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◇27 和気あいあいのお茶会
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タリス夫人のお茶会がようやく終わり安心……したいところではあるけれど、今度はもう一人の公爵夫人であるトメラス夫人とのお茶会が待ち受けている。そして今日は、トメラス夫人が招待してくださったお茶会の日だ。だいぶ緊張気味ではあるけれど、気を抜かないよう頑張ろう。
「お待ちしておりましたわ、ダルナード夫人!」
「ごきげんよう、トメラス夫人」
この方は本当にフレンドリーだ。しかも、距離が近い。いきなり腕に絡みついてくるし、話し方についても簡単に近くに入ってくるというか。
そうしてトメラス邸に入ると、最初にとても豪華なバラ園が出迎えてくれた。その奥にあった大きな噴水。そしてもっと大きなお屋敷。本当に大きく、それでいて豪華だ。王城も豪華ではあったけれど、ここも負けず劣らずと言ったところだろうか。
案内されて中に入るともっと豪華な景色が視界に広がった。レットカーペットに、大きなシャンデリア。カーテンだって、赤に金色と本当に煌びやかだ。
案内されたのは、この屋敷にある温室。今日はそこでお茶会をするらしい。
「今日はダルナード夫人がいらっしゃると聞いて皆さん楽しみにしていたようですよ。私も今か今かと楽しみにしていましたの。来てくださって本当に光栄ですわ」
「こちらこそ、招待していただけて嬉しいです」
到着した温室に入ると、とても広々とした空間が広がっていた。豪華な植物達が植えてあり、色とりどり。配置もとても素晴らしくてまるで一枚の絵を見ているようだ。
でも、確かこの植物は遠い国の天然記念植物だった気がする。こちらもそう。私でも知っている貴重な花々が集まっている。
とは言っても、管理するのが難しいような気がする。環境や一緒に植える植物など、バランスなどが難しい気もするけれど、それだけの技術を持つ優秀な庭師を雇っているという事か。
「いかがですか? 我が公爵邸自慢の温室です。実は花が好きで、色々な国から取り寄せたのですよ」
「とても素敵です。優秀な腕のいい庭師がいらっしゃるのですね」
「そうなのです。旦那様が探してくださったのですよ」
確か、この家は大富豪とも言われていたような。お金の力というのは恐ろしいわ。
そうして中に進むとテーブルと椅子が見えて、女性達が数人で談話をしていた。私達に気が付くと、嬉しそうに席を立った。
「お初にお目にかかります、ダルナード夫人!」
「お目にかかれて光栄です!」
とても元気のある方々のようだ。比較的若い方が多い。大体20代前後だろうか。確か、トメラス夫人は30代だったかな?
見たところ、会った事のない女性が何人もいる。という事は、下位貴族の方々だろうか。
「ダルナード夫人とお会いできる日をすごく楽しみにしていたのです!」
「ダルナード夫人とお話出来る機会に恵まれて幸せです!」
「私も、皆さんとお会い出来て嬉しいです」
「まぁ! そう言っていただけて嬉しいです!」
タリス夫人が主催したお茶会とだいぶ正反対に感じる。こんなに若いオーラを向けられて圧倒されそうだ。一応19歳ではあるけれど、中身は29歳。合わせて48歳。あぁ、考えたくもない……
実は中身が旦那様よりも年上……という事実は、墓場まで持っていこう……
出てきた紅茶は……あれ? 色が薄い。真っ黒じゃない。なるほど、ミセラ夫人から淹れ方を教わったのかな。
「いかがですか? こちらにいらして数日経ちましたが、お困りな事などございましたでしょうか?」
「そうですね……旦那様がよく気にかけてくださるので、そういった事はありませんよ。周りの皆様もお優しいですし」
まぁ、本当はまだいろいろと困っている事はあるけれど。紅茶とか、紅茶とか、食事とか。でも、さすがにここでは言えない。
