氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

文字の大きさ
72 / 119
第2章 新たな商売

12話 闇ギルドウーロン

しおりを挟む
 額に汗を流しながら、ショウの私有地を脱出するポピーは信じられないと思いながら夜の道を、マートンの町までひたすら走る。

 まさか、私の術がまさかあんな方法で破られるなんて思わなかった・・・しかし、二重に掛けておいてよかった。今頃アイツ等は驚愕しているはずね。

 ポピーの名は繊刃と同じく二つ名であり、ポピーとはケシの花を使う殺人術からきている。ポピーは土龍トゥーロンで製作されたケシの花を使った催眠術を使った暗殺者である。あのスローモーションのような動きで催眠術に掛けていたのである。戦いの最中ヨシノのまぶたが重いのはそのせいだった。

「しかし、私の暗殺者としての命はもうこれまでだな・・・」

 ポピーはもう自分の命はもうないと思いながら、その重い足を動かしマートンの町にある闇ギルドのアジトに向かったのだ。その影にはイチョウがいるとも知らずにだ。

 おじちゃん達の命を狙った闇ギルドは許さないからね。闇ギルドおよび依頼主の証拠を集めてやる・・・




 そして、ポピーはマートンの町の城壁を越えスラム街の下水道に降りる。そして、ガイガン男爵が入った扉とは違う入り口から、闇ギルド五竜ウーロンマートン支部の扉をくぐる。

「早かったな。さすがはAランクアサシンだ」
「・・・すまないが、ギルドマスターに面会を取り次いでいただきたい」
「何を言っている。お前などギルドマスターがお会いする事など出来る訳がなかろう。それよりこれが成功報酬だ。次の依頼があるまでゆっくり休め」
「それは受け取れない・・・すまないがギルドマスターに面会を取り次いでいただきたい」
「まだ言っているのか?お前などが・・・」
「緊急事態なんだ!私を残し他のアサシンは全員全滅したのだ・・・」
「はぁあ!?何を馬鹿な事を!お前達はAランクアサシン6人で向かったんだろうが?」
「そうだ。私達はドラゴンの逆鱗に触れたかもしれない」
「何を馬鹿な事を!ドラゴンは我々闇ギルド五竜ウーロンの事を言うのだ」
「いいから早く取り次げ!このままでは取り返しのつかない状況になるぞ」

 ポピーはカウンターに立つ男を怒鳴りつける。しかし、カウンターの男が立場が上なのだろう。ポピーが怒鳴りつけるとプライドを傷つけられた男はポピーを睨む。

「てめぇ・・・自分の立場がわかっているのか?」
「ああ・・・わかっているさ!あんたが私より立場が上な事もな。だが、今はそんなくだらん事を言っている場合じゃないんだよ」
「てめぇ!何がくだらんだ!」

 その時、カウンターの受付の男の背後に女の姿がいきなり現れる。その女はびっくりするぐらい妖艶で寒気が漂う美女である。金髪でブルーの瞳を持ち、スタイルも抜群で町にいれば男性は二度見するどころか凝視するに違いないほどの美女だ。

「あなた。少し喧しいんだけど・・・」
「うぐっ・・・あ、あなたは・・・ポワゾン様・・・な、なんでこんな場所に・・・」

 いきなり現れた美女はポワゾンと呼ばれ、カウンターにいる男の背後から肩を持ち片手で男の頬を撫でる。その行為に男は完全に怯え固まってしまった。その様子をポワゾンと呼ばれた美女は冷徹な微笑みをポピーに向けたのだった。

「あなた?確かポピーよね」
「はっ!」

 ポピーはポワゾンに名前を呼ばれた瞬間、膝を地につけ頭を瞬時に下げる。下を向いた瞬間、ポピーの額から大量の汗が噴き出し滝のようにポタポタと流れ落ちる。

 あ、あれがポワゾン様か・・・初めてお目にしたがなんてお人だ・・・私がまるで蛇に睨まれた蛙ではないか・・・

 そして、ポワゾンが現れた瞬間、闇ギルド五竜ウーロンのホールにいた犯罪者全員が頭を下げ、ポピーと同じように額から大量の汗が流れ落ちていた。

「なんでギルドマスターに会いたいの?」
「は、はい・・・」
「はい。じゃわからないわ」
「・・・それが、私達6人で町の魔道士を暗殺の依頼を受けたのですが失敗に終わりました」

