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緑川、人類の運命を背負う
青天の霹靂
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それからヘパイストスとペルセポネの家を行ったり来たりして過ごした。
東京でせかせか暮らしてたのが遠い昔のことのよう。
なんたって危機感がない。いつもいい天気だし、仕事というものがない。
テレビやゲームもなく文化的なことといえばヘパイストスの作業を観察するくらい。
作業と言ってもあっという間に形になって手品を見てるみたいだ。
「おい、釣りに行かねえか」
久しぶりに下界に降りた。
岩場にキュクロプスのキューと並んで針と糸の原始的な釣竿を垂らし、獲物がかかるのを待つ。
キュー…初対面こそ驚いたが、おとなしいいい奴だ。ちょっと吃ってゆっくり喋る。鍛治の腕前も超一流で神の武器を奉納したこともあるそうだ。
「きれーだなー」
透き通った海。魚が泳いでいるのが見える。
……ここってエーゲ海なんだよなあ?
実感ないな。どこもかしこも綺麗すぎて感動もなくなる。
ピチョン、水が跳ねて、むしろを編み込んだようなカゴに魚を入れる。
日差しはキツイがキューの巨体が光を遮り、ちょうど良い陰をつくっている。
ランチにその辺の木の実を採ってきて食べ、しばらく寝っ転がっていた。
ゴオオオオ……。
キューの体の向こうから音がした。
ひょいと顔を向けると、雲に乗ったヘパイストスがすごい形相でこっちへ来てる。
「オイ、キュー逃げろーーー」
ーー!?
「アポロンがお前を探してる」
血相変えてキューの腰に手を当てて。
「ゼウスが…アスクレピオスをやったらしい。雷霆でな。……それを知ったアポロンが怒り狂って………お前を殺してやるって!!」
「なんだと?」
「早く!」
ひゅううううう……。
また風を切る音がして、雲が光を遮った。「!?」
「こんなところにいた!」
その雲からストッと降りてきた。輝くばかりの美青年---。
「アポロン!」
「お前のせいで、私の息子が殺された!くたばれーーー」
光の剣のようなものを振りかざしてきた。「!?」
「やめろーーー」
とっさにミドリカワは間に入って手を広げた。
「ちょっと待ってよ、何言ってんの、いきなりやってきて」
「なんだ、お前は」
「何言ってんだよ、お前のせいで殺された? は? 意味わかんないんだけど」
こんな善人の塊みたいな奴を。見た目はちょっとグロいかもしれねえけど。
「うるさいっ!!」
「アポロン…」
「冷静になってよ。何でこいつがやられなきゃならないの」
「だから……こいつの作ったケラウノスでアスクレピオスが殺されたのさ」
「誰に」
「ゼウスだ」
「はあ? それって逆恨みでしょ!」
「なんだと? さかうらみ? お前は誰だ」
「…俺のことはいいからさー、ちょっと話聞かせてよー……」
ものすごい美青年だ。金髪、碧眼…ハリウッドか!…て、あの木の下で竪琴を弾いていた男じゃないか。
「……アスクレピオスはアポロンの息子で、この地上で人間の病を治してやってたんだ。聞くところによると死んだ人間を蘇らせちまったらしいな。それが大神の怒りに触れたんだ」
ヘパイストスが代わって説明した。
「お前があんなもの作らなければ!!」
「やめろって。だからそれを逆恨みって言うんだ。こいつが殺したわけじゃない」
「くっ……」
「…の前にいきなり殺すって……。あんたの息子を?」問題はそこじゃん。「なんでそうなるわけ。そこんとこ先にゼウスに聞けよ」
アポロン……有名な神ですよね? 見た感じ二十代の若者にしか見えないが、そんな立派な息子がいるのか。
「…………」
青年に先ほどの勢いがなくなる。
「言えるわけねえ」
なぜかキューが擁護するように呟いた。
「なんでだよ」
「そりゃあ、あれさ……。誰もゼウスに逆らえないのさ」
東京でせかせか暮らしてたのが遠い昔のことのよう。
なんたって危機感がない。いつもいい天気だし、仕事というものがない。
テレビやゲームもなく文化的なことといえばヘパイストスの作業を観察するくらい。
作業と言ってもあっという間に形になって手品を見てるみたいだ。
「おい、釣りに行かねえか」
久しぶりに下界に降りた。
岩場にキュクロプスのキューと並んで針と糸の原始的な釣竿を垂らし、獲物がかかるのを待つ。
キュー…初対面こそ驚いたが、おとなしいいい奴だ。ちょっと吃ってゆっくり喋る。鍛治の腕前も超一流で神の武器を奉納したこともあるそうだ。
「きれーだなー」
透き通った海。魚が泳いでいるのが見える。
……ここってエーゲ海なんだよなあ?
