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18話 身投げ
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その頃、マサルは陽光草と月光草を探していた。この二つの薬草は、ソフィアとルナを蘇生させる事が出来るポーションの材料だった。しかし、レアな薬草の為なかなか見つからないのが難点である。
「やっぱ……すぐに見つかるような薬草じゃないなあ……」
マサルはとにかくそのポーションを作る為、薬草を探しながら奥へと突き進んだ。マサルも、このダンジョンが出来たばかりだと聞いていた。その為、階層はそれほど深くないはずだと思いながら捜索していたのだった。
「やっぱり、ダンジョンから出て、遠くに逃げる方が先決かな……」
ソフィアとルナの遺体は、マサルの収納箱に入っている為、時間経過は無いので逃げる事を先にして、他の場所で薬草を見つけてもいいからだ。
それにできたばかりのダンジョンなら、階層も3階層あったらいいほうで、下手をしたらこの階層だけかもしれないのだ。
「やっぱり逃げよう……」
この選択が、マサルにとって最悪の結果になる事とは、今この地点で思いもしなかった。マサルは出口に向かって歩き出した。
「おい!もっと慎重に動くんだ」
「オイオイ……ルーデンス。俺達のペースってものがあるんだ。俺達はこのペースが普通なんだ」
「しかし……このペースはあまりにも……」
「何を言っている。これでも遅いくらいなんだぞ」
「馬鹿な事を!」
「いいか?ここはダンジョンだ」
「そんなのお前に言われなくともわかっているさ」
「俺達は、錬金術師を生け捕らないといけないんだ。生産者がダンジョンで活動できるわけないんだ。だから、錬金術師に早く会わないと、魔物に襲われたらどうなるか分かっているのか?」
「それはそうだが……自分達の安全も確保してだな」
「そういうのは時と場合によるだろ?今回は錬金術師の生け捕りだ!もし、死んでいてみろ。このミッションは失敗に終わるんだぞ?そうなれば、俺達は領主様からの信頼はなくなり、これから指名依頼が無くなりかねないんだ」
「だが、それも急いでダンジョンの罠にひっかかりでもしたら……」
「だから、それも用心をしてだな行動しているって言っているんだ」
「ちょっと二人とも静かにして!」
「クーナどうした?」
「前方から何かが来るわ。用心をして」
夕闇のパーティーは息をのんだ。Aランクパーティーとはいえ、ダンジョン内は剣を大きく振り回せないし行動制限がかかるからだ。
それがゴブリンだったとしても、油断したら死に直結するのはよくわかっていた。
遠くから近づく人影に、夕闇のメンバーは少しづつ近づき、マサルだった場合生け捕りする態勢を取った。
「あ、あいつは……」
「あいつが錬金術師なんだな?」
「ああ……」
ガラとルーデンスが耳打ちをしていたら、マサルが駆けだして奥へと逃げ出したのだった。
「まさか、俺達に気づいたのか?」
「馬鹿な……たかが生産者がそんな訳……」
「何言ってんのよ早く追いかけるよ!」
クーナがマサルが逃げていくのを見て指示を出したのだった。このパーティーは実質、クーナがまとめているんだとルーデンスは思った。
「「わ、わかった」」
マサルは、まさかこんなに早くルーデンスがやって来るとは思いもしなかった。マサルはダンジョンで活動するにあたって、【サーチ】の魔法を使っていた。
マサルはサーチと言う魔法を使い、自分の身に危険があるとき報せる魔法を使っていた為、ルーデンス達がその範囲に入った事でその存在を知る事が出来たのだった。
(くっそ……こんな事なら、インビジポーションをもっと作っておけばよかった)
マサルは、魔法でもインビジビリティーを唱える事が出来たのだが、詠唱時間がネックとなっていた。あの場にとどまり詠唱など出来るわけがなかったのだ。このとき、マサルは詠唱のスキルが無い事を後悔したのだった。
「何だあのスピードは……」
「だから言っただろ?マサルは普通の錬金術師じゃないと……」
