氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第1章 レアスキルは偉大

21話 ポーションの製作をしよう

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 冒険者達が帰っていった後、ショウは少しだけ薬草を採取する。そして、採取したばかりの薬草と、マートンの町に来る途中で採取した薬草と比べて見た。

「こう見ると全然違うな・・・採取したばかりの薬草なのに超最高品質の薬草だ」
「そりゃそうですよ。木の精霊ドライアドが成長させたんですから魔力も十分蓄えている薬草ですよ」

 なぜか、システィナがドヤ顔をしていた。ショウはそんなシスティナをスルーしながら、ポーションの製作に取り掛かる。

「ご主人様はどのようにポーションを製作するのですか?」
「やっぱ人それぞれ違うんだな」
「多分そうですね。私の村にもPOT錬成師がいましたが、大変そうでしたよ」
「どんな風にだ?」

 システィナは見たままショウに説明をすると、まず薬草をすり鉢でよく擦り潰し、布で包み薬草の水分を抽出するそうだ。この作業が本当に大変らしく腕がパンパンになるらしいのだ。
 そして、薬草から抽出した液体と水を錬成すると、下級回復液ヒールポーションが完成すると言った。

「結構簡単なんだな」
「でも、POT錬成術のない人は錬成が出来ないので、水と薬草液を合わせ長時間寝かせるらしいですよ」
「大変だな!」
「それだけの労力を使っても効果は更に低い粗悪品のヒールポーションみたいです」
「じゃあ、ドワーフのガンツが言った事は本当の助言だったんだな」
「まぁ、そうですが・・・あの上から目線の言い方は納得できませんけどね」
「まぁそう怒るなって。ガンツは俺のスキルを知らなかったんだ」
「ご主人様はどんな風に製作するのですか?」
「俺は前にも言ったが、POT錬成術じゃなく錬金術だ。だからすり鉢や布は使わないんだよ」
「え~~~!」

 ショウはさっき採取したばかりの超最高品質の薬草といくつかの容器をちゃぶ台の上に置く。そして、錬金術のスキルを開くと錬金術の項目がでる。そこには、錬成・抽出・合成・分解の4つの項目に分けられていた。

「この抽出を使うと・・・」
「あっ!凄い!」

 薬草の上空に水分がプカプカ浮いていた。その水分を別の容器に淹れる。

「これで抽出作業は終わりだ」
「こんな早く終わるのですか?エルフの村の錬成師は数時間抽出作業をしてましたよ」
「本当にスキルは凄いよな」
「それにこの透き通った抽出水は凄いです!」

 システィナが驚くのも無理はなかった。すり鉢で擦り抽出する際、擦り潰した薬草を布です時に目の粗い布は薬草の葉や茎がどうしても水分と共に流れる。
 薬草はそのままではありえないくらい苦くそのままでは絶対食べたくない野草である。余談だが薬草をそのまま食べても少しだけHPが回復する。

「この世界にもフィルターがあればもう少しマシになるかもしれないな」
「フィルターですか?聞き慣れない物ですね」
「まぁ無いものは言ってもしょうがないな」
「これでどうするのですか?」
「これで水と錬成するだけだ」

 ショウは薬草から抽出した液体と水道水を錬成した。すると、パァーっと光り輝きヒールポーションが出来上がった。
ショウはそれを神眼で確認すると顔が曇る。

「ご主人様どうかしたのですか?」
「おかしいな・・・薬草が超最高品質の物を使ったのに、出来上がったヒールポーションが最高品質に下がってる」
「最高品質!?」
「何を驚く事があるんだ?」
「ご主人様、最高品質のヒールポーションはまずありませんよ。普通良いものは高品質です」
「という事は、冒険者が使用しているのは・・・」
「はい・・・普通品質です。しかし、これはお金に余裕があるベテラン冒険者で駆け出し冒険者は低品質か粗悪品です」
「そんなの飲めたもんじゃないだろ?それに効果だって!」
「それだけポーションは高級品っでいう事ですよ」

●ヒールポーション
 粗悪品   1~4回復
 低品質   2~5回復
 ノーマル  3~8+3回復
 高級品質  3~8+5回復
 最高品質  5~10+5回復
 超最高品質 20回復(売りに出た事が無い)

 ショウは、そんなにポーションは貴重品って事に驚いた。

「そんなんじゃ冒険者は安心して戦えないだろ?」
「だからこそ慎重に行動するんじゃないですか?」
「いやいや。慎重に行動するのは当たり前だが、魔物と戦えないと言っているんだ。魔物の力は尋常じゃないパワーだぜ?そんな相手に傷つけられたら致命傷になるだろ?」
「だからこそ、身体を鍛え上げているんだと・・・」

 ショウとこの世界の人間では感覚が違い過ぎるとしかいいようがなかった。剣と魔法の世界というが魔法は全人類の2割しかいない世界だ。しかも、ヒールの魔法がつかえるのは1%しかいない聖属性魔法だ。つまり、生存率を上げる鍵はポーションになるのに手軽に購入出来ないのだ。

