氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第1章 レアスキルは偉大

6話 システィナと本契約

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 ショウ達は、やっと森から抜ける事ができ、今は街道ですれ違う冒険者や旅人を見る事ができ少し安心していた。

「おい、あれを見てみろよ。あの男亜人なんかおぶっているぜ」
「ホントだ。亜人なんか自分で歩かせればいいじゃねぇか」
「ちょっとやめなさいよ。自分の奴隷をどのように扱おうがその人の自由でしょ?」

 町に近づくとすれ違う人が多くなりいわれのないことを、すれ違うたびに言われるようになっていた。

「ご主人様ごめんなさい・・・」
「システィナが謝る事はないよ。システィナはまだ体力が戻ってないから気にするな」
「で、でも・・・奴隷が主人におぶってもらうなんて」
「さっきすれ違った人も言ってただろ?奴隷をどのように扱おうが主人の自由だってな。俺はシスティナに無理はさせるつもりはないからな」
「でも・・・」
「この話はもう終わり。それにシスティナに体力が戻ったらやってもらう事もいっぱいあるからな。それまでは無理しない。わかったか?」
「はい」

 ショウの言葉にシスティナはニッコリ微笑んだ。そして、帝国領地の最西端の町に到着する。到着し早々、ショウは城門警備兵に話しかけられる。城門に並ぶ冒険者や旅人は、ショウの事を変な目で見てコソコソと話していた。

「お前何を考えているんだ?それは亜人奴隷だろ?」
「はいそうですが?」
「そうですかじゃないだろ?その亜人の主人はお前なんじゃないのか」
「そうですね」
「お前はそれでいいのか?」
「言っている意味がわからないのですが。このを見つけた時、奴隷商人に食事を満足に与えられていなくて体力がなくて、自力で歩けなかった程なんです」
「だからと言って、主人が亜人奴隷をおぶって歩くなんてお主正気か?そんなの自力で歩かせればいいだろ」
「それは奴隷をおぶって歩くと違反行為という事ですか?」
「いや、そういう訳ではないが・・・」
「なら、俺が奴隷をどうあつかっても良いという事ですね」
「・・・ま、まあお主が納得しているというなら、もう何もいわんが本契約はちゃんとしておくんだぞ」
「それはもう。その為に町に寄ったんです」
「そうか。なら、町に入るのなら身分証明を出してくれ。なければ入町金銅貨五枚、奴隷は銅貨1枚だ」

 ショウは城門警備兵に入町金を支払い町の中に入れた。そして、近くの森の中で奴隷商人がトロールに襲われ死亡した事を報告した。

「な、なんだと?その亜人はその生き残りだと言うのか?」
「はい」
「なぜそれを早く言わん!直ぐに冒険者ギルドに連絡し討伐依頼を・・・」
「あ、もう大丈夫です。俺が討伐しておきましたんで」
「「「「はっ?」」」」
「お主がトロールを討伐だと?」
「はい」
「お主嘘はいかん。トロールはCランクの魔物でこの辺りには滅多に出ない魔物なんだぞ。それをお主1人で討伐など出来るはずが・・・」

 城門警備兵がショウを疑い責め立てる。しかし、反論をしたのはなんとシスティナだった。

「ご主人様を甘く見ないでください。ご主人様は物凄く強いお方です」
「亜人奴隷は黙っていろ!言っちゃ悪いがトロールがくたびれたおっさん1人に討伐など・・・」
「おいおい、確かに俺はくたびれたおっさんなのは否定しないが、トロールぐらいはわけないぞ」
「馬鹿な事を申すな。トロールはCランクの魔物だが、それはパーティー討伐だ。ソロ討伐するにはB+が必要なんだぞわかっているのか?」
「これでも俺は空間属性魔法が使えるだ」

 そう言って、ショウはトロールの魔石を時空間倉庫から取り出しそれを証明する。

「「「「な、何ぃいいいいいいい!?」」」」
「お主い、いや貴方様は空間魔導師様なのですか?」
「な、なんだよ。いきなり丁寧な言葉遣いなんかしなくていいぞ。それとこれは奴隷商人のギルドカードだ」
「そんな理由にはいきません。知らぬとは言え失礼な事を申して申し訳ありませんでした」