Aランク冒険者が追いかけても、その差が縮まらないのだ。それより差が広まっている感じだった。
マサルは、どうしても争い事が苦手で逃げる事しか考えなかった。この性格は直らなかったのだ。
マサルは、自分用に取って置いたストレングス・プロテクション・スピードポーションを飲んでいた為、夕闇が襲ってきても対処は出来ていたはずである。
しかし、日本で育ってきたマサルにとって、剣を構えて襲ってくる人間に恐怖を覚えて、どうしても逃げの一手だった。
ルーデンス達は、マサルを見失わないように必死で追いかけた。そして、とうとうマサルの行く手には底が見えない崖が目の前に広がったのだ。
「何で崖が……」
「はあはあ……やっと追い詰めたぜ!錬金術師大人しく俺達に着いてくるんだ!」
「何で僕が領主の言いなりになってポーションを作り続けないといけないんだ!俺は只、ソフィア達とのんびり生活をしたかっただけなのに!」
「お前が、有能な錬金術師だから目をつけられるんだ。領主の役にたてるんだぞ?光栄な事じゃないか?」
「僕はそんな事に興味はないんだよ!」
「そんな意見が、平民の立場で通るとは思わない事だな」
夕闇のリーダーは依頼を成功させて、高額な報酬の為に動いていて、マサルの人生には興味がなかった。
「そんな事ありえない!」
「あり得るかどうかなんて関係なんかないんだよ!自由が欲しいなら、それを跳ね除けるだけの力必要だ。お前は有能なのかもしれないが、所詮生産者なんだよ!力ある者に搾取されるしかないんだ!」
ガラとマサルの会話を聞き、ルーデンスはやるせない想いになったがそれもしょうがないと思った。マサルが、領主の下へ行かなければ、今度は自分達が重税ということになるからである。
「お前に逃げ場はもうないんだよ!大人しくして俺達に捕まれ!だったら、痛い思いもさせねえからよ。くかかかかかか!」
「領主に搾取される人生なら……僕は!」
「お、おい!まさかお前!そんな事やめろよ!」
マサルは息をのんで、崖の底を横目で見た。ガラ達がマサルを取り押さえる前に、マサルは崖にとびこんでしまったのだった。
そして、落ちていくマサルをルーデンス達は見届けるしかできなかった。
「やっぱ……すぐに見つかるような薬草じゃないなあ……」
マサルはとにかくそのポーションを作る為、薬草を探しながら奥へと突き進んだ。マサルも、このダンジョンが出来たばかりだと聞いていた。その為、階層はそれほど深くないはずだと思いながら捜索していたのだった。
「やっぱり、ダンジョンから出て、遠くに逃げる方が先決かな……」
ソフィアとルナの遺体は、マサルの収納箱に入っている為、時間経過は無いので逃げる事を先にして、他の場所で薬草を見つけてもいいからだ。
それにできたばかりのダンジョンなら、階層も3階層あったらいいほうで、下手をしたらこの階層だけかもしれないのだ。
「やっぱり逃げよう……」
この選択が、マサルにとって最悪の結果になる事とは、今この地点で思いもしなかった。マサルは出口に向かって歩き出した。
「おい!もっと慎重に動くんだ」
「オイオイ……ルーデンス。俺達のペースってものがあるんだ。俺達はこのペースが普通なんだ」
「しかし……このペースはあまりにも……」
「何を言っている。これでも遅いくらいなんだぞ」
「馬鹿な事を!」
「いいか?ここはダンジョンだ」
「そんなのお前に言われなくともわかっているさ」
「俺達は、錬金術師を生け捕らないといけないんだ。生産者がダンジョンで活動できるわけないんだ。だから、錬金術師に早く会わないと、魔物に襲われたらどうなるか分かっているのか?」
「それはそうだが……自分達の安全も確保してだな」
「そういうのは時と場合によるだろ?今回は錬金術師の生け捕りだ!もし、死んでいてみろ。このミッションは失敗に終わるんだぞ?そうなれば、俺達は領主様からの信頼はなくなり、これから指名依頼が無くなりかねないんだ」
「だが、それも急いでダンジョンの罠にひっかかりでもしたら……」
「だから、それも用心をしてだな行動しているって言っているんだ」
