碧天のノアズアーク

世良シンア

文字の大きさ
21 / 128
ノアズアーク始動編

8 カズハとの共闘

しおりを挟む
side ノア=オーガスト

「ーーーそれで、私がグラディウスとして活動し始めて二年経ったか経ってないかの頃かな……。あいつ……レックスに運悪く遭遇しちゃって、結果は私以外全滅で……。みんな、死んじゃった……。これが私があの時おかしかった理由だよ」

「……そっか。そりゃ、ああなるよな」

もしオレがカズハだったら、生きることに意味を感じられず絶望して死んでいたかもしれない。秀や湊……シンがいなくなるのは、正直耐えられる自信がない。

「……カズハは、さ……どうしてオレたちの仲間になってくれたんだ?」

仲間を失って絶望を感じたはずのカズハは、オレたちの仲間になってくれた。仲間、というのはカズハにとっては禁忌に触れるレベルのことのように思う。少なくともオレはカズハの過去からそう感じた。だからなぜカズハがオレたちの仲間になってくれたのかを知りたい。

カズハは自身の顎に手を添えて考え込んでいる様子だ。

「うーん……パーティで活動することの喜びを、ノアたちからもう一度学んだから、かなー……」

「……!」

喜び、か……。確かにオレも仲間とワイワイ冒険するのはすっごく楽しい。

「それに……ノアたち強いからさ。そう簡単には死ななそうでしょー?」

ニカッと晴れやかに笑うカズハ。過去を打ち明けてくれた時の悲しげな表情とは打って変わって、どこかスッキリとした笑顔を見せてくれた。

「ははっ。お褒めにあずかり光栄だ!カズハ、改めてこれからもよろしくな!!」

オレの差し出した手に温かな感触が伝わる。

「ふふっ。もちろんだよー!」






「グランガチが大量発生?」

帝都アクロポリスから見て東側には、水上交通としても用いられている巨大な河川が流れているらしい。すくすくと育った脂身のある川魚が取れたらしいが、その付近にグランガチというBランクの魔物が異常に出現してしまい、多くの魚が死んだだけでなく交通路さえも絶たれてしまったという。

その討伐依頼がでかでかとボードに貼られていた。

「へえー。あのワニもどきがたくさん出てきちゃったのかー。それはかなり厄介だねー。道理でこんなに目立つように貼られてるわけだー」

「Bランクってことはそこそこ強いよな、きっと」

あのレックスはAランクの魔物だったわけだけど、あいつめちゃくちゃ硬かったもんなー。それに馬鹿デカい身体してたし。

まあでもBランクとはいえ、人間からしたら理不尽なまでの力があるだろうから?警戒するに越したことはないよなー。

「いや、兄さんの足元にも及ばない雑魚にすぎない。兄さんが直接手を下さずとも、俺ひとりで事足りる」

「はい……?ったく、シンはいつもいつもオレを過大評価しすぎだって」

「ん?何が過大なんだ?」

至って真面目に話すシン。そんなオレたちを見てカズハはクスクスと笑った。

「……もうほんと、ノアたちって感覚バグッてるよねー。もう一回言うけど、Bランクの魔物一体が相手なら、同じBランクの冒険者は三人は最低でも欲しいんだからねー?そもそも魔物との戦いにソロで挑むのはどうかしてるしー!」

「え?でもカズハも数年はソロで活動してたんだろー?」

「うぅ……それはあんま触れないでよね……」

「あ、悪い」

無神経なことを聞いてしまった。つい先日、カズハの悲惨な過去を聞いたばかりだと言うのに、オレは何も考えずに傷口に塩を塗るような愚行をした。

「とにかく、大量のグランガチが河川を占拠しちゃったなら、なるべく早く依頼を達成しないと住民の生活にも関わるかもしれないよー」

カズハは依頼ボードに貼られた紙の端を摘んで、ひらひらと動かす。

「それはそうだろうけどさ……ちょっと疑問なんだけど、なんで誰もこの依頼を受けないんだ?」

そう、なぜかこの依頼に食いついているのはオレたちだけなのだ。他の冒険者たちはこれよりも難易度が低い依頼書を取ったり、一度目を通しても顔を引きつらせて手に取るのをやめてしまったりしている。

