氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

9話 襲い来る暗殺者達

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 次の日ダンジョンに向かうショウ達は、冒険者ギルドで依頼を受けて私有地でのんびりしていた。そして、その夜ショウの私有地に侵入してくる数人の人影があった。
 しかし、ショウの私有地に建てられた家はゴッド級のマジックアイテムのハウスであり、侵入してきた人影はハウスの結界に弾かれ吹き飛んでしまった。

「な、なんだあの家は!?」
「結界が張られているのか?」
「これは俺達では太刀打ち出来ない。目的が外にいる時を狙うしかない・・・ぐはっ!」
「「「「「な、なんだ?」」」」」
「後5人だね!あたし達の家を襲うとはどんな無謀なの?」
「き、貴様ぁ!ガキが殺されたいのか?」

 侵入者を吹き飛ばしたのはカホだった。今宵の見張りはカホだったようで、侵入者達は幼女が仲間を拳で吹き飛ばした現実を受け止める事ができないでいた。

「いいからかかってきてよ。あたしが相手になってあげるよ」

 そう言ってカホは侵入者達に手招きをする。カホは今までシスティナやアリサの護衛を率先して行ってきていた。その為、その強さは明るみには出ていなかったが実は相当な使い手である。レベルだけで言えばアユミやカオリより高いレベルである。そして、派生しているスキルは格闘術と体術と戦術の3種類であり接近戦のエキスパートである。

「このガキが調子に乗りやがって死ねぇ!」

 侵入者の一人がとんでもない速さで、カホの懐に入りダガーを突き出す。この瞬間、侵入者はカホを仕留めたと直感する。この侵入者の暗殺術はこの速さにあり今までこのパターンで人を殺めてきたのだ。

「遅い・・・」
「なっ!」

 カホはそうつぶやき、侵入者のダガーを小円の足さばきでクルッと侵入者のバックを取る。侵入者の目にはカホの動きが神業のように映ったであろう。そして、カホの連続する動きはゼロ距離からの発勁だった。

「魔掌拳!」
「ぐはっ!」

 カホが繰り出した技はなんと、掌に魔力を込めゼロ距離からの発勁だった。地球とは違い気を放つ訳ではなくカホの完全オリジナルである。なぜカホが発勁を知っているかというと、ショウのパソコンからの情報だった。
 カホはショウに拳法の事を聞き、発勁に興味を示していたが気の事がよく解らなかった為、カホは魔力を利用したのである。そのカホの魔掌拳と名付けた技は侵入者を吹き飛ばしハウスの壁に叩きつけ気絶させてしまう。

「な、なんだぁ!?」
「「「「「「な、何!?」」」」」」

 そのカホの掌底に吹き飛んだ侵入者の叩きつけられた騒音に、ショウ達は飛び起きるのだった。そして、ショウはワールドマップで私有地を展開すると4人の侵入者が表示されていて、カホがその4人と対峙していたのがわかった。

 みんな侵入者だ。カホの援護を頼む
 はい!

 ショウはアユミ達に念話を送り、カホの援護を指示する。そして、システィナとアリサも慌てて動き出す。
 アリサは戦闘能力は皆無の為、家の中にそのまま避難していたが、システィナはレベルが上がり精霊眼の精度が上がりドライアドとオアネドに指示を出しやすくなっていた。

「ドライアド、気絶した侵入者を簀巻きにしてちょうだい」

 すると、ドライアドは植物の蔦を操り侵入者達を束縛していく。また、オアネドは地面の土で牢屋を作り出した。そして、ドライアドに束縛された侵入者達を牢屋の中に閉じ込める。

