異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

文字の大きさ
527 / 621
第10章 Freedom国、経済の中心へ!

74話 闇ギルド再び

しおりを挟む
 ケンジが部屋の隅をキッと睨んだ。すると、そこには真っ黒な黒装束の男が立っていた。

「ケ、ケンジ様!」

「ムシュダルクさん、大丈夫!あれは幻影だよ」

「ほ、本当ですか?」

「さすがだな……」

「当たり前だ!ここにはお前のような人間が侵入できるほど、やわな結界が張っているわけないだろ。それで、何の用だ?宣戦布告でもしにきたのか?」

「ば、馬鹿な事を言うな!闇ギルドは今回の件あずかり知らぬ事だ!あんたとの不可侵条約は守られていると言いに来たんだ」

「ほう!そんな事を信じろというのか?闇ギルドの証拠が、こんなにたくさん出てきているんだぞ?」

「ま、待て!今、闇ギルドはヒューマン国内に拠点は一切ないのだ!」

「はぁあ?どういう事だよ?」

「当たり前だ!Freedom国が勢力を伸ばし、聖教国は滅亡王国と帝国は風前の灯。そんな国で、闇ギルドの報酬を賄えるわけがないだろうが!」

「だが、実際この契約の書類が出てきているではないか?」

「確かに、この国でなら活動はできるが、不可侵条約を結んだ闇ギルドには手が出せんよ!手を出した瞬間、我らが潰される。そんな決まったリスクには手を出せんよ」

「なら、この闇ギルドはいったい?」

「何を言ってやがる!この国にも既存のギルドとは違う、独自のギルドが存在しているだろ?」

「なっ⁉まさか、この国で独自の闇ギルドが出来上がっているのか?」

「そういう事だ!馬鹿な連中だ……そういう訳で、この件は闇ギルドとは一切関係が無い!」

「という事は?」

「我らとしても、厄介なギルドだ!潰してくれて構わんよ。闇ギルドが、あんたと不可侵条約を結んだ時に抜け出た半端者の集まりだ。我らとしても見つけ次第始末していたところだ!」

 闇ギルドが言うには、数年前に闇ギルドと不可侵条約を結んだ時に、納得のいかない闇ギルド構成員達が反発し離脱し、その人間達が新たに闇ギルドを結成した。
 そして、裕福な国となったFreedom国内に、他国から元貴族達が流れ込んだことで、新生闇ギルドがFreedom国領で活動する様になったらしい。
 闇ギルドとしても、不可侵条約を結んでいる手前、なかなかアジトを限定する事が困難で、今回抜け出た構成員を始末する前にケンジが始末してしまったのである。

 これには、闇ギルドは騒然となり、闇ギルドマスターがあわてて行動したという事だった。

「一つ聞きたいがいいか?」

「なんだ?」

「Freedom国領に、何人ほど逃げ込んでいるかわかっているのか?」

「数年前に、不可侵条約を結んだときは数百人程度だったが、今の新生闇ギルドはどのくらいの規模になっているのか、我々でも把握はしていない。というより出来ないと言った方が正しいな」

「何てことだ……」

 ムシュダルクは、闇ギルドマスターの言葉に頭を抱えるしかなかった。実際、行方不明者や殺されていた人間がここ1年ほど増えてきていて、報告書が上がってきていたからだ。まさか、闇ギルドが介入してきているとは思いもしなかったのだ。

「まあ、この国は本当にいい国だよ!我らも、不可侵条約が無ければ拠点を置きたいくらいだよ。はははははは!」

「ぬかせ!」

 ケンジは立ち上がり、闇ギルドマスターに殴りかかろうとした。

「おーっと!待て待て!この姿は幻影だ。無駄な事はせぬほうがいい」

「チッ!」

「そういう訳だから、この件やそこにある証拠の品々、又これから起こるであろう事件は、闇ギルドは一切預かりの知らなぬ事だ」

「だが、元はといえば闇ギルドから抜け出た構成員ではないか?」

「ムシュダルクと言ったか?じゃあ聞くが、この国のギルドから出た人間が問題を起こした場合、この国のギルドは何か責任を取るというのか?」

「そ、それは……」

「取らないだろ?それと一緒の事だよ。今回この件やこれから起こる事は闇ギルドに一切責任が無いという事だよ。だが、これからも闇ギルドは、不可侵条約を破ることは無いと伝えておきたくてな。こうして、わざわざ参上したという事だよ」

