わんこな旦那様の胃袋を掴んだら、溺愛が止まらなくなりました。

楠ノ木雫

文字の大きさ
31 / 46

◇28 夜のお遊びは気をつけて

しおりを挟む

 今日貰ったトメラス夫人からのプレゼント。封筒の中に入っていたのは、封筒より一回り小さいカードだった。黒い背景に、赤色のスペードのようなマークが入っている。まるでトランプのようだ。銀色のラメが入っていて、デザインもとても繊細で綺麗。でも、一体これは何なのだろうか。


「これ、ナイトクラブの会員証じゃないか」

「ナイトクラブ?」


 帰ってきていた旦那様がそう教えてくれた。確か地球では、お酒を飲みながらダンスや音楽を楽しむ場所じゃなかったっけ。へぇ、この世界にもクラブってあるんだ。


「主に貴族が利用するバーみたいなものだよ。とは言っても、身分を隠す人もいるけどね。あそこじゃ悪~いうわさ話とかが飛び交うんだよ。貴族なんて悪い話大好きだしね」


 なるほど、悪い噂をするにはここがぴったりという事か。社交界では言えない事とかはここで話すという事ね。


「会員制なんですよね?」

「そう。ナイトクラブを管理しているトメラス夫人が選んだ者達のみがメンバーになれるんだ。あんな情報収集に適したシステムなんだ、皆参加したがるでしょ」


 なるほど……確かにそうかも。悪い噂って言うと、何だか恐ろしい噂ばかりのような気もするけれど、私も気になるな。


「けれど、そんな場に何人も参加させたら問題事も起こる。だから会員制なんだ。とは言ってもそれでも酒が入るから問題事が起こる事はあるだろうけれど、スタッフは全員が腕の立つ警備員みたいなやつららしいんだ。それを知ってて騒ぎを起こすなんてことしないでしょ?」

「なる、ほど……さすが公爵夫人ですね」


 ちゃんと管理しているようだから、安全ではあるようだ。なら、行っても大丈夫かな?

 でも、どうして夫人は私にこれを渡しのだろうか。紅茶のお礼? それとも、大公妃殿下である私と仲良くなりたいから? まぁよく分らないけれど、行けば分かるよね。


「行くの?」

「行きますよ。せっかく会員にしてくださったのですから。もし面白そうなうわさがあったらすぐに伝えますね」

「ふぅん……まぁ、スイランはお酒強いけどさぁ……そこ、言ってみれば酔っ払い共のたまり場だよ?」

「大丈夫ですよ。手紙には、トメラス夫人が案内してくれるみたいですから」

「……」


 この会員証は私のみが使える。だから旦那様は私と一緒には入れないのだ。そんな不機嫌そうな顔をされても私は何も出来ませんよ。

 さっき旦那様が言った通り私はお酒には強い。黒歴史ではあるのだが、私の16の成人式。儀式後に行われる宴会で私は用意されていた暁明シァミン王国で製造しているお酒を全部飲んでしまったのだ。まぁ、お爺ちゃんたちもたらふく飲んだが、私が一番多く飲んだと思う。たるいくつぶんだったのかは忘れたが。

 暁明シァミン王国で製造されているお酒は日本酒みたいな味をしていて、どれも度数がお高めだ。それなのに私はあれだけ飲んでもケロッとしていたことにお母様は危機感を感じたらしい。

 だって、前世ぶりにお酒が飲めたんだから羽目を外すに決まってる。16年ぶり? いやぁ本当に美味しかった。

 まぁこの話は私からは話していないから、きっとリーファだろうな。果たしてどこまで言ったのか気になるところではあるけれど。


「会員証を持っているのはスイランだけだから俺行けないし……使用人も入れないし……ちょっと心配なんだけど」


 そう言って後ろから捕まえられてしまう。私がナイトクラブに行く事は旦那様にとっては面白くないらしい。でも、せっかく貰ったんだから行きたいし。それに、どうして私にこれを渡したのかも気になるし。


