氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

3話 鉱山の管理者

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 マートンの町は大騒ぎとなり、町の住人は関係のないことだったがあらぬ疑いを持つ人間も少なからずいた。

「なあ。この金は偽金じゃないだろうな?」
「おいおい……やめてくれよ!買い物ができなくなるぜ?」
「だけどよう……」
「それに偽金は金貨だ!俺達平民が金貨なんて使うはずがないだろうが!よくて銀貨までで銅貨がほとんどじゃねぇか!」
「そりゃそうだ!しかし、商会や貴族様は大騒ぎなんだろうな」
「そりゃ当たり前だ。なんでも噂では魔導士様も被害に遭ったみたいだぜ?」
「えっ?何があったんだ?」
「ここだけの話だが……領主様からの報奨金の中に偽金が混じっていたみたいで、魔導士様から苦情が入ったらしいぜ」
「本当かよ!?」
「って、お前達こんな天下の往来で領主様の噂をするなんていい度胸しているよなぁ。不敬罪でその首がとんでもしらんぞ」
「「魔導士様!?」」
「これは違うんです……」
「何が違うかわからんが後ろめたくないのであれば、領主様の前でも同じ事ができるんだな?」
「「そ、それは……」」
「魔導士様勘弁してください」
「本当に申し訳ありません!」
「謝るくらいなら最初からそんな噂を広めるな!」
「「ごめんなさい……」」
「今回は目をつむってやるけど次はないからな」
「「はい!」」

 噂をする2人はショウに頭を下げ、その場から一目散に逃げていった。

「ったく……しょうがないやつらだな。マートンの領主様は他の貴族に比べて優しい方だからな」
「しかし、町の皆が噂する気持ちはわかる気もするけどね」
「おいおい……アユミまで何を言っているんだよ」
「でも、ショウだってそうおもうんじゃないの?領主様の報奨金が振り込まれた中にも偽金が入ってたんでしょ。そうなると、偽金は国中に……」
「ストップだ!それ以上言ったら駄目だ」
「だって……」

 そんな噂をショウ達がしてた頃、ある場所では商人と貴族が密会を開いていた。

「これをお収め下さい」
「これだこれ!儂はこいつが好きでのう……」

 商人が貴族に差し出したのは金の延べ棒だ。

「財政を握るあなた様のおかげで、私達も儲けさせていただいております」
「クックック。お主の商才には頭が下がるわい。それで五竜あやつらはどうしておる?」
「はい!五竜あやつらにも報酬として金塊を……まぁ、五竜あやつらは金さえ渡せばなんでもしますからな。問題はありませんよ」
「しかし、もっと警備の方を強化させた方が良いのではないか?」
「大丈夫ですよ。私共には契約書で縛っておりますからね。フッフッフッ……」
「しかし、今回は肝を冷やしたぞ。もう死んだと聞かされていた鍛冶屋が生きて町まで戻ってきたと言うではないか?」
「私共としてもまさか生きていたとは思いもしませんでしたが、契約書で縛って連れて帰りました」
「よく大人しく言う事を聞いたな」
「ええ。逃げた場合、自分の家族が負債を負うこと説明すれば大人しくなりますよ」
「しかし、暴露でもされれば……」
「それも問題はありませんよ。暴露すれば自分達家族も罪に問われる可能性があるんですからね。それをちょっと囁けば口を閉じましたよ」
「そうか!しかし、やはり職人が逃げないよう、五竜あやつらには言っておけ」
「わかりました」
「後、もう一つ」
「まだあるのか?」
「こちらは嬉しい報告です。また、新たな職人が見つかりましたので偽金造りのペースが上がるので、金の延べ棒が増やせるかと」
「ほう!そうかそうか。そいつは楽しみだ。この金をばら撒けば儂の出世は間違いないな。儂もまだまだ鉱山の管理だけでなく上に上がりたい!」

 貴族の男は金の延べ棒を手に取りニヤニヤと笑う。貴族の男は鉱山で掘り出した金を横領して商人に渡す。商人はその金を使って偽金を造り資産を増やしていた。偽金造りには、鍛冶屋を雇い、いいように言って騙し、雇用期間が過ぎる手前で暗殺する。
 そして、任期を全うできなかったとして、その家族に責任を取らせるのだ。その送り先が五竜ウーロンとなる。

「クックック……しかし、あの鍛冶屋は馬鹿なやつですよ。家族はとっくに奴隷に落とされているのに、大人しく山に帰りましたからな」
「ぐはははははは!そいつは馬鹿だな!」
「はい。あっ、お酒が切れましたな。おい、おかわりをもて!」

 人払いをしていたところに酒が運ばれてきて、貴族の男は大笑いをしていた。
 そんな中、証拠を掴もうと必死に調べているのが衛兵達である。しかし、鉱山から運び出している金の量は問題はない。それは当然であり、管理者が報告を上げているからだ。金の採掘をしているのは犯罪奴隷達であり、過酷な労働で死んでしまい採掘量が下がっていると記載されているからだ。下級貴族とはいえ、貴族がそう言えば逆らえる者はまずいないので報告書はそのまま通ってしまうのである。
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