氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第1章 レアスキルは偉大

4話 奴隷

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 ホムンクルス達が風呂から上がると、ホムンクルス達はペコリと頭を下げながらお礼を言ってきた。ホムンクルスはしゃべらないが、ショウにはなにが言いたいのか感覚で理解できた。

「そうだ。君達の布団がないんだった」

 すると、ホムンクルス達は自分達は主の倉庫の中で良いと言ってきた。

「もう君達は俺の家族だから部屋で寝たらいいよ」

 すると、ホムンクルス達は首を横に振る。ショウは遠慮なんかせず部屋で寝たらいいと言い、ハウス内の間取りを大きくした。しかし、ホムンクルスはあくまでも主の倉庫の中がいいと頑なだった。訳がわからないと聞くと、ホムンクルス達は倉庫の中で、ショウの魔力をわけて貰っていると言いたいみたいだ。

「つまり俺の魔力がご飯みたいなものなのか?」

 ホムンクルス達は勢いよく首を縦に振った。そう言うのならば、ショウはホムンクルスを時空間倉庫に収納した。
 誰だって腹が減ったら動けなくなるもんな。俺だって、爺さんに無理言って、調味料を大量に持たせてもらったんだから。
 そして、ショウは自宅の布団を敷いて眠りについた。


 次の朝、ショウは窓の外を見て驚いた。

「ええええええええ!な、なんだ!?」

 窓の外には、魔物が大量に倒れていたからだ。この世界シンアースでは、本来夜営を見張り無しでするものではない。それが出来たのは明らかにこのハウスのおかげだ。このハウスはダンジョンの宝箱から出るマジックアイテム。
 これらマジックアイテムは、武器や防具やアクセサリー等多種多様で、冒険者達はこれらマジックアイテムを収得する事も目的の一つである。これらマジックアイテムは、ダンジョンの深層に行くほど高価で高性能なアイテムが手に入る。
 例えば、ショウが神様にもらったハウスは最高級でゴッド級である。この等級は以下の物がある。

●コモン      最も手に入りやすい
●アンコモン    少し価値があるアイテム
●ノーマル     商品として価値があるアイテム
●レア       入手し辛いアイテム
●エピック     国宝級アイテム
●アーティファクト 伝説級アイテム
●ファンタズマ   幻想級アイテム
●ミソロジー    神話級アイテム
●ジェネシス    創世級アイテム
●ゴッド      神々が創造したアイテム

 まさにショウの持つハウスは、ゴッド級のアイテムで国ですら所有してない逸品だった。ちなみにだが、ハウスのレアアイテムというのもあり、持ち運びは小さなアイテムで使用時に大きくなる1人用のテントだが、中は3、4人が泊まれる大きさの物だ。

 ショウは、恐怖で震えながらも解体が出来るホムンクルスと一緒に外に出て外の惨状を確認する。

「ホムンクルス、朝から悪いが解体をしてほしい」

 ホムンクルスは無言で首を縦に振り解体し始めた。ショウはこの魔物達を鑑定するとゴブリンと出る。
 コイツが、ファンタジー定番のゴブリンか。それにしても手際が良いな。
 ホムンクルスはテキパキゴブリンを解体して、ショウにゴブリンの素材を手渡してきた。ゴブリンの素材は頭に生えた小さな角と最小の魔石の二つだけだ。この素材は冒険者ギルドで買い取ってもらえる。値段としてはリンゴが10個買える程の値段だ。

 この世界シンアースでの貨幣通貨はゴルドといい、硬貨ばかりで紙幣はないみたいだ。1ゴルドは1円と爺さんから教えてもらったので計算も簡単だ。
 
●鉄貨1枚で 1ゴルド
●銅貨1枚で 10ゴルド
●銀貨1枚で 100ゴルド
●金貨1枚で 1000ゴルド
●大金貨1枚で10000ゴルド
●白金貨1枚で100000ゴルド
●黒金貨1枚で1000000ゴルド
●虹金貨1枚で10000000ゴルド

 この世界シンアースでは、一万ゴルドあれば夫婦二人子供1人が生活できるか少し足りないくらいだ。つまり、昭和40年前半ぐらいの会社員の初任給だと思って間違いない。
 なので、平民が使う貨幣は金貨までだと思っていい。例えば、屋台で肉串を買う時金貨を出しても釣りがないと断られるぐらいで、屋台主にギルドで両替しろと怒られるのだ。

 ホムンクルスが解体を終え、ゴブリンをそのままにしても問題はないが、ショウはゴブリンを埋葬して町に向かう事にする。処理しないと死体がアンデッドになっても困るので、ショウは地面の土を時空間倉庫に収納し大穴を掘る。そこにゴブリンの死体を投げ入れ、時空間倉庫に収納した土を出して元通りに埋めて町に向かう。 

 ショウは、剣術スキルと盾術を二つ持つホムンクルスを護衛に町に向かう。その途中、薬草や毒消し草は当然だが、魔力草や珍しいキノコも採取しながら旅を楽しんでいた。

「地球と違って色々素材があるよな」
「・・・・・・」
「ん?ホムンクルスどうした?」
「町に早く行かなくていいのかって?」
 ホムンクルスは首を縦に振る。
「かまわないよ。確かに町には行かないといけないが絶対じゃないしね」
「なぜかって?」
「俺は今まで誰かの命令で働き、自由なんかなくて生きるので精一杯だったんだ。だけど、こうしてのんびり旅を楽しんでいるからだよ。当然、君達が俺を守ってくれるから安心して旅ができているんだけどね。本当にありがとな」