「大丈夫ですよ」

「行くの?」

「はい」

「ふ~ん」


 ……その返事、いやな予感がするのだが。



 そうして数日後、ナイトクラブに行く日となった。

 ナイトクラブとあって、時間は夕方だ。いつもと違う、暗いダークブルーのドレスに着替えて、そして髪はウィッグでピンクの髪を隠しオレンジの色に変えた。変装だなんて初めてだから、ちょっとわくわくしそう。


「私だって分かる?」

「瞳の色で分かるかもしれませんが、行き先が薄暗いようですから近くまでいかないと分からないと思いますよ」


 鏡を覗いてみても、確かに近くじゃないと分からないかもしれない。と、思っていたら鏡に入ってきた人が一人。そして、後ろから抱きしめてくる。


「俺なら匂いで分かるよ」

「匂いがかげるくらいの位置まで他人を入れるつもりはありませんよ」

「それなら安心」


 というか、ちょっときつい香水つけていても旦那様なら分かっちゃうかもしれない。

 ダルナード大公家の家紋が刻まれていない馬車に乗り、向かった先は、劇場だ。トメラス公爵家が経営している、首都で一番大きな劇場である。とても人気があってチケットを取るのは大変なんだそうだ。

 さすがトメラス公爵家、といったところだろうか。とても建物が大きく、そして派手だ。その建物に入っていくお客様は、装いからして貴族が大半だ。劇場はお金持ちの娯楽、というわけではないけれど、ここは貴族専用といってもいいくらいの金額といったところか。

 トメラス夫人が手紙で伝えてきたとおりに、劇場に入り受付に。そこでチケットを出すのだけれど、出したチケットの下にもう一枚封筒を重ねる。それを確認すると、劇場のスタッフが案内してくれた。


「お待ちしていましたわ、ダルナード夫人」

「ごきげんよう、トメラス夫人」


 会場に向かう廊下を外れ、とある扉まで到着するとトメラス夫人が見えた。私を見つけて駆け寄ってきてくれて、挨拶をするとすぐに腕に絡みついてきた。こんなにスキンシップが大胆だと、何も言えなくなる。とりあえず、旦那様には言わなくていいだろう。相手は女性だし。

 そして、夫人からとあるものを手渡された。それは、白い仮面だ。今日は身分を隠しての参加となるためこれを用意してくれたそうだ。付けて差し上げます、とトメラス夫人が付けてくれた。

 長いレットカーペットの廊下を進み、大きな扉に辿り着く。脇に二人のスタッフがいて、トメラス夫人が目くばせすると静かに扉を開いていた。その奥は少し薄暗い空間に見えた。

 何人もの人たちの声が聞こえてくる。とても楽しそうだ。お酒を飲む場所だから分かるけれど……本当にホストクラブみたいな感じがする。前世では一回も行ったことがないけれど、雰囲気とか、イメージとかがそれっぽい。

 赤を基調とした部屋で、ソファーの席がいくつも並んでいる。大きく長い赤いレースのカーテンが天井から垂れていてテーブルを仕切っているようだ。


「いかがです?」

「新鮮ですね。皆さん楽しそうです」


 そう言いながら歩きつつも周りを見渡す。大体15人~20人くらいだろうか。男性と女性どちらもいるけれど、どちらかといえば女性が多いか。まぁ、噂好きなのは女性の方が多いという事か。私のように仮面をしている人はぱらぱらといる。あとは、パーティーなどで見た事がある人が何人か。

 広い席に辿り着き、どうぞ座ってくださいと座らせてくれた。とってもゆったりとしていて、ソファーも座り心地がいい。


「何かお飲みになりますか? お酒は?」

「お酒は遠慮しますね。旦那様に怒られてしまうので」

「あら、そうなのですか。それでも構いませんよ」


 彼女は、ふふっと笑いつつも席に来ていた男性スタッフにグレープジュースを二つと伝えていた。

 周りはだいぶ楽しそうだけれど、一体どんな話をしているのだろうかと気になったけれど……耳を澄ませずとも聞こえてくる。



「聞きました? 紅茶に含まれているカフェイン、摂りすぎは身体に悪いんですって」

「わたくしも聞きました。ミセラ夫人のブティックに行った時に出していただいた紅茶は本当に美味しくて……だから最近は紅茶の茶葉を少なくしましたの。スプーン1杯でいいらしいのでそうしてみたのですが、とても美味しかったですわ。美味しく頂けるのでしたらいいですわよね」

