氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

文字の大きさ
16 / 119
第1章 レアスキルは偉大

15話 ホムンクルスの顔は創れるのかな?

しおりを挟む
 ショウとシスティナは、国境で行商人達の馬車に誘われ引っ張りだこになるが、すべての馬車の誘いを断り歩きでアルンの町を目指す。

「魔導士様アルンまで乗っていきませんか?」
「悪いね。俺達は歩きでゆっくり行きたいんだ」
「そうかい。残念だよ」

 国境では、行商人や旅人の間でショウの噂で賑わっていた為、後方からやってくる馬車に乗らないかと誘われていた。
 ショウに乗ってもらえれば、安全に旅が出来ると思った行商人達が声をかけてくるのである。

「さすが行商人だな。噂が早い」
「ご主人様がいれば安全に旅が出来るのがわかリますからね」
「やっぱ、風の群狼効果は目立ち過ぎたな」

 ショウははじめ馬車に乗せてもらおうかとも思ったのだが都合が悪すぎたのだ。基本戦闘はホムンクルスに任せるし、野宿のときは更に都合が悪いのだ。馬車の人間は基本黒パンや干し肉になる。その中で、自分達だけ温かいスープや肉を食べる訳にはいかなくなる。ショウはごはんが不味いのは嫌だった。ルーデンバッハの町で野菜を買ったがやはり味が落ちるのだ。その為、やはりハウスの中で料理した方がいいと結論になる。そうなれば、神様と約束した通り調味料を使った料理を他人に見せる訳にはいかず、システィナと二人で旅する事が都合がいいとなったのだ。

「あっ、ご主人様何処に行くんですか?」
「街道を行くと馬車がくると声をかけられるからな。森の中を行こうと思う。システィナは少し大変だろうけど、ホムンクルスにおぶってもらうから我慢してくれ」
「わかりました。だけど、だいぶん体力もついてきたし自分で歩きます」
「無理はするなよ。しんどくなったらいつでも言ってくれ」
「はい!」

 システィナは本当に体力が戻ってきたようで、ホムンクルスにおぶってもらう事はなかった。それとショウが森の中を突き進むのは、馬車の問題だけでなく薬草や毒消し草など採取するつもりだった。

「ご主人様疲れました」
「そうだな。今日はここで泊まろうか」
「そうしてください」

 ショウは時空間倉庫からハウスを取り出しテントを張った。当然だが内装はショウの田舎の爺さんの間取りである。

「くはぁ~~~。やっぱ風呂はいいなぁ。疲れが吹き飛ぶ」
「そうですね」

 ショウはハウスの間取りを変えて、風呂を2つ創りもう一つにシスティナとホムンクルスに入ってもらっていた。
 間取りを好きに変えられるのはこういう時本当に便利である。風呂から上がり、ショウは晩御飯の準備に取り掛かろうとすると、すでに他のホムンクルス達が晩御飯の準備を済ませてくれていた。

「お前達も料理の腕が上がってきたよな。本当にいつもありがとな」
【どういたしまして】

 ホムンクルスはショウに褒めてもらい頬を赤らめる。

【ご主人様は町についたら何をするつもりなんですか?】
「どうしたんだ?ホムンクルスが珍しいな」
【ご主人様のやりたい事に興味がありまして】
「そういえば言ってなかったな。町についたらポーションを売って生活をするつもりなんだ」
【ええぇ!】
「な、なんだ!どうしたんだ?」
【では、もう旅はしないのですか?】
「そうだな。俺ももう年だからこんな長旅はしたくないな」

 ショウの言葉に、ホムンクルスはあからさまに落ち込む姿を見せる。

「おいおい。どうしたんだよ」
【だって私達ホムンクルスはご主人様の護衛がメインですよ。もう護衛は必要無いという事ですよね?】
「アハハハ!なんだそういう事か」
【笑い事じゃないです!私達は用済み・・・】
「待て待て!勝手に引退されたら俺が困る」
【で、でも・・・】
「確かにこういう長旅は無くなるが、ダンジョンにはいかなきゃならんからな。お前達は引き続き俺の護衛をしてもらわんと困るよ」
【ご主人様!でもポーションの素材って普通は冒険者ギルドに依頼を出すんじゃ?】
「ホムンクルスよく知っているな。そうだな・・・冒険者に依頼を出すのが普通だ。それは戦う能力がない生産職だからだ。だけど、俺にはお前達がいるだろ?」
【ご主人様!】
「それに自分で採取したほうが、ギルドに中間マージンを取られなくて済むしな。だから、まだまだ俺を護ってくれよ」
【はい!】

 ショウはホムンクルスがそんな事をいうとは思ってもいなかったので少し困惑した。なんか最初の頃より人間味が増しているように感じたからだ。しかし、相変わらず顔はマリオネットのようだがそのうち人間の顔ができるのかもしれないと、ショウはホムンクルスを見て微笑むのだった。

 それから5日が経ちようやく町が見えてきた。

「それにしても早く着きましたね」
「そうだな。1週間は過ぎるかと思ってたからな」
「このアルンの町はそこそこ大きい町ですね」
「ああ。悪いがホムンクルスは時空間倉庫に収納させてもらうな」
【わかりました】

