54 / 128
グランドベゼル編
1 精霊契約
しおりを挟む
side ノア=オーガスト
「とうちゃーく!」
リズさんは馬車を飛び出し、両手を天高く上げた。
「うっさ。朝からそんな大声出してんじゃねぇよ、バカ」
「はあー?いいじゃない、別に。……わあああああ!!」
「……っっ!バカリズ!!耳元で叫ぶんじゃねぇよ!」
「あははっ」
コーディ村長にお世話になったあの村を出てからはや五日。オレたちは帝都アクロポリスへと戻ってきた。
ギルド前へと止まった馬車から一番乗りに降りたリズさんは、フィッツさんといつものように戯れている。
ほんと、仲いいよなー。
「リズ……お前マジ許さん」
リズさんを睨みつけるフィッツさん。
「そんなこと言ってー。どうせあたいに敵わないくせにー」
それをものともしないリズさん。
「うっせぇ!」
この二人には、喧嘩するほど仲がいいって言葉が一番似合うなー。
「ありがとな、リズさん、フィッツさん」
オレは馬車から降り、礼を言う。二人には本当に世話になった。
「もし時間あったら、今度食事でもご馳走するよ。シャムロックっていうクソうまいレストランがあるんだ」
「ほんとー?!じゃあお言葉に甘えようかなー」
「おい、まだ仕事山積みだろ?今から戻らねぇと次の仕事に間に合わなくなる」
「あ、そっかー。残念。エリック団長に怒られるのは勘弁だし……次また会えたら、その時は是非連れてってほしい!」
「ああ、もちろん」
フィッツさんは馬にまたがり、リズさんは馬車の中へと足を踏み入れる。
「じゃ、あたいたちはこれで。また会おうねー」
馬車が走り出す。これで二人とはお別れだけど、旅をしてればそのうちまた会える。そんな予感がした。
「さて、先に宿に行こうかなとも思ったけど、目の前にEDENがあるし、先に二人の冒険者登録とパーティ登録を済ませるか」
この五日間。リュウとセツナとある相談をした。一言で言えば、オレたちと一緒に来るかどうか。これは二人の未来に関わる重大な問題だ。
オレとしては仲間になってくれたらめちゃくちゃ嬉しいけど、二人の意志で決めることが大前提だからな。無理強いはできない。
「ぼくは、ノアお兄ちゃんたちと、もっと一緒に、いたい……!」
暗く静かな森の中。中心に置かれた焚き火が周囲を大きく照らしてくれている。
「リュウ……嬉しいよ。でも、改めてもっかい言うけど、オレたち冒険者の仲間になるってことはそれ相応の危険が伴う。それは分かってる?」
「うん……ぼく、強くなる。もっと、もっと、強くなって、みんな守る…だから……」
「リュウー!」
「わっ……」
突然リュウに抱きついたのはカズハだった。
「こんなにいい子いるー?うちの子にしたいくらいだよー」
「く、くるしい……」
「あっ。ごめんね、リュウ」
カズハはリュウを離し、隣に座った。
「私はリュウのパーティ入り賛成!何かあっても絶対守ってあげるしさー。なにせ私の氣術は最強だから」
「もちろんオレも賛成だ。みんなは?」
……うん、反対意見はなしだな。
「決まりだな。じゃあ次は……ってセツナは?」
辺りを見回すもセツナの姿は見つからない。よく見れば秀もいなくなっている。
「てか秀もいないし……湊、なんか知らない?」
「さあ。だがそのうち戻ってくるだろう」
なんか知ってそうなんだけど……まあいいか。
「セツナお姉ちゃん……」
リュウは淋しそうにセツナの名前を口にした。すると……。
「心配かけたか?リュウ」
リュウの背後から突然セツナが現れた。
「セツナお姉ちゃん……!」
リュウはセツナに抱きついた。よほどセツナがいなくなったことが心配だったらしい。
「秀。どこ行ってたんだ?」
セツナのすぐ後ろから秀も現れ、湊の隣に腰を下ろした。そしてオレは秀に小声で話しかけた。
「ちょっとなぁ。ま、ノアが気にすることでもねぇさ」
満足そうな顔だ。なら、オレがちょっかいを出すことでもないっぽいな。