 すると、カウンターにいる男はいきなり大声で、ポピーを怒鳴りつける。

「はぁあ!てめぇ。そういう事ははっきり言いやがれ!」
「あなた。さっきから煩いのよ。殺されたいの?」

 男は、ポワゾンに首筋を指で撫でられ、背中に悪寒が走り言葉が詰まる。

「うぐっ・・・」
「へぇ~。貴方達が全滅したんだ?確か全員Aランクアサシンだったじゃない?」
「は、はい・・・その通りです。しかし、あの繊刃すら魔道士には敵わず、私はこの事を報告しなければと思い命からがら帰還いたしました」
「てめぇ。1人で逃げ帰ったのか!」
「あんたはホント煩いね。今、私がポピーと話しているんでしょっと!」

 ポワゾンは、冷徹な微笑みを浮かべ男の首筋を引っ掻いた。その瞬間、男はジタバタ暴れ出すが声にならない叫び声をあげるが、ポワゾンの腕力が高いのか男はポワゾンの腕の中で藻掻き苦しむ。そして、10秒もせずに目や鼻耳口から出血をして動かなくなり、男の皮膚は青黒く変色をして力尽きるのだった。

「ちょっとあなた?こいつを捨ててきてちょうだい」
「はっ!わかりました」

 ポワゾンがカウンターに立つ他の受付業務をしているギルド職員に命令をすると、数人の男達は顔から血の気が引きらながらもテキパキと動き、毒殺されたであろう男をカウンターの奥に運び入れのだった。

「やっと静かに話せるわね。それで何があったの?」

 ポワゾンがポピーから詳しく説明すると、ポワゾンはにっこり微笑みポピーを凝視する。その微笑みは顔から血の気が引くほど冷徹で、顔は微笑んでいるが目は全然笑っておらず虫けらでも見るような視線だった。

「申し訳ありません!ですが、あの魔道士は今殺しておかなければいけないと思い、五竜ウーロンに情報を持ち帰らなければと思いました」
「そうですか。それはご苦労様でした。あなたはゆっくり身体を休めたほうがよろしいですね。下がりなさい」

 ポピーはポワゾンの言葉を聞いて、ホッと胸を撫で降ろした。本来、闇ギルドの依頼を失敗したらその命は尽きるからだ。しかし、情報提供したおかげで命が長らえたと安心して口角が上がり、ポピーはポワゾンに一礼をしてギルドの扉を開き出ていこうとした。
 ポワゾンは、にっこり微笑みポピーの背後に一瞬で詰め、息を吹きかける。

「なっ何!?うががが・・・」

 ポワゾンに息を吹きかけられたポピーは、胸を押さえ掻きむしり出す。

「はぁはぁはぁ・・・く、苦しい!うがぁああああ!」
「ご苦労様でした。あなたの役目は終わりました。ゆっくり地獄でおやすみくださいな」
「な、なんで私を・・・」
「あら、Aランクアサシンのくせにご存知ありませんでしたの?五竜ウーロンの依頼に失敗したらその命は尽きるのですよ」
「そ、そんな・・・私は五竜ウーロンの為に命からがら帰還し情報を・・・」

 ポピーはそう言い残し、自分の胸を掻きむしり断末魔のように苦しみ動かなくなった。

「フハハハハハハ!魔道士めが!闇ギルド五竜ウーロンに逆らう愚か者めが!ウーロンのプライドに賭け地獄に落としてやろう!」

 ポワゾンは闇ギルドのホールで、今までとは違い大笑いをしてショウを地獄に落とす宣言をした。そして、その様子をイチョウは影に潜み冷静に見つめていたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜

2nd kanta
ファンタジー
 愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。  人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。 そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。 しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。

異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

美女エルフの異世界道具屋で宝石職人してます

網野ホウ
ファンタジー
小説家になろうで先行投稿してます。 異世界から飛ばされてきた美しいエルフのセレナ=ミッフィール。彼女がその先で出会った人物は、石の力を見分けることが出来る宝石職人。 宝石職人でありながら法具店の店主の役職に就いている彼の力を借りて、一緒に故郷へ帰還できた彼女は彼と一緒に自分の店を思いつく。 セレナや冒険者である客達に振り回されながらも、その力を大いに発揮して宝石職人として活躍していく物語。

母を訪ねて十万里

サクラ近衛将監
ファンタジー
 エルフ族の母と人族の父の第二子であるハーフとして生まれたマルコは、三歳の折に誘拐され、数奇な運命を辿りつつ遠く離れた異大陸にまで流れてきたが、6歳の折に自分が転生者であることと六つもの前世を思い出し、同時にその経験・知識・技量を全て引き継ぐことになる。  この物語は、故郷を遠く離れた主人公が故郷に帰還するために辿った道のりの冒険譚です。  概ね週一(木曜日22時予定)で投稿予定です。

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。 ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。 しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。 奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。 そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。

処理中です...