氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

2話 偽金

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「どういうことだ!貴様はいったい何の仕事をしているのだ?」
「普通に鍛冶を頼んでいるのですよ」
「しかし、契約書があるにしても今月で何人目だ?」
「そのような事を申されても、私共としても迷惑をかけられているのです。その違約金の支払いを請求しているだけでございます」
「しかしだな……」

 その頃、ショウ達は川でポーション用の水を手に入れにきていた。

「父ちゃんあれ?」
「ヒナタどうした?」
「人が倒れてるよ?チュータお願い」
『チュー!』

 ヒナタの指示にテイムした軍隊ネズミのチュータは、川の中で倒れている人間を抱え上げる。そして、チュータはヒナタの前にボロボロになった人間を差し出した。

「ううっ……」
「父ちゃん!まだ生きてる!」
「ああ。そうみたいだな。おい!これを飲め。飲めるか?」
「ううっ……」

 ショウは、ボロボロになった人間を抱き抱え、口元にヒールポーションを注ぐ。しかし、飲み込む力がもうないのかポーションを飲むことが出来ない。

「しょうがない……」

 ショウは、ポーションを口に含みボロボロになった人間に口移しで飲ませるのだった。

「ううっ……ハッ!」
「おっ。気が付いたか?あんた危なかっただぞ」
「俺はいったいなんで?」
「記憶が飛んでいるのか?」
「あんたは川で溺れたのか?身体中ボロボロだったがどこから流されてきたんだ?」
「あっ!お、俺は偽金造りをさせられていて逃げてきたんだ・・・」
「はっ!?偽金造りだと?おいおい・・・また面倒な事だな。で、あんたはどこに逃げるつもりなんだ?」
「か、家族がマートンの町にいるから必死の思いで逃げてきたんだ」
「そうか。なら、マートン町は南に行けば着くよ」
「って!あなたは魔道士様か?」
「なんだ。今頃気づいたのか?」
「救ってくれてありがとうございます」
「礼ならヒナタとチュータにいいな。ヒナタがあんたをみつけたんだからな」
「おおう!?軍隊ネズミ!」
「大丈夫だよ。チュータはあたしの従魔だから」
「魔物をテイムしたのか?お嬢ちゃんはすごいんだな?」
「エヘヘ」
「本当にありがとうございます」
「おじちゃん本当に大丈夫?」
「ああ。大丈夫だ。本当にありがとな。それで、俺に使ったポーション代なんだが・・・今、持ち合わせがなくて町に・・・」
「ああ。かまわないよ・・・サービスしておくよ」
「だが、あんな怪我を瞬時に治すポーションなんて高価なものでは?」
「いいよいいよ。あんたに許可なく俺が勝手に使ったんだ」
「そうですか?じゃあ、ありがたくいただきます。また、何かあれば鍛冶屋のカンを訪ねて下さい。武器でも防具でもただで作らせてもらいます」
「わかったよ。何かあれば訪ねさせてもらうよ」

 そして、カンと名乗った男はショウと別れるのだった。

「ショウ・・・放っておいていいのか?」
「偽金造りか・・・また、面倒な事が起こっているみたいだな・・・」
「あのカンって言う奴大丈夫なのか?」
「まぁ、俺は勇者じゃないからな。進んで面倒事に首を突っ込む事はしないよ」
「ショウらしい考えだな・・・」
「お前達に支障が出るなら、降りかかる火の粉は払ってやるよ」
「ショウ!」
「父ちゃん!」

 しかし、ショウの考えはいきなり覆され、すぐに火の粉を払う事になる。

「シャーロット。お前がうるさいからポーションを持ってきてやったぞ!」
「うるさいってなんなんですか?」
「なんだ?自覚がないのか?」
「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか?」

 シャーロットはショウの言葉に頬を膨らませ、プリプリ怒ってみせる。

「じゃあ、これだけ作ってきたから買い取ってくれ」
「毎度ありがとうございます。100本で50万ゴルドですね」

 シャーロットは満面の笑顔でショウに50万ゴルドを支払うのだった。

「お、おい!これは偽金じゃないか!」
「えっ!?魔導士様何をいきなり言うんですか?」

 ショウは神眼で鑑定しているので間違いは絶対にないのだ。巧妙に作られているが、金貨に含まれる金の含有量が明らかに少なく、異物が混ぜられているのである。

「鑑定してみな?銅が混じっている。これは偽金だ!」
「そんな馬鹿な事が!」

 シャーロットは急いで金貨を持って奥の部屋に入っていくのだった。そして、常駐するギルド専属の鑑定士に鑑定してもらうと間違いなく偽金だったのだ。

「嘘でしょ・・・全部偽金だなんて!」

 銅が混じっているが、精巧に作られている、れっきとした偽金だった。冒険者ギルドはすぐさま衛兵に報告し、また、ギルドの金庫の金を全て鑑定する事になり、鑑定結果が出るまでギルドは営業停止となるのだった。
 また、この事で生産ギルド、出来たばかりの商人ギルドも衛兵が立ち入り調べた結果、偽金が混じっていた事が判明したのだった。
 この事は一気にマートンの町に広まり大事件となるのだった。
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