「セツナと秀も戻ってきたことだし、本題に戻ろう。セツナ。セツナはこれからどうしたい?」
オレはセツナを見据える。
「私は幼い頃から盗賊として生きてきた。それ以外の生き方なんて知らなかったし、それが私の生きる意味だと思ってた。他人なんて所詮はどいつもゴミクズ。期待するだけ無駄だし信じるだけ自分が惨めになるだけ。それに、私は生にそこまで頓着してなかった。どこで死のうとそれは自分がそれまでの存在だったってことだし、生きてようが死んでようが変わらないって、そう思ってたからな」
セツナは自身の秘めたる気持ちを話し始めた。どうやらセツナは幼い頃からずっと孤独に生きてきたらしい。言葉の端々から、セツナがこれまで自身の人生を放棄してきたようにも感じた。
そして、セツナは温かな眼差しをリュウに向ける。
「でも、リュウと出会って何かが私の中で変わった。リュウに幸せに生きて欲しいって思うようになってた。他の奴を思いやる気持ちなんてとっくに捨てたはずなのに。……リュウは私を人に戻してくれたんだ」
一言一言、噛み締めるように話すセツナ。セツナの熱い想いがひしひしと伝わってくる。
「だから私はリュウに幸せな人生を歩んでほしいと思ってる。そしてそれは……まあ、あんたらがリュウと一緒いることだと思う。……頼めるか」
セツナはなぜか秀を睨んだ後に、オレに向き直った。そして鋭くそれでいていたって真剣な眼差しでオレを見つめてきた。それだけセツナにとってこの願いは大切なものだとわかる。
「ああ、もちろんだ」
「……良かった」
ほっとした様子。それはオレとしてもいいことだけど、セツナ自身はどうするんだ?リュウのことばかりで、自分自身のことを疎かにしてないか?
「で?セツナ。お前自身はどうしてぇんだ?」
「私は……」
「ぼく、セツナお姉ちゃんと、一緒に、いたい。……ともだちと、もっと楽しいこと、したい」
リュウはセツナの手を握る。セツナは先ほどまでの迷いの表情を消し、覚悟を決めた。
「私も、あんたらのパーティに入る。……私の人生を変えてくれたリュウに恩もある。それに何より、大切な友の願いだ。無碍にはできない」
いい表情するじゃん、セツナ……!
「ははっ。もちろん、大歓迎だ!」
ってな感じで、二人ともオレたちのパーティに入ることになったわけだ。仲間が増えてオレはめちゃくちゃ上機嫌だ。
「アリアさん」
「あら、ノアさん。お久しぶりですね」
「新しく冒険者登録をしたい二人がいるんだけど、いいかな」
「ええ、構いませんよ」
オレは二人を前へと出した。
「では、この石に順番に触れてください」
まずはセツナが触れる。すると透明な白い光の後に輝かしい緑色の光が周囲へと放たれた。
「うわ、なんだあの光」
「見たことないぞ、あんなの」
「眩しすぎる……!」
「きゃっ。こんなに、輝くなんて……」
他の冒険者たちと同様に、受付嬢アリアさんも心底驚いた様子だった。
ちなみにオレもびっくりした。オレたちがやったときはこんなんじゃなかったし、たまに検玉石に触れてる人を見かけた時もこんなに光ってはいなかった。
「えと、とりあえず次いきましょうか……」
その言葉を聞きセツナはリュウを持ち上げた。背丈的にギリ届かなかったのだ。
結果は白い透明な光が放たれたのみ。これがいたって普通だし、あの輝きからしてかなり氣の保有量は多そうだ。まあ、それに関してはあの眼をもっていることが影響してそうだけど。
「ありがとうございます。では、ギルドカードをお渡ししますね。……っ!これは……!!」
「何?なんかまずいのか?」
セツナの問いかけにアリアさんは口早に答えた。
「すごいですよ!あなた!霊氣がSだなんて。今現在、確認されているだけでは三人しかいない超希少な存在です!」
へ?世界に三人しかいない……?それ、普通にすごくないか?セツナを含めても、たった四人だけ……。
えーと……もしかしなくてもさ、うちのパーティって結構ヤバくないか?