けどこの依頼、達成報酬が三十万エルツとバカみたいに破格なお値段だ。金を求める者も多い冒険者という立場なら、こぞって取り合ってもおかしくないと思ったんだけどなー。

「んなの簡単な話だろ。討伐対象にビビって手が出せないってだけだぜ。冒険者とあろうもんが、たかがBランクの魔物に怯えるなんざ、笑い話にもなんねぇけどなぁ」

「それが大半の冒険者の心情だろう。だが、冷徹かつ狡猾なやつであればわざと無視しているはずだ」

「無視……?なんで無視する必要があるんだ?」

オレは淡々と口にした湊の言葉に軽く噛みついた。

せっかくの大金ゲットのチャンスなのに、それをみすみす見逃す選択をとることあるのか?普通に考えてさー。

「それはこれが住民たちの生活に関わるような重要な依頼だからだ」

「……うん?」

さっぱりわからん。

「しゃあねぇなぁ。俺が捕捉してやんよ。今のクリア報酬は……三十万エルツか。まあ確かにいつもの依頼と比べりゃあ、ドデカい金額だ。だがよ、こんなに高ぇってことは当然、その分それ相応の危険が伴うわけだ。だったらもっと報酬の値段が釣り上がった時に受けた方が、こっちの懐が潤いまくるわけだ」

秀は依頼ボードの前に立った。

「そんでもって?報酬が一段と増える時ってのは、大抵住民の生活に大きな実害が出始めてからになんだろ」

そしてらコンコン、と依頼ボード叩いた。

「つまり、待てば待つほどクリア報酬はより大きくなる」

「……!なるほど、そっかそっか」

秀と湊の説明にオレはようやく納得がいった。

そういう冒険者も確かにいるだろうし、どんな選択を取るか、そんなのはもちろん人それぞれなんだろうけど……正直そういう奴はあんま好きになれない気がするなー。

まあ自分のためだけに生きること自体は別に間違ってはない、とは思うけどさー。

「秀も湊もすごいねー!冒険者のことよく理解してる。冒険者って無鉄砲なやつが多いイメージがあるかもしれないけど、自分の今の力や状況を見極めてしっかり依頼を選ぶ能力は絶対に必要なんだよねー。だって命あっての人生なんだからさー」

「ふむふむ、確かに!さすが先輩。言うことが頼りになるベテラン様って感じだなー」

「ちょ、もう、何言ってんのー、ノア!別にそんな良いこと行ってないよー?!てかそもそも、この言葉もサイラスたちからの受け売りっていうか……」

顔をゆでだこのように赤く染めたカズハは、両手で顔を覆ってしゃがみ込んだ。

「あーもう、そんな直球で褒められ慣れてないからむず痒いぃ……」

「よしよーし。カズハはとってもすごくていい奴だぞー」

オレはさらに追い討ちをかけるように、しゃがんだままのカズハの頭をなでなでした。

「っ!うぅ……めっちゃ恥ずいぃ……けど褒めてくれてありがとう……」

ちょっと揶揄う意味も込めてカズハの頭を撫でた結果、羞恥と感謝に板挟みにされたカズハ。

なんだか微笑ましく感じるなー……。

「んで?この依頼は受けるのか?ノア」

「そりゃ当然。こんなにお金がもらえるってのにやらない手はないだろ?それに狡いやり方でこの依頼を受けようとしてる奴らに、この報酬渡したくはないしなー」

「はっ。そりゃ同感だ」

「兄さん、これ」

「お、サンキュー、シン」

依頼ボードからグランガチ討伐の依頼書を剥ぎ取ったシンが、オレにそれを手渡してくれた。

「そんじゃま、早速討伐地点に向かうとするかー!」







『バシャャァァァッン!!』

尻尾を使ったグランガチの大ぶりな叩きつけに、河川を割るような二又の水飛沫が高く上がった。

「うお、意外と力あんじゃん。直撃したらさすがに腕一本くらいはおしゃかになりそうだなー。しかもこれが……っ」

『バシャャァァァッン!!』
『バシャャァァァッン!!』
『バシャャァァァッン!!』

グランガチの攻撃を避けるたびにまた別のグランガチの尻尾が頭の上から振り下ろされていった。それに対応してオレもひょいっとかわすけど、その先でまた別のグランガチに攻撃されかけた。