「ひ、引け!このままでは太刀打ちできん」
「「「わ、わかった・・・」」」

 侵入者達はカホの強さを確認すると同時に自分達では相手に出来ないと判断し、ショウの私有地から撤退しようとしたのだった。

「おいおい!どこに行くつもりだ?」
「そうね。わたくし達の睡眠を邪魔して無事で帰れると思わないでくださるかしら?」
「「くっ・・・」」

 侵入者二人の前に立ちはだかるのはアスカとヨシノだ。そして、残る一人はカホが足止めする。

「逃げられると思わないでね。あんた達は誰に頼まれたの?」
「誰か喋るか!こうなりゃしょうがない相手にしてやろう。ガキが生意気に俺達を殺せると思うなよ」

 侵入者の一人がカホの前に立ち両手を広げた瞬間、カホの頬が切り刻まれる。

「なっ!」

 その瞬間、カホは不穏な気配を感じ取り身体を捻りジャンプする。カホが回避した後ろに立っていた木が簡単に切断して倒れたのだ。

「クハハハ!我の技は敵には見切れぬ。対峙した事を後悔して死ぬがいい!」

 侵入者は、カホに向けて両手を広げるとまたカホの耳に風を切り裂く音が微かに聞こえる。その音を頼りに身体を捻り回転をする。その度に庭の木々が切断されていく。

「いったいどういう事なの?」

 そして、ヨシノもまた侵入者の奇妙な技に苦戦していた。

「くっ・・・いったい何が・・・」
「フフッ!貴女はもうあたしの術中にハマったわ」
「女っ!?」
「フフッ。貴女も同じ女じゃない!驚く事ではなくってよ」

 ヨシノの相手は女性であり、カホと同じく格闘術の使い手のようだ。しかし、異色の雰囲気を漂わせ動きがなんとも妖艶でスローな動きだった。

「くっ・・・何故なの?まぶたが重い・・・」

 ヨシノの相手は拳で殴りかかる。しかし、ヨシノはそのスローな攻めを躱しきれないのだ。

「何故当たらない・・・」

 ヨシノの武器は槍であり、間合いは槍の方が長いのに侵入者の女性に槍が当たらないのだ。しかも、当たったように見える攻撃も感触が全くないのである。

「フフッ。どこを狙っているの?あたしはここよ」
「くっ・・・薙ぎ払い!」

 ヨシノは槍を突き出さず、30レベルになると派生する薙ぎ払いを繰り出す。

●薙ぎ払い
 槍術のスキルを持つ人物が30レベルになると派生するアクティブスキル。前方にいる3体の敵全てにダメージを与える。しかし、1体の敵に0.8倍のダメージ。

 ヨシノは槍の突きが当たらない為、範囲攻撃を繰り出すが侵入者に当たったかと思ったが槍がすり抜け感触が全くなかったのだ。

「フフッ!どこを狙っているの?あたしはここよ」
「ぐはっ!」

 近づく女にヨシノは槍を突き出す。しかし、ヨシノの槍は空を切る。そして、ヨシノは間合いに入られその拳を当てられて腹にめり込む。

「な、なんで・・・それにまぶたが重い・・・」

 その時、アスカの戦う侵入者が吹き飛んでハウスの壁に叩きつけられ気絶してしまった。

「なんだよ。無茶苦茶弱いヤツだな!って、ヨシノが苦戦しているみたいだ」

 アスカはホムンクルスの中で一番強い人物だ。レベルも95と高く侵入者1人では太刀打ち出来なかったようだ。アスカはヨシノを助ける為侵入者の女に突進する。そして、アスカは自分の武器を振りかぶる。

「ヨシノは殺らせねぇ!ブレードラッシュ」

 アスカは瞬時に女との距離を詰め、その巨大な大剣を振り抜いた。

●ブレードラッシュ
 大剣術を持つ人物が80レベルになると派生するアクティブスキル。敵との距離を一瞬で詰め、大剣を振り抜いてダメージを与える。ノックバックの効果と40%の確率で気絶する。

 しかし、アスカのブレードラッシュは空を切り、アスカは驚愕する。

「なっ・・・あたしの攻撃が当たらないなんて・・・」
「フフッ!貴女もこの女と同じように術中にハマったようね」
「嘘だろ・・・このあたしの攻撃が通じないなんて・・・」
「あたしの名はポピー!この名を土産に死ね」

 ポピーと名乗る女の拳はスローモーションのようにゆっくりとした動きだった。

「そんなスローモーションな動きであたしに当てれる・・・ぐはっ!」
「な、なんで・・・まだ距離があったはずなのに・・・」

 ホムンクルス最強の飛車の能力を持つアスカがその場で崩れ落ちるのだった。それを見たカオリとアユミがポピーに突進する。そして、ショウもまたポピーの能力を怪しんで確認をしていた。

「なんだあの女は・・・アスカが簡単に崩れ落ちるなんて意味が分からん」

 ショウはポピーを神眼で鑑定するとレベルは、アスカの半分も満たない40レベルだった。つまり、ヨシノのより弱かったのだ。

「それにあの動きが分からん?あんな遅い動きはなんなんだ?しかも、アユミ達の狙いが全然定まっていないじゃないか・・・」

 離れた位置にいるショウの目には、アユミとカオリの攻撃がチグハグに見えていた。二人の攻撃はポピーの位置が微妙にずれていたのだった。あれでは速い剣先は意味をなさず命中しないのは当たり前だった。

「スミエ!ポピーって女を射ってくれ」
「承知!」

 スミエはポピーに向けて矢を放つ。すると、今までスローモーションのような動きをやめ俊敏な動きで、スミエの矢をギリギリで躱したのだった。

「くっ・・・あんな離れた場所から狙われたら、あたしの術が効かない!」

 ポピーはスミエの矢をギリギリで躱したが、頬に矢がかすった一筋の傷が出来ていた。
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