「あ、そう。ねえ、それもらっていいわけ?」
どうでもいいといった感じでセツナはアリアさんからギルドカードを受け取ろうとする。
「あ、はい。えと、これがギルドカードになります。こちらの詳細についてはーーー」
「いらない。ノアたちに聞くから」
さっとギルドカードを二枚受け取ったセツナは、アリアさんにそっけなく返答する。
「で、では、これで冒険者登録は終了となります。それと、あとで精霊殿の方にお立ち寄りください。霊氣をお持ちの方は皆さまそちらへ向かわれると、精霊と契約ができますので」
「……そう」
セツナはそう言うとリュウを下ろし、リュウのギルドカードも本人へと渡した。
「これで二人の冒険者登録は完了だな。あの、アリアさん。このまま二人をオレたちのパーティに加入することってできる?」
「はい。全く問題ないですよ。パーティに人数制限はありませんから」
「えーと、精霊殿はっと……」
「この広場を左に行くと見えてくるはずだよー」
EDENを出てからオレたちは二手に分かれた。セツナの付き添いで精霊殿へ行くチームと花鳥風月に部屋を取りに行くチームだ。つってもそれぞれが用事を済ませたらあとは自由行動ってことになってる。
オレは精霊殿チームだ。なぜなら、精霊というものを見てみたかったからだ。そう、オレはただの興味本位でついてきたのだ。
オレ、シン、カズハ、セツナは精霊殿チーム。秀、湊、エル、リュウは宿予約チーム。自由時間は圧倒的にあっちのほうが多いだろうな。
そういや、ちょっと揉めたんだよな。セツナがリュウと秀を一緒にするなって急に怒鳴り出して……声荒げるセツナ初めて見たし。いつもクールだったのにさー。だから何事かと思ったけど、湊がうまく話をつけて、結局この形に収まったわけだ。
秀はエルの特訓に付き合うって言ってたし、湊はリュウの面倒をみるって言ってたけど……どうなんだろ。湊とリュウがあんま絡んでるとこ見たことないからなー……大丈夫なのか?
「んー」
「……?どうしたのー?」
「あ、いやなんでもない。ここを左に行けばいいんだっけ?」
「そうそう。このまま道なりに行けば右手に見えるはずだよー」
オレたちは広場の中央にある噴水を起点に左方向へと足を進めた。
「あれ?なんか……全体的に白いな」
あの広場からこの道に足を踏み入れてからまだ数歩しか歩いていないが、妙なことに気づく。
そう、建物や道に至るまで、全てが純白なのだ。
「やっぱりビックリするよねー。ここだけ世界違うって感じだしー。……精霊殿は神聖な場所に建立されなければならないっていう、まあ規則っていうか信仰?みたいなのがあってさー」
神聖な場所……この国の王が住むであろう城すらまともには見たことなかったけど、下手したらその城よりも外観とか環境にこだわってそうだよな。力入ってる感じするし。
どこを見回しても白、白、白……ちょっと怖いくらいだ。
「白ってそれだけでなんか綺麗っていう感じがするじゃん?」
「そうだな」
「だから精霊殿が安置されてる区域では、その一帯を白で覆うことになってるんだよねー」
だからってここまでするか?反射した陽の光がめちゃくちゃ眩しいんだけど……。
「あ、言い忘れてたんだけど、このままじゃ精霊殿には入れないからねー」
「へ?」
なぜに?
「この区域に入るのは問題ないんだけど、精霊殿は最も神聖な場所だからねー。全身白の服装じゃないとダメなんだよー」
……ひとつ、文句を言ってもいいだろうか。いや、これはこの世界特有の文化なのだから不満を言ってはいけないのかもしれない。郷に入っては郷に従えとも言うし……。
ただこれだけは言いたい。
メンドクサ!
