37 / 65
奥様、お手をどうぞ
12
しおりを挟む
塔子は何も言わず視線を投げる 。
「…ほら、黙って見られたら、こっちが照れるやん」 妙な間になり視線を落とし、皿の料理をすくった。
「都筑さんもだけど、あんたもだよね」
「何が?」
「その…醜態さらしても大して怒らないの」
「…そんなに今までひどかったんや?」――そうやろな。普通の関東人なら総スカンやろ。
「だからあんたも知ってるんでしょ」
「俺の知ってるんと、あいつが笑い飛ばしたのが同じとは限らんで」
「だけど、そのあとこうして会話ができるってことは今までなかった…。白い目で見られるのがつらかった…」
そりゃそうやろ。普通、都合の悪い癖があれば気を付けるんやないの? 女の子の自覚やで。
「…あんたなあ、そういうこといつまでもグダグダ言ってないで治そうと努力すればええやん。ていうより、そんなん気にせん旦那ならその必要すらないやんか。ほっとするやろ。…よかったやん」
「え?」
「なんでええ方に考えられへんの? あんた、今の服かてえらい似合ってんで。初めて会った時の…おばはんみたいな服よりよっぽどな」
おば…やっぱりそう見えるんだ。男から見ても。岡路に言われたことは間違ってなかった。
「世の中金がすべてなんやで? みすみすチャンスを無駄にするんか? あの家…富裕層いうても上位1%どころやないんやで。あんたには今の状態、合うてる思うけどな」
自分の役割をきっちり述べた。そういえば俺は、この女を引き付けるよう言われてここに呼ばれたのだった。(笑)
縁にハーブや花が盛られた薄いオレンジ色のジュースを飲み干す。「どうする?泳いでみる?」しきりに渓谷に目をそらす塔子に言ってみた。
海外リゾートのいい所その2。
水際での女の露出度がダンチな点。
「おい、あんまり遠くに行くなよ」
見てみいな、男は置いといて、女は全員ほぼ裸みたいなビキニやん。
川辺もプールも、
そして奥様も。
想像通り、ドレスの下には黒のビキニが隠れていた。
目の保養~♪
多くの人が川遊びを楽しんでいる。日本人の家族もいて、
「あ、メダカがいるー」小学生くらいの男の子と、
「メダカじゃない、カダヤシだろ」若い父親が清流で小魚を追う。
スマホを当てて、調べてるようだ。
「あれ、オリジアス? めだかなのか」
「グッピーもいるよー」
そういや、お客さんに子供がいる言うてたよな。夏目は塔子の仕事内容を思い出す。あんな感じなんやろか。
反対側に目を向けると塔子が背を向けていた。しばらくすると目が慣れるのか、彼女のみならず女性のきわどい姿も気にならなくなっていた。
「何や、あんたもめだかかい」じーっと水中を探っている。
そばに寄るとなにかを見つけたのか叫び声をあげた。「ギャー」見ると、
「何やこれ。アロワナ?」
巨大な魚が潜んでいた。「わわわ」抱きつかれて、ウエストの細い位置に腕を回す。
「騒ぐなって。こういうんは大抵おとなしいんや。
…ピラルクか。でかいな」
人が寄ってきた。みんな声を潜め、魚を遠巻きにする。やがて鑑賞しつつ写真に収める。
「ひいいい、みんな平気なの」あまりのでかさ。1mどころではない。「怪魚よ、怪魚」
「割と有名やもん。誰か放流した奴がおるんやろな…外来の古代魚やで。あいつの専門や」
「え?」
「知らへんかった? あんたの旦那、こんなん好きで、ボルネオとか趣味で見に行ったりしてんで」
「…ほら、黙って見られたら、こっちが照れるやん」 妙な間になり視線を落とし、皿の料理をすくった。
「都筑さんもだけど、あんたもだよね」
「何が?」
「その…醜態さらしても大して怒らないの」
「…そんなに今までひどかったんや?」――そうやろな。普通の関東人なら総スカンやろ。
「だからあんたも知ってるんでしょ」
「俺の知ってるんと、あいつが笑い飛ばしたのが同じとは限らんで」
「だけど、そのあとこうして会話ができるってことは今までなかった…。白い目で見られるのがつらかった…」
そりゃそうやろ。普通、都合の悪い癖があれば気を付けるんやないの? 女の子の自覚やで。
「…あんたなあ、そういうこといつまでもグダグダ言ってないで治そうと努力すればええやん。ていうより、そんなん気にせん旦那ならその必要すらないやんか。ほっとするやろ。…よかったやん」
「え?」
「なんでええ方に考えられへんの? あんた、今の服かてえらい似合ってんで。初めて会った時の…おばはんみたいな服よりよっぽどな」
おば…やっぱりそう見えるんだ。男から見ても。岡路に言われたことは間違ってなかった。
「世の中金がすべてなんやで? みすみすチャンスを無駄にするんか? あの家…富裕層いうても上位1%どころやないんやで。あんたには今の状態、合うてる思うけどな」
自分の役割をきっちり述べた。そういえば俺は、この女を引き付けるよう言われてここに呼ばれたのだった。(笑)
