氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第1章 レアスキルは偉大

31話 ホムンクルスの眷属化

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 ショウが朝目を覚まし障子を開けると、大部屋ではホムンクルス達が、将棋盤を前に一晩中勝負を繰り返していたようだった。

「おはよう!うわっ!なんだお前達・・・まさか一晩中勝負をしてたのか?」
【【【【【【【ご主人様おはようございます!】】】】】】】

 ホムンクルスに睡眠は必要はないので、一晩中勝負をしてても元気一杯で挨拶を返してきた。

【ご主人様、私と勝負をして下さい】
「構わないが一日で勝てるつもりなのか?」
【任せて下さい!昨日一日でだいぶん強くなりました】




 数時間後

 ホムンクルス達はショウに惨敗し全員が下を向いて落ち込んでいた。

【・・・・・・・・・・・・】
「そんなに落ち込むな。最初から分かってたことだからな」
【酷いです・・・最初から分かってたことなんて】
「俺がお前達に一日で負けたら俺が落ち込むわ!」
【ですがこのままだと何時まで経ってもダンジョンにいけないじゃないですか】
「当たり前だ!今、行ったら全滅必死だからな」
【そんな・・・】
「そんなじゃない!ダンジョンどころか森の浅いところが精一杯だ」
「ご主人様、やっぱりスキル無しだと時間が必要ですよ」

 このシンアースの世界では、スキルがあれば短時間で習得してしまうがスキル無しだと時間が必要になる。それは経験により習得する能力でありスキルとはまだ少し違うのだ。

「あのご主人様?あたしの勘違いなら申し訳ありませんが、ご主人様はなんとか出来ないんでしょうか?」
「俺が?アリサ何を根拠にそんな事を?」
「あたし思ったんですけど、ご主人様の錬金術って万能スキルじゃないですか?あたしもどうやってやるのかは説明できませんが、ホムンクルスさんってご主人様が創れる人造人間なんでしょ?」
「な、なるほど!そういう事か・・・」

 ショウはホムンクルスを自分の前に立たせた。そして、将棋の駒のひとつ【歩】を手に持ち、錬金術のスキル錬成を発動させた。
 錬成は違うアイテムを掛け合わせる事が出来るスキルだ。ホムンクルスは人造人間であり、ショウは人間として接しているがホムンクルスはアイテムである。
 そして、将棋の駒はショウの祖父が若い頃から指してきた戦術が蓄積した駒のひとつであり、ショウはホムンクルスと駒の歩を錬金術で掛け合わせたのだ。

「上手くいってくれよ」

 錬成を発動すると、ホムンクルスの胸の辺りにある賢者の石に将棋の歩が掛け合わさるとホムンクルスは光り輝く。そして、光が収まるとそこには何も変わらないホムンクルスが立っていた。

「何も変わってないですね・・・」
「そんな事はないはずだ。あの輝きは錬成が成功した証だからな」

 ショウはホムンクルスを神眼で鑑定すると、ホムンクルスのステータスに戦術のスキルが発生していた。

「よし!成功だ」
「キャッ!」

 ショウはあまりの嬉しさにアリサを抱きしめる。アリサは突然の事に小さな悲鳴をあげ顔を赤らめたのだった。それを見たシスティナは間髪入れず大声をだし、ショウとアリサを引き剥がした。

「あ~~~!抱きしめ禁止!」
「ちょっとシスティナ何するのよ!」
「アリサばっかり狡い!」
「ったく・・・子供か!」
「だって・・・」
「まぁ、とにかくだ!アリサありがとな。これでホムンクルスは更に強くなれるはずだ」
【アリサありがとう】

 ホムンクルスはアリサに近づいて頭を下げる。
「ご主人様、ホムンクルスはありがとうって言ってる?」
「そうだな。何回もありがとうって言っているよ」

「ホムンクルス。どういたしまして」

 ホムンクルスはアリサに抱きついてお礼を言っている。抱きつかれたアリサは満更でもなく笑顔に溢れていた。そして、抱きついた拍子にホムンクルスの仮面が外れ、ショウは
ホムンクルスを覗き込みなにやら考え込む。

「ご主人様何考えているのですか?」
「システィナやっぱりホムンクルスって呼ぶのはなんかよそよそしくないかな?」
「確かにそうですね!」
「だな!ホムンクルスに名前があってもいいな!」
「で、ご主人様・・・ホムンクルスの名前はなんて呼べばいいのですか?」
「それをみんなで考えるんだろ?俺に女の子の名前がわかるわけないからな」
【自分はご主人様につけてもらいたいです】

