氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

14話 新たな精霊

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 ショウ達は突撃魚を討伐して更に奥に進む。すると今度は半透明のふわふわ浮かぶクラゲがいた。その体長は驚きの3メートル程の大きさであり、触手を入れれば更に大きい。

「でかっ!なにあれ?」
「あれはクラゲだな……」
「クラゲ?」
「けっこう厄介な魔物だ……」

 ショウは神眼で鑑定すると【痺れクラゲ】と出て、麻痺毒をもつ魔物だとわかる。
 ショウは全員にヘイストをかける。すると今度はアユミが大部屋に突撃したのだった。アユミの存在に気づいた痺れクラゲは反撃してくる。

「なっ何!?」

 痺れクラゲはふわふわ浮かぶスピードはないように思えたが、触手は物凄い速さで攻撃してくる。そして、その触手には鋭利な針のようなものがあった。
 
「くっ!」

 その触手はアユミを狙い撃ちにする。アユミは異常な反射神経でその触手攻撃を盾で防いだ。

「なによ……あの速さは!?」

 痺れクラゲの触手攻撃は、先ほどの突撃魚の比ではないほど速かったのだ。そのスピードを見たショウは、痺れクラゲにスローを掛ける。

「かの者、時間の流れに逆らい、長い時の中を過ごせ。スロー!」

 ショウの時空間属性魔法のスローで、痺れクラゲはスローの魔法に掛かり攻撃スピードは3分の1となる。
 こうなってしまえば、痺れクラゲはただのサンドバッグ状態である。アスカのツゥーハンドソードの大ダメージであっという間に討伐されてしまった。
 イチョウはすぐに痺れクラゲの解体をし、素材は魔石と触手攻撃の針である。
 
「おじちゃん何をするの?」
「いやね。クラゲって確か栄養豊富な食材なんだ」
「た、食べるの……」

 イチョウはショウの言動に少し引いている。

「いや、これは俺も食べる気はしないがこの半透明の部分にはコラーゲンという成分があるんだよ」
「コラーゲン?」
「そう!コラーゲンだ。わかりやすくいうと人間年を取ると肌の張りがなくなるだろ?」
「ウンウン!」
「それはコラーゲンが減少するからなんだ」
「へぇ~!おじちゃん物知り……」
「だからこいつを利用した美容用品を作れないかと思ってな」
「おじちゃん美容用品もつくれるの?」
「前に言ってなかったか?」
「知らない……」
「俺は薬学のスキルもあるからな。薬学で化粧品を製作出来るかもしれないよ」
「おじちゃん凄い!」

 後にショウは、コラーゲンを使って美容用品を製作する事になりこれが貴族夫人から大人気商品となる。ショウは痺れクラゲの身体を時空間倉庫に収納してしまう。

 そして、クラゲと対峙したショウ達はセイフティーエリアを探す事にする。2戦闘って得た感想はこの階層の魔物はとにかくスピードが速いという事だ。その為、精神がゴリゴリ削られてスタミナ消費が激しいのだ。

「今日はこの辺で止めにしよう」
「えっ?旦那様あたしはまだやれるぜ」
「アスカ。無理はするなよ」
「無理なんかしてない!」

 ショウは、アスカを鑑定するとスタミナが3分の1になっていた。スタミナは体力の半分の数値となる。つまり体力が1000あればスタミナ値は500となるわけだ。
 このスタミナ値は睡眠や食事で回復出来るが、こういったダンジョンで戦っていたり長旅で移動し続けるとどんどん減っていき、無理をするとへばって動けなくなるのだ。

「お前のスタミナは3分の1になっているぜ」
「まだ大丈夫だよ」
「いや、駄目だな。こういう時は素直に休まないとしっぺ返しを食らうことになるからな。それに、見てみろ。お前は良くても、アユミやカオリは肩で息をしているだろ?」
「うっ……」

 アスカは2人の様子を見て素直にショウの言う事を受け入れた。そして、7階層のセイフティーエリアを見つけハウスを建てたのだった。

「ショウ。なんでセイフティーエリアまでわざわざきたんだ?」
「ここは人類が初めて足を踏み入れた未知の領域だからだよ」
「だけど、ショウのハウスはゴッド級のマジックアイテムだろ?」
「今までは大丈夫だったかもしれんが次も大丈夫とは限らないからな。用心はしすぎる方がいいんだよ」
「なるほどね」

