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第2章 あたしが宮廷女官? それも皇后付きの侍女!
13 怪しい男
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「ごめんなさい!」
見上げるとそこに男が立っていた。その男はきょろきょろと周りを見渡し不思議そうな顔をする。
「おまえ一人か? 誰かと会話をしていたように聞こえたが」
確かに会話をしていたけれど、相手は幽霊ですとは言えないため、蓮花は口ごもる。
「……ひ、独り言です」
男は眉間にしわを寄せた。
「おまえはあんなにはっきりと独り言を言うのか?」
「よく注意されます」
「ところでおまえ、見ない顔だな。本当に下女か? 何者かが雇った刺客ではあるまいな。あの世に送ってやると物騒なことを言っていたのが聞こえたぞ」
た、確かにそう言ったけど、全然意味が違うし!
「ち、ち、違います! 怪しい者じゃないから!」
男はふうん、と意味深な笑みを浮かべる。
「それとも、私がここを通ることを知っていて待っていたとか? おかしなことを言って私の気を引こうという魂胆か?」
「はあ……?」
何言っているのこの人。ずいぶん自惚れの強い人だ。てか、はやく凜妃さまのところに簪を届けたいんだけど。
ニヤついている男の顔を見ているうちに、だんだんイライラしてきた。
「顔立ちも並みだし、貧弱な身体だが、磨けばそれなりに光りそうだ。悪くはない」
男の指先があごにかかり、顔を近づけてきた。
蓮花はかっと頬を赤く染める。
なになになにっ! こいつムカつく。
「化粧の一つでもすれば、化けそうだな。紅をさせば」
男の指先が唇に触れた瞬間、蓮花は男の頬を打っていた。
「なにすんのよ!」
男は目を丸くする。
「はは、なかなか元気な娘だ」
「謝らないよ。いきなり触れてきたあんたが悪い!」
蓮花の言葉に、男はくつくつと肩を震わせ笑う。
「こういう威勢のよい娘もたまにはいいものだな。私の周りにはいないタイプの娘だ」
男の目が蓮花の手元に落ちた。
「で、それは?」
「ええと、これは……」
言いかけて蓮花は口を閉ざした。
凜妃は皇帝陛下から下賜されたものだと言っていた。それを落としたと誰かに知られたら凜妃が罰せられてしまう。
それだけは避けたい。
「これは……その……」
先程までの威勢のよさもどこへいったのやら。
きょどる蓮花の目が、ふと傍らに咲く牡丹の花にとまった。
「はい。この簪に牡丹の花びらについた朝露をひたすと、思い人……じゃなくて、故郷にいる家族がいつまでも平穏無事でいられるというおなじないがあって、試していました」
「ほう、そのようなまじないがあるのか」
「女子たちの間でひそやかに」
もちろん、たった今思いつきで言っただけの、でたらめだ。
思い人といいかけて慌てて言い直したのは、すべての妃嬪は陛下の妻。陛下以外の男に思いを寄せるとは言ってはいけないと思ったためだ。
おかげで、意味が分からないことを口走ってしまった。それに、もう昼過ぎだし、朝露なんてどこにもない。
「なるほどそうであったが。そなたの気遣い、凜妃も喜ぶであろう」
