氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

8話 アユミ達が更にパワーアップする

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 ガイガンがその貴族の資産ちからを使ってショウの暗殺を依頼した頃、ショウはそんな事を予想もしておらず次のマジックアイテムの製作をしていたのだった。

主様あるじさま今度は何を製作しておられるのですか?」
「スミエどうした?こんな夜遅くに。寝れないのか?」
単主様あるじさまわたくし達には本来睡眠などとらなくても構いませぬ」
「そうだったな。だけど寝れる時には寝ておけよ」
「それを言うなら主様あるじさまこそ取った方がよろしいかと」
「俺はもうおじさんだからな。寝る事にも疲れるんだよ」
「何をおっしゃっておられるのですか。主様あるじさまがおじさんな理由ありません」
「ありがとな。だが、もう40歳のおじさんだ」
「いいえ。主様あるじさまはおじさんではありません!そんな事より何をなさっておられるのですか?」
「ああ・・・お前達のアクセサリーをな」
「アクセサリーならこれをいただきましたよ」
「それは物理防御力を高めるマジックアイテムだ。今作っているのは、物理攻撃力を高めるマジックアイテムだよ」

 ショウは、スミエ達の攻撃力を高めるマジックアイテムを作っていた。最初は魔法防御力を高めるマジックアイテムを作ろうと思っていたが、魔法を扱う人間が少ないこの世界では後で作ってもショウは問題はないと判断したのだった。
 それに、次からはダンジョンの3階層に進むつもりでもあったからだ。魔法を使ってくる魔物も存在するのだが、それらは6階層からだとわかっていたからだ。
 今、最深層のレコードを持つ冒険者達の情報でそれらもわかっていたので、ショウは攻撃力の上がるストレングスリングを製作していたのだ。

主様あるじさま、その宝石はどうなさったのですか?」
「これか?これは生産ギルドで入荷したばかりの物だ。採掘師がちょうど採掘して持ち込んだ物だったんだ。運が良かったよ」
「しかし、システィナさんがいるではありませんか?オアネドが見つけてくれるのでは?」 
「いくらオアネドでも、その場所に魔宝石の原石がなければ見つからんよ。だから、生産ギルドに入荷されたのは運が良かったんだ」
「な、なるほど・・・」
「ただ、システィナが言うには上級精霊のノームなら、魔宝石や鉱物を創れるかもしれないと言ってたかな」
「上級精霊とは凄い存在なのですね」
「そうだな。俺からしたらオアネドも凄い存在だが、オアネドやドライアドはノーマル精霊らしいぞ」
「本当に凄い存在なのですね」

 そう言いながら、ショウは淡々とストレングスリングを製作してしまった。ストレングスリングはプロテクションリングとは違い、腕力を上昇させて攻撃力を大幅に上げるマジックアイテムだ。

●ストレングスリング ミスリル製(最高品質)
 攻撃力+200 売値3000万ゴルド(ただしオークションに出品すれば億はくだらない)
 エッピククラスのマジックアイテム(限りなくアーティファクトに近い)

 スミエは出来上がったストレングスリングを見て、目を輝かせて驚いていた。

主様あるじさま!この指輪もわたくし達が装備してよろしいのですか?」
「とりあえずだけどな」
「とりあえずですか?」
「ああ。スミエの場合、このストレングスリングは使いこなせるとは思うが、100%の力は使えないからな」
「そんな事はありません!このストレングスリングを必ずや使いこなせるように・・・」
「いや、違う違う。スミエの武器は弓だ。カオリやヨシノ達直接攻撃をする前衛職が使えば、ストレングスリングはその効果を引き出せるんだよ」
「では、わたくしは使えないという事ですか?」 

 ショウの説明を聞き、スミエは落ち込むのだった。

「そう落ち込むな。100%ではないにしろ弓を思いっ切り引く事で力は乗るだろうからな。だが、スミエの武器を活かすにはストレングスリングじゃなく、素早さアジリティ器用度デックスを上げるリングの方が強くなれるんだからな」
「な、なるほど!では、わたくしの指輪はいつ?」
「今はまだ無理だよ。魔宝石がないからな」
「そ、そうですか・・・」
「だから、とりあえずだと言ったんだ。このストレングスリングでも強くはなれるんだからな」
「はい。ありがとうございます」

 ショウは、みんなの分のストレングスリングを作るのだった。そして、次の日目を覚ましたアユミ達全員にストレングスリングを渡すと、全員が目を輝かせ喜んでいた。

「ショウありがとう!これでダンジョンの奥に行けるね!」
「そうだな。頼りにしてるからな」
「任せておいてよ!」

 そして、ショウは次の日は更に深層に向かうとみんなに伝え、ダンジョンの準備を整える為にマートンの町へと向かったのだった。

「すまないが、この依頼の手続きをよろしく」
「魔道士様・・・よろしければ魔物の討伐依頼を受けていただけると助かるのですが?」
「なんだよ。何を受けようが俺の勝手じゃないか?」

 シャーロットがショウの依頼内容に文句を言う。シャーロット達ギルド職員は、ショウ達がダンジョンの2階層に向かう事は知っていたので、2階層の魔物の素材を持ち帰って欲しいのだ。しかし、いつもショウの受けるギルド依頼は薬草採取ばかりで不満を漏らしていた。

「ですが、魔道士様なら魔物の素材はおろか肉もぜんぶ持ち帰れますよね?」
「だから時々、森でジャイアントボアやオークも受けてやっているじゃないか・・・」
「そうじゃなくて、ダンジョン産の素材を持ち帰ってくれてもいいじゃないですか?」
「そんな事したら、ギルドランクが上がってしまうだろ?」
「はぁあ・・・普通冒険者はランクを上げたいものなんですけどね!」
「まぁ、俺は普通じゃないからな。それにランクを上げる目的は依頼料を上げるのが目的なんだろ?」
「そうですがそれがなにか?」
「俺はそんな事しなくても、ポーションだけで十分生活出来るからな。それにシャーロット、俺は何回も言うが組織のいいように扱われたくないと言っているだろうが」
「うぐっ・・・それはわかっていますが、少しぐらいギルドに歩み寄ってくれてもいいじゃないですか」
「歩み寄るのは冒険者ギルドの方だ」
「そんな事言うのは魔道士様ぐらいですよ!」
「いいじゃないか?ギルドもこういう冒険者がいる事を理解できたたろ?」
「そんなぁ~~~」
「それに冒険者ギルドはもっと俺に気を使った方がいいと思うぜ」
「うぐっ・・・たしかにそうですね・・・トルーネ様から聞きましたよ。今回の塩の件も関わっているみたいですね」
「だろ?俺は魔物の素材や肉は持ってこないが、マートンの町には欠かせない人材だろ?」
「はい。そうですね!私が間違ってました。これからもよろしくお願いします」
「うんうん。わかってくれたらいいんだよ。シャーロット君」
「なんか物凄くむかつくんですけど」
「ワハハハハハ!じゃあ、今回も薬草を楽しみにしててくれよ」
「はいはい。ありがとうございます!早く行ってこい!」

 ショウはシャーロットをイジりヤケクソになっているのを見て笑いながら冒険者ギルドを後にしたのだった。そして、その夜ショウの私有地に数人の人影が現れるのだった。
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