氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

4話 闇ギルド五竜(ウーロン)

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 ショウとイチョウはトルーネとカンの2人を救って、マートンの町に帰る馬車の中で話し合っていた。

「ですが、なんで魔道士様はワシを追って来たのですか?」
「あ~・・・魔道士様というのは勘弁してくれ。初めて会った時みたいでかまわないから、それでよろしく頼むよ」
「そうですか?なら、ショウ殿と呼ばせていただきますね。それでワシにいったいどのようなご要件が?」
「ここにいるイチョウがな。トルーネさん事を調べてくれてな。塩の販売を原価ギリギリでマートンの町に卸しているみたいだと」
「そうなんです!今マートンの町は塩の価格が高騰しているのですが、他の商会はこことぞばかりに値をつり上げる事ばかり考えているのです」
「まぁ、俺はそれが普通だと思うぞ・・・」
「ショウ殿!何を言っているのです!このままでは・・・」
「まあまあ落ち着いてくれ。普通だと思うとは言ったが、俺もトルーネさんの行動の方に共感するよ」
「そ、そうですか・・・それを聞いて安心しました」
「ただな。冒険者ギルドや生産ギルドのやり方はいただけないな。あれじゃ経営破綻するのは目に見えている」
「そうです!ワシもそれは看過できません。だから、ワシは原価ギリギリでギルドに塩を卸しているのですが、ワシの商会だけではマートンの町全体の塩を確保出来ないのです」
「それに今回、トルーネさんを狙った暗殺者の言葉が気になるしな・・・」
「はい・・・あの時、確かにあの暗殺者はワシが生きているだけで迷惑する御人がいると言った・・・」
「おじちゃんが暗殺者を殺しちゃったからね・・・証人は地獄に堕ちた・・・」
「それはもう言わないでくれよ」
「大丈夫ですよ。ワシが証言したら嘘を言ってないと証明されるはずですからな」
「なるほど!看破のスキルを持つ人間か魔導具の水晶があれば嘘をついてないと証明されるはずだな」
「その通りです!」
「おじちゃんの失敗が救われた・・・」
「イチョウって結構辛辣だな・・・」
「フフッ、あたしが始末したかったのにおじちゃんが暗殺者を殺しちゃったからね」
「うっ・・・」
「わ、わかったよ。ごめんな。今日はイチョウの好きな茶碗蒸しを作ってあげるから許してくれ」
「ホント!嘘だったら許さないからね!」
「本当に本当!イチョウの茶碗蒸しには銀杏を多めに入れてやるよ」
「じゃあ許してあげる!」
 イチョウがチョロくて良かった・・・
「おじちゃん・・・なんか失礼な事考えてない?」
「いやいや、考えてないぞ」
「おじちゃんとあたしはつながってるからなんとなくわかるんだからね」
 イチョウこえぇ・・・

 イチョウは茶碗蒸しと聞いて、ショウに笑顔を振りまいたが、眷属として繋がっていた為不穏な空気を感じとるのだった。ショウはイチョウを怒らせないと誓うのだった。

「ショウ殿・・・」
「ああ・・・すまんすまん。それでどこまで話したんだったんだけ?」
「ショウ殿がなんでワシを訪ねて来たですか?」
「そうそう。商談がしたかったんだよ」
「商談ですか?」
「ああ。イチョウが調べてくれたマートンの商会で、唯一信頼出来ると思ったのがトルーネさんの商会だったんだ」
「ショウ殿に信頼されるのは光栄の至りですな。それで商会の内容とは?」
「塩だよ。塩!」
「じゃあ、ショウ殿がサンテの村まで塩を買い付けに行かれるって事でしょうか?」
「サンテの村には行かないが、塩を大量に手に入れる方法があるんだよ」
「だったら、ショウ殿はそのまま冒険者ギルドや生産ギルドに販売した方がよろしいのでは?」
「俺はどちらかといえば職人気質だからな。商売は進んでするつもりはないんだよ」
「それでワシにいったいどれぐらいで買い取ってもらいたいのですか?」

 今、マートンの町では塩の価格は通常の4倍の価格で取り引きされていた。塩500グラム4000ゴルドと目がとび出る価格である。そして、酒場では冒険者や肉体労働者達は味が薄いと苦情が出るほどで本当に塩を使えない事になっていたのだ。
 そして、ショウが提示した価格はサンテの村で買い付けする金額の倍額だか塩500グラム200ゴルドと聞いて、トルーネは目を見開くのだった。

「しかし、ショウ殿はサンテの村までの往復の道のりの値段は見積もりに入れないのですか?」
「だから言ったじゃないか。サンテの村まで行く必要はないと!」
「しかし、いくらなんでもそれではショウ殿が損をするかと思います」
「じゃあ、今度塩を納品させて貰うからなその時考えてみて欲しい」
「今度っていつになりそうですか?」
「そうだな。三日程時間をくれるか?」
「たった三日で塩の調達ができるのですか?」