「わたくし、聞きましたの。ダルナード夫人ってお胸が大きいでしょう? 体型もスラッとしていらっしゃるし。その理由はカフェインを適度に摂っているからだったんですって」

「まぁ! では私も気を付けなければいけませんね、ふふ」



 あぁ……そういう話か。なるほど、そういう話はさすがに社交界じゃ出来ないわ。だからここでするって事ね。

 というより、多分それはお母様の遺伝だと思います。はい。まぁ、健康になる事は大切だろうけれども。



「ダルナード卿って、そういう女性がタイプだったのね? 全く女性に振り向かなかったのはそのせいだったのかしら」

「意外でしたわ~」



 旦那様、言われてますよ。

 今日、言われたこととか全部話してねって本人に言われたけど……これは絶対言えない。



「ルイボスティーが妊婦に良いんですって。しかも、老化を防いで肌をよくするんだとか」

「そうそう、ですから私もどこで手に入れればいいのか探しているのよ。やっぱり、ダルナード夫人にお聞きした方がいいのかしら?」

「そうねぇ、でもお会いするタイミングがないから……」



 やっぱり、皆ルイボスティーが気になる様だ。まぁ、女性には嬉しい効果ばかりだからそうなるか。



「最近旦那様と夜の営みがご無沙汰だから、ルイボスティーを飲めば誘ってくれるかしら?」

「あらそうなの?」

「えぇ、でもこちらから誘うのもちょっとねぇ……しゅうとめにはにらまれるわで困ってるのよぉ」



 ……そういうのもあるんだ。というか、全部ルイボスティーで解決なんてしようとしないでほしい。

 けど、先ほどからトメラス夫人楽しそうにクスクス笑っているのだが。もしかして、これを見越して連れてきたとか?

 なんてことは聞けず、持ってきてくれた飲み物で彼女と乾杯をした。


「ここは、非公式の小さなパーティーと言いましょうか。ですから社交界では出回らないような話題も出てくるのです。例えば……愛人の話とか、おいたをした貴族の話、あとは……夫婦のベッド事情、とか」

「……なるほど」


 最後の例えを耳元でささやかないでください。わざとでしょ。

 まぁ、貴族達が喜びそうで外じゃ出来ない話ばかりということか。ここにタリス夫人がいたら多分怒り狂っていることだろう。貴族という自覚はないのですか! と。

 ここのシステムを教えてくれたけれど、旦那様から教えてもらった通りだった。もちろんセキュリティもしっかりしているようだ。この世界にセキュリティという言葉はないけれど。



「お前のところ、大丈夫か? ダルナード夫人が紅茶の飲み方で《茶葉はスプーン1杯》って言っちまったからな」

「あぁ、そうそうそれだよ。ちょうど困っててさ。これから茶葉の需要じゅようが減ってくるんじゃないかって懸念けねんしているんだ。しかも今度は新しい茶葉と来た。もうこっちは冷や冷やだよ」



 そんな声も聞こえてきた。

 紅茶の需要が減る。今まで茶葉を一度に大量に入れていたのだから、そうなるのは分かってる。けど、確かに茶葉製造の業者は困るだろうな。まぁ、分かっていた事ではあるけれど。



「ティーセットだって、新しいふた付きのティーポットが暁明の方で発売されてただでさえ売り上げが減ってるっていうのに、困ったもんだな」

「相手は大公妃殿下なんだ、仕方ないだろ。他の事業も視野に入れるのをお勧めしとくよ」

「そう言われてもなぁ……」



 それに、食事の香辛料だって減らそうと考えている。香辛料の摂りすぎだって身体に悪いんだから。けれど、減らせば需要が減るのは当たり前だ。需要が減ったことにより困る人達だって増える。