 ショウは、ホムンクルスにお礼を言って頭をなでる。すると、ホムンクルスは嬉しいみたいで小躍りしだした。その時いきなり叫び声が森にこだまする。

「た、助けてくれぇええええええええ!」
「な、なんだ?ホムンクルスいくぞ」
 ホムンクルスはうなずく。

 そして、叫び声があった方に向かうと、馬車か粉々になり魔物が一匹暴れていた。ショウは、魔物を鑑定するとトロールとでた。

「この森にはあんな化け物が出るのか?」
「・・・・・・」
「どうするって?そりゃ逃げよう。叫び声のおっさんも殺されたみたいだしどうしょうもないよ」
「えっ?馬車の中に生き残りがいる?だけど、あんな化け物を相手にできるのか?」
 
 すると、ホムンクルスは任せろとばかりに胸を叩きドヤ顔をしているように見える。

「わかった。じゃあ任せるよ」

 ショウがそういうと、ホムンクルスはトロールに突撃したがさすがトロールだ。ホムンクルスが近づくのがわかり、すぐさま振り向く。

『グワッアアアアアア!』

 今まで馬車の馭者を喰らっていたのに棍棒を手に取り振り下ろす。しかし、ホムンクルスはその攻撃をシールドで薙ぎ払う。

「すげぇ・・・これが異世界の戦いなのか」

 ホムンクルスは、トロールの攻撃を難なくシールドでふせぎ、ロングソードで攻撃を加える。しかし、トロールの能力は凄まじく攻撃を加える先から回復していくのだ。
 ホムンクルスの攻撃は決して弱くなく、トロールの回復能力が凄まじい。そして、その腕力の高さで敵を攻撃する。

「これは埒が明かないな・・・しょうがない。ホムンクルス手助けをしてくれ」

 ショウがもう1人、ホムンクルスを時空間倉庫から呼び出す。呼び出したホムンクルスは槍術を持つホムンクルスだ。

「君も攻撃を頼む」

 ショウは槍術を持つホムンクルスに命令をした。そして、剣術と槍術のスキルを持つホムンクルスはトロールを力でねじ伏せる。剣術を持つホムンクルスが、トロールの攻撃をシールドで防ぎロングソードで攻撃。槍術のスキルを持つホムンクルスも、トロールの背中を滅多刺しにする。

『がぁぁああああぁあああ!』

 2人の攻撃はトロールの回復速度を上回る。しかし、さすがはトロール。強靭な体力でホムンクルスの攻撃をはじく。
 ホムンクルスは自分の攻撃を弾かれ驚く。しかし、ホムンクルスのレベルは50レベルと高く、アクティブスキルを繰り出した。

・・・3連突き!」

●3連突き
 40レベルで覚えるアクティブスキル。素早く突きを繰り出し三連撃。敵に与えるダメージ一発1.5倍ダメージ。

『グワァー!』

 このホムンクルスの痛烈なダメージに、トロールは叫び声をあげる。ショウはこの戦いに目を奪われている。
 そうだ。俺も戦いに参加すれば楽に勝てるかもしれないな
そう思ったショウは、トロールにスローの魔法を唱えると、トロールの行動が遅くなった。

●スロー
 30レベルで覚える魔法。この魔法を掛けられると、その対象は攻撃回数やスピード移動速度等、敏捷度の関するステータスが三分の一となる。

『グワッ!?』
 ご主人様凄い!とホムンクルスは言う。

 ホムンクルス達はトロールの攻撃を余裕で回避する事が出来るようになった。そして、トロールの攻撃はスピードがまったくなく、破壊力もなくなりただの攻撃に成り下がる。
 ショウは後の事は、ホムンクルスに任せればいいと思い見守る事にした。そして、ホムンクルス達はトロールの討伐に成功した。そして、解体の出来るホムンクルスに解体を任せて、ショウと2人のホムンクルスは馬車にいる生き残りを捜索した。

 ご主人様。あれを・・・
「あっ、いた」

 崩れた馬車には数人の死体があり、トロールの怪力がとんでもない破壊力があった事が一目でわかる状況だった。
 そして、唯一の生き残りが馬車の崩れた天幕が壁になり、気絶したおかげで助かったのがエルフの女の子だった。
 しかし、ショウはエルフの姿を見て顔を曇らせる。

「なんだこれは・・・」

 エルフの女の子の首には首輪があり、すでに息をひきとっていた獣人の女の子や他種族の女の子にも首輪がされていたのだ。


 この馬車は奴隷商人のものだって?
「よくそんな事までわかるな」
 自分達の知識は神様から授けられているって?すると、ホムンクルスは頷く。
「これからどうするかな?」
 はぁあ?この女の子は俺の物になったって?
「理由分からないんだが!」

 ホムンクルスの説明では、主人(今の場合は御者の奴隷商人)が死んでいた場合、最初に見つけた者が奴隷の所有者が移るという。つまり、この俺がこのエルフの女の子の主人となった事になるのだ。

「ちょっと待ってくれよ。俺に奴隷は必要ないよ」
 だったら、奴隷商に売却したらいいって?
「本当にそれでいいのか?」
 だけど、この娘はもっと酷い目に遭う可能性が遭うけど良いかって?
「そんな事言うなよ」
 その娘を奴隷商に売却した場合、次の主人が俺以上に優しい人間が現れる可能性は1%もないって言うのか?

 ショウは頭の中でホムンクルスが言う事を聞き直すと、ホムンクルスは激しく首を縦に振った。

「マジかよ・・・」

 気絶したエルフを横目にショウは頭を抱えるのだった。
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