「そうでしたか。どこかの頭のお堅い狐が夫人の頭を悩ませていないかと心配していたのですが、お尻をひっぱたかれて静かになったようですからね。さすが、かの暁明王国の元王女様ですわ」
お尻をひっぱたかれた……そこまで言うか。さすが公爵夫人だな。やっぱり、トメラス夫人とタリス夫人の仲はあまりよろしくないという事か。
そういったところがまだよく分からないから、そういった情報をもう少しもらいたいところだけれど……
「それでそれで、ダルナード夫人。わたくし、この前老化を防いでくれるお茶があるのだと噂で聞きましたの」
「……」
あの、トメラス夫人。内緒話のように耳の近くで言ってくるけれど、周りにちゃんと聞こえてますよ。皆さん聞き耳立ててるし。いや、これはわざとか。
なるほど、何となく不思議に思っていたのは、テーブルが少し小さいんだ。だから、参加している女性達との距離が近い。
「確か、アンチエイジング、だったでしょうか?」
「ルイボスティーの事でしょうか」
「はい!」
あ、はい、そうですか。皆さんの笑顔がキラキラしている……
やっぱり皆さん、美容には目がないという事か。
「妊娠中の妊婦が飲むべきとも聞きましたよ。まさか、紅茶を飲むのは危険だったなんて知りませんでした」
「実はわたくしの友人は妊婦の時匂いのせいで紅茶を飲みたくないと嘆いていたのです。ですから、お茶会などに呼ばれないよう領地に療養という事で向かったのですよ」
あれま、確かミセラ夫人も紅茶が苦手だと言っていたから、少なからず紅茶が苦手な人はいるようだ。
「今では元気な男の子を産んだ様ですけど、こちらに来る気は全くないと手紙が来て……ですが、ルイボスティーの事を教えてあげれば来てくれるかもしれませんね」
「まぁ! ならその時はまたお茶会を開きましょうかね。ダルナード夫人はいかがでしょう?」
「そうですね……予定が合えば、参加させてください」
「ありがとうございます!」
それから、ルイボスティーを購入したいという全員のお言葉に、私が対応する事になった。まぁ、タリス夫人のお茶会で参加していた夫人達にも手紙で言われているから、全員まとめてやっちゃおう。まだこのお茶は、産地の問題でシャレニアで販売するには時間がかかる。
今はまだ暁明経由にしないといけないし……
となると、まずはお父様……いや、お母様だな。お母様にもお手紙を出した方がよさそうだ。
「ふふ、王妃殿下主催のパーティーで大公閣下と夫人が一緒にいらっしゃる姿を遠目から拝見したのですが、本当に仲睦まじい様子で目が離せませんでした。私も、まだ結婚してあまり経っていませんが、あまりよい夫婦間とは言えませんの。ですから、秘訣などを教えていただけたら嬉しいです」
言われていた通り、夫婦円満の秘訣をだいぶ聞かれてしまった。答えろと言われても……役に立つようなことは全くない。
しいて言えば、以前のお茶会で王妃殿下がおっしゃっていた「隠し事をしない」ことか。あとは、なんだろう……私達に関しては全く例にならないから、どう答えたらいいものか。
「お二人は政略結婚で顔を合わせたのは数えるほどだと言うのに……夫人は我々女性達の鏡ですわ」
「今度のデートはどこに行かれるのでしょう? きっとデート先が人気スポットになることでしょうね。あっ、今お聞きしましたがお邪魔するつもりは全くございませんよ。お二人はお忙しい身でいらっしゃいますから、せっかくの夫婦の時間を台無しにしてしまうなんてありえませんわ!」
「そうですわ! ですから、新聞を楽しみにしていますの!」
……私は一体、どう言えばいいのだろうか。
「もしよろしければ、今度はお二人揃ってお茶会にご招待させてくださいな?」
「……旦那様と、相談します」
……旦那様に、なんて言おう。
時間が過ぎ、お茶会は終わりを告げた。またお会いしたいですわと何度も言われたから、また招待状が来ることだろう。
「ダルナード夫人、こちらをどうぞ」
「え?」
渡されたのは、一通の手紙。手紙のレターセットは家ごとに違うから、これはトメラス公爵家のレターセット。一体中に何が入っているのだろうか。