 ホムンクルスはショウに頭を下げ、時空間倉庫に入ってしまう。

「いつか、ずっと外に居させてあげたいな・・・」
「そうですね・・・」
「なんとか顔が創れたらいいんだけどな。どうしたら創れるのかさっぱりわからんからな」
「ご主人様が創られたんじゃないのですか?」
「ホムンクルスは神様にもらったんだ。俺が創れたらよかったんだがな」
「どういう事です?」
「俺は最初、ポーション製作のスキルを要望したんだよ。だけど、神様はサービスしてくれてな。POT錬成術じゃなく錬金術にしてくれたんだ」
「錬金術ですか?聞いた事ないですね」
「まぁな。錬金術も激レアスキルらしいからな」
「それとホムンクルスは関係あるのですか?」

 ショウはシスティナに、錬金術師だと戦えないという事で護衛としてホムンクルスをもらった事を説明する。

「だけど、ご主人様は時空間属性魔法がありますよね?十分戦えるじゃないですか」
「順番が逆だったんだ。その後に俺は荷物が楽に運べるストレージ系のスキルはないかと聞いたら、空間属性魔法の事を聞いたんだよ」
「それで神様はサービスしてくれて上級レア属性の時空間属性魔法をくれたんですか?」
「そういう事だな」
「ご主人様は運が良かったんですね」
「まぁ、前世が悪かったとも言えるがな」
「な、なるほど・・・でしたら、ご主人様のレベルを上げましょう」
「これでも人間では平均の30レベルなんだぞ」
「さっきの説明では、錬金術が低いからホムンクルスを創れないと言ってたじゃないですか?」
「まぁな。錬金術の最終到達点が賢者の石らしく、それを使った創造できるのがホムンクルスらしいからな」
「という事はですよ。ホムンクルスの創造ができれば、ホムンクルス達の顔が創れるかもしれないじゃないですか」
「な、なるほどな!システィナ賢い!」
「エヘヘ。ご主人様の役に立てて嬉しいです」

 ショウとシスティナは今後の目標は、町でポーションを作りショウのレベルを上げる事に決めた。そして、ホムンクルスの顔を創り、ホムンクルス達を普通に生活できるようにする事にしたのだった。しかし、ホムンクルスの顔はショウのレベルを上げる必要などない事をまだ二人は知らないのだった。

 そして、今後の目標を決めた二人は笑顔でアルンの町に入るのだった。

「すいません。ちょっといいですか?」
「なんだ?ここは兵舎だぞ」
「わかってますよ。ちょっとここで盗賊の懸賞金が支払われると聞いたのですが、精算は終わっているか聞きに来たんです」
「おいおい。精算が終わっているかって普通はすぐ支払われるものだろ?」
「なんか数が多くて1週間程かかると言われたもので」
「1週間だと!お前どんだけ盗賊を捕らえたんだよ?」
「100人は越えてたかな?」
「ぶははははははは!冗談はよせ。お前のようなオッサンが100人の盗賊って?じゃあ、その証拠の討伐書類を見せてみろ」

 ショウは又こういう掌返しをやるのかと、ため息をつきながら国境でもらった討伐証明の書類を手渡す。すると、その兵士の顔が真っ青になっていく。それをショウは冷めた目で見ていた。

「こ、これは・・・失礼いたしました!」
「それで精算はできる?」

 ショウが兵士に聞くと、兵士は精算書類を慌ただしくめくるが【風の群狼】の書類はまだなかったみたいだ。

「申し訳ありません!まだ精算は終わってないみたいです」
「そうなんだ。やっぱまだ早かったみたいだ。申し訳ない」
「とんでもございません!私こそ知らなかったとはいえ失礼な態度をとり申し訳ありませんでした!」
「そんなかしこまらなくていいよ。じゃあ、また2日後ぐらいに寄らせていただくよ」
「はい!お待ちしております。それと風の群狼を退治していただき本当にありがとうございました!行商人や旅人達が犠牲にならなくなって本当に助かります」

 兵士はショウに討伐のお礼を言い敬礼をする。ショウも丁寧にお礼を言われ笑う。

「それじゃ精算の方よろしくお願いします」
「はい!」

 ショウは兵舎を出てアルンの町の冒険者の広場に向かう。

「兵士さん驚かれていましたね」
「これが続くのは少々疲れるな・・・」

 ゲッソリしたショウを見てシスティナはクスクス笑う。そして、2日後風の群狼の懸賞金をもらいアルンの町を出たのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜

2nd kanta
ファンタジー
 愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。  人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。 そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。 しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

美女エルフの異世界道具屋で宝石職人してます

網野ホウ
ファンタジー
小説家になろうで先行投稿してます。 異世界から飛ばされてきた美しいエルフのセレナ=ミッフィール。彼女がその先で出会った人物は、石の力を見分けることが出来る宝石職人。 宝石職人でありながら法具店の店主の役職に就いている彼の力を借りて、一緒に故郷へ帰還できた彼女は彼と一緒に自分の店を思いつく。 セレナや冒険者である客達に振り回されながらも、その力を大いに発揮して宝石職人として活躍していく物語。

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

母を訪ねて十万里

サクラ近衛将監
ファンタジー
 エルフ族の母と人族の父の第二子であるハーフとして生まれたマルコは、三歳の折に誘拐され、数奇な運命を辿りつつ遠く離れた異大陸にまで流れてきたが、6歳の折に自分が転生者であることと六つもの前世を思い出し、同時にその経験・知識・技量を全て引き継ぐことになる。  この物語は、故郷を遠く離れた主人公が故郷に帰還するために辿った道のりの冒険譚です。  概ね週一(木曜日22時予定)で投稿予定です。

異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

処理中です...