氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第2章 新たな商売

44話 新しいポーションと塩の取り引きから手を引く事にした

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 ショウのリチャージポーションは入荷すればすぐ完売となり、シャーロットはショウがギルドに顔を出す度に催促してくるようになる。

「えーい!うるさい!そんなしょっちゅう納品出来る訳がないだろうが!」
「だけど・・・」
「今納品したばかりだろ!なんで次の納品日を聞いてくるんだよ。俺だって他にやることが沢山あるんだよ!」
「でも・・・リチャージポーションは人気で!」
「じゃあ、町に塩がなくなってもいいのか?」
「えっ・・・なんで魔道士様が塩の事を心配するんですか?」
「あ・・・やべっ!思わず言っちまったよ・・・」
「はっ?」
「これはオフレコで頼む。トルーネ商会に塩を卸しているのは俺だ。当然だが以前の価格に戻すために最安値でな。最近になってようやく塩の価格が戻っただろ?」
「えっえ・・・」

 シャーロットが大声で叫びそうになったので、ショウは慌ててシャーロットの口を押さえたのだった。

「フガフガ・・・」
「いきなり大声を出すなよ。オフレコで頼むと言っただろうが!」

 シャーロットはショウに口を押さえられながら、首を縦に振る。

「ったく・・・お前はホントに受付嬢かよ。個人情報を大声を出すかね?その内クビになるんじゃねぇのか?」
「失礼な!こう見えて私は受付嬢の長なんですからね」
「だったら、俺がギルドに苦情をいれてやろうか?受付嬢のシャーロットが個人情報を大声で話しそうになるから困るってな」

 ショウの言葉に、シャーロットはサーっと血の気が引き、顔が真っ青になる。

「そ、それだけは・・・何卒ご容赦を・・・」
「だったら、俺の行動にいちいち口を出さないでくれ。納品は俺の無理はないようにするから!」

 そう言ってショウはアユミと共にギルドを後にして、もらったばかりの大きな屋敷にやってきた。

「ショウ。屋敷にきて何をするの?」
「今から海に行くんだよ。さっきギルドで言ったばかりだろ?」
「それはわかっているんだけどなんでここに?」
「屋敷の中からゲートで瞬間移動するんだよ。じゃないと他人がゲートの中に入ったらややこしくなるだろ?」
「た、確かに・・・」
「ここなら人目もつかず安心して時空の門が出せる」

 そう言ってショウは、初めて海に行った時に位置情報を記録したルーン晶石を使って、海岸にゲートをつなげた。

「ホントショウのゲートトラベルは便利だね・・・」
「一度行った場所でルーン晶石に位置情報を記録しないといけないけどな」
「それでも、大したものよ!ホントならこの海岸までくるのに日帰りでは無理だもの」
「そうだよな。確かに普通は移動だけでも大変だな」
「そうだよ!」
「それなら神様に感謝だな。神様が授けてくれた能力だから、俺がすごいわけじゃない。俺はこの能力を使ってのんびり自由に生活したいだけだ」
「ホントショウは謙虚だね。普通ならもっと自慢してもおかしくないのに・・・」
「まぁ・・・そういうのもいいけどな。だけど、そういう態度に出る時は相手が理不尽な態度に出る時だけにしとくよ。だれかれとぶつかっても疲れるだけだ」
「ショウらしいね」

 ショウの考え方にアユミは笑う。そして、ショウに周りの警戒を頼まれ、ショウの護衛の任に就く。ショウはアユミを頼りにして、海水から抽出して塩を大量に作り出すのだった。
 そして、ショウは今回で塩の調達は中止とする旨をトルーネ商会に伝える。

「えっ?どういう事ですか?」
「申し訳ないが、マートンの町の塩の価格は以前の値段に戻っただろ?俺がこれ以上手助けする必要はないからな」
「そ、そんな・・・魔道士様だって塩で儲けてたじゃないですか?」
「これ以上は他の善良な商会の為にも、一箇所だけが儲かるのは駄目だな。トルーネさんも欲を出さないほうが良い。じゃないとラーダの二の舞いになるぜ」
「うっ・・・そ、それは・・・」
「あんたの行商人としての経験は俺にはないものだから、俺に頼らなくても利益は出せるだろ?それとも、俺におんぶに抱っこの方がいいか?」
「ば、馬鹿にしないでください!私は一代でこの商会をここまで大きくした自負があります!私はまだまだ現役で大きくする夢がありますから!」
「さすが俺が見込んだ人間だ!だが、困った事があったらいつでも言ってくれ。俺が出来ることがあれば協力するからさ」
「わかりました。魔道士様の後ろ盾があるなら安心です。今までマートンの町の為にありがとうございます」

 トルーネはショウに頭を下げ、町の塩の価格を元に戻してくれた事を感謝した。ショウもトルーネと握手をして、トルーネ商会を後にしたのだった。
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