「ほんの気持ちですわ。きっと夫人も気に入るかと思います。お屋敷に着いてから見てくださいね」
と、言われてしまった。なんだか、恐ろしく感じるのはどうしてだろうか。
なんて思いつつ、迎えの馬車に乗り込んだ。
とりあえず、帰ってからこの手紙の中身を確認しよう。
「お待ちしておりましたわ、ダルナード夫人!」
「ごきげんよう、トメラス夫人」
この方は本当にフレンドリーだ。しかも、距離が近い。いきなり腕に絡みついてくるし、話し方についても簡単に近くに入ってくるというか。
そうしてトメラス邸に入ると、最初にとても豪華なバラ園が出迎えてくれた。その奥にあった大きな噴水。そしてもっと大きなお屋敷。本当に大きく、それでいて豪華だ。王城も豪華ではあったけれど、ここも負けず劣らずと言ったところだろうか。
案内されて中に入るともっと豪華な景色が視界に広がった。レットカーペットに、大きなシャンデリア。カーテンだって、赤に金色と本当に煌びやかだ。
案内されたのは、この屋敷にある温室。今日はそこでお茶会をするらしい。
「今日はダルナード夫人がいらっしゃると聞いて皆さん楽しみにしていたようですよ。私も今か今かと楽しみにしていましたの。来てくださって本当に光栄ですわ」
「こちらこそ、招待していただけて嬉しいです」
到着した温室に入ると、とても広々とした空間が広がっていた。豪華な植物達が植えてあり、色とりどり。配置もとても素晴らしくてまるで一枚の絵を見ているようだ。
でも、確かこの植物は遠い国の天然記念植物だった気がする。こちらもそう。私でも知っている貴重な花々が集まっている。
とは言っても、管理するのが難しいような気がする。環境や一緒に植える植物など、バランスなどが難しい気もするけれど、それだけの技術を持つ優秀な庭師を雇っているという事か。
「いかがですか? 我が公爵邸自慢の温室です。実は花が好きで、色々な国から取り寄せたのですよ」
「とても素敵です。優秀な腕のいい庭師がいらっしゃるのですね」
「そうなのです。旦那様が探してくださったのですよ」
確か、この家は大富豪とも言われていたような。お金の力というのは恐ろしいわ。
そうして中に進むとテーブルと椅子が見えて、女性達が数人で談話をしていた。私達に気が付くと、嬉しそうに席を立った。
「お初にお目にかかります、ダルナード夫人!」
「お目にかかれて光栄です!」
とても元気のある方々のようだ。比較的若い方が多い。大体20代前後だろうか。確か、トメラス夫人は30代だったかな?
見たところ、会った事のない女性が何人もいる。という事は、下位貴族の方々だろうか。
「ダルナード夫人とお会いできる日をすごく楽しみにしていたのです!」
「ダルナード夫人とお話出来る機会に恵まれて幸せです!」
「私も、皆さんとお会い出来て嬉しいです」
「まぁ! そう言っていただけて嬉しいです!」
タリス夫人が主催したお茶会とだいぶ正反対に感じる。こんなに若いオーラを向けられて圧倒されそうだ。一応19歳ではあるけれど、中身は29歳。合わせて48歳。あぁ、考えたくもない……
実は中身が旦那様よりも年上……という事実は、墓場まで持っていこう……
出てきた紅茶は……あれ? 色が薄い。真っ黒じゃない。なるほど、ミセラ夫人から淹れ方を教わったのかな。
「いかがですか? こちらにいらして数日経ちましたが、お困りな事などございましたでしょうか?」
「そうですね……旦那様がよく気にかけてくださるので、そういった事はありませんよ。周りの皆様もお優しいですし」
まぁ、本当はまだいろいろと困っている事はあるけれど。紅茶とか、紅茶とか、食事とか。でも、さすがにここでは言えない。
「そうでしたか。どこかの頭のお堅い狐が夫人の頭を悩ませていないかと心配していたのですが、お尻をひっぱたかれて静かになったようですからね。さすが、かの暁明王国の元王女様ですわ」
お尻をひっぱたかれた……そこまで言うか。さすが公爵夫人だな。やっぱり、トメラス夫人とタリス夫人の仲はあまりよろしくないという事か。
