【完結】失くし物屋の付喪神たち 京都に集う「物」の想い

ヲダツバサ

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第3章 万年筆

3-22

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「直すって……無理ですよ。屋根の雨漏りを直すなんて。流石に業者を呼ばないと。私が適当にやっても余計酷くなるだけです。そもそも、どうやって屋根に登るのですか」

「馬鹿者。鴫清の子孫として、お前が取り仕切れという意味だ。少し考えれば分かるだろ。業者を呼ぶにしても、外部の人間に伝統ある料亭の工事を全て任せる訳にはいかん。それともお前は最初から、何もかも他人任せにする気だったのか?」

「そんな事、思ってません。単純に、素人が口や手を挟むべきではないと思っただけです。取り仕切るなんて、出過ぎた行為です」

「言い訳だけ上手くなりおって。とにかく店の味を守るのは、お前の兄しろがねの役目だが、それ以外を補佐ししろがねの手を煩わせないのはお前の役目だ」

「勝手に決めないで下さい。一生ここで、こき使う気ですか? 私には私の人生があります」

「黙れ! 誰のおかげで飯が食えてると思っているのだ。誰のおかげでここで暮らせていると……」

「……すみません」

 激昂した祖父についすくんで、謝ってしまいました。

 しかし、

「誰のおかげで生まれて来れたと……」

 勢い余って祖父が漏らしたその言葉。違和感を覚えました。
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