男はにこりと蓮花に笑いかけ、さっと身をひるがえすと立ち去った。
蓮花は胸を押さえて息をつく。心臓がバクバクしている。とりあえず、なんとかうまくやり過ごせた。
「あっと、早く戻らないと」
と、歩き出したところへ、今度はばったりと一颯と出会ってしまう。
もう勘弁して。
なんで急いで戻らなければならないところに、次から次へと人が現れるの。
「蓮花ではないか。元気そうだな。ところで皇后はどうしただ。一緒ではないのか?」
「皇后さまは陛下に呼ばれて慈桂宮に行かれました。あたしはちょっと用があって」
「そうか。後宮には慣れたか?」
そんな簡単に慣れるわけないでしょう、と文句を言いたいところだが、いちいち馬鹿正直に答えるのもめんどうだから、慣れましたと適当に嘘をつく。
「さすが適応が早いのだな」
「そういうあんたは、あたしの両親を殺した賊は見つかった?」
一颯は否と首を振る。
「え、まだ見つからないの! たいそうなことを言ってたわりには仕事が遅いんじゃ……」
目をつり上げ食ってかかる蓮花の前に、紙にくるまれた包みが差し出された。
一颯はその包みを解く。
中から丸い形をした菓子が現れ、蓮花は唾を飲み込んだ。
「緑豆糕だ。中はナツメ餡。うまいぞ。おまえにやろうと思って作らせた」
緑豆糕とは緑豆を蒸して作った菓子で、口にするとホロホロと溶ける食感の、甘い菓子である。
緑豆は体の調子を整える漢方食材のひとつで、熱をさます作用や疲労回復、解毒作用、美肌といった効果のある食材だ。
「ほら、うまいぞ」
こくりと頷き、菓子をつまんで口に運んだ。甘い味が口いっぱいに広がっていく。
「おいしい!」
「やはり、おまえは色気よりも食い気だな」
「おいしいものが食べられるのは、何より幸せよ」
単純だな、と一颯は呆れた顔をしているが、こんなおいしい菓子などこの先口にできるかどうか分からないのだから、ありがたくいただこう。
「もう一つ食べていい?」
「ああ、全部、蓮花にやる」
「これ全部あたしにくれるの!」
じゃあ遠慮なく、と蓮花は上機嫌に一颯の手から菓子の入った包みを受け取った。
「あ、お菓子をくれたからって別にあんたに気を許したわけじゃないから。早く賊を見つけてよ」
「分かっている」
「ならいいけど。じゃああたし、行くから」
「蓮花、くれぐれも気をつけろ」
「何に?」
「いろいろなことにだ」
蓮花は肩をすくめた。
よく分からないことにいろいろ気をつけなければいけないところに、自分を連れて来たのは他でもない一颯ではないか。
見上げるとそこに男が立っていた。その男はきょろきょろと周りを見渡し不思議そうな顔をする。
「おまえ一人か? 誰かと会話をしていたように聞こえたが」
確かに会話をしていたけれど、相手は幽霊ですとは言えないため、蓮花は口ごもる。
「……ひ、独り言です」
男は眉間にしわを寄せた。
「おまえはあんなにはっきりと独り言を言うのか?」
「よく注意されます」
「ところでおまえ、見ない顔だな。本当に下女か? 何者かが雇った刺客ではあるまいな。あの世に送ってやると物騒なことを言っていたのが聞こえたぞ」
た、確かにそう言ったけど、全然意味が違うし!
