氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

15話 シミズの能力

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 まさか、レベルを上げる事で精霊が増えるとは思いもしなかったシスティナは驚愕していた。

『早く契約してよ』
「う、うん……」

 システィナは言われるままに、シミズと契約を結んだのだった。契約が結べてショウ達がシスティナに拍手して喜ぶのだった。

「システィナ!お前ホントすごいぞ」
「自分でも信じられません……」
「言ってみれば三属性の魔法が使えるんだろ?」
「わたしじゃなく精霊が使ってくれるんですよ。これは精霊魔法と言ってですね……」
「まぁ、難しい事はいいがそれにしたって、システィナが契約を結んだから使ってくれるんだろ?」
「それはそうですが……」
「で、シミズはどんな魔法なんだ?」

 ショウがシスティナに、シミズの魔法を聞くとみんながワクワクした顔をしていた。

「水を生み出せるんですよ」
「ほう!何もないところから水を出せるのか。それは凄いな!」
「だが、旦那様のハウスも水どころかお湯も出せるじゃないか」
「おいおい、アスカお前は何を言っているんだよ」
「だけど、同じじゃないのか?」
「いいか?人間にとって水は命の源なんだ。確かにハウスの施設で俺達はいつでも風呂に入れるが、それは神様のおかげだ」
「だから同じ事ができるんだろ?」
「そうだ。システィナは精霊と契約を結んだ事で神様と同じような事ができるんだ。凄い事じゃないか!」
「た、たしかに!」
「納得するのが早いな……つまりだ、水の無い所ではシスティナがいればいつでも水が飲めるんだ。普通の冒険者達ではあり得ない事なんだ」
「な、なるほど……」
「それに、水さえあれば2週間から3週間くらいは生きながらえるが、水がなければもって3日で命を落とすと言われてるんだぞ」
「たった3日で?」
「そうだ!水の重要性がわかったか?」
「うん。わかった……システィナ悪かったな」
「ううん。いいよ。ご主人様のおかげでわたしも水の重要性がよくわかったからね」

 システィナはショウがただ水を生み出せる事がどれほど重要か言い聞かせてくれて誇らしくて笑顔となった。

「それにしてもシスティナがレベルが上がり100レベルになったらどうなるんだ?他の精霊魔法も使えるようになるんじゃないのか?」
「いやいや!アスカ。言っておくけどレベルが上がっただけじゃ精霊と契約なんか結べないんだよ」
「でも、システィナはもう3人とも結んだじゃないか」
「それは運が良かっただけだよ。普通はあり得ない事なんだからね」
「そういうものなんだ……」
「そういうものです!」

 システィナはアスカの言葉に食い入るように否定するのだった。そして、シミズはショウの周りをうろついていた。

「おっなんだ?俺に言いたいことでもあるのか?システィナ通訳を頼む」
「ありがとうって言ってますよ」
「そっか。これからよろしく頼むな」

 ショウはシミズににっこり微笑むと、シミズは両手を上げて喜んでいた。システィナに通訳してもらうと、自分達ノーマル精霊は人間は怖い生き物だと言う。
 珍しい精霊は人間の観賞用に囚われ、自由を奪う者とされている。昔は人間にも精霊の姿は見ることができるほど人間界に精霊はたくさんいたというのだ。しかし、悪い自分勝手な人間が増え、精霊達は精霊界に避難したという。その時、精霊達は当時優しくしてくれたエルフ族だけに精霊眼のスキルを与えるように神に願った。
 神様は精霊王オベロンの願いを受け入れ、それ以降エルフ族だけに精霊眼のスキルが派生するようにしたのだった。
 
「と、言う事はシミズもドライアドもオアネドもノーマル精霊と言う事か?」
「そうですね。それこそ上級精霊なんてお目にはかかれないですよ」
「なるほどなぁ。俺の認識では水の精霊はウィンディーネだからな」
「ウィンディーネ様は水の上級精霊ですよ」
「よくわからんけど、シミズも水を造り出せるんだから凄いやつだ」

 ショウはカラカラと大笑いするのだった。そして、この部屋を調べると噴水から出る水は聖水だった。この為、この場所は浄化された部屋となり魔物がいない事が判明したのだった。

「シミズに聞いてみてくれ?」

 ショウはシスティナを通して聞いてみた。すると、シミズの能力で聖水を生み出せる事がわかった。つまり、ショウの製作するポーションの材料の一つ、純水や清らかな水も簡単に出せるというのだ。

『この部屋は私が暮らしてたんだけどなのに、魔物あいつらはすぐ襲ってくるのよ』
「それはたいへんだったわね……」
『でも、これからはシスティナと一緒に色んな場所にも行けるから楽しみだわ』
「色んな場所に行けるかどうかはわからないわよ。わたし達はこのダンジョンの近くに住む住人だしね」
『それでもここよりワクワクするわ』
「確かにここよりは楽しいかもね」

 そんな会話をしながら休憩して出発する事になった。出発する際、ショウは噴水から出る聖水を時空間倉庫に収納してしまう。すると、この場所は周りと同じダンジョンとなってしまう。

『聖水ならいくらでも出してあげるよ』
「いやいや。ここに聖水を置いていくのは勿体ないよ。ご主人様もそう思っているから、全部回収したんだよ」

 シミズは自分の作り出したものをありがたいと思ってくれたのが嬉しかったようだ。そして、ショウ達は更にダンジョンの攻略をすすめる。

「おじちゃん……あれって何?」
「あれは半魚人サハギンだな」

 イチョウが先行し見つけた魔物はサハギンだった。全身に鱗があり二足歩行の魚である。そして、その手には三叉になった槍を持っていた。

「槍を使うのね……私の槍とは少し違うわね」

 ヨシノが興味深そうに言う。

「あれはサンサ戟という武器だな」
「ご主人様はあの武器を知っているのですか?」
「知識だけな……俺の元の世界ではギリシャ神話に出てくるポセイドンの武器として書かれていたよ」
「神の武器ですか?」
「そうだな。あの武器には返りがついているから気をつけろよ」
「は、はい……」

 ヨシノ達は神々が使う武器と聞いて緊張が走り息を呑んだ。ヨシノ達はサハギンをみるのも初めてでその異様な姿も緊張する要因の一つだった。
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