「ちょっと二人とも静かにして!」
「クーナどうした?」
「前方から何かが来るわ。用心をして」
夕闇のパーティーは息をのんだ。Aランクパーティーとはいえ、ダンジョン内は剣を大きく振り回せないし行動制限がかかるからだ。
それがゴブリンだったとしても、油断したら死に直結するのはよくわかっていた。
遠くから近づく人影に、夕闇のメンバーは少しづつ近づき、マサルだった場合生け捕りする態勢を取った。
「あ、あいつは……」
「あいつが錬金術師なんだな?」
「ああ……」
ガラとルーデンスが耳打ちをしていたら、マサルが駆けだして奥へと逃げ出したのだった。
「まさか、俺達に気づいたのか?」
「馬鹿な……たかが生産者がそんな訳……」
「何言ってんのよ早く追いかけるよ!」
クーナがマサルが逃げていくのを見て指示を出したのだった。このパーティーは実質、クーナがまとめているんだとルーデンスは思った。
「「わ、わかった」」
マサルは、まさかこんなに早くルーデンスがやって来るとは思いもしなかった。マサルはダンジョンで活動するにあたって、【サーチ】の魔法を使っていた。
マサルはサーチと言う魔法を使い、自分の身に危険があるとき報せる魔法を使っていた為、ルーデンス達がその範囲に入った事でその存在を知る事が出来たのだった。
(くっそ……こんな事なら、インビジポーションをもっと作っておけばよかった)
マサルは、魔法でもインビジビリティーを唱える事が出来たのだが、詠唱時間がネックとなっていた。あの場にとどまり詠唱など出来るわけがなかったのだ。このとき、マサルは詠唱のスキルが無い事を後悔したのだった。
「何だあのスピードは……」
「だから言っただろ?マサルは普通の錬金術師じゃないと……」
Aランク冒険者が追いかけても、その差が縮まらないのだ。それより差が広まっている感じだった。
マサルは、どうしても争い事が苦手で逃げる事しか考えなかった。この性格は直らなかったのだ。
マサルは、自分用に取って置いたストレングス・プロテクション・スピードポーションを飲んでいた為、夕闇が襲ってきても対処は出来ていたはずである。
しかし、日本で育ってきたマサルにとって、剣を構えて襲ってくる人間に恐怖を覚えて、どうしても逃げの一手だった。
ルーデンス達は、マサルを見失わないように必死で追いかけた。そして、とうとうマサルの行く手には底が見えない崖が目の前に広がったのだ。
「何で崖が……」
「はあはあ……やっと追い詰めたぜ!錬金術師大人しく俺達に着いてくるんだ!」
「何で僕が領主の言いなりになってポーションを作り続けないといけないんだ!俺は只、ソフィア達とのんびり生活をしたかっただけなのに!」
「お前が、有能な錬金術師だから目をつけられるんだ。領主の役にたてるんだぞ?光栄な事じゃないか?」
「僕はそんな事に興味はないんだよ!」
「そんな意見が、平民の立場で通るとは思わない事だな」
夕闇のリーダーは依頼を成功させて、高額な報酬の為に動いていて、マサルの人生には興味がなかった。
「そんな事ありえない!」
「あり得るかどうかなんて関係なんかないんだよ!自由が欲しいなら、それを跳ね除けるだけの力必要だ。お前は有能なのかもしれないが、所詮生産者なんだよ!力ある者に搾取されるしかないんだ!」
ガラとマサルの会話を聞き、ルーデンスはやるせない想いになったがそれもしょうがないと思った。マサルが、領主の下へ行かなければ、今度は自分達が重税ということになるからである。
「お前に逃げ場はもうないんだよ!大人しくして俺達に捕まれ!だったら、痛い思いもさせねえからよ。くかかかかかか!」
「領主に搾取される人生なら……僕は!」
「お、おい!まさかお前!そんな事やめろよ!」
マサルは息をのんで、崖の底を横目で見た。ガラ達がマサルを取り押さえる前に、マサルは崖にとびこんでしまったのだった。
そして、落ちていくマサルをルーデンス達は見届けるしかできなかった。
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