異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

36話 新たな事業

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 ティアナ達の開発した石鹸と髪石鹸は、Freedomの屋敷のお風呂場に置かれる事になった。この石鹸は本当にみんなから好評だった。
 ずっと使い続けていると香水などいらなくて、店で働いている従業員はお客さんから、どの香水を使っているのか聞かれるほどだった。

「ねえ、あなた?その香水はどこで手にいてたものなの?」

 貴婦人が興味津々でアプリコットに尋ねてきた。しかし、アプリコットは奴隷という事を説明し、香水など使っていないと説明した。

「じゃあ、そのいい香りは?それに貴方の髪の毛本当に綺麗だわ!」

 商品になっていない物を説明すると混乱が起こるので、アプリコットはティアナ達が作った石鹸の事は言わずに、説明したのである。

「我が主は、奴隷のわたし達にも毎日お風呂を与えてくれるのです。だから、わたし達は清潔を保たれているのだと思います」

「へえ!そうなのね。でも、うらやましいわ!」

 お風呂という概念は、ガイアースでも上級貴族でしかない物だからだ。そんな事を、毎日お客さんから従業員たちは聞かれる事になっていた。男性客も、Freedom店で働く奴隷達から、本当にいい香りが漂うことで、従業員達の人気が更に出た事は言うまでもなかった。

「最近、Freedom店に行くと癒されるんだよな……」
「ああ!分かる分かる!奴隷達が前より魅力的に見えるんだよな」
「そうそう!あの香りバラの花のような香りなんだよな」
「通りすがるときフワッと香るのがいいんだよ」

 男性客にも高評価だった。しかし、この石鹸の販売は保留にとどまっていた。これにはユエティーも納得のいかない物であり、従業員達も販売するべきなのではという声が上がってくるほどだった。

「ユエティーの言いたいことは分かるが、今の状況では話が違ってきている」

「ムシュダルク様どういう事ですか?」

「確かに、あの石鹸の販売を見合わせたのは、ワシの先見の目がなかったというしかない……本当に、ティアナ達には悪い事をしたと思っている」

「だったら、販売を開始してあげてもいいのではないですか?」

「それがだな……わしも、そう思ってティアナ達に相談をしたんだよ」

「何か不都合が?」

「ああ……需要と供給の問題が発覚した……今、あの石鹸を売り出した場合、とてもじゃないがその納品数が間に合わないんだよ……」

「それって?」

「ああ!そうだ……ガーデニングのスキルがレジェンダリーの人間がいないんだよ。それに、バラの花やツバキの花の数が、圧倒的に足りないらしい」

 今現在、Freedom支店は王国・帝国・聖教国の主要都市に展開されていて、それらを賄う為には、それなりの生産花壇が必要になるからである。
 ケンジの場合、神鋼魔石を掘れるアンドロイドを作った事により数が賄う事が出来るが、今現在ガーデニングのスキルを持つ人間はグランドマスターが数人だった。

「これでは、とてもじゃないが石鹸を売り出す事は出来ない事が分かったんだよ……」

「つまり、ティアナとフィアナしかいない状況では売り出せないと……」

「そういう事だ!それに一輪の花から、抽出されるエキスの量にも問題があった」

「どういう事ですか?」

「石鹸を1個作るのにバラの花10輪いるんだよ」

「えっ⁉」

「つまり、それなりの数を売り出すには、バラ園を作り大量生産しないといけないんだ。ガーデニングは、人気のないスキルで、奴隷の中にも習得している人間がいないんだよ……」