縁にハーブや花が盛られた薄いオレンジ色のジュースを飲み干す。「どうする?泳いでみる?」しきりに渓谷に目をそらす塔子に言ってみた。
海外リゾートのいい所その2。
水際での女の露出度がダンチな点。
「おい、あんまり遠くに行くなよ」
見てみいな、男は置いといて、女は全員ほぼ裸みたいなビキニやん。
川辺もプールも、
そして奥様も。
想像通り、ドレスの下には黒のビキニが隠れていた。
目の保養~♪
多くの人が川遊びを楽しんでいる。日本人の家族もいて、
「あ、メダカがいるー」小学生くらいの男の子と、
「メダカじゃない、カダヤシだろ」若い父親が清流で小魚を追う。
スマホを当てて、調べてるようだ。
「あれ、オリジアス? めだかなのか」
「グッピーもいるよー」
そういや、お客さんに子供がいる言うてたよな。夏目は塔子の仕事内容を思い出す。あんな感じなんやろか。
反対側に目を向けると塔子が背を向けていた。しばらくすると目が慣れるのか、彼女のみならず女性のきわどい姿も気にならなくなっていた。
「何や、あんたもめだかかい」じーっと水中を探っている。
そばに寄るとなにかを見つけたのか叫び声をあげた。「ギャー」見ると、
「何やこれ。アロワナ?」
巨大な魚が潜んでいた。「わわわ」抱きつかれて、ウエストの細い位置に腕を回す。
「騒ぐなって。こういうんは大抵おとなしいんや。
…ピラルクか。でかいな」
人が寄ってきた。みんな声を潜め、魚を遠巻きにする。やがて鑑賞しつつ写真に収める。
「ひいいい、みんな平気なの」あまりのでかさ。1mどころではない。「怪魚よ、怪魚」
「割と有名やもん。誰か放流した奴がおるんやろな…外来の古代魚やで。あいつの専門や」
「え?」
「知らへんかった? あんたの旦那、こんなん好きで、ボルネオとか趣味で見に行ったりしてんで」
1
あなたにおすすめの小説
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
明日のために、昨日にサヨナラ(goodbye,hello)
松丹子
恋愛
スパダリな父、優しい長兄、愛想のいい次兄、チャラい従兄に囲まれて、男に抱く理想が高くなってしまった女子高生、橘礼奈。
平凡な自分に見合うフツーな高校生活をエンジョイしようと…思っているはずなのに、幼い頃から抱いていた淡い想いを自覚せざるを得なくなり……
恋愛、家族愛、友情、部活に進路……
緩やかでほんのり甘い青春模様。
*関連作品は下記の通りです。単体でお読みいただけるようにしているつもりです(が、ひたすらキャラクターが多いのであまりオススメできません…)
★展開の都合上、礼奈の誕生日は親世代の作品と齟齬があります。一種のパラレルワールドとしてご了承いただければ幸いです。
*関連作品
『神崎くんは残念なイケメン』(香子視点)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(政人視点)
上記二作を読めばキャラクターは押さえられると思います。
(以降、時系列順『物狂ほしや色と情』、『期待ハズレな吉田さん、自由人な前田くん』、『さくやこの』、『爆走織姫はやさぐれ彦星と結ばれたい』、『色ハくれなゐ 情ハ愛』、『初恋旅行に出かけます』)
親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語
石のやっさん
恋愛
同世代の輪から浮いていた和也は、村の権力者の息子正一より、とうとう、その輪のなから外されてしまった。幼馴染もかっての婚約者芽瑠も全員正一の物ので、そこに居場所が無いと悟った和也はそれを受け入れる事にした。
本来なら絶望的な状況の筈だが……和也の顔は笑っていた。
『勇者からの追放物』を書く時にに集めた資料を基に異世界でなくどこかの日本にありそうな架空な場所での物語を書いてみました。
「25周年アニバーサリーカップ」出展にあたり 主人公の年齢を25歳 ヒロインの年齢を30歳にしました。
カクヨムでカクヨムコン10に応募して中間突破した作品を加筆修正した作品です。
大きく物語は変わりませんが、所々、加筆修正が入ります。
【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
8年ぶりに再会した男の子は、スパダリになっていました
柚木ゆず
恋愛
美しく育てて金持ちに高く売る。ルファポール子爵家の三女ミーアは、両親達が幸せに暮らせるように『商品』として育てられてきました。
その結果19歳の夏に身体目当ての成金老人に買われてしまい、ミーアは地獄の日々を覚悟していたのですが――
「予定より少々早い到着をお許しください。姫をお迎えにあがりました」
ミーアの前に現れたのは醜悪な老人ではなく、王子様のような青年だったのでした。
※体調不良の影響で、現在一時的に感想欄を閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる