コーヒーとCEOの秘密🔥他

シナモン

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緑川、人類の運命を背負う

癒しの空間。かまどカフェ

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「そーだ、ここまできたらついでにヘスティアさんとこに寄ってくか」


 ゼウスの宮殿の裏手に出て、のどかな丘を越えると小川の近くにこじんまりした石造りの小屋が見えた。
 ドアを開けたとたん、大きなかまどが目に飛び込んできた。

「いらっしゃい。久しぶりね。────あら、そちらは」

「ミドリカワさ、よその世界から来たらしい」

「まあ、それはようこそ」

「どうも」

 歳はいってそうだが、これまた美人が迎えてくれた。
 ギリシャの服装だが雰囲気は茶店のママさん的な。
 小屋がそんな感じだ。
 石造りで、小さな窓がいくつかあって、かまどを中心に石のテーブルと椅子が並んでる。

「ヘスティアさんはゼウスの姉さんで、かまどの守り神さ」ヘパイストスは腰掛けた。

「いつものやつください」

「はい」

 ちょっと大きな窓の向こうで神か妖精か知らないが戯れている。
 のどかな光景だ。

「はいどうぞ」

 素朴な木のカップに入れて出てきた。
 ミルクコーヒーみたいな色して湯気が立って。

「美味しい」

 豆乳みたいな味にココアのようなコーヒーのような香ばしさを感じる。

 飲みながら外を眺めた。

 そこでは…美しい天女のような羽衣をまとった娘や若者が思い思い過ごしている。

 緑の大地に花が溢れ、

 泉がわき、まさしく楽園。

 ここって天国なんだっけ……。

 きれーだなー……。

 ーーん?

 男同士で抱き合って……?

 美青年が少年と抱き合ってキスしている。


 ーーー。

 見ると、あっちもこっちもイチャコラ…必ずしも男女の組み合わせじゃない。


 さっきの美しい青年が木の下で竪琴を奏で始める。

 皆が寄ってくる。

 その様は絵画のように綺麗過ぎてもはや夢としか思えない……。

 ん?
 夢…?

 ハッとしてベストからコントローラーを出して確かめる。

 あっーー。

 時間が表示されてない。


 …………。

 帰る時間ぽいんだが?
 太陽は真上にある。

「えっと、今何時?」

 聞いても誰も返事しなかった。

「なんじってなんだ?」

 ああ、そうか、時計とかないんだっけーー。

「えと、オレ、地上から来たんだよ。地上は今いつなんだ?」わけわからん言い方だーー。

「いつって? 地上とはズレてるんだぜ、時の流れが」

「は?」

「ここの一年は人間界の100年に当たるからな」


 なに─────……。


 一気に震えがきた。

 てことは何かい、とっくに日にち過ぎちゃって、俺は帰りそびれたのか!?
 時間がくれば帰れるとばかり……。神の世界じゃ通用しないってことか!?

 でもスマホは動くじゃん、どうなってるんだよーー。

 って、時間表示狂ってるーー。9999って何ーー。こんなの初めて見た。いつの間に?

 俺はどうすればいいんだ?

「は、夢だろ」ふとつぶやく。

 ……やっぱこれ夢でしょ? そうであってくれーーー。

「どうかしたの?」

 と、ヘスティアさん、おっとりしてて熟女の癒し…美魔女の部類とも違う。

「ゆっくりしていきなさいな。もうじきムルラが焼けるわ」

 いやいや、夢じゃなかったら? 匂いまでするんだぜ? …自力で帰れねーとなるとやべーぞ…。
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