 ホムンクルスはショウに近づいて、自分の手を胸の前で握り上目遣いでお願いしてきた。

「「ほら、ホムンクルスもご主人様につけてもらいたいみたいですよ」」
「お前らこういう時だけホムンクルスの事がよくわかるな」
「わからないのはご主人様がオジサンだからですよ」
「システィナてめぇ!」
「なんですか?いつも私の事をお子様って言っている癖に」

 システィナは思ったより傷ついているみたいだ。

「へっ!なら、これからは年上扱いにしてやるよ」
「なっ!女性に言ってはならない事を考えてるんじゃないでしょうね!」
「はてっ、何のことかなぁ?150歳の・・・」
「きぃ~~~!」
「あ~~~はいはい。ご主人様も照れないの!いつもシスティナをからかうんだから・・・」
「なんだよアリサ・・・今のはシスティナから絡んできたんだろ?」
「それはご主人様がいつもシスティナに照れ隠しで絡んでいるから悪いんです」
「テレてなんかない!」
「あたしからしたらご主人様の方がお子様です!」
「うぐっ・・・」
【ご主人様・・・私の名前・・・】
「あっ!悪いな。名前名前っと・・・」

 ショウは話題を変えるようにホムンクルスに向き直り名前を考え始める。

「ったく・・・ご主人様は・・・」

 そして、ショウはホムンクルスの名前が思いつき両手を叩き大きな音を鳴らす。その間、将棋の歩を錬成されたホムンクルスはショウの前で正座をして待っていた。

「うん!ホムンクルス、お前の名前はあゆみだ!」
【アユミ】
「そうだアユミだ!これはお前と結合したの別の読み方でもあるんだ。アユミの意味もあって一歩一歩自分の足で歩くという意味もある」

 ショウがアユミの意味をいうと、ホムンクルスが錬成の時とは違い七色に輝く。

「な、なんだ?」
「「キャッ!ま、眩しい!」」

 光が収まるとそこには、人間と変わらないホムンクルスが正座していた。

「あ、あるじ・・・」
「ア、アユミお前、喋れるようになったのか?」

 ショウは驚いたが、今までマリオネットのようだったアユミには可愛らしい顔が創れていたのだった。

「「うわっ!むっちゃくちゃ可愛い!」」
「そ、そんな事言うな!テレるだろ?」
「なんかイメージが違うような・・・」

 アユミの言葉づかいは男勝りでぶっきらぼうだった。しかし、言葉づかいと容姿のギャップがいい感じで容姿はアリサとは違う美少女だ。見た目は15歳でまだ幼さが残る容姿だった。

あるじ・・・ってなんか呼び辛いな。ショウって呼んでいいか?」
「ああ。それが呼びやすいならかまわんぞ」
「そっか。ショウこれからよろしくな!」
「ちょっとあなた!ご主人様の事を呼び捨てにするなんて失礼でしょ?様をつけなさい!」
「うるせぇな!ショウがいいって言っただろ?それにシスティナだったな。お前の命令を聞く義理はねぇよ」
「なっ・・・」

 ショウは、アユミの言葉の悪さに面を食らう。そして、システィナとアリサは言葉を失い呆然となったのだった。

「おい!アユミ。そんなケンカ腰で突っかかるんじゃない」
「だってよう!システィナがなんか勘違いしてねぇか?あたしに命令してもいいのはショウだけだ」
「そうかもしれないが、システィナは今までとアユミの感じが違うから注意しただけだろ?」
「そうかもしれないがショウが呼び捨てでいいって言っただろ?それをなんでシスティナが正そうとしてんだよ」
「そうだな。システィナ、アユミに謝りな」
「なんで私が!」
「それとアユミ。システィナは俺を主人として敬っているから、アユミにもそれを強要してしまっただけなんだ。わかってやってくれ。それにいきなりケンカ腰はよくない!おたがいに謝りなさい!」
「なんでだよ!あたしは悪くない!」
「私だっていきなり暴言を吐かれて謝りたくない!」
「お前らいい加減にしろ!ケンカはおたがいに悪い!それにアユミ俺の言う事は聞けないのか?」
「うっ・・・」
「システィナもだぞ。お前はどうするんだ?」
「うっううっ・・・」
「「ごめんなさい・・・」」