「わかったよ!お前の言う事に嘘はないと信じよう」

「そうか。これで我らも、安心して他の国で活動が出来るよ」

 そういって、闇ギルドマスターは安心してスッと姿を消した。それを見ていたムシュダルクは、ケンジに話しかけた。

「ケンジ様……どうなさるおつもりですか?」

「どうもしないさ……」

「な、なんですか?放って置いたら犠牲者が増えるのでは?」

「確かに、誘拐事件が増えている傾向にあるみたいだな?」

「だったら、何とかしないと。ケンジ様は、この国の奴隷を減らしたいのですよね?」

「ああ、確かに減らしたいと思うが、今回の件で分かったことがある」

「何がですか?」

「貴族達だよ!あいつ等を何とかしないと、世の中は変わらんことがよく理解したよ」

「なっ⁉」

「新生闇ギルドはこのまま泳がす。そして、Freedom国領に流れ込んで来た、元貴族達を一網打尽にしてやるよ!まず、フリーの町で闇ギルドとつながりのあった、この書類の人間を全て逮捕だ」

 ケンジは、今回の件で明るみに出た、元貴族達を全て逮捕した。その中には誘拐や暗殺多岐にわたっていた。
 元貴族を止め商売人となった人間もいて、ライバルになるであろう商会の会長や社長を暗殺し、自分の店を成長させる元貴族もいた。

 逮捕された元貴族達は、Freedom国の判決に不満をあらわにした。自分達は元貴族だから、奴隷に落とすのなら犯罪奴隷ではなく特別奴隷だとわめき散らしていた。

「何言ってやがる!お前達は貴族じゃない!この国に貴族に対しての甘い判決なんかないんだ!犯罪を犯せば国民として罰せられるだけなんだ」

「そんな常識は聞いた事がない!」

「何を言っている?この国には貴族がいないから、貴族がいる国と一緒なわけあるわけないじゃないか!」

「むぐぐぐ!」

「それに、お前は奴隷に堕ちるのではなく死刑だよ。お前一人で罪のない人を何人殺しているんだ?」

 ケンジの言葉に、自分の命が風前の灯火だとようやく気づき、命乞いをし始めた。

「わしは直接手を下していない!だから、死刑はおかしい!」

「何を言ってやがる。お前みたいな人間は、これ以上生きていても更生は無理と判断されるよ」

「ば、馬鹿な……わしが、なぜ死刑にならなければいかんのだ!」

「お前みたいな、傲慢で自己中心な人間は死ななきゃ治らんよ。自分の行いを後悔して死んでいくがいい!」

 ケンジは、闇ギルドと繋がっている元貴族達をどんどん処刑させた。そして、奴隷に落とされた何の罪のない人間達を、出来るだけ探し出す事にしたのである。

 ジョン一家のように、世界地図でサーチすればすぐに見つかる為、サーチされなかった人間は、もうこの世にはいないものとし諦めるしかなかった。

「あなた、そこまでしなくてもいいんじゃないの?」

「マイ……この誘拐された人達は、ここフリーの町の住人だぞ?」

「だからって、貴方のやっていることは常軌を逸しているわよ!」

「だけどよう……俺がもっと早く、闇ギルドの存在に気づいていれば……」

「気づいたからってなんなのよ!あなたが、しょいこむ必要がどこにあるのよ?」

「そうかもしれないが……」

「そうかもしれないじゃなくそうなのよ!犯罪者を捕らえる事は必要だよ。だけど、その犠牲になった人間も、あなたがどうにかする必要はないよ」

「……」

「よく考えてよ!今はまだいいよ?だけど、このまま犠牲になった人間を、貴方の奴隷にして衣食住の保証をしていくんでしょ?どこからそのお金を捻出していくつもりなのよ」

「それは……」

「あなたが優しい事はいいけど、もっと現実的に考えなさいよ!」

「分かったよ……」

「あなたの悪い癖は、この世界にきてなんでも出来るようになったからよ。もっと足元を見て、いっぺんにこなさない様に、一個づつ解決していきなさい」

「……」

「納得いかないの?」

「ああ……こうしている間にも、犠牲者は増えているかもしれないんだからな」

「貴方のやろうとしているのは世の中の改革よ。そんなすぐに出来るわけないじゃない!王国や帝国だって、何世代も掛けてやってきたにもかかわらず今あんな状態なのよ?そう簡単にできるような事じゃないの。分かってる?」

「ああ……」

「あなたは、これから先人間には考えられないような、時の流れを過ごしていくわ。その時の長さを、利用していくくらいの気持ちで構えていくぐらいがちょうどいいのよ」

 マイの言葉で、何となく落ち着いたケンジがいた。どうしても、貴族達の横暴を目にしたら、頭に血が上り視野が狭くなるケンジだったのだ。
 そして、マイには貴族達の逮捕は衛兵に任せ、貴族達の処分は裁判に任せろと言われた。ケンジは、ケンジにしかできない事をやったらいいと、再度念を押される事になったのだった。
 そして、頭が冷えたケンジは、隷属の首輪の事を調べて1年という時間が過ぎた。


しおりを挟む
感想 223

あなたにおすすめの小説

家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。

希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。 手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。 「このまま死ぬのかな……」 そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。 ​そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。 試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。 ​「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」 ​スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。 たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...