 そして、その日の夜にはショウが楽しみにしていた魚が食卓に並ぶ。

「いや~久々の魚だ」
「あたしはやっぱり肉の方がいいな」
「アユミはやっぱり肉か。まだ若いから肉の方がいいか。俺はもう年だからな肉は胃にもたれるんだ」
「何をオジサンみたいなことを」
「父ちゃんはもうオジサン……」
「オジサンオジサン言うなよ。ちょっとだけ気にしてるんだからな。マートンの町は内陸だからな。魚は食べられない高級品だぜ?」
「それでもやっぱり肉だな」

 そういう話題が続き、その日はみんな眠るのだった。そして、次の日はヒナタもダンジョン生活が慣れてきたのか、それともレベルが上がり体力がついてきたのか、きっちり朝一番から元気いっぱいである。
 7階層の地図は、その日の内にショウが世界地図ワールドマップに照らし合わせ、探索した場所を完璧に紙に書写している。

「ショウ。続きはここからだよね」
「そうだな。何が起こるかわからないから慎重にいってくれ」
「大丈夫……あたしが斥候をしている……」
「イチョウ、頼んだぞ」
「うん……」

 そんな中、ショウ達は慎重にダンジョン内を進み、魔物と数回戦いながら進んでいくと、今までとは違う部屋に来た。

「なんだここは?」

 そこは、ダンジョン内とは思えないほど浄化された部屋だった。部屋と言っても区画整理されたような感じだが、部屋の真ん中に噴水がありコンコンと綺麗な水が湧き出しているのだ。

「ここってセーフティエリアなのか?」
「違うだろ?」

 ショウは神眼であちこち見回すが魔物も何もない。ただ、噴水から水が湧き出しているだけだった。

「まぁ……ここなら大丈夫だろ。少し休憩しようか」
「「「「「「「「やったぁ」」」」」」」」

 ショウはハウスを出し、休憩の準備をしようとすると、システィナが小さく悲鳴をあげた。

『あなたすごいわね』
「きゃっ!だ、誰!?」
「システィナどうした?」

 システィナの目の前にふわふわ浮遊する半透明の女の子がいた。

「システィナ、それはまさか……」
「うん。精霊みたいですね」
『まさか、精霊2体も契約を結んでるの?』
「う、うん……」
『ほう!これは珍しいのう。わしは水の精霊シミズと会うのは初めてじゃぞ』
『あなたはオアネドね。私も会うのは初めてよ』
「何でこんなダンジョンの奥深くに水の精霊がいるの?」

 今の地上では精霊の数は激減しており、精霊同士でも会える確率は少ない。そのほとんどが精霊界に身をおいているのである。

『地上の人間は怖いけど、人間界に興味があるから精霊界から出てきたの。ここなら大丈夫と思ってたんだけど、やっぱりつまらないなぁと思っていたんだ』
「まぁ、ここには誰もこれない場所だからね」
『そうなのよ。魔物しかいないし、喋りかけようとしたら襲ってくるのよ』
「まぁそうでしょうね……」
『でね、私と契約してよ』
「えぇ~!」
『貴方なら既に精霊と契約しているし安心できるわ。だからお願い。一緒に連れて行ってよ』
「わたしは奴隷だけどいいの?」
『私には関係ないわ。ここは退屈なのよ。精霊界が退屈だからでてきたのにこれじゃ本末転倒よ』

 システィナはショウにシミズの事を説明する。私有地に戻ったら色々働いてもらう事をシスティナに伝えてもらうと、シミズは大いに喜んだ。システィナには、私有地で薬草の管理をしてもらっている。薬草をドライアドにいい土をオアネド、そしていい水をシミズに担当してもらう事で、システィナと契約するのだった。

 これは精霊契約が快挙となる。精霊眼を持つエルフ族でも3体の精霊と契約できた者は過去に1人しかいない。
 システィナはその1人と同格のエルフとなったのである。
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