氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第1章 レアスキルは偉大

57話 システィナのレベルアップ

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 ショウはダインに商人ギルドの知っている事を聞き、またライネ達にも情報提供をしてもらい、マルクスやランバ達の事が分かり、商人ギルドに協力する事に決めたのだった。
 そして、4日目の朝ランバ達が重々しい顔つきでショウの家に訪問してきた。

「わざわざ何度も訪問させて申し訳ないな」
「いえいえ、この訪問は商人ギルドの未来がかかるものですのでお気になさらないでください」
「それじゃ。ここではなんなんですのでこちらへどうぞ」

 ショウは訪問してきたランバ達全員を応接室に案内し、ランバ達はソファに腰掛ける。

「早速本題に入りたいんですが、それで魔道士様は商人ギルドに協力はしていただけますか?」
「この三日間俺なりに調べさせてもらったよ。ダインさんに聞いて今のギルドマスターのマルクスさんやランバさんもラーダ達とは違うと聞いた」
「ダインと会ってたんですか?あいつめ・・・」

 ダインの名前を聞いたランバは涙をこらえているようだ。

「ああ。貴方達と同期だと聞いたよ。それで俺も商人ギルドに協力しよう」
「「「「「「「ほ、本当ですか!?」」」」」」」
「ああ・・・よろしく頼むよ」
「は、はい!よろしくお願いします」
「ただ協力はするが条件はつけさせて貰うからな」
「「「「「「「えっ!?」」」」」」」

 ショウが協力するとは言ったが条件という言葉にランバ達全員が息を呑んだ。

「そら、当然の事だよ。ギルドのトップが変わったとはいえ俺達は商人ギルドから暗殺されかけたんだからな。ダインさんに聞いたとはいえ、俺達はマルクスさんの事は顔もわからん人間だ」
「うっ・・・た、確かにそうですね・・・それで条件というのは?」
「まぁ、そんなに身構えるなよ。ダインさんのいう通りなら商人ギルドからしたら取るに足らない問題だ」

 ショウに出された条件を聞いたランバ達は目が点になるのだった。それほどまでに商人ギルドにとって取るに足らない条件だったのだ。

「もし仮に、ギルドマスターや上層部がラーダのように私利私欲に走った場合、俺達はすぐに手を引かさせて貰う。そして、申し訳ないが経営理念を考え直して下の職員達が働きやすくしてやってほしい」
「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」

 その条件にランバ達はポカンと呆けていた。

「それが条件ですか?」
「ああ・・・そうだな」
「魔道士様にとってのメリットがないかと思うんですが?」
「何を言っている?俺のメリットはあんた達が俺の商品を適正に販売する事にあるんだ。その為にはギルドマスターがラーダのように私利私欲に走られては困る。それに俺のアリサは商人ギルドの犠牲者じゃないか」
「た、確かに・・・」
「もし今のギルドマスターが長期に渡り権力を手にして、欲望に負けラーダのようになったらその時はまた制裁して商人ギルドを潰させて貰うからな」
「物騒な事を言わないでください!」
「そうならないようにあんた達がギルドの舵を取って頑張ればいいんだよ。まぁ、ダインさんのいうにはマルクスという人物は正義感があるみたいだから心配はないみたいだしな。そうならないように俺からも願っておくよ」
「は、はい・・・重々心得ておきます」
「よろしく頼むぜ。それともう一つ!」
「えっ!?」
「まぁこれは、商人ギルドがたて直ってからになるだろうがな。商人ギルドマートン支部を復活させてやってくれないかな?」
「それは当然の事だと商人ギルドでは思っています」
「そうか。ならいいんだが・・・このままでも冒険者ギルドと生産ギルドは上手くやってはいるが、町の商人達は不便みたいだからな」
「はい。それは本部にもマートン支部の復活させてほしいと要望が出ていますからね。ギルドマスターが早急に動いております」
「そうかならよかったよ」
「条件はそれだけでしょうか?」
「ああ。それだけだな。あえてまだあるとしたら、ポーションはまだいいが、アクセサリーの数はそんな多くは納品出来ないからな」
「それはわかっております。ギルドマスターも魔道士様の無理のない範囲での納品を望んでいますから」
「それならよかったよ」

 それを聞いてショウは、何も問題はないというとランバ達は交渉が成立した事が心底安心したのか、歓喜したのではなく安堵してその場で腰を抜かして呆然としていた。

「よ、よかった・・・これで商人ギルドで働く職員達に顔向けができる・・・」

 ランバは額の汗を拭い脱力感が凄そうだった。本当ならばラーダ達上層部が立て直しに尽力を注がなければならないのに、商人ギルドにもう旨味がないと知るやいなやすぐさま辞職してしまい、マルクス達が繰り上がり立て直しをしないといけなくなったからだ。この交渉が失敗すれば商人ギルドの復活はもうあり得ないと言われていたので、ランバ達の責任と職員達からの無言の重圧はとんでもないプレッシャーとなっていたのだ。