 トルーネが驚くのは無理もなかった。サンテの村まで行くのにグレンの町まで1週間そこからガーシンの町まで1週間そして、サンテの村まで三日の道のりを経て塩の買い付けをするのである。往復で一ヶ月以上かかる道のりなのである。
 本来ならショウは、トルーネに塩を納品するなら500グラム500ゴルドでも安いぐらいなのだ。しかし、ショウの言う事が本当であれば、三日で大量の塩が手に入れる事が出来れば十分元が取れると思った。そして、その仕入れた塩を
通常の価格で売ってもトルーネ商会には何の不都合はないのである。

「わ、わかりました・・・とりあえず三日間マートンの町で待機させて頂きます」
「じゃあよろしく頼むな。三日後に見積もりを相談させて貰うよ」
「わかりました。お互いに損のないようにしたいとおもいます」

 そう言ってショウ達は問題もなくマートンの町まで戻ってきたのだった。そして、南門でショウはトルーネ商会が街道で暗殺者に襲われた事を報告したのだった。
 そして、暗殺者の死体を提出し、武器を見せた途端衛兵達は言葉を失い開いた口が開いたままとなる。

「「「「「こ、こいつはシャドーリッパーか・・・」」」」」
「シャドーリッパー?」
「ああ・・・武器の詳細は不明だが飛び道具で得物首を必要に狙うらしいんだ。今聞いた説明はシャドーリッパーそのものだ」
「しかも、タイタンの雷鎚が相手にならないなんて・・・」
「それほど強い暗殺者はこいつなら納得できる」
「それにここを見てみな」

 衛兵達はシャドーリッパーの肩を指差した。そこには、闇の竜の入れ墨が入っていたのだ。

「こいつは闇ギルド五竜ウーロンの入れ墨だ。しかも、五竜ウーロンを束ねる闇龍アンロンの入れ墨だよ」

●闇ギルド別名五竜ウーロンともいう。
 闇ギルドには闇龍アンロンを中央に炎龍フォロン氷竜ビンロン土龍トゥーロン風竜フォンロンの5つの組織からなる巨大犯罪組織である。そして、そこには5つの犯罪がわけられている。
炎龍フォロン
 盗賊や山賊などで結成されており、村を襲い金品や家畜を奪い取るのが主流とされており、女子供も奪い取る犯罪組織となる。

氷竜ビンロン
 麻薬や武器防具の密輸で収益をあげる犯罪組織となる。

土龍トゥーロン
 毒の製造、呪術の開発、隷属の首輪の製造であらゆる製造業で他の組織のサポートを担う。また、闇オークションの開催する犯罪組織。

風竜フォンロン
 主に女子供を誘拐し、奴隷や娼館に売り払う事で収益をあげる犯罪組織となる。

闇龍アンロン
 誘拐された子供達をアサシンに育て上げる英才教育機関であり、暗殺を請け負い収益を上げる犯罪組織である。そして、この闇龍アンロンが5つの組織を束ね、総元締めが君臨する。

「こいつはシャドーリッパーといい、Aランク犯罪者だ。よく生き残った人間がいたもんだ」
「だな・・・トルーネさんは本当に運が良かったとしか言いようがない」
「しかし、反対に運が悪いとも言えるな。トルーネさんはここから衛兵の護衛を着けさせよう。でないと、また暗殺者から狙わねかねんからな」

 それを聞いてトルーネは震え上がると同時に、誰かトルーネに暗殺依頼をしたか調べる事になる。それを聞いてトルーネは衛兵に丁寧にお辞儀をし身元の護衛をお願いしたのだった。

「トルーネさんには俺の部下を一人護衛にまわすから安心するといいよ」
「まさかイチョウさんをですか?」
「イチョウは別にやる事があるから別の護衛をつけるよ」
「そうですか」

 ヨシノすまないがマートンの町まで来てくれないか?

 わかりました。すぐに向かいますが何か不都合でもありましたか?

 少しな。ちょっと厄介事が起こった。トルーネさんという方がアサシンに狙われているから護衛を頼みたいんだ。

 承知いたしました。ご主人様の期待に添えるように頑張らせて頂きます。

 念話を切ると同時に、ヨシノはショウの私有地から足早にマートンの町に向かったのだった。そして、ヨシノの速さはとんでもなく速く5分も経たずマートンの町までやってきたのだ。

「ヨシノ、この人がトルーネさんだ。この人がアサシンに狙われているから護衛を頼みたい」
「承知しました。トルーネ様私が必ずお守りしますのでご安心ください」

 ヨシノはトルーネに頭を下げ微笑を浮かべるのだった。その奥ゆかしい笑顔にトルーネはもちろんだが、衛兵達もヨシノに見惚れるのだった。
 
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