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第2章 新たな商売
2話 密会
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ショウが冒険者ギルドで足止めをされていたその夜、個人商会の頭目であるアーバンという人物は、貴族ギルドに席を置く人物と会食をしていた。
「この度は私共の商会ボータにいい話をお持ちくださりありがとうございます。それでこれが貴方様のお菓子です。どうぞお納め下さい」
「ぐはははは!ワシは山吹色の菓子が好きでのう」
その場所はショウが目の当たりにすると昭和の時代劇かあっとツッコミが入るような話し合いがおこなわれていた。そして、アーバンという人間は差し出した箱の蓋を開き、貴族の男に中身を見せると金貨が箱いっぱいに詰められていたのだった。
「来月には更に多くの菓子を納める事ができそうです」
「そうかそうか。一時的にお主達の商会ボータからの菓子が少なくなった時はどうしようかと思ったぞ」
「ホントその節はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」
「それでラーダの奴はいかがしておるのだ?」
「今は、ギルドマスターの地位を辞職しました。これからは商会ボータの会長職に就く形になります」
「そうかそうか。なら、商会ボータも安泰だな!」
「ええ。ギルドマスターを辞職したとしても、会長にはまだまだギルドとの人脈がありますからね」
「ぐはははははは!」
「それで申し訳ないのですが・・・今回、捕まった盗賊がいたかと思うのですが・・・」
「心配するな。捕まった盗賊は証拠不十分でもうおらぬよ」
「そうですか。それを聞いて安心しました」
「ぐはははははは!ワシに任せればいい。しかし、わかっておるな?」
「はい。任せて下さい。来月末には更に多くの菓子を持参させて頂きます」
夜中に行われる密会は、ラーダの息がかかる個人商会と貴族の汚職の現場である。
「しかし、商人ギルドマートン支部が潰れた時はどうなるかと思いましたが、まさかこんな手を考えるとは思いもしませんでしたよ」
「くっくっくっ。それで塩の流通はどうなっておる?」
「任せて下さい。盗賊達は街道沿いに待機させております。あの街道は塩の流通には欠かせない街道です」
「そうか。ワシの計画通りに進んでおるな」
「ただ一つ厄介な個人商会があるのです・・・」
「どこの商会だ?」
「トルーネの商会です・・・あやつは昔から正義感を振りかざす奴で本当に鬱陶しい奴なんです」
「そんな奴がおるのか?」
「はい・・・商会長となったのにいまだ現役といいむ自ら行商をしている奴なんです」
「そんな奴盗賊に襲わせればいいじゃないか?」
「それがあやつは長年の経験で独自の販路を持っておるのです・・・そんな奴がサンテの村に行き塩の取り引きをしてマートンの町で原価ギリギリで販売してなかなか塩の価格が上がらないんです」
「そうか・・・本来ならとうに4倍になっているはずなのにそういう事だったのか」
「そうなんです・・・アヤツがどのような道を使っているのか分からなくて盗賊達も人員を振り分けております」
「なるほどのう・・・だから今回あ奴らの一人が捕われてしまったという事か」
「は、はい・・・申し訳ありませんでした」
「まぁよい!トルーネの事は放って置けばよい。たかだか個人商会だ。お主達は行商で儲ければよい。馬車の数が足りなければ貴族ギルドから援助してもいいしな。マジックバッグも貸し出してもかまわん」
「な、なるほど!大量に買い付けトルーネに回す塩をなくさせればいい話ですか」
「そうだ!そして、お主の馬車は意図的に盗賊に襲わせればいい」
「それでは私達が・・・」
「いいか?盗賊達に襲わせるのは塩の強奪だ。お主達行商人達の命ではない。その辺はワシから盗賊達の頭に伝えて置くから安心せえ」
「なるほど!意図的に塩の量を減らすのですね」
「そうだ。そして、ワシの息がかかる個人商会達の蔵には塩の在庫を貯めて置けばよい。塩の価格が5倍になるように徐々に上げればいいんだ」
「さすがです!」
話に出てきたトルーネは必死に塩の行商をしてこれ以上塩の価格を上げないようにしていることがわかる。しかし、ラーダの息がかかる個人商会は賄賂を渡し、貴族から優遇されていた事が分かる。そして、アーバンと貴族は大笑いしたのだった。
