コーヒーとCEOの秘密🔥他

シナモン

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緑川、人類の運命を背負う

困ったときの

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 緑川はとっさに手をひっこめた。
 …なんだよ、ここ。まさか……? 
 …なんで五年後の東京に行くはずがこんなとこに飛んでるんだろう??


「「……そういや何日か前からフェニキアの船が停まってるぜ。奴隷が逃げてきたのかもしれないなあ」」
「「そうか。東方の蛮族だな。黒い髪、この押しつぶしたような顔。奴隷だ。そうにちがいない」」
「「東方の国は戦が絶えぬ。傭兵や奴隷が大勢買われていくらしいな」」


「「おい!」」
 一人が脚で蹴った。
「いてえ!何するんだよ!」緑川は睨みつけた。

 
「「……ほらな、言葉が通じねえ。耳慣れねえなあ。俺はアッカド育ちのやつを知ってるがそれとも違うぞ」」
「「もっと東方かもしれねえな。背が低い。どっちみち奴隷が逃げてきたんだ」」
「「傭兵かもしれんな。布の鎧みたいなのつけてるぜ。なんで目を覆ってるんだ?」」
 サバイバルベスト、メガネのことをさしてるらしい。
「「傭兵だと? こんなひ弱そうなのが? ヒゲも生えてねえし……。ひょっとしてあちらの国で重用されてるという宦官かも?」」
 ギャハハ、と揃って笑って、「「お前、チ◯◯はついてるのか?」」

 意味はさっぱりだが、良くない言葉だとは推測できる。
 
「「お前、船に連れてってやろう。観念しな。逃げたっていいことなんかねえよ。少しでも上等な客に買われた方が幸せってもんだ」」
「「おう、来な」」

 一人が手を差し伸べた。

 いやな予感…。
 背中にダラダラ嫌な汗が伝う。
 その手をはらいのけ、文明の利器、スマホを再度掲げた。
 pppppppp……速い、切羽詰まった状況で冷静に正確に打ち込むのは流石である。それを群衆の前に見せた。音声オン。


「♪♪Κpump(^^♪」


 携帯に保存してる動画の中から一つを選んで再生してみせたのである。

「「なんだ、これは」」
「「ば、化け物だぁぁーー」」

 色鮮やかなマスコットがテンポの良い音楽に合わせて踊り狂う宴、ゆるキャラ祭りの動画が流れる。

 ーーできるだけインパクトのある映像見せなければ。

 家電業界の見本市で全国のゆるキャラが集結した時の動画だ。押し合いへし合い、珍妙な踊りにアナウンスが被り催しは延々と続く。現代の人間にはなんてことない画だが、ギリシャ装束の人間には…、

「「な、なんだ。化け物がこんなにたくさん……。この色見ろよ。なんなんだ、こいつら」」
 ゆるキャラ。それは真っ赤とか黄緑とか、大概が極彩色ーーにして動いている。
「「シュメルにはドラゴンとかいう化け物がいたらしいが、それか?」」
 それはそれで逆に現代人には恐怖である。この世界、未だ半獣半人の時代と推測される。が、緑川氏には通じない。
「「音まで聞こえる。なんでこんな石版みたいなのに映ってるんだ……わけがわからん」
 
 石版=スマホ。

 顔は若干青ざめていた。インパクトは十分あったようだ。

「「これは……お前の国なのか?」」

 
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