「……はぁ」
「兄さん?」
「あ、いや、なんでもない」
「ここが精霊殿とやらか?」
セツナの言葉にオレは顔を上げた。するとそこにはこれまた真っ白で大きな建造物が聳え立っていた。
「そうそう。で、ここに精霊士長がいるはずで……」
カズハは精霊殿の扉前に立つ門番らしき人物のもとへと歩き出した。その門番は白いローブに金の装飾をいくつかつけていた。
「すみませーん。精霊契約をしに来たんですけど、精霊士長さんっていますかー?」
「はい。おられますよ。では、皆様この白いローブをご着用くださいませ」
……ほんっとに、白に染まってんなー、ここは。
門番の方が扉を開ける。中へ入ると、真っ白な空間のあちこちに金の装飾が施された、それはそれは豪奢な景色が広がっていた。天井はかなり高く、声を出せば結構響きそうだ。そして物が少ないからか、外から見た時よりも広く見える。
広々しすぎて逆に落ち着かないなー。
「おや。精霊様の契約者様がやってきましたね」
「精霊士長さん。お久しぶりです」
「おや。あなたはカズハさん。お久しぶりですね」
ニコッと朗らかに笑う男。どうやらこの人が精霊士長らしい。
「あなたが精霊様と契約を交わしにきた方ですね」
精霊士長はカズハに挨拶をした後、セツナの方へと足を進め手をセツナの前に出した。
「お会いできて光栄です」
「……は?」
意味がわからないと言いたげなセツナ。何この手?とか思ってそう。
「これは失礼。見ず知らずの者といきなり握手はできませんよね。コホン……では皆様、早速精霊様の寵愛を受けに行きましょうか」
精霊士長の後を追い前へ進んでいくと、五つの像が円状に並んでいる場所が近づいてきた。像の形状はそれぞれ違うみたいだな。
えーと、左から、鳥っぽい像、虎っぽい像、龍っぽい像、亀っぽい像、最後も龍っぽい像だけど、真ん中にある龍っぽい像とは形が違うな。真ん中は角が一本だけど右端のは二本ある。表情も真ん中は穏やかそうだけど、右端は凛々しそうな感じだ。
どの像もかなり凝って造られてるっぽいなー。
「ではあなたはこの像たちの中央にお立ちください。それ以外の方はここには立ち入らないようにお願いいたします」
中央に立つセツナには不安そうな表情は見られない。初めての体験のはずなんだけどな。まあオレだって、ほとんどの未体験にはワクワクする派だけどなー。
「……」
セツナはただ黙ってことの成り行きを受け入れている。すると、突然セツナを中心に緑色の光が拡散した。それはEDENでセツナが検玉石に触れた時と同じ光景だった。
「こ、これは……?!」
オレたちの近くで状況を見守っていた精霊士長から驚愕の様相が見てとれた。淡い緑色の光が輝き続ける。セツナは一体何を感じているのだろうか。
side セツナ
精霊士長とかいう男に言われるまま、私はよくわからない像に囲まれた場所に立たされた。あの男の行動は、ほとんどが不可解にしか思えなかった。とは言え、あの頃のようにやたらめったら人を疑うことはやめたからな。とりあえずは言う通りにした。
そして私はまたあの光に包まれた。淡い緑色の光に。この光はなぜだかわからないけど、心地いいと感じる。あたたかいと感じる。
……不思議だ。
「キミがボクの愛し子か?」
突然、幼い少年のような声がした。眩しくて全く見えないが、確かに声がした。
「ん?もう目を開けてもいいぞ?」
「……誰?」
そこにいたのは、龍だった。青や緑色の体をしている。大きさは……とにかく大きい。木と比べれば、たぶんこの龍の身体の三分の一がそれに当たるかもしれない。
「ボクはキミの精霊さ。個体名は青龍だ」
……なんか、幼い。見た目は幼くないのに声が幼い。そういえば、あそこに立ってた時に見た、右端の像とこの目前の龍は似ている気がする。気のせいかもしれないけど。
「あ、そう……青龍はーーー」
「ストーップ!」
「は?」
「まずはボクに名前を与えてほしい」
「……なんで?」
「それが契約するための条件だからさ」
契約って名前あげるだけでいいわけ?戦って強さを証明しなきゃいけないとか考えてた。
「じゃあ……セイで」
青龍だから、セイ。シンプルでいい。
「セイ、か。……ハハッ。またその名で呼んでくれるなんて、嬉しいよ」
また?何言ってんの?