 ショウはシスティナとアユミの2人を叱った。二人はまだわだかまりがあったがショウに嫌われたくはなかった。

「これからはアユミも喋れるようになっただ。言いたい事があれば言えばいいがケンカ腰は駄目だ」
「はい・・・」
「システィナも自分の立場を押し付けたら駄目だ」
「ですが・・・」
「システィナ」
「はい・・・」
「システィナはアユミが自分と同じ立場と思っているなら大きな間違いだぞ」
「えっ?」
「確かに俺はシスティナを奴隷としては扱ってはいないが、システィナは自分が奴隷として行動しているがそれをアユミもそうじゃないといけないと押し付けては駄目だ」
「だって!」
「いいか?アユミは俺の奴隷じゃないんだ」
「えっ?」
「ホムンクルスは確かに神様が俺の護衛にともらった人造人間だか奴隷とは違うだろ?」
「あっ・・・」
「だけど、アユミは俺を慕ってくれてるから護ってくれるんだ。言ってみたら俺とアユミの関係は主君と騎士のようなものだ」
「だったら、主君を呼び捨てなどは」
「システィナは本当に真面目だな。俺はようなものだと言っただろ?俺は王族でも貴族でもないんだ。硬苦しく考えなくてもいいんだよ」
「そ、そんな・・・」
「だから、俺はシスティナやアリサにも奴隷として振るまえって言った事あったか?」
「ないです・・・」
「だろ?ご飯も一緒に食べるし、働き過ぎるなと常々言っていただろ?」
「はい・・・」
「俺がシスティナ達に求めるのは、俺の前世や神様のおかげで異世界転移した事をしゃべらない事と俺を裏切らないで欲しいと言う事だけだ」
「私はご主人様を絶対裏切りません」
「ああ・・・わかってるよ。だからそんな顔をするな。だから、アユミが俺の事を呼び捨てにしても構わないと俺がいいと言ったからいいんだ。わかったか?」
「はい。出過ぎた真似をしてごめんなさい・・・そして、アユミさんごめんなさい・・・」

 システィナはアユミに向き直り土下座をして謝罪をした。

「や、止めろよ・・・あたしはそんな事されたくない!」
「いえ・・・私が間違ってました。アユミさんはご主人様の奴隷じゃなかったのに私が出しゃばりました」
「止めろって言ってんだろ。そういうのはショウにしろよ。それに、あたしの事はアユミでいい!さん付けなんかいらないからな。じゃないと、あたしもシスティナさんって呼ぶからな」

 アユミはシスティナから視線を反らし顔を真っ赤にしてテレでいた。

「アユミがデレた!」
「ショウ!あたしはデレてない!」
「システィナ。アユミもシスティナには呼び捨てで呼んでほしいそうだから、これからはそう呼んでやってくれ」
「わかりました。ア、アユミ・・・これからよろしくお願いしますね」
「ああ!あたしも悪かったな。これからよろしく!」

 システィナとアユミは照れながらも、視線が合いおたがいに笑い合うのだった。その様子を見てショウはホッと胸をなでおろすのだった。

 昭和世代のおじさんに若い娘の事はわからんから焦ったぜ。アユミがサバサバした性格でよかった・・・

 ショウが2人の喧嘩が収まって、内心ドキドキしていたのは2人には内緒だ。そして、ショウはアユミを神眼で確認すると、ホムンクルスからステータスが大幅に上昇していたことに驚き、また、アユミの称号にショウの眷属となっていた事に更に驚いた。

●アユミ レベル50 種族ホムンクルス0歳
 体力   5000→7500
 魔力   1000→2500
 スタミナ 2500→3750
 腕力   500→750
 耐久力  500→750
 知力   100→250
 精神力  300→500
 敏捷度  500→750
 器用度  400→600
 幸運   ー

スキル
 剣術 盾術 戦術(New)
アクティブスキル
 ディザーム スラッシュ パワーアタック パワーストライク アタックオーラ スタンアタック 英霊進軍(New)
 シールド ヘイト ポイズンブロック シールドバッシュ シールドパリー スタンシールド
パッシブスキル
 ソードマスタリー
 シールドパワー 
 コオペレーション(New) フォーカス(New) クリティカルバースト改(New) プロバリビティー(New) カウンター(New) パシュート(New)
称号
 ショウの眷属(New)

 アユミのステータスを見て、ショウはこれならダンジョンに入れると確信したのだった。
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