 トメラス夫人と楽しく劇場などの話をしつつも、その事しか頭になかった。

 茶葉に、ティーポットに、香辛料。香辛料は、シャレニア王国が大陸一の生産量をほこってるけれど……どうしたものか。

 ずっと、その事ばかり考えていた。


 けれど……


「見つけた」


 劇場に戻り、観客に紛れて外に出るあたりで、後ろから流れるように手を握られた。隣に立ち、私の歩く速度に合わせて歩く彼は、見なくても分かる。この声、そして大きな手は、私の旦那様だ。

 ほらね、と言っているような顔をしてくるあたり、きっと出かける前の事を言ってるんだと思う。匂いで私が見つけられるって言ってたっけ。

 でも、さ……それより、長い金髪ですか。まぁ、旦那様も変装しなくちゃ浮気してるって周りが思っちゃうだろうし、変装は賢明けんめいだろうけど……後ろに束ねた金髪が似合ってるな。明るいところでちゃんと見たいかも。


「近づけさせないんじゃなかったっけ?」

「……旦那様の職業はなんでしたっけ」


 さすがにこの国の騎士団長総括様の気配は無理でしょ。それなのに気配消して近づいてくるなんて……意地悪か、これ。


「ははっ、ごめんごめん」

「……」

「そんな顔も可愛いけれど、俺としては君の笑ってる顔の方が好きだな。だから機嫌きげん直して?」


 機嫌を直して、と言われても……機嫌が悪いわけじゃない。それより、気になっていることが一つ。

 変装中ではあるけれど、君、ですか。

 いつも、スイランって何度も何度も呼ばれていたからだろうか。君、と呼ばれると……なんだか寂しい気分になる。

 だからだろうか。彼と繋ぐ手に少し力が入ってしまったのは。


 ようやく劇場から出ると、馬車をすぐに見つけ乗り込むことが出来た。


「スイラン」


 座った瞬間、私の方に手を伸ばしオレンジのかつらを取った。押さえていたピンなども外され、隠していたピンクの髪が垂れた。

 押さえつけられていたから、だいぶうねっちゃってる。


「やっぱり、俺はいつもの可愛いスイランがいいな」


 そう言いつつ、キスをしてきた。


「いつもと違うスイランもたまにはいいけどね」


 満面の笑みを見せる旦那様。けれど……私も、旦那様の髪に手を伸ばした。金髪のかつらを、何とか外すといつもの赤い髪が現れた。

 やっぱり、私はこっちがいい。そう思ってしまい、無意識に旦那様の頬を撫でていた。


「こっちがいい?」

「……はい」

「そっか。嬉しい」


 私も、いつもの私が好きだと言ってくれて、とても嬉しいです。

 さっきまで変装していたから変な気分になっていたけれど、旦那様に「スイラン」と呼ばれるだけで、安心してしまう。

 それだけ、旦那様の近くが心地いい、という事なんだと思う。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ストーカーに狙われたので歳上騎士様に護衛をお願いしました。

ねーさん
恋愛
 「氷の彫刻」と呼ばれる美貌の兄を持つ公爵令嬢のクラリッサは不審な視線に悩まされていた。  卒業を二日後に控えた朝、教室のクラリッサの机に置かれた一通の偏執狂者からの手紙。  親友イブを通じてイブの婚約者、近衛騎士団第四分団員のジョーンズに相談すると、第四分団長ネイトがクラリッサのパートナーとして卒業パーティーに出席してくれる事になって─── 〈注〉 このお話は「婚約者が記憶喪失になりました。」と「元騎士の歳上公爵様がまさかの××でした!?」の続編になります。

