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瀬尾くんの秘密 (完)
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玄関を開けると、ふんわりと甘い香りが鼻をくすぐった。居間のこたつの上にはバレンタインデーに贈られたチョコレートの山が積み上げられていた。今貰ったチョコを山の上に加えると、さらにその山は高くなった。
姉が二人、こたつの暖かい布団で体を温めていた。彼女たちは俺の帰りを待ちわびていたようだ。
「やっちゃん、お帰り。チョコ、届いてるよ」
「お疲れ様。今年もいろんな味があるよ」
姉が微笑みながら声をかけるともう一人の姉も笑顔で迎えた。
嬉しそうに笑いながら、こたつの上に視線を合わせた。ほらな。チョコの山を見て、幸せな表情を浮かべない女性なんていないんだ。
「すごい数だね。ありがとう、毎年」と調子よく一番上の姉、華代は言うと、チョコを手に取り、嬉しそうに見つめた。
「こっちはご近所さんね。この前のお祓いの方も来られたわ。ありがとうって。ホワイトデーのお返ししなくちゃね」と3番目の姉、優菜が言った。
夕飯は、3人の姉が入れ替わりながら準備する。ほぼ毎日、同じ光景。窓から差し込む柔らかな夕日が、部屋を温かな光で満たしている。俺は椅子に逆向きに座り、ぼーっとしていた。
料理の香りが漂い、食欲をそそった。壁に掛けられた家族の写真が、目に留まる。笑顔で幸せそうに写っている家族の姿。
この夕食前の静かなひと時、
「やっちゃん、進路どうするの」優菜が言った。「東大、十分に狙えるんだってね」
もう一人の姉、早紀は驚いた表情を浮かべた。「東大?」
少し緊張しながら俺は頷いた。
「母さんが言ってたのを聞いたよ」と優菜。華代はうなずきながら聞いていたが、心配そうな表情を見せた。「そんな時期よねえ」
「すごいじゃん、マジで」
「行っちゃいなよ。やっぱ男の子は世間を知った方がいいよ」と華代が言うと全員うんうんと頷く。
「うーーん」でもなあ…。気になるやつがいるよな。
「もしかして、家のこと気にしてる?」華代に言われ、俺は言葉を濁した。すると姉はにっと笑って、
「りさには言わない方がいいね」と言うと、他の二人の姉も頷いた。りさは入浴中だ。
静かな家の中に湯気の立ち上る音が聞こえてきた。
りさは暢気に鼻歌を口ずさんでいる。
姉が二人、こたつの暖かい布団で体を温めていた。彼女たちは俺の帰りを待ちわびていたようだ。
「やっちゃん、お帰り。チョコ、届いてるよ」
「お疲れ様。今年もいろんな味があるよ」
姉が微笑みながら声をかけるともう一人の姉も笑顔で迎えた。
嬉しそうに笑いながら、こたつの上に視線を合わせた。ほらな。チョコの山を見て、幸せな表情を浮かべない女性なんていないんだ。
「すごい数だね。ありがとう、毎年」と調子よく一番上の姉、華代は言うと、チョコを手に取り、嬉しそうに見つめた。
「こっちはご近所さんね。この前のお祓いの方も来られたわ。ありがとうって。ホワイトデーのお返ししなくちゃね」と3番目の姉、優菜が言った。
夕飯は、3人の姉が入れ替わりながら準備する。ほぼ毎日、同じ光景。窓から差し込む柔らかな夕日が、部屋を温かな光で満たしている。俺は椅子に逆向きに座り、ぼーっとしていた。
料理の香りが漂い、食欲をそそった。壁に掛けられた家族の写真が、目に留まる。笑顔で幸せそうに写っている家族の姿。
この夕食前の静かなひと時、
「やっちゃん、進路どうするの」優菜が言った。「東大、十分に狙えるんだってね」
もう一人の姉、早紀は驚いた表情を浮かべた。「東大?」
少し緊張しながら俺は頷いた。
「母さんが言ってたのを聞いたよ」と優菜。華代はうなずきながら聞いていたが、心配そうな表情を見せた。「そんな時期よねえ」
「すごいじゃん、マジで」
「行っちゃいなよ。やっぱ男の子は世間を知った方がいいよ」と華代が言うと全員うんうんと頷く。
「うーーん」でもなあ…。気になるやつがいるよな。
「もしかして、家のこと気にしてる?」華代に言われ、俺は言葉を濁した。すると姉はにっと笑って、
「りさには言わない方がいいね」と言うと、他の二人の姉も頷いた。りさは入浴中だ。
静かな家の中に湯気の立ち上る音が聞こえてきた。
りさは暢気に鼻歌を口ずさんでいる。
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