「私、あんたと初対面なんだけど」
「そうだね。でもそうじゃないんだよ」
「………」
意味がわからない。
……変な精霊だ。
「とにかく、これで契約は成立だ。これからよろしく、セツナ!」
ニコッと笑顔を向けるセイ。心底嬉しそうだ。
よくわからないけど、私はこの不思議な精霊と契約したらしい。そしてこの出会いは私の人生において二番目に大切なものとなっていくけど、それはまだ先の話。
side ある冒険者たち
「おい、なんだってんだよ、あの光はよお」
「わっからん。でも、やばそうだぞ」
「ああ。光に色がついたんなら珍しい霊氣持ちなんだろうけどよお、それにしたってあんなに光ることあるかあ?」
「俺は見たことないぞ」
「おれもだ」
「わたしもよ」
「うわ。急に入って来んなよお。びっくりするだろお」
「ごめんて」
「てか依頼はどうなったんだ?受けられたか?」
「いやそれがさ、なーんかおかしいのよね」
「おかしいって何がだ?」
「ほら、いつもなら魔物の討伐依頼ってあんまりないじゃない?冒険者が出る前に国の兵士がある程度片付けるからさ」
「まあそうだなあ。特にここ大帝国グランドベゼルは、兵の質が他国より高いしな」
「だな。それにおれたちだって依頼として魔物を狩った回数はそんなにないしな」
「そうそう。でもさっき依頼ボード見たら七、八割は魔物討伐の依頼だったんだよね」
「ほんとか?」
「ええ」
「……なあんか、きなくせぇことになってきたなあ」
「とうちゃーく!」
リズさんは馬車を飛び出し、両手を天高く上げた。
「うっさ。朝からそんな大声出してんじゃねぇよ、バカ」
「はあー?いいじゃない、別に。……わあああああ!!」
「……っっ!バカリズ!!耳元で叫ぶんじゃねぇよ!」
「あははっ」
コーディ村長にお世話になったあの村を出てからはや五日。オレたちは帝都アクロポリスへと戻ってきた。
ギルド前へと止まった馬車から一番乗りに降りたリズさんは、フィッツさんといつものように戯れている。
ほんと、仲いいよなー。
「リズ……お前マジ許さん」
リズさんを睨みつけるフィッツさん。
「そんなこと言ってー。どうせあたいに敵わないくせにー」
それをものともしないリズさん。
「うっせぇ!」
この二人には、喧嘩するほど仲がいいって言葉が一番似合うなー。
「ありがとな、リズさん、フィッツさん」
オレは馬車から降り、礼を言う。二人には本当に世話になった。
「もし時間あったら、今度食事でもご馳走するよ。シャムロックっていうクソうまいレストランがあるんだ」
「ほんとー?!じゃあお言葉に甘えようかなー」
「おい、まだ仕事山積みだろ?今から戻らねぇと次の仕事に間に合わなくなる」
「あ、そっかー。残念。エリック団長に怒られるのは勘弁だし……次また会えたら、その時は是非連れてってほしい!」
「ああ、もちろん」
フィッツさんは馬にまたがり、リズさんは馬車の中へと足を踏み入れる。
「じゃ、あたいたちはこれで。また会おうねー」
馬車が走り出す。これで二人とはお別れだけど、旅をしてればそのうちまた会える。そんな予感がした。
「さて、先に宿に行こうかなとも思ったけど、目の前にEDENがあるし、先に二人の冒険者登録とパーティ登録を済ませるか」
この五日間。リュウとセツナとある相談をした。一言で言えば、オレたちと一緒に来るかどうか。これは二人の未来に関わる重大な問題だ。
オレとしては仲間になってくれたらめちゃくちゃ嬉しいけど、二人の意志で決めることが大前提だからな。無理強いはできない。
「ぼくは、ノアお兄ちゃんたちと、もっと一緒に、いたい……!」
暗く静かな森の中。中心に置かれた焚き火が周囲を大きく照らしてくれている。
