氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第1章 レアスキルは偉大

59話 平和な日常から異様な雰囲気が漂う

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 ショウは、システィナ達に魔宝石の付いたアクセサリーを作って、2週間は家でくつろいでいたある日、家の庭ではドライアドとオアネドがなにやら協力していた。

『ドライアドよ。薬草の栽培に少し手を加えてやろうかの』
『手を加えるってどうするの?』
『やはり植物には栄養のある土が必要じゃろ?』
『なるほどね』

 オアネドは庭にある薬草畑の土に腐葉土や堆肥を混ぜ合わせる。

『オアネドってこんな事もできるんだ』
『こんな事しか出来ないんじゃがの。これでお主の薬草は急速に成長するはずじゃ。ワシもここの土地が肥えると元気でいられるからいい事じゃ』
『な、なるほどね。私も植物が育っていい事だわ』

 オアネドはショウの私有地全体を魔力を込めた腐葉土や堆肥で肥えさせる。その栄養満点の土地で育った薬草はぐんぐん育つが超最高品質以上にはならなかった。しかし、薬草だけではなく癒し草・毒消し草・魔力草・赤キノコが栽培可能となった。
 この状況はショウにとって嬉しい誤算となった。これらの薬草は森の奥深く入るかダンジョンしか生えていないものばかりで、間違っても森の浅い場所では見つからないものばかりである。
 そして、ショウの私有地の防波堤となる盛土は、オアネドのおかげで更に高く盛る事が出来、マートンの町の城壁と大差ないものとなり、侵入出来る魔物は飛行能力のある魔物だけと言っても嘘ではなかった。まだまだ足りないが、ようやくショウが安全に生活出来る家が完成したと言えた。
 そして、マートンの町ではショウの土地が更にマートンの町の防波堤として立派になったと噂になっていた。

「本当に魔道士様は凄いわね」
「本当よねぇ~」
「あの砦のおかげで私達はダンジョンから安心して生活出来るわ」
「本当よね。ゴブリンの集落も魔道士様パーティーが壊滅されたみたいだしね」
「ホントそれよね」

 町の井戸の周りには、町の主婦達が井戸端会議で賑わうのは日常の風景だった。また、その周りではその主婦達の男の子達が魔道士様ごっこをしたり女の子はままごとをして、平和な時間が流れていた。
 そして、ショウはいつも通りの日常を過ごし、マートンの町にやってきていた。

「魔道士様!最近、ダンジョンの2階層によく行っているそうですが、何か新しいものでも製作しているのではないですか?」

 冒険者ギルドの受付嬢のシャーロットが、ショウに駆け寄り問い詰めてきた。
 
「はぁあ?なんでそんな事を聞くんだよ?俺は冒険者ギルドにちゃんと還元しているだろうが」
「ですが、生産ギルドの採掘師の護衛をしている冒険者が、魔道士様がとんでもない量の魔鉄鉱石を採掘している情報が入っていますよ」
「だからって俺が何でもかんでも出来る訳がないだろ?それに俺には採掘のスキルはないから大量に岩山を収納しているだけだ」
「私は誤魔化されませんよ。魔道士様が何もなくフィールドエリアに行くはずがないです」
「誤解だ!確かに鉄鉱石を手に入れてプロテクションリングの材料にしているが、スキルがない俺には採掘量が少ないから大量に収納しているだけだ。その後、大量の土砂を捨ててる情報があるはずだろ?」
「確かにその情報はありますが私の勘はそれだけじゃないと告げています」
「話にならないな・・・ない事を言われても俺には何にも出来ないよ」

 ショウはシャーロットの勘の良さに内心ドキドキしていたが平静を装いなんとか言い逃れるのだった。そして、ショウは今日のポーションを買い取ってもらい、冒険者ギルドから出ていこうとした。すると、今度はギルドマスターのベックまで引き止めようとしてきたのだった。

「ギルマスまで一体なんなんだよ」
「そんな邪険にしなくともいいだろう。お前の能力を俺は買っているんだからよう」

 ギルドマスターであるベックは、最近ではショウに対してへりくだる態度ではなくなっており、いち冒険者として扱っていて敬語も使っていなかった。その方がショウにとっても方苦しい事はなくそちらのほうがよかったぐらいだった。

「買っているのはわかったが、俺は冒険者ギルドから依存されるつもりはないからな。いつだって俺と冒険者ギルドは対等な関係だ!」
「そう言えるのは、ショウお前にそれだけの力があるからだよ。本来、冒険者はギルドから仕事をもらわないと生活なんかできないんだからよ」
「だったら、俺がギルドの頼みは聞かなくてもよくなるぞ」
「ちょっと待て!そういう事を言っている訳じゃないだろうが!」
「だったらなんなんだよ!」
「この通りだ!なんか高価なアイテムをギルドに卸してほしいんだ」

 そう言って、ギルドマスターであるベックを始めギルド職員達が全員、ショウとアユミに土下座をしてきたのだった。
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