「この世界の人間は脳筋かよ・・・」
「脳筋ってなんですか!ちゃんと考えてますよ」
「脳筋って言葉はあるんだ・・・」
「ありますよ。言って置きますがご主人様」 
「な、なんだよ?」
「その脳筋って言葉、ドルーマ族の人に言ったら絶対駄目ですよ」
「ドルーマ族って、あのでかい種族か?」
「そうです。ドルーマ族の皆さんは戦闘民族です。身体を鍛え上げ肉弾戦をする事を誇りに思っていますからね。それを脳筋って罵られると決闘を申し込まれて殺されますよ」
「怖っ・・・まぁ教えてくれてありがとな」
「いいですけど・・・それだけポーションは貴重品って事ですよ」
「そんな事言ってもなぁ・・・ドライアドが育てた薬草だぞ?その薬草を使ったポーションが最高品質に落ちるのは納得できないだろ?」
「そういうものなんですか?最高品質でも凄いかと」

 ショウは少し考えてハッとして手を叩き大きな音を鳴らした。その音にシスティナはビクッと身体が跳ね上がる。

「びっくりした!なにかいい案でも浮かんだのですか?」
「ああ!薬草は良いものなのは間違いないんだが水が問題なんだよ」
「水は綺麗じゃないですか?こんな透き通った水ないです」
「確かに綺麗だが飲料水ほどではないんだよ」
「ちゃんと飲めますよ・・・」
「確かに飲めるけどな。この世界ではそういう事じゃないんだよ」

 ショウは神様が言った常識を捨てろと言った言葉を思い出していた。そして、ショウはバケツいっぱいに水道水を汲んできた。

「ポーションにそんな大量の水を使うんですか?」
「これはまだ前準備だよ」

 ショウは錬金術のスキルは展開すると今度は抽出ではなく合成を使う。するとバケツの水が合成しコップ1杯程度の量になりそれは【純水】となる。

「何も変わってませんが?」
「この水は一切不純物がない綺麗な水なんだよ」
「不純物がない?」

 そして、ショウはその作業を繰り返し、10杯の純水を作り出した。そして、その10杯の純水を更に合成すると今度は【清らかな水】となった。

「ま、まさかこの水は!」
「知っているのか?」
「まさかこの水を見る事ができるなんて!」

 システィナはその存在を知っている訳ではなく、側にいるドライアドを通じて興奮しているみたいだった。

「私も見た事はありません。だけど、ドライアドが興奮しててその水は水の精霊ウンディーネが創造出来る邪を退ける水なんですよ」
「へぇ~そんなに凄い水なんだな」
「まさかその水で?」
「そういう事!」

 ショウはその水とドライアドが育てた薬草の抽出した液体を錬成すると、先程の最高品質のポーションより光り輝き出来たヒールポーションは超最高品質のヒールポーションとなった。

「きたぁ~~~~~!システィナ見てみろ。これが超最高品質のヒールポーションだ。回復量も40回復の固定だぞ」

 システィナはそのヒールポーションを見て呆然とした。

「ご主人様・・・そのヒールポーションお売りになるのですか?」
「ああ・・・確かに売れないかな」
「そうですね。高すぎて誰も手が出ないでしょう。購入するのは貴族様ぐらいでしょう・・・」
「まぁ高けりゃ、値を落とせばいいんだよ」
「はぁあ!?清らかな水を使ったポーションの値を下げるんですか?」
「さっき見たよな?俺にとって清らかな水は水道水と変わらないよ。ただ、ギルドに買い取ってもらうポーションは、ドライアドが育てた薬草は使わないよ」
「じゃあ、ドライアドは意味ないじゃないですか」
「何言ってんだよ。このポーションは俺達がダンジョンに行くとき用に決まってるだろ」

 そういうとドライアドは、システィナの肩の上で万歳をしていた。そして、冒険者ギルドに卸すポーションは、森で採取した薬草と純水で製作した高品質の物とした。
 しかし、ショウの作る高品質のポーションは、回復量が他の錬成師が製作したポーションより回復量が多かったのだ。

「見てみな。この高品質のポーションは3~8+10回復だぞ」
「私にはわかりませんが魔力量が高い感じがしますね」

 これはショウの錬金術が作用している事がわかる。抽出した液体に不純物がない綺麗な液体だからだ。その為、固定回復が5から10に上がっていた。

「これをノーマルより少し高い値段で買い取ってもらう」
「えぇ~!そんな事をしたら・・・」
「ああ。商人ギルドは困るだろうな。だけど、これは組織の怠慢だと思うからな。ちょっと自由競争というものを教えてやろうと思う」
「ご主人様・・・商人ギルドでの件、結構根に持ってたんですね・・・」
「当たり前だ」
「ご主人様が悪い顔になってる・・・」

 システィナとドライアドは、ガクガク震えるのだった。

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