社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依

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1話 過労死

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 山本 優(やまもと まさる)今年45歳になる中年男性である。毎日会社と家を往復するだけの社畜であり、家族もいない当然恋人もいない人間だ。
 優は、本当に気が優しい人間で困っている人がいれば助けようとする人間だったが、社会に出たらそれを当たり前のように利用してくる人間ばかりだった。
 会社の同僚は、優の優しさを利用し、手伝うのが当たり前だといい、自分の仕事を押し付け先に帰ってしまう。上司はそれを見て見ぬふりをして、間に合わないのなら休日出勤を命じて、休みなど3週間無いなど当たり前で、ただいま連続出勤行進中だった。

「おい!山本」

「なんでしょうか?」

「今日の仕事だ。明日までに仕上げとけよ」

 優は今日も又、残業が決定し終電になる事を覚悟した。

「わ、分かりました……」

「なんだ?不服なのか?」

「い、いえ……そんな事は……」

「不服なら何時でも言えよ?相談ぐらい乗ってやるからな」

 そのように言い、優の上司は笑いながら、帰り支度をしていたのだった。その様子を見て、助けてくれるような人間はいなくて、余計な事をして自分に被害が出ないようにしている人間ばかりだった。





「今日で丸一ヶ月休みなしか……」

 優は、パソコンの前でつぶやき、一息入れる為席を立った。その瞬間、優は立ちくらみを起こし目の前が真っ暗になりそのまま倒れてしまった。
 その時、後頭部をフロアの床に強く打ち付けてしまい意識を失ってしまった。フロアには優しか残っていなくて救急車を呼ばれる事もなかった。

 次の日、朝一番に出勤してきた人間は、電気がつけっぱなしになっていて戸締りもしてない事で、泥棒でも入ったのかと思い、急いで会社内に入った、するとそこには、すでに冷たくなっていた優が倒れたままになっていたのだ。








 優は、真っ白な空間の中にいた。

「こ、ここはどこだ?」

 優は、どこまでも続く真っ白な空間を歩き回っていた。当然、景色が変わる事もなくほとほと困っていた。

「おーい。誰かぁ!誰もいないのかぁーーー!」

 するとようやく、女性の声が聞こえてきたのだった。

「こんなとこにいた……勝手に動き回らないでくださいよ」

 優の目の前にスーッと、金髪で青色の目を持った絶世の美女が現れたのだった。

「あ、あなたは?」

「私は、地球とは違う異世界の神、エステと申します」

「それはそれは、ご丁寧にありがとうございます。私は山本優といいます。それで自分は、やはり死んでしまったという事でしょうか?」

「えっ?わたしの存在に驚ないのですか?それに自分の死を受け止めて……」

「まあ、あんな生活をしてれば長生きは出来ませんよ。それでも、45年も生きれたのでもう十分です。自分でも早く人生をリタイヤしたいと思っていましたが、自殺する勇気もなかったですし……」

「そ、そうですか……」

「それで、俺は天国に行けるのですか?」

「申し訳ありません……天国という場所はありません」

「じゃあ、このまま魂は消滅するのですか?」

「いいえ、消滅する魂は現世で犯罪を犯した者が、地獄と言う場所に堕ちて、数万年と言う罰を受ける事で消滅します。優さんのような人間は、普通は輪廻の輪に戻り、記憶を消去され新たな生命体に生まれかわります」

「ま、又、現世に?地獄はあるのに天国はないのですか?」

「ありませんね。天界に行くというのなら現世で偉業を積み、徳を積んだ人間が神となる感じだと思いますが……まあ、地球の事はよく分かりませんね」

「そ、そうですか……ですが、又地球に生まれてもなんかいやですね」

「優さんは、そう言うと思い、私がここに召還した次第です」

「なるほど、異世界なら天国があるという訳ですね」

「だから、天国はないと言ったじゃないですか」

「えっ?だったら何で私をここに?」

「優さん。私の作った世界で人生をやり直しませんか?あなたの事は昔から見ていました。人がいいと言うかお人よしと言うか、人生で損な役割ばかりして、結局は過労死してしまい45歳と言う若さで死んでしまったんですよ?」

「まあ、自分にはああいう生き方しかできませんでしたからね。いまさらどうでもいいですよ。確かに彼女の一人も出来なかったのは心残りだったかもしれませんが……」

 優は力なく笑って見せた。

「本来なら、記憶は消去されますが、今回は特別に記憶を持ったまま転生して見てはいかがですか?」

「そんな事が可能なのですか?」

「私の世界です。十分可能ですよ。優さんには人生を楽しんでほしいのです」

「だけど、何で私にそんな事を?死んだ人間全員にしているのですか?」

「いいえ……貴方は覚えていないかもしれませんが、優さんが10歳の時子猫を救ってくれた事はありませんでしたか?」

「あっ!近所の子供達に虐められていた猫がいたけど、それがどうかしたのか?」

「あれは、地球を視察していた私の部下です。その後も、あの子猫に給食の残りのパンを上げていたではありませんか。だから、これはそのお礼の意味もあるのです」

「だが、貴方の世界ってどんな世界なんだ?地球と変わりないのか?」

「いいえ……私の作った世界は、科学文明ではなく魔法文明です。スキルがあって、剣と魔法の世界と言ったら分かりますか?」

「なるほど、ゲームみたいな世界なんだな……そんな世界で俺が生き抜いていけるとは思えないんだが……」

「当然、これはお礼と言う意味もありますので、生き抜いていけるだけのサービスをしますよ。どんなスキルも常人以上の力を授けますし、今までなら弱い立場で言いなりになっていたのが無くなります。なので、優さんには自由に生きてくれたらいいです」

「それなら、大丈夫なのかな?」

「しかし、盗賊や魔物がいる世界なので、犯罪者には厳しいので自ら犯罪には手を染めないでくださいよ。正当防衛なら人を殺しても罪には問われませんが……」

「なんだ?そのカオスな世界は……」

「驚かせてしまってすいません。ですが、普通に生活する分には、自由がある世界と思ってくれていいですよ」

「まあ、それなら地球と変わりないか……」

 優は、安易に考えてしまったのだった。女神にとって普通の事だが、優にとったら異世界は本当に命が軽い場所だった。
 つまり、地球とは全然違い、日本育ちの優にとってカルチャーショックを受けることになる。 

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