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瀬尾くんの秘密 (完)
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駅近いけどね、のんびりした通りなんだよ。
小さな川が流れてて、空き地があって、踏切もある…。
「あんま、話しかけても…」大牟田は止めにかかるが俺は無視して続ける。
「どこに行ってたのかな?」
「んとね、ままがね、ちょっとおさんぽしようかって…」
「バスの待ち時間かねえ。駅前なのに見るもんねえよな」大牟田は周囲を気にして見回す。「逃げようぜ」
「…待ってるしかねえだろ。この先踏切だぞ」
「そうだけど…あっ」
大牟田は何かに気づいたようで、足で俺の肩をゆすった。
「親だぜ」
間髪入れず、はるなーはるなーと女性の声が聞こえた。
「やばいって、ほら。気づいた」
「まあまあ、逃げたら余計怪しまれるよ」
依然として腰を落としたまま俺は声に背を向けていた。
「はるなーーー」
一気に声が大きくなる。
「あ、ど、どうも。迷子かなって思って…」
大牟田は情けない声を出した。女性はすごい勢いで女の子を抱き上げる。
「どうもすみません、お母さんですか? 怪しい者じゃないですよ」
俺はやっと立ち上がる。善意を示すためににっこりと微笑んで。
「そ、そうです」
若い母親は一瞬びくっとして、姿勢を正した。ふわふわした髪にベージュトーンのジャケットにスカート姿大きい袋に子供の上着が覗いてる。
「ごめんなさい、この子の服を入れてた隙に…」はあはあ息も切らして。必死で探したんだろう。言われてみれば女の子はセーターにスカート、タイツと軽装だ。
「はるなちゃーーん!」
幾分大きな声で、同じ方向からもう一人女性がやってきた。
「ああ、いたんだ、よかったぁー」
ニット帽にロングヘアー、ダウンベストにパンツ、活発な印象だ。
「勝手なことをしてすみません、一人じゃ危ないかなあと思って。この先踏切があるんで」
「えっ、そうなんですか!?」
二人とも目を丸めた。本当にあるんだよな、これが。ちなみに山陰本線ではなく伯備線だ。
「やだ、ほんとだーやばーい」もう一人が目視する。
「やばかったね~」「こわ」「ちょっと歩いてただけなのに」「やっぱ歩きはやばいよ、送ってくからさ」二人はちょっとだけ会話を交わして、「そこのマックで友達と会って、ちょっとお茶しよっかって言ってたんですよね」
「どうも御親切にありがとうございました。陽菜、行こっか」息も落ち着いて女の子の髪をなでた。
「うん。ばいばい、おにいちゃん」
「ばいばい。よかったね」
何度も礼をしながら去っていく。なるほど、マックか。
「よくここまで歩いてこれたなあ」
普通に歩くにはわずかだが、3歳前後の子供一人だぜ。やっぱ目を離したら危ないんだよ。
「お前、うっまいなあ。お見事」
「え」
大牟田はふざけて拍手してる。
「すげえーーー、まねできねえーーー」
だがすぐにぶちぶち言い始めた。
「なーんか、気に食わねえな、俺を睨みつけてたくせによ」
「気のせいだろ」
「全然違うって。なんなん、態度ころっと変えてよー。ごめんなさい、だって」
「お前がびくびくしてるからだよ」
「親切にしてやっても逆に訴えられる時代だからなー。あーあ、イケメンは得だー」
「お前、突っ立ってただけじゃん」
小さな川が流れてて、空き地があって、踏切もある…。
「あんま、話しかけても…」大牟田は止めにかかるが俺は無視して続ける。
「どこに行ってたのかな?」
「んとね、ままがね、ちょっとおさんぽしようかって…」
「バスの待ち時間かねえ。駅前なのに見るもんねえよな」大牟田は周囲を気にして見回す。「逃げようぜ」
「…待ってるしかねえだろ。この先踏切だぞ」
「そうだけど…あっ」
大牟田は何かに気づいたようで、足で俺の肩をゆすった。
「親だぜ」
間髪入れず、はるなーはるなーと女性の声が聞こえた。
「やばいって、ほら。気づいた」
「まあまあ、逃げたら余計怪しまれるよ」
依然として腰を落としたまま俺は声に背を向けていた。
「はるなーーー」
一気に声が大きくなる。
「あ、ど、どうも。迷子かなって思って…」
大牟田は情けない声を出した。女性はすごい勢いで女の子を抱き上げる。
「どうもすみません、お母さんですか? 怪しい者じゃないですよ」
俺はやっと立ち上がる。善意を示すためににっこりと微笑んで。
「そ、そうです」
若い母親は一瞬びくっとして、姿勢を正した。ふわふわした髪にベージュトーンのジャケットにスカート姿大きい袋に子供の上着が覗いてる。
「ごめんなさい、この子の服を入れてた隙に…」はあはあ息も切らして。必死で探したんだろう。言われてみれば女の子はセーターにスカート、タイツと軽装だ。
「はるなちゃーーん!」
幾分大きな声で、同じ方向からもう一人女性がやってきた。
「ああ、いたんだ、よかったぁー」
ニット帽にロングヘアー、ダウンベストにパンツ、活発な印象だ。
「勝手なことをしてすみません、一人じゃ危ないかなあと思って。この先踏切があるんで」
「えっ、そうなんですか!?」
二人とも目を丸めた。本当にあるんだよな、これが。ちなみに山陰本線ではなく伯備線だ。
「やだ、ほんとだーやばーい」もう一人が目視する。
「やばかったね~」「こわ」「ちょっと歩いてただけなのに」「やっぱ歩きはやばいよ、送ってくからさ」二人はちょっとだけ会話を交わして、「そこのマックで友達と会って、ちょっとお茶しよっかって言ってたんですよね」
「どうも御親切にありがとうございました。陽菜、行こっか」息も落ち着いて女の子の髪をなでた。
「うん。ばいばい、おにいちゃん」
「ばいばい。よかったね」
何度も礼をしながら去っていく。なるほど、マックか。
「よくここまで歩いてこれたなあ」
普通に歩くにはわずかだが、3歳前後の子供一人だぜ。やっぱ目を離したら危ないんだよ。
「お前、うっまいなあ。お見事」
「え」
大牟田はふざけて拍手してる。
「すげえーーー、まねできねえーーー」
だがすぐにぶちぶち言い始めた。
「なーんか、気に食わねえな、俺を睨みつけてたくせによ」
「気のせいだろ」
「全然違うって。なんなん、態度ころっと変えてよー。ごめんなさい、だって」
「お前がびくびくしてるからだよ」
「親切にしてやっても逆に訴えられる時代だからなー。あーあ、イケメンは得だー」
「お前、突っ立ってただけじゃん」
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