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【記録資料】六守谷町民生委員会 相談記録抄

件名:鏡池公園での出来事について(中学二年男子)

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 六守谷町民生委員会 相談記録(抜粋)


 記録者:北川 綾子(民生委員)
 日付:令和四年八月三日
 件名:鏡池公園での出来事について(中学二年男子)


1.相談のきっかけ

 町立第一中の二年生の男の子。お母さんに連れられてうちに来た。
 お母さんの話では、7月30日の夕方ごろ、鏡池公園で「池に引き込まれそうになった」とのこと。
 それ以来、夜眠れなかったり、「誰かに呼ばれてる」と言ったりするようになってしまい、心配して相談に来た。

 話を聞いているうちに、実際は「夕方」ではなく「夜中」にあった出来事だと分かった。
 本人がぽつぽつと本当のことを話し始めたので、以下にまとめておく。


2.本人の話(だいたいの内容)

「ほんとは夜でした。怒られるので母さんには夕方だと話しました。
 先輩から“夜中の2時に鏡池に女の幽霊が出る”って聞いて、友だち二人と肝試しに行ったんです。
 集合したのが夜の十二時半くらいで、コンビニ寄ったりして、公園に着いたのは一時ごろでした」

「最初は何もなかったけど、友人たちと雑談をしていると、池のほとりに白い人が立ってるのが見えました。
 まったく動かないから最初は人とは思わなかった。でもよく見ると風で髪だけが揺れてました。
 それで友人たちに『出た! 女の幽霊や』と言ったんですが、二人には見えていない様子でした」

「必死に指をさしてるうちに、気づいたら、自分が自分の体を上から見てたんです。
 頭の上に浮かんでるというんじゃなくて、なんか、巨大ロボの頭にある操縦席にいるみたいな感じで、半分だけ頭から上に出てた。
 友達の声も、すごく遠くで聞こえてました。
 友だちが俺の腕を引っ張ってるのが見えるけど、自分の体は勝手に前に進んでました」

「だんだんと、自分の体がゆっくり池に向かって歩いているのが分かりました。
 池の周りには柵があるんですけど、それを乗り越えようとしているのは分かりました。
 水面は波打ってて、いつの間にか池のほとりにいたはずの女の幽霊は池の中で俺を待っていました。白い手がこちらに向かって伸びてきてました。
 でも、それも怖いとかじゃなくて、行かないといけない気がしてました。
 なんでか分かんないけど。幽霊が美人だったのもあるかもしれないです」

「そのとき、『お前たち! 何してる!』って声がして、ハッとしたら、目の前に池があって、片足が水に入ってました。
 冷たかったです。
 懐中電灯の光がこっちに向けられてて眩しくて、警察の人が立ってました。
 池を見たら、もう何もいませんでした」


3.友だち二人の話(要約)

 ・夜中の一時すぎ、公園に着いたときは他に人はいなかった。
 ・○○くん(相談者)が「女がいる」と言い出したけれど、最初は二人には何も見えなかった。
 ・○○くんが急に「行かなきゃ、呼んでる」と言い出して、池の方へ歩き始めた。
 ・二人で腕をつかんで止めようとしたが、すごい力でびくともしなかった。
 ・足元がぬかるんでいて、滑って転んだときに手が離れてしまった。
 ・その瞬間、池の方に“白い影”のようなものが見えた。顔は見えないけれど、人の形をしていた。
 ・すぐあとに「お前たち!」という声がして、警察官が懐中電灯を向けていた。
 ・影はその瞬間、ふっと消えた。


4.お母さんの話

 ・本人は最初「夕方だった」と言い張っていた。夜中に出歩いていたことを隠していたらしい。
 ・事件の翌日から熱っぽく、夜になると「まだ呼んでる」「鏡の中」と寝言を言う。
 ・今は鏡も窓も布で覆って生活している。


5.北川の記録と所感

 ・一時的なショックというより、本人にはかなり強い印象が残っているように感じた。
 ・一緒にいた二人の話にも共通する点が多く、作り話あるいは妄言とは思えない。
 ・現場(鏡池公園)には、転倒したような足跡と、柵の手前の泥の乱れが確認された。
 ・鏡池公園のあたりは昔「しずめの森」と呼ばれていた場所で、古い記録によると戦前までは神様の住む池として、鏡池に銅鏡を沈める風習があった。

 当面は夜間の外出を控えるように指導。
 学校には生活支援をお願いし、必要があればカウンセラーに相談をつなぐ予定。


 記録:六守谷町民生委員 北川 綾子
(※町福祉課と学校関係者にはすでに報告済)
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