「そ、そんな……」

「ケンジ様のように、万能ならば色んな案が出るのかもしれないが、ガーデニングに至っては、ケンジ様が持っていないスキルだからどうしようもない……」

「まさか、平民達に向けての商品が、こんな生産量で足止めになるとは思いもしませんでした……」

「それはワシもだよ」

 ムシュダルクとユエティーは、ガックリ肩を落としたのである。

 そして、この事はケンジに報告された。ケンジは、ティアナ達が自ら考えた石鹸を褒め称えたのだった。

「ティアナ、フィアナ、ダリアお前達はよくやった!国民達が求めるような商品をよく作ったよ」

 ケンジに報告した時には、Freedom店でお客様からの要望が出ていたのである。

「しかし、あたし達だけでは、ご主人様のように生産はできません……力不足でした。申し訳ありません……」

 ティアナ、フィアナ、ダリアはがっくり肩を落として、ケンジに謝罪したのだ。

「なんで謝罪する必要がある!お前達は凄い事をやったんだぞ?」

「ですが……お客様に、期待だけさせて商品化できないのでは、本末転倒ではないですか?」

「まあ、そこはそうなんだが、最初からそんなにうまくいく人間は誰もいないよ。なあ、ムシュダルクさん?」

「確かに、全てが上手く行く人間は、ケンジ様しか見たことはありませんね」

「そんなおだてんなよ!」

「ご主人様!生産力を上げる手伝いをしてもらえませんか?生産力さえあげれば商品として成り立つと思うんです」

「それじゃ、無理だな!この商品は生産力を上げても後が続かないよ。俺も、ムシュダルクさんの言う通り商品化は止めた方がいい!」

 これには、ティアナ達3人はもちろんだが、ユエティーやマイも声を出して驚いた。

「なんでですか?」

「まず第一に国民達が裕福でない事!俺も驚いた事だが自分達の子供を働かせて、その日の食事が一食分浮くかもしれないと言っているところだ! 第二に、国民達に風呂の文化が浸透していない事。多分初めての事で、この石鹸は売れるだろうが、結局は貴族のぜいたく品になる事。 第三に、平民に売れなくなった場合、利益を取らないといけなくなり石鹸が高価になり、増々国民には手の出ない高価なものになるからだ!」

「では、わたしが保留にしたのは間違いではなかったのですか?」

「そういう事だな。しかし、この石鹸が売れないという訳ではない!」

「どういう事でしょうか?」

「国民達の生活水準をもっと上げる事で、平民達の生活に余裕が出てきた場合、今の反対した事がなくなるからだ」

 その言葉を聞き、ティアナ達はガックリ気を落とした。

「それじゃ、当分は無理という事ではありませんか……」

「まあ、そういう事だな!だが、もう一つ可能性がある」

「「「可能性ってどういう事ですか?」」」

 3人は、ケンジの可能性という言葉に飛びついたのである。

「ただ、これが成功した場合、ティアナ達はしんどくなるがその覚悟はあるのか?」

「「「どういう事ですか?」」」

「つまり石鹸を作り続けないといけなくなる!当然バックアップはするが、その人材が育つまでの間とんでもなく忙しくなるぞ?」

 ケンジは、ガーデニング専用のアンドロイドを作り、その人材が育つまでの事言っていた。バラ農園やツバキ庭園など広げる事も大変な作業になるし、お客様からのプレッシャーは相当な重圧になることも説明したのだった。

「ケンジ様は、何をしようというのですか?」

「そんなの簡単だよ!要は石鹸が必要だと思わせればいいんだよ」

「それって、平民達の家庭に風呂の概念を入れるという事ですか?」

「ああ!そういう事だ」

「そんなのは、いくらなんでも無理というモノでは!」

「まあ、任せろ!俺にいい考えがある。ちょっと時間がかかるが、ティアナ達は農園の準備をして生産量を上げる準備をしてくれ!」

「ケンジ様!あなたは、今長期休暇のはずです!もっとちゃんと身体を休ませてください!」

「ああ!分かってるよ。俺が動き出すのはもっと後だ!」

「そ、それならいいんですが……」

「もう……みんなに心配はかけるような事はなるべくしないようにするし、あと2ヶ月はゆっくりさせてもらうからいいだろ?ティアナ達は、その2ヶ月でどうするのか覚悟を決めてくれたらいいから!」

「はい……わかりました」

 ケンジは、新たなプロジェクトを開始し始めたのだった。仮に、ティアナ達が石鹸の生産に自信がないと言っても大丈夫なように、ケンジは考えていた。

 そして、ケンジがゆっくり体を休める事2ヶ月以上たったある日、みんなを会議室に招集するのだった。


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