、王妃殿下にご挨拶申し上げます。この度シャレニア王国ダルナード大公家に嫁ぎました、スイラン・ダルナードと申します」
「遠路はるばる来てくれて感謝する。長い旅路で大変だった事だろう」
「国王陛下のご配慮もあり何事もなく首都に到着する事が出来ました。感謝いたします」
「もうシャレニアのマナーが身に付いているではありませんか。今回の婚礼が決まったのは少し急だったから学べる期間が短かったでしょうに、とても素晴らしいわ」
「勿体ないお言葉でございます、王妃殿下」
最初にこの国の国王陛下にご挨拶するだろうと分かってはいたけれど、だいぶ緊張する。この会場に私の知ってる人は誰一人いなくて不安に思っている部分もあるから、それのせいもあるかも。
「これなら、貴殿も心配はいらないな、ダルナード卿」
「はい。まだ今日ちゃんと顔を合わせただけではありますが、これから仲を深めていきたい所存です」
……いや、おにぎり食べたでしょ。今日が初めてじゃないでしょ。もしかして、あれ内緒で来てた?
じゃあ、私黙ってなきゃいけない? 面倒は起こしたくないから黙ってよう。
「わざわざこんな異国の地まで来てくれたのだ、幸せにしてやりなさい」
「心得ています」
それに、こんなイケメンを愛でながら生活出来るのであれば何とかなりそうでもある。
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