「こんだけ多いんじゃ、身体グッチャグチャになるってーの」

全ての攻撃を避け切り、オレは一旦グランガチたちと距離を取った。

オレは今、ニヤニヤと怪しく笑う四体のグランガチを相手取っている。水の上の戦いはそんなに経験はなかったけど、オレは氷系統の氣術が得意だから、足裏に氣術を施すことで河川に氷の足場を作り、普段通りのパフォーマンスを発揮できている。

というかそれくらいやらないと、水場での戦いに慣れきっているこいつらに遅れをとっちまうからなー。

『『『『ギビャビャッ』』』』

「なーにほくそ笑んでんだよ、ワニもどきども!」

オレは少し刃こぼれしている剣を構え、グランガチたちを見据えた。

刃こぼれしてるのはいつものこととして、さっき剣を当ててみた感じ、あんま効果がなさそうだった。皮膚はゴツゴツしてるから弾かれるし、唯一柔らかそうなお腹の部分にも攻撃してみたけど、薄く傷が入る程度で致命傷にはなりそうもなかった。ていうか、先にこっちの武器が壊れるのが目に見えてる。

こいつらの特徴を簡単に言えば、太った人型ワニだ。攻撃パターンは、両手の鋭い爪による攻撃かさっきの尻尾による叩きつけ攻撃あるいは振り払い攻撃だな。

ちなみに他のみんなはというと、オレと同じように複数のグランガチにからまれている。特にシンはさっきちら見したとき、五、六体は相手取っていた。まあシンのことだから、きっと余裕で全滅させるだろうけど。

「うわあ!」
「ん?……グエッ!」

悲鳴がした方へと顔を向ければ、勢いよくオレに誰かがぶつかってきた。オレは避ける間もなく、そいつと一緒に河岸にあった木の幹に体を打ちつけた。身体的なダメージはほぼなかったけど、ちょっぴり背中が痛い。

たぶんグランガチの振り払い攻撃でぶっ飛ばされたんだろうけど、まさかそれに巻き込まれるなんて……。

「あれ?思ったよりも痛くない?……って、ごめん、ノア!」

飛ばされた張本人であるカズハは、オレがクッション材になっていたことに気づきすぐにどいてくれた。

「いやいや、平気平気ー。ちょっと驚きはしたけど、なんの問題もないぞー!」

オレはさっと立ち上がり、右肩を軽く回した。

「よかったー。……油断したつもりはないんだけどさ、やっぱりBランクの魔物は強いよ」

そう溢したカズハの視線の先には、薄気味悪くニヤつくグランガチが六体も並んでいた。

「身体もオレたちより断然大きいし、やけに硬いし、力強いし、だもんな。やっぱ人間と魔物とじゃあ、生まれた時点で圧倒的な力の差があるってことか」

「そうだねー。でもさ、人間にしかできないこともあると思うんだよねー。例えば……成長とか努力とか、さ」

「ははっ。やっぱいいこと言うなー、カズハは」

「ちょ、今褒めるの禁止だから!集中力切れちゃうでしょー?!」

カズハは照れ混じりの焦った顔をした。

「ははは。オレ、やっぱカズハと仲間になれてよかったわ」

「だ、だから、今そんな小っ恥ずかしいことを言わないでってば!」

「はいはい、分かったってー」

「もうー……」

『ギビャビャッ!』

カズハを優しく揶揄っていると、痺れを切らしたグランガチたちが一斉にこちらに向かって氷上を走り出した。

「おしゃべりはここまでにして……やるよ、ノア!」

「おう!」

カズハは右手を前に突き出し、オレは右手に持った剣を構えた。

「ロックショット!」

カズハの手から尖った小粒の岩石が次々にグランガチたちへと放たれていく。狙いは足止めもしくは目眩しか。

「……っ」

オレはロックショットの直線的な軌道とともにグランガチの群れへと突っ込んでいく。グランガチたちは、オレより先行する小さな岩石たちを弾くのに手間取っているらしい。

「いい足止めだ、カズハ!」

オレはグランガチたちが立っている氷の床から、めいいっぱいの力を足に込めて飛び上がった。上空から下を見れば氷上に大きなひび割れが入ったのがわかる。

よし、これで終わりだ……!