それから数日後、マートンの町では塩の流通が更に制限されていた。そして、冒険者ギルドではAランク冒険者【竜の咆哮】が帰ってこず、盗賊達の問題が先送りになり盗賊達が好き勝手暴れていたのだ。
「いったいどうなっているというんだ!なんで竜の咆哮は帰ってこんのだ!」
「ギルドマスター。落ち着いて下さい」
「これが落ち着いてられるか!Bランク冒険者がもうすでに3パーティーが壊滅してしまったんだぞ!しかも、盗賊達はどこに隠れている?いまだどこに隠れているか掴めん」
「ううっ・・・」
「塩の価格は上がる一方で唯一、トルーネさんの個人商会が頑張ってくれてはいるがこのままではどうにもならん」
「竜の咆哮はいつ帰ってくるんでしょうか・・・」
「くそぉ・・・しょうがない。ショウに助けを求めるしかないのか・・・」
「しかし、もうすでにギルドの資産を食い潰して魔道士様に払う報酬が確保出来ないかと・・・」
「竜の咆哮の帰りを待つだけしか出来ないのか」
冒険者ギルドではベックと幹部達が頭を悩ませていた。その頃、ショウはある個人商会の前に来ていた。
「イチョウ、ここがマートンの町で塩の価格が一番安い商会なのか?」
「そうだよ。なんか、原価ギリギリで冒険者ギルドに卸しているみたいなんだ」
「よく調べたな。イチョウ偉いぞ」
「エヘヘ。これぐらいすぐ調べられるから・・・」
イチョウはショウに褒められ照れくさそうにはにかむのだった。そして、ショウはその個人商会に入ると、商会の職員達は疲れきっているようだった。
「すいません。ちょっとよろしいでしょうか?」
「あっはい。いらっしゃいませ。今日はどのようなご要件でしょうか?」
「商会長と商談に来たのですが面会はできませんでしょうか?」
「お約束の無い方とのいきなりの面会はちょっと・・・それに商会長のトルーネはいま多忙で、今も商会から出発したばかりで・・・本当に申し訳ありません」
トルーネ商会の職員は丁寧な対応でショウとの面会を断ったのだった。ショウもいきなり訪れた事もあり素直に引き下がろうとトルーネ商会を後にした。
「おじちゃん。どうするの?」
「そうだな。後を追うか」
「そうこなくちゃ!早く行こ」
「だな!」
そう言って、ショウとイチョウの2人はマートンの町の南門に走るのだった。
「この度は私共の商会ボータにいい話をお持ちくださりありがとうございます。それでこれが貴方様のお菓子です。どうぞお納め下さい」
「ぐはははは!ワシは山吹色の菓子が好きでのう」
その場所はショウが目の当たりにすると昭和の時代劇かあっとツッコミが入るような話し合いがおこなわれていた。そして、アーバンという人間は差し出した箱の蓋を開き、貴族の男に中身を見せると金貨が箱いっぱいに詰められていたのだった。
「来月には更に多くの菓子を納める事ができそうです」
「そうかそうか。一時的にお主達の商会ボータからの菓子が少なくなった時はどうしようかと思ったぞ」
「ホントその節はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」
「それでラーダの奴はいかがしておるのだ?」
「今は、ギルドマスターの地位を辞職しました。これからは商会ボータの会長職に就く形になります」
「そうかそうか。なら、商会ボータも安泰だな!」
「ええ。ギルドマスターを辞職したとしても、会長にはまだまだギルドとの人脈がありますからね」
「ぐはははははは!」
「それで申し訳ないのですが・・・今回、捕まった盗賊がいたかと思うのですが・・・」
「心配するな。捕まった盗賊は証拠不十分でもうおらぬよ」
「そうですか。それを聞いて安心しました」
「ぐはははははは!ワシに任せればいい。しかし、わかっておるな?」
「はい。任せて下さい。来月末には更に多くの菓子を持参させて頂きます」
夜中に行われる密会は、ラーダの息がかかる個人商会と貴族の汚職の現場である。
「しかし、商人ギルドマートン支部が潰れた時はどうなるかと思いましたが、まさかこんな手を考えるとは思いもしませんでしたよ」
「くっくっくっ。それで塩の流通はどうなっておる?」
「任せて下さい。盗賊達は街道沿いに待機させております。あの街道は塩の流通には欠かせない街道です」
「そうか。ワシの計画通りに進んでおるな」
「ただ一つ厄介な個人商会があるのです・・・」