そういったところがまだよく分からないから、そういった情報をもう少しもらいたいところだけれど……
「それでそれで、ダルナード夫人。わたくし、この前老化を防いでくれるお茶があるのだと噂で聞きましたの」
「……」
あの、トメラス夫人。内緒話のように耳の近くで言ってくるけれど、周りにちゃんと聞こえてますよ。皆さん聞き耳立ててるし。いや、これはわざとか。
なるほど、何となく不思議に思っていたのは、テーブルが少し小さいんだ。だから、参加している女性達との距離が近い。
「確か、アンチエイジング、だったでしょうか?」
「ルイボスティーの事でしょうか」
「はい!」
あ、はい、そうですか。皆さんの笑顔がキラキラしている……
やっぱり皆さん、美容には目がないという事か。
「妊娠中の妊婦が飲むべきとも聞きましたよ。まさか、紅茶を飲むのは危険だったなんて知りませんでした」
「実はわたくしの友人は妊婦の時匂いのせいで紅茶を飲みたくないと嘆いていたのです。ですから、お茶会などに呼ばれないよう領地に療養という事で向かったのですよ」
あれま、確かミセラ夫人も紅茶が苦手だと言っていたから、少なからず紅茶が苦手な人はいるようだ。
「今では元気な男の子を産んだ様ですけど、こちらに来る気は全くないと手紙が来て……ですが、ルイボスティーの事を教えてあげれば来てくれるかもしれませんね」
「まぁ! ならその時はまたお茶会を開きましょうかね。ダルナード夫人はいかがでしょう?」
「そうですね……予定が合えば、参加させてください」
「ありがとうございます!」
それから、ルイボスティーを購入したいという全員のお言葉に、私が対応する事になった。まぁ、タリス夫人のお茶会で参加していた夫人達にも手紙で言われているから、全員まとめてやっちゃおう。まだこのお茶は、産地の問題でシャレニアで販売するには時間がかかる。
今はまだ暁明経由にしないといけないし……
となると、まずはお父様……いや、お母様だな。お母様にもお手紙を出した方がよさそうだ。
「ふふ、王妃殿下主催のパーティーで大公閣下と夫人が一緒にいらっしゃる姿を遠目から拝見したのですが、本当に仲睦まじい様子で目が離せませんでした。私も、まだ結婚してあまり経っていませんが、あまりよい夫婦間とは言えませんの。ですから、秘訣などを教えていただけたら嬉しいです」
言われていた通り、夫婦円満の秘訣をだいぶ聞かれてしまった。答えろと言われても……役に立つようなことは全くない。
しいて言えば、以前のお茶会で王妃殿下がおっしゃっていた「隠し事をしない」ことか。あとは、なんだろう……私達に関しては全く例にならないから、どう答えたらいいものか。
「お二人は政略結婚で顔を合わせたのは数えるほどだと言うのに……夫人は我々女性達の鏡ですわ」
「今度のデートはどこに行かれるのでしょう? きっとデート先が人気スポットになることでしょうね。あっ、今お聞きしましたがお邪魔するつもりは全くございませんよ。お二人はお忙しい身でいらっしゃいますから、せっかくの夫婦の時間を台無しにしてしまうなんてありえませんわ!」
「そうですわ! ですから、新聞を楽しみにしていますの!」
……私は一体、どう言えばいいのだろうか。
「もしよろしければ、今度はお二人揃ってお茶会にご招待させてくださいな?」
「……旦那様と、相談します」
……旦那様に、なんて言おう。
時間が過ぎ、お茶会は終わりを告げた。またお会いしたいですわと何度も言われたから、また招待状が来ることだろう。
「ダルナード夫人、こちらをどうぞ」
「え?」
渡されたのは、一通の手紙。手紙のレターセットは家ごとに違うから、これはトメラス公爵家のレターセット。一体中に何が入っているのだろうか。
「ほんの気持ちですわ。きっと夫人も気に入るかと思います。お屋敷に着いてから見てくださいね」
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