オレは勝ちを確信しつつ、河岸に立つカズハに視線を向けた。

「カズハ!」

「分かってる!」

オレの呼びかけに応えたカズハは、地面に両手を当て氣術を放つ構えをした。そしてその直後……

『バキィン!』

氷の床が崩れる音がした。

突然足場がぐらつき、グランガチたちは咄嗟に対応を取ることもできず、ただただその現象に身を任せることしかできなかった。

「アイススピア……!」
「ロックスピア……!」

上空に三角錐型の氷柱が六本出現し、グランガチたちの身体目掛けて落下した。これにより、グランガチたちの身体が徐々に凍りつき動きがより制限された。

そしてそこに間髪入れず、三角錐型の岩石が六本、グランガチたちの身体を簡単に貫いた。まるであの硬い皮膚など最初からなかったかのように。

オレの垂直方向からのアイススピアとカズハの水平方向からのロックスピアをまともに食らったグランガチたちは、一様に後ろに倒れ込んだ。

「よっと……」

空中にいたオレは水面へと降り立った。もちろん、降り立った場所は軽く凍りつき、オレが歩くたびにその面積が広がっていった。

「どうー?!そいつら死んだー?」

河岸から大声を出すカズハ。オレは無惨な姿となったグランガチに近づき、その生死を確認する。

氷上は黒く濁った赤い血液で染め上げられていた。

「死んだっぽい!!」

「ナイスー!」

カズハが笑顔でグッチョブサインを出しているのが見える。

いやほんとナイス連携すぎたなー。相性バッチリじゃんか。

「カズハにどんな氣術を使うのか聞いといて正解だったなー。……さてと」

オレは懐からSBを取り出し、青色にしてあるのを確認してからグランガチ計六体を回収した。そしてすぐに河岸にいるカズハのもとへと向かった。

「ナーイス!」
「イェーイ!」

オレたちはハイタッチをしようと腕を掲げ斜め前に振り下ろしたのだが……

『パチッ』

「「ん?」」

オレが左手、カズハが右手を出した結果、オレの手の甲にカズハの右手の手のひらが当たるという、なんともおかしなハイタッチが出来上がってしまった。

「「…………」」

この謎の現象に、オレたちは目をパチパチとさせながら互いを見合わせた。そして……

「「ぷっ……あははははは!」」

お互いに吹き出すように笑い出した。

「な、なんでさっきの連携は完璧だったのに、こんなことで急に気が合わなくなるわけー?」

「はは……ほんとそれなー!」

笑い混じりに言い合うオレとカズハ。ついさっきまで寸分の狂いもない見事な連携だったのに、最後の最後でうまくいかないなんて、面白すぎる。

「私ノアから合図もらって、あ、これは勝ったなーって思ったし、かっこよく決まったー!って思ってたのに……ぷはは。ダメだー、アホすぎて笑えてくるー……!」

「なんでそんなツボに入ってんだよー、カズハ。オレまでつられちまうだろー?」

「……ちょっと待って、今精神統一するから……スゥー……ハァー……オッケー、いける」

大きく深呼吸をしたカズハは、ようやく普段通りに戻ってくれた。

「んんっ。締まりが悪いし、テイクツーやっときますか……」

「あ、それ賛成ー」

オレは剣を鞘にしまい、右手を掲げた。一方のカズハはさっきと同じく右手を掲げている。

「「ナーイス!!」」
『パァッン!』

大きくそれでいて軽やかな音が、何にも阻まれることなく高らかに周囲に鳴り響いた。

















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

独身おじさんの異世界おひとりさまライフ〜金や評価は要りません。コーヒーとタバコ、そして本があれば最高です〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ブラック企業で身も心もすり減らした相馬蓮司(42歳)。 過労死の果てに辿り着いたのは、剣と魔法の異世界だった。 神様から「万能スキル」を押し付けられたものの、蓮司が選んだのは──戦いでも冒険でもない。 静かな辺境の村外れで、珈琲と煙草の店を開く。 作り出す珈琲は、病も呪いも吹き飛ばし、煙草は吸っただけで魔力上限を突破。 伝説級アイテム扱いされ、貴族も英雄も列をなすが──本人は、そんな騒ぎに興味なし。 「……うまい珈琲と煙草があれば、それでいい」 誰かと群れる気も、誰かに媚びる気もない。 ただ、自分のためだけに、今日も一杯と一服を楽しむ。 誰にも縛られず、誰にも迎合しない孤高のおっさんによる、異世界マイペースライフ、ここに開店!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...