実感ないな。どこもかしこも綺麗すぎて感動もなくなる。
ピチョン、水が跳ねて、むしろを編み込んだようなカゴに魚を入れる。
日差しはキツイがキューの巨体が光を遮り、ちょうど良い陰をつくっている。
ランチにその辺の木の実を採ってきて食べ、しばらく寝っ転がっていた。
ゴオオオオ……。
キューの体の向こうから音がした。
ひょいと顔を向けると、雲に乗ったヘパイストスがすごい形相でこっちへ来てる。
「オイ、キュー逃げろーーー」
ーー!?
「アポロンがお前を探してる」
血相変えてキューの腰に手を当てて。
「ゼウスが…アスクレピオスをやったらしい。雷霆でな。……それを知ったアポロンが怒り狂って………お前を殺してやるって!!」
「なんだと?」
「早く!」
ひゅううううう……。
また風を切る音がして、雲が光を遮った。「!?」
「こんなところにいた!」
その雲からストッと降りてきた。輝くばかりの美青年---。
「アポロン!」
「お前のせいで、私の息子が殺された!くたばれーーー」
光の剣のようなものを振りかざしてきた。「!?」
「やめろーーー」
とっさにミドリカワは間に入って手を広げた。
「ちょっと待ってよ、何言ってんの、いきなりやってきて」
「なんだ、お前は」
「何言ってんだよ、お前のせいで殺された? は? 意味わかんないんだけど」
こんな善人の塊みたいな奴を。見た目はちょっとグロいかもしれねえけど。
「うるさいっ!!」
「アポロン…」
「冷静になってよ。何でこいつがやられなきゃならないの」
「だから……こいつの作ったケラウノスでアスクレピオスが殺されたのさ」
「誰に」
「ゼウスだ」
「はあ? それって逆恨みでしょ!」
「なんだと? さかうらみ? お前は誰だ」
「…俺のことはいいからさー、ちょっと話聞かせてよー……」
ものすごい美青年だ。金髪、碧眼…ハリウッドか!…て、あの木の下で竪琴を弾いていた男じゃないか。
「……アスクレピオスはアポロンの息子で、この地上で人間の病を治してやってたんだ。聞くところによると死んだ人間を蘇らせちまったらしいな。それが大神の怒りに触れたんだ」
ヘパイストスが代わって説明した。
「お前があんなもの作らなければ!!」
「やめろって。だからそれを逆恨みって言うんだ。こいつが殺したわけじゃない」
「くっ……」
「…の前にいきなり殺すって……。あんたの息子を?」問題はそこじゃん。「なんでそうなるわけ。そこんとこ先にゼウスに聞けよ」
アポロン……有名な神ですよね? 見た感じ二十代の若者にしか見えないが、そんな立派な息子がいるのか。
「…………」
青年に先ほどの勢いがなくなる。
「言えるわけねえ」
なぜかキューが擁護するように呟いた。
「なんでだよ」
「そりゃあ、あれさ……。誰もゼウスに逆らえないのさ」
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