「どこの商会だ?」
「トルーネの商会です・・・あやつは昔から正義感を振りかざす奴で本当に鬱陶しい奴なんです」
「そんな奴がおるのか?」
「はい・・・商会長となったのにいまだ現役といいむ自ら行商をしている奴なんです」
「そんな奴盗賊に襲わせればいいじゃないか?」
「それがあやつは長年の経験で独自の販路を持っておるのです・・・そんな奴がサンテの村に行き塩の取り引きをしてマートンの町で原価ギリギリで販売してなかなか塩の価格が上がらないんです」
「そうか・・・本来ならとうに4倍になっているはずなのにそういう事だったのか」
「そうなんです・・・アヤツがどのような道を使っているのか分からなくて盗賊達も人員を振り分けております」
「なるほどのう・・・だから今回あ奴らの一人が捕われてしまったという事か」
「は、はい・・・申し訳ありませんでした」
「まぁよい!トルーネの事は放って置けばよい。たかだか個人商会だ。お主達は行商で儲ければよい。馬車の数が足りなければ貴族ギルドから援助してもいいしな。マジックバッグも貸し出してもかまわん」
「な、なるほど!大量に買い付けトルーネに回す塩をなくさせればいい話ですか」
「そうだ!そして、お主の馬車は意図的に盗賊に襲わせればいい」
「それでは私達が・・・」
「いいか?盗賊達に襲わせるのは塩の強奪だ。お主達行商人達の命ではない。その辺はワシから盗賊達の頭に伝えて置くから安心せえ」
「なるほど!意図的に塩の量を減らすのですね」
「そうだ。そして、ワシの息がかかる個人商会達の蔵には塩の在庫を貯めて置けばよい。塩の価格が5倍になるように徐々に上げればいいんだ」
「さすがです!」
話に出てきたトルーネは必死に塩の行商をしてこれ以上塩の価格を上げないようにしていることがわかる。しかし、ラーダの息がかかる個人商会は賄賂を渡し、貴族から優遇されていた事が分かる。そして、アーバンと貴族は大笑いしたのだった。
それから数日後、マートンの町では塩の流通が更に制限されていた。そして、冒険者ギルドではAランク冒険者【竜の咆哮】が帰ってこず、盗賊達の問題が先送りになり盗賊達が好き勝手暴れていたのだ。
「いったいどうなっているというんだ!なんで竜の咆哮は帰ってこんのだ!」
「ギルドマスター。落ち着いて下さい」
「これが落ち着いてられるか!Bランク冒険者がもうすでに3パーティーが壊滅してしまったんだぞ!しかも、盗賊達はどこに隠れている?いまだどこに隠れているか掴めん」
「ううっ・・・」
「塩の価格は上がる一方で唯一、トルーネさんの個人商会が頑張ってくれてはいるがこのままではどうにもならん」
「竜の咆哮はいつ帰ってくるんでしょうか・・・」
「くそぉ・・・しょうがない。ショウに助けを求めるしかないのか・・・」
「しかし、もうすでにギルドの資産を食い潰して魔道士様に払う報酬が確保出来ないかと・・・」
「竜の咆哮の帰りを待つだけしか出来ないのか」
冒険者ギルドではベックと幹部達が頭を悩ませていた。その頃、ショウはある個人商会の前に来ていた。
「イチョウ、ここがマートンの町で塩の価格が一番安い商会なのか?」
「そうだよ。なんか、原価ギリギリで冒険者ギルドに卸しているみたいなんだ」
「よく調べたな。イチョウ偉いぞ」
「エヘヘ。これぐらいすぐ調べられるから・・・」
イチョウはショウに褒められ照れくさそうにはにかむのだった。そして、ショウはその個人商会に入ると、商会の職員達は疲れきっているようだった。
「すいません。ちょっとよろしいでしょうか?」
「あっはい。いらっしゃいませ。今日はどのようなご要件でしょうか?」
「商会長と商談に来たのですが面会はできませんでしょうか?」
「お約束の無い方とのいきなりの面会はちょっと・・・それに商会長のトルーネはいま多忙で、今も商会から出発したばかりで・・・本当に申し訳ありません」
トルーネ商会の職員は丁寧な対応でショウとの面会を断ったのだった。ショウもいきなり訪れた事もあり素直に引き下がろうとトルーネ商会を後にした。
「おじちゃん。どうするの?」
「そうだな。後を追うか」
「そうこなくちゃ!早く行こ」
「だな!」
そう言って、ショウとイチョウの2人はマートンの町の南門に走るのだった。
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