「ち、ち、違います! 怪しい者じゃないから!」
男はふうん、と意味深な笑みを浮かべる。
「それとも、私がここを通ることを知っていて待っていたとか? おかしなことを言って私の気を引こうという魂胆か?」
「はあ……?」
何言っているのこの人。ずいぶん自惚れの強い人だ。てか、はやく凜妃さまのところに簪を届けたいんだけど。
ニヤついている男の顔を見ているうちに、だんだんイライラしてきた。
「顔立ちも並みだし、貧弱な身体だが、磨けばそれなりに光りそうだ。悪くはない」
男の指先があごにかかり、顔を近づけてきた。
蓮花はかっと頬を赤く染める。
なになになにっ! こいつムカつく。
「化粧の一つでもすれば、化けそうだな。紅をさせば」
男の指先が唇に触れた瞬間、蓮花は男の頬を打っていた。
「なにすんのよ!」
男は目を丸くする。
「はは、なかなか元気な娘だ」
「謝らないよ。いきなり触れてきたあんたが悪い!」
蓮花の言葉に、男はくつくつと肩を震わせ笑う。
「こういう威勢のよい娘もたまにはいいものだな。私の周りにはいないタイプの娘だ」
男の目が蓮花の手元に落ちた。
「で、それは?」
「ええと、これは……」
言いかけて蓮花は口を閉ざした。
凜妃は皇帝陛下から下賜されたものだと言っていた。それを落としたと誰かに知られたら凜妃が罰せられてしまう。
それだけは避けたい。
「これは……その……」
先程までの威勢のよさもどこへいったのやら。
きょどる蓮花の目が、ふと傍らに咲く牡丹の花にとまった。
「はい。この簪に牡丹の花びらについた朝露をひたすと、思い人……じゃなくて、故郷にいる家族がいつまでも平穏無事でいられるというおなじないがあって、試していました」
「ほう、そのようなまじないがあるのか」
「女子たちの間でひそやかに」
もちろん、たった今思いつきで言っただけの、でたらめだ。
思い人といいかけて慌てて言い直したのは、すべての妃嬪は陛下の妻。陛下以外の男に思いを寄せるとは言ってはいけないと思ったためだ。
おかげで、意味が分からないことを口走ってしまった。それに、もう昼過ぎだし、朝露なんてどこにもない。
「なるほどそうであったが。そなたの気遣い、凜妃も喜ぶであろう」
男はにこりと蓮花に笑いかけ、さっと身をひるがえすと立ち去った。
蓮花は胸を押さえて息をつく。心臓がバクバクしている。とりあえず、なんとかうまくやり過ごせた。
「あっと、早く戻らないと」
と、歩き出したところへ、今度はばったりと一颯と出会ってしまう。
もう勘弁して。
なんで急いで戻らなければならないところに、次から次へと人が現れるの。
「蓮花ではないか。元気そうだな。ところで皇后はどうしただ。一緒ではないのか?」
「皇后さまは陛下に呼ばれて慈桂宮に行かれました。あたしはちょっと用があって」
「そうか。後宮には慣れたか?」
そんな簡単に慣れるわけないでしょう、と文句を言いたいところだが、いちいち馬鹿正直に答えるのもめんどうだから、慣れましたと適当に嘘をつく。
「さすが適応が早いのだな」
「そういうあんたは、あたしの両親を殺した賊は見つかった?」
一颯は否と首を振る。
「え、まだ見つからないの! たいそうなことを言ってたわりには仕事が遅いんじゃ……」
目をつり上げ食ってかかる蓮花の前に、紙にくるまれた包みが差し出された。
一颯はその包みを解く。
中から丸い形をした菓子が現れ、蓮花は唾を飲み込んだ。
「緑豆糕だ。中はナツメ餡。うまいぞ。おまえにやろうと思って作らせた」
緑豆糕とは緑豆を蒸して作った菓子で、口にするとホロホロと溶ける食感の、甘い菓子である。
緑豆は体の調子を整える漢方食材のひとつで、熱をさます作用や疲労回復、解毒作用、美肌といった効果のある食材だ。
「ほら、うまいぞ」
こくりと頷き、菓子をつまんで口に運んだ。甘い味が口いっぱいに広がっていく。
「おいしい!」
「やはり、おまえは色気よりも食い気だな」
「おいしいものが食べられるのは、何より幸せよ」
単純だな、と一颯は呆れた顔をしているが、こんなおいしい菓子などこの先口にできるかどうか分からないのだから、ありがたくいただこう。
「もう一つ食べていい?」
「ああ、全部、蓮花にやる」
「これ全部あたしにくれるの!」
じゃあ遠慮なく、と蓮花は上機嫌に一颯の手から菓子の入った包みを受け取った。
「あ、お菓子をくれたからって別にあんたに気を許したわけじゃないから。早く賊を見つけてよ」
「分かっている」
「ならいいけど。じゃああたし、行くから」
「蓮花、くれぐれも気をつけろ」
「何に?」
「いろいろなことにだ」
蓮花は肩をすくめた。
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