氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第1章 レアスキルは偉大

5話 エルフ族のシスティナ

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 ショウはとりあえず、エルフの頬を優しくペチペチ叩き目を覚まそうとした。

「お~い。目を覚ませ」
「ハッ!」

 目を覚ましたエルフの女の子は突然勢いよく飛び起き土下座をした。

「ご、ご主人様・・・ご、ごめんなさい・・・これ以上殴らないでください・・・」
「おいおい。そんな物騒な事言うな。俺は殴らないから安心してくれ」

 エルフの女の子は、ショウの声を聞いてソォ~っと顔を上げた。

「あ、貴方はいったい誰ですか?」
「あー、俺が偶然この近くにいて、君の主人の悲鳴を聞いたんだけど間に合わず魔物に殺されたんだよ。君は壊された天幕がガードになって助かったんだ」
「そうだったんですか・・・」
「それで俺はショウ。君は?」
「あっ、すいません。私はシスティナといいます」
「わかった。システィナさんだね。それで君はこれからどうしたい?」
「私は奴隷なので呼び捨てでお願いします。それでどうしたいとは?私に選択肢はないかと?私のご主人様は貴方です」
「やっぱりそうだよね・・・」
「あの・・・私が必要なければ奴隷商に売却する選択もあるかと・・・」

 システィナはそういった選択肢を提示する。

「システィナはそれを望むのかい?」
「できれば私の命を救って頂いた貴方の側に居させて欲しいです」
「わかった。じゃあ、一緒に行くか」
「あ、ありがとうございます」

 しかし、システィナは奴隷として囚われ満足な食事を与えてもらっていなくて、立った瞬間立ち眩みで膝を付いて歩くことが出来なかった。

「絶対に栄養失調だな・・・」
「だ、大丈夫です。ちょっとよろけただけです」
「無理をしちゃ駄目だ」
「しかし、ご主人様に迷惑をおかけするわけには・・・」
「いいからいいから。ほらっ」

 ショウはシスティナの前でしゃがむ。

「えっ!?」
「ほら、おぶってやるから乗りな」
「いや、でも・・・ご主人様におぶってもらうだなんて」
「やっぱりおっさんに触られると嫌か」
「いえ、そうではなくて!」
「ホムンクルス、悪いがシスティナを運んでほしい」

 ホムンクルスは、システィナを運ぼうと近づくが、ホムンクルスを見たシスティナは悲鳴をあげ震え出した。

「きゃあ!」
「な、なんだ?」
「か、顔がない・・・」
「あっ、あぁ・・・システィナ落ち着いてくれ」
「ご、ご主人様・・・あ、あの人はいったい・・・」
「このはホムンクルスだ。人造人間だが、俺の家族の1人でとっても気の利くいいだから仲良くしてくれると嬉しい」
「じ、人造人間?」
「ああ。俺の言う事を何でも聞いてくれる頼もしい存在で、トロールからシスティナが助かったのもホムンクルスがいたからだよ」
「そ、そうだったんですか・・・ホムンクルスさんさっきは顔を見て驚いてごめんなさい。これからよろしくお願いします」

 システィナはホムンクルスに謝罪した。ホムンクルスと話せるのはショウだけだったが、ホムンクルスは気にしていないと言っていたので、システィナに伝えるとホッと安心した。

「しかし、よく考えるとホムンクルスは町中では連れて歩けないな」
 んっ?自分達は町中では危険はそうそうないから、俺の時空間倉庫に入っているって?
「そうか?」
 町中で襲われても、俺の魔法でじゅうぶん対処できるって?

 ホムンクルスはショウの問に首を縦に振った。ホムンクルスが自信を持っていいきるには理由があった。ヒューマン族の平均レベルは30前後で、ショウのレベルは30あるからだ。しかも、ショウの属性魔法は上級レア属性であり、それだけでアドバンテージがあるのだ。解りやすく言えば同じレベルの人間でも唯一属性なので強いとホムンクルスに言われる。

「あのご主人様・・・」
「んっなんだ?」
「私をご主人様の奴隷にしてくれるという事でいいですか?」
「ああ、そうだな。これからよろしく頼んだよ」
「あのそれでですね。仮契約はしてくれないのですか?」
「仮契約ってなんだ?」

 システィナの説明では、隷属の首輪に魔力を流してほしいとの事だった。

「ここでいいのか?」
「はい」

 ショウは、システィナの首輪の正面にあるプレートに魔力を流した。それで、仮契約は済まされ後は町の奴隷商で本契約を済ませば、晴れてシスティナはショウの奴隷となると言われたのだった。
 そして、ちょうど説明が終わった頃に、トロールの解体が済み、ホムンクルスがトロールの素材を持ってきた。トロールの素材は、魔石と心臓と睾丸に肝臓に胃袋だった。トロールの素材は貴重でポーションの材料になり、高値で取引されている。
 ショウは、トロールの死骸、奴隷達、奴隷商であろう男の死体を埋葬した。奴隷商の男からは商人ギルドのギルドカードを入手していた。男のギルドカードにはトロールに殺害され死亡と記載されていた。これをギルドに提出すれば、システィナの入手経緯をギルドからは疑われることはなくなるからだ。

「ありがとな。じゃ町に向けて出発しよう」
「待って下さい」
「まだなにかあるのか?」
「ご主人様は馬車の中にある貴重品を持っていかないのですか?これらは最初に見つけたご主人様の物ですよ」
「そういったものなのか?」
「はい。だから持てる分だけ持って行った方が得ですよ」

 ショウはシスティナに言われて、馬車ごと時空間倉庫に収納してしまい、倉庫の中でアイテムを整理し、壊れた馬車や壊れたアイテムや武器防具はその場に排出し捨てた。
 馬車の中にには、ワインや食材、服などもあり各国の貨幣まであった。神様からは一ヶ月分の貨幣しか持たされていなかったが、さすが奴隷商人であり1年は遊んで暮らせるお金があった。それに奴隷商人のギルドカードの貯金もショウのものとなる。全額ではなく貯金の7割が見つけた人間のものになるのでショウは一気にお金持ちになった。

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