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

乙女ゲームに転生するつもりが神々の悪戯で牧場生活ゲームに転生したので満喫することにします

森 湖春
恋愛
長年の夢である世界旅行に出掛けた叔父から、寂れた牧場を譲り受けた少女、イーヴィン。 彼女は畑を耕す最中、うっかり破壊途中の岩に頭を打って倒れた。 そして、彼女は気付くーーここが、『ハーモニーハーベスト』という牧場生活シミュレーションゲームの世界だということを。自分が、転生者だということも。 どうやら、神々の悪戯で転生を失敗したらしい。最近流行りの乙女ゲームの悪役令嬢に転生出来なかったのは残念だけれど、これはこれで悪くない。 近くの村には婿候補がいるし、乙女ゲームと言えなくもない。ならば、楽しもうじゃないか。 婿候補は獣医、大工、異国の王子様。 うっかりしてたら男主人公の嫁候補と婿候補が結婚してしまうのに、女神と妖精のフォローで微妙チートな少女は牧場ライフ満喫中! 同居中の過保護な妖精の目を掻い潜り、果たして彼女は誰を婿にするのか⁈ 神々の悪戯から始まる、まったり牧場恋愛物語。 ※この作品は『小説家になろう』様にも掲載しています。

【完結】後宮の片隅にいた王女を拾いましたが、才女すぎて妃にしたくなりました

藤原遊
恋愛
【溺愛・成長・政略・糖度高め】 ※ヒーロー目線で進んでいきます。 王位継承権を放棄し、外交を司る第六王子ユーリ・サファイア・アレスト。 ある日、後宮の片隅でひっそりと暮らす少女――カティア・アゲート・アレストに出会う。 不遇の生まれながらも聡明で健気な少女を、ユーリは自らの正妃候補として引き取る決断を下す。 才能を開花させ成長していくカティア。 そして、次第に彼女を「妹」としてではなく「たった一人の妃」として深く愛していくユーリ。 立場も政略も超えた二人の絆が、やがて王宮の静かな波紋を生んでいく──。 「私はもう一人ではありませんわ、ユーリ」 「これからも、私の隣には君がいる」 甘く静かな後宮成長溺愛物語、ここに開幕。

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

転生貧乏令嬢メイドは見なかった!

seo
恋愛
 血筋だけ特殊なファニー・イエッセル・クリスタラーは、名前や身元を偽りメイド業に勤しんでいた。何もないただ広いだけの領地はそれだけでお金がかかり、古い屋敷も修繕費がいくらあっても足りない。  いつものようにお茶会の給仕に携わった彼女は、令息たちの会話に耳を疑う。ある女性を誰が口説き落とせるかの賭けをしていた。その対象は彼女だった。絶対こいつらに関わらない。そんな決意は虚しく、親しくなれるように手筈を整えろと脅され断りきれなかった。抵抗はしたものの身分の壁は高く、メイドとしても令嬢としても賭けの舞台に上がることに。  これは前世の記憶を持つ貧乏な令嬢が、見なかったことにしたかったのに巻き込まれ、自分の存在を見なかったことにしない人たちと出会った物語。 #逆ハー風なところあり #他サイトさまでも掲載しています(作者名2文字違いもあり)

氷狼陛下のお茶会と溺愛は比例しない!フェンリル様と会話できるようになったらオプションがついてました!

屋月 トム伽
恋愛
ディティーリア国の末王女のフィリ―ネは、社交なども出させてもらえず、王宮の離れで軟禁同様にひっそりと育っていた。そして、18歳になると大国フェンヴィルム国の陛下に嫁ぐことになった。 どこにいても変わらない。それどころかやっと外に出られるのだと思い、フェンヴィルム国の陛下フェリクスのもとへと行くと、彼はフィリ―ネを「よく来てくれた」と迎え入れてくれた。 そんなフィリ―ネに、フェリクスは毎日一緒にお茶をして欲しいと頼んでくる。 そんなある日フェリクスの幻獣フェンリルに出会う。話相手のいないフィリ―ネはフェンリルと話がしたくて「心を通わせたい」とフェンリルに願う。 望んだとおりフェンリルと言葉が通じるようになったが、フェンリルの幻獣士フェリクスにまで異変が起きてしまい……お互いの心の声が聞こえるようになってしまった。 心の声が聞こえるのは、フェンリル様だけで十分なのですが! ※あらすじは時々書き直します!

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

処理中です...