「それでは私達はこれで失礼します。これからどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」

 そう言って、ランバ達は早急に王都グシリア本部に帰還して行ったのだった。
 そして、ランバ達が帰還して1週間が経ち、初めての王都グシリアに運ぶポーションとアクセサリーが行商人達によって運ばれる事になる。

「申し訳ないがこの分は商人ギルドの方へ頼むよ」
「任してください!魔道士様の頼みならなんでもお聞きいたしますよ」
「本当にありがとな」
「いえいえ、私共としても今のギルドマスターなら商人ギルドの立て直しに協力したいと思いますしね。それに、商人ギルドからこの商品が売り出されれば、マートン支部も復活するみたいですしね」
「本当悪いな」
「いえいえ。魔道士様にはマートンの町をゴブリン集団から救ってもらった恩もあるから、町のみんな感謝しているんですよ」
「そうか。それならよかったよ。じゃあこれからよろしく頼むな」
「わかりました」

 行商人達は、日常的にあちこちの町に行くので手続き等に不便さはあまり感じていないが、町で商売している仲間達はそうはいかない。手続きする為に三日程かけて村の出張所にいかないと出来ないのである。町にいるのに村の出張所にいかないと手続き等が出来ないのはあまりにも不条理である。
 そうして王都グシリア商人ギルド本部は、立て直しを急速に早めていくのだった。また、ショウ達はダンジョンに向かい、レベルを上げポーションやアクセサリーの素材をドンドン集め行き、マートンの町は急速に発展した。

「ご主人様!私もとうとう31レベルになりました!」
「そうかそうか!システィナよくやったな。それで精霊眼はどうだ?」
「それが・・・」
「どうした?」
「何も変わりませんでした。ごめんなさい・・・」
「謝らなくていいよ。多分まだレベルが足りないんだよ」
「それならいいのですが・・・ずっと一緒なら悲しいです」
「何を言っているんだよ。システィナがいなかったらドライアドともコンタクトが取れてないんだぜ。もし、変わらなくてもシスティナは十分役にたっているんだからな。自信を持っていればいいんだ」
「ご主人様!ありがとうございます」

 そう言ってショウ達はダンジョンで薬草を採取していた。そうしていると、突然システィナが大声を出す。

「きゃあああああ!」
「「「「「「「!」」」」」」」
「システィナどうした?」
「あ、あれ・・・」

 システィナはダンジョンで、今までとは何か違う茶色っぽく人影のような者を指差す。ショウはその指差す先を見ると確かにモヤッとした小さなおじさん?がいる。ショウは日本にいた時に超常現象や未確認生物のテレビでよく見ていた、小さなおじさん?とよく似た者を確認した。

「あれは何だ?」

 その小さなおじさんを見てると、システィナに近寄り話し掛けているようだ。当然だが、ショウは神眼で確認していてその小さなおじさんを確認できているのは、ショウとシスティナだけだ。

「システィナ・・・落ち着け!そいつは精霊みたいたぞ」
「えっ・・・せ、精霊・・・」

 システィナはショウに言われて精霊眼でよく確認すると、土精霊オアネドと表示された。

●オアネド
 ノーマル土精霊。身長は50センチメートルあるかないかほどで姿形は痩せ細ったおじさんの姿であり精霊魔法の使い手。ノーマル精霊である為、攻撃魔法は使えないが鉱石の扱いや加工を得意とする。また、オアネドはノームの下位精霊であり採掘が得意分野である。

「なんか白◯姫に出てくる7人の小人のようだな・・・で、システィナ、オアネドはなんて言っているんだ?」
「契約してほしいんだって言ってます」
「早速レベルが上がった恩恵が表れたみたいだな。システィナがいいなら契約したらいいんじゃないか?」
「わ、わかりました」

 システィナは2体の精霊と契約できた唯一と言ってもいいエルフとなる。世の中には4体の精霊と契約できたエルフもいるとされているがホントかどうか確認はされておらず、地上では精霊眼を持つエルフすら滅多にいないのである。その為、精霊とコンタクトをとり精霊魔法を使えるエルフすら貴重な存在なのだ。

「俺の予想は当たったみたいだな」
「どういう事ですか?」
「精霊眼なんて未知のスキルだからな。レベルを上げないと分からないがレベルを上げたら他の精霊ともコンタクトが取れるんじゃないかと思ったんだよ。そしたらビンゴだったってわけだ」
「ご主人様凄いです・・・」
「馬鹿だなぁ。俺が凄いんじゃない。システィナお前が凄いんだよ」

 システィナはショウに褒められ頭を搔いていた。
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