 城門警備兵がショウに直立不動で謝罪する。ショウもこれには面を食らったがしょうがない事だった。空間属性魔法はレア属性魔法で一般には空間魔導師の称号の名で呼ばれていて、貴族からも敬意を払われ敬われる存在だからだ。
 これは、レア属性魔法を授かる確率が低く、これは貴族も平民も関係なく基本属性魔法ですら全人類の20%しかいないのに、レア属性魔法となると全人類の1%しかいないからだ。そんな人材が国に在籍すれば、それだけでステータスになり他国への牽制となり大切に扱われるのは言うまでもない事なのだ。

「わかってくれたならいいんだが・・・」
「「「「はい!」」」」
「それとトロールの討伐ありがとうございます。町への被害が無く平穏が保たれました」

 奴隷商人のギルドカードの裏には、トロールに殺害され死亡ときっちり記載があり、ショウが疑われる事はなかった。
 そして、入町金は直ぐに返金される。

「これは?」
「はい!魔導師様から入町金など頂けません。基本属性魔法の方でさえ、入町金は頂いておりませんので気になさらず結構です」

 ショウはそう言われて頭を下げて町の中に入る事にした。
そして、城門警備兵には奴隷商の場所を聞き、紹介状まで書いてもらうVIP待遇だった。
 そして、ショウは奴隷商店の扉を聞きカウンターに向かい受付嬢に話しかけた。ショウは奴隷商店の雰囲気に目を見張る。想像では、奴隷が鉄格子に入れられ悲惨な状況だと勝手に思っていた。しかし、実際は綺麗なカウンターに綺麗な受付嬢が亜人に偏見を持たず笑顔で対応してくれたのだ。

「いらっしゃいませ。今日はどのようなご要件でしょうか?」
「このと本契約を結びたい」
「わかりました。直ぐに準備いたしますのでこちらへどうぞ」

 ショウは、城門警備兵にもらった紹介状を出してもいないのに丁寧な接客対応をされた。そして、契約を結ぶ部屋に通される。

「担当させていただくマーチンと申します」
「これはご丁寧にありがとうございます」
「奴隷契約の金額は銀貨1枚になりますがよろしいですか?」
「ああ。構わないです」
「それと確認しますが、本当にそちらのエルフ族と本契約を結ばれますか?」
「ああ。よろしく頼みます」
「わかりました」

 ショウは銀貨1枚をテーブルに置いた。マーチンはそれを見てニッコリ笑う。そして、マーチンはショウに血を一滴システィナの首輪の正面にあるプレートに付けて下さいと言った。ショウは指に針を刺し血を一滴プレートにつける。マーチンはそれにカースの魔法を使い奴隷契約を結んだ。
 これにより、マーチンはレア属性魔法の闇属性魔法の使い手である。また、カースを使えた事で40レベル以上の闇魔導士という事なる。そして余談だが、闇属性魔法を授かっていない者や40レベルに達していない闇属性魔法の使い手の奴隷商人はカースのスクロールで奴隷契約をする事が可能である。

「おっ!システィナの首輪の形が変わった」
「これで本契約は結ばれ、晴れてシスティナはショウさんの奴隷となります。ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます」
「それで差し出がましいのですが、ショウさんはこの町に住むおつもりでしょうか?」
「そのつもりですが何か問題でも?」
「いえ、ショウさんだけなら問題はございません。問題はシスティナの方でございます」
「ああ・・・」
「ショウさんもお気づきでしょうが、帝国領地は人至上主義国です。まだこの町は王国との国境付近なのでまだ差別は緩い方ですが、システィナに買い物を頼んだとしても売ってくれないのは日常茶飯事です」
「そんなに酷いのか?」
「まだ優しい方ですよ。酷い方になればいちゃもんを付けて暴力を奮われる方も少なくありません」
「それは困ったな・・・」
「悪い事はいいません。システィナを養われるなら王国領地に行かれた方がよろしいかと思います」
「なるほどな。忠告ありがとうございます。ただ、システィナの体力が戻らないと旅はできないので、しばらくはこの町に滞在したいと思います」
「ご主人様迷惑をおかけして申し訳ありません」
「システィナは気にするな。まずは体力をつけないとな」

 ショウはシスティナの頭を優しく撫でたのだった。
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