氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

9話 レベルアップ開始

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 システィナがアサシンを倒し、カオリ達はシスティナの周りに集まる。

「システィナ、凄いな」
「本当に凄いですわ」
「システィナもやればできるのですね」
「ちょっとアリサ、それって褒めてるの?」
「当然よ。褒めてるに決まっているじゃない。闇ギルドのアサシンを倒したのは紛れもない事実ですからね」
「本当ですよ!闇ギルドのコードネーム持ちを倒したのは大金星です」
「誇っていい事だ!」

 システィナはみんなから祝福され、なんとも言えない気持ちになり顔を赤らめた。そして、この事はヨシノが念話でショウに伝えた。伝えた瞬間私有地にゲートが開き、ショウとアユミそしてヒナタとチュータが瞬間移動してきた。

「みんな大丈夫か?」
「ご主人様!」
「それで、アサシンは?」
「こいつです」
「毒の使い手だったのか?」

 ショウが東風トンファーを見ると、斬られた腕は毒で変色していた。

「毒の使い手というか、珍しく肉弾戦の見たことのない武器の使い手でした」
「これはトンファーか? しかし、刃のトンファーは初めて見たな……」
「主はこの武器を知っているのか?」
「知っているぞ。この刃のトンファーは初めて見たけどな」
「そうなのですか?」
「俺も詳しい事はいえないが、基本トンファーは腕に密着した構えとなる。しかし、こんな刃のトンファーは密着させたら傷がつくだろ?」
「た、確かに……」

 ショウはこのトンファーを使いこなすには、尋常ではない手首と握力が必要になるんじゃないかと推測した。腕に密着させないかわりに、手首を固定させて敵の攻撃を受け止める握力と手首の力がいると説明した。

「ところでこのトンファーの刃を90度に折ったのは?」
「それはシスティナです」
「システィナが?」
「いえ……わたしじゃなくオアネドがタイミングよく折ってくれたんです」
『フォフォフォフォ!システィナがレベルを上げてくれたおかげじゃ。土だけでなく鉄を操れるようになったからな』

 オアネドはシスティナにそう言って軽快に笑うのだった。それをシスティナがショウに説明する。

「そっか!よくやったな。レベルを上げて強くなった」

 ショウはシスティナとオアネドを褒めた。しかし、ショウはその後カオリ達も頑張った事を褒めるのだった。

「しかし、これは少し早める必要がありそうだな……」
「父ちゃん。早めるって何?」
「ヒナタのレベルアップをだよ」
「でも、あたしもレベルアップしたよ?」
「まだまだだな」
「えぇ~!」
「ヒナタお前もアユミ達と同様にレベルを上げてもらうことにする。じゃないと安心できん状況になった」
「ちょっとご主人様!ヒナタにはきついんじゃ……」
「システィナ。今回はお前のおかげで全員助かったようなものだ」
「わたしじゃなくてオアネドが!」
「システィナがレベルを上げなかったら誰が死んでたはずだ。いいか?こいつはコードネーム持ちだ。つまり、闇ギルドは本腰を入れたと言っていい」

 ショウの言葉にカオリ達は顔を青くする。そして、ショウは話を続けてカオリ達の弱点を言うのだった。

「カオリ達は確かにレベルは上げた。システィナ達もだ。しかし、経験が圧倒的に足りないのが心配なんだ。これは俺もなんだがな」
「そんな!ご主人様は唯一属性魔法の使い手で……」
「確かに俺は神様に時空間属性魔法を授かったが、戦闘経験はあまりにも足りなさすぎる」

 ショウを始め、全員が戦闘経験が足りないのは当たり前だった。アスカはレベルが100に近いがまだ生まれたばかりでステータスの力技が多い。

「だから、ヒナタにもダンジョンに潜ってもらうことにする」
「えぇ~!あたしがダンジョンに!?」
「当然ヒナタ一人じゃないぞ。みんなで潜るんだ。じゃないとアサシンが襲ってきたらヒナタは真っ先に犠牲になりかねん」
「そんなぁ……」
「ヒナタ。お前には酷な事だろうが俺達についてくると言ったんだ。受け入れろよ」
「ううっ……」
「大丈夫だ。俺達が絶対に守ってやるから安心しろ」

 ショウがヒナタの頭を優しく撫でると、チュータも胸をバシッと叩き自分がヒナタを守ると胸を張る。

「チュータも守ってもらうことになりそうだがな」
『ちゅー!』
「痛っ!チュータやめろ!痛いだろ」

 チュータのプライドを傷つけたのはアユミで、それを聞いたチュータはアユミに飛びつき耳をかじるのだった。それを見たヒナタ達は大笑いするのだった。
 そして、アスカ達も私有地に帰ってきて事態を重く見て、ショウの提案に賛成するのだった。
 そして、次の日ショウ達全員でマートンの町にやってきていた。兵舎では、武闘派アサシン東風トンファーの遺体を提出され大騒ぎになる。

「これは東風トンファーか!?」
「そうみたいですが有名だったりするのか?」
「ああ。こいつの強さに何人もの人間が犠牲になったかわからん……当然懸賞金も跳ね上がっている」
「へぇ~。なんか得したな」

 衛兵達は王国を代表してショウ達に頭を下げ感謝したのだった。そして、その足で冒険者ギルドにも顔を出し、これからの事を説明する。

「ダンジョンに潜るのですか?」
「ああ。ちょっとまずい事になってな。早急にレベルを上げなきゃならなくなった」
「しかし、今は魔物の素材の買い取りは……」
「シャーロット。俺達は魔物の素材を取りに行くわけじゃない。レベルを上げに行くんだ」
「それでも……」
「いいか?俺達はダンジョンに当分の間潜るから、騒ぎにならないように報告をしにきたんだ」
「あっ……」
「前みたいに家がなくなったと騒いでいただろ?」
「な、なるほど……」
「偽金の件は国がなんとかする事だ。俺達が戻ってくる頃に解決してれば、ギルドに卸してやってもいいくらいで考えてろ」
「そんなぁ……」
「とにかくだ。俺達は闇ギルドに対抗する力が必要になったからレベル上げを最優先にしなくてはならなくなった」
「じゃあ!ポーションとかは?」
「俺達が闇ギルドに始末されたら意味がないだろ?」
「うっ、確かに……」
「だから、長期間でダンジョンに潜るから後は任せる」
「任せると言われても!」
「マートンの町の住人には説明をしてくれればいいだけだ」

 そう言い残しショウ達は冒険者ギルドを後にしたのだった。
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