「リュウ……嬉しいよ。でも、改めてもっかい言うけど、オレたち冒険者の仲間になるってことはそれ相応の危険が伴う。それは分かってる?」
「うん……ぼく、強くなる。もっと、もっと、強くなって、みんな守る…だから……」
「リュウー!」
「わっ……」
突然リュウに抱きついたのはカズハだった。
「こんなにいい子いるー?うちの子にしたいくらいだよー」
「く、くるしい……」
「あっ。ごめんね、リュウ」
カズハはリュウを離し、隣に座った。
「私はリュウのパーティ入り賛成!何かあっても絶対守ってあげるしさー。なにせ私の氣術は最強だから」
「もちろんオレも賛成だ。みんなは?」
……うん、反対意見はなしだな。
「決まりだな。じゃあ次は……ってセツナは?」
辺りを見回すもセツナの姿は見つからない。よく見れば秀もいなくなっている。
「てか秀もいないし……湊、なんか知らない?」
「さあ。だがそのうち戻ってくるだろう」
なんか知ってそうなんだけど……まあいいか。
「セツナお姉ちゃん……」
リュウは淋しそうにセツナの名前を口にした。すると……。
「心配かけたか?リュウ」
リュウの背後から突然セツナが現れた。
「セツナお姉ちゃん……!」
リュウはセツナに抱きついた。よほどセツナがいなくなったことが心配だったらしい。
「秀。どこ行ってたんだ?」
セツナのすぐ後ろから秀も現れ、湊の隣に腰を下ろした。そしてオレは秀に小声で話しかけた。
「ちょっとなぁ。ま、ノアが気にすることでもねぇさ」
満足そうな顔だ。なら、オレがちょっかいを出すことでもないっぽいな。
「セツナと秀も戻ってきたことだし、本題に戻ろう。セツナ。セツナはこれからどうしたい?」
オレはセツナを見据える。
「私は幼い頃から盗賊として生きてきた。それ以外の生き方なんて知らなかったし、それが私の生きる意味だと思ってた。他人なんて所詮はどいつもゴミクズ。期待するだけ無駄だし信じるだけ自分が惨めになるだけ。それに、私は生にそこまで頓着してなかった。どこで死のうとそれは自分がそれまでの存在だったってことだし、生きてようが死んでようが変わらないって、そう思ってたからな」
セツナは自身の秘めたる気持ちを話し始めた。どうやらセツナは幼い頃からずっと孤独に生きてきたらしい。言葉の端々から、セツナがこれまで自身の人生を放棄してきたようにも感じた。
そして、セツナは温かな眼差しをリュウに向ける。
「でも、リュウと出会って何かが私の中で変わった。リュウに幸せに生きて欲しいって思うようになってた。他の奴を思いやる気持ちなんてとっくに捨てたはずなのに。……リュウは私を人に戻してくれたんだ」
一言一言、噛み締めるように話すセツナ。セツナの熱い想いがひしひしと伝わってくる。
「だから私はリュウに幸せな人生を歩んでほしいと思ってる。そしてそれは……まあ、あんたらがリュウと一緒いることだと思う。……頼めるか」
セツナはなぜか秀を睨んだ後に、オレに向き直った。そして鋭くそれでいていたって真剣な眼差しでオレを見つめてきた。それだけセツナにとってこの願いは大切なものだとわかる。
「ああ、もちろんだ」
「……良かった」
ほっとした様子。それはオレとしてもいいことだけど、セツナ自身はどうするんだ?リュウのことばかりで、自分自身のことを疎かにしてないか?
「で?セツナ。お前自身はどうしてぇんだ?」
「私は……」
「ぼく、セツナお姉ちゃんと、一緒に、いたい。……ともだちと、もっと楽しいこと、したい」
リュウはセツナの手を握る。セツナは先ほどまでの迷いの表情を消し、覚悟を決めた。
「私も、あんたらのパーティに入る。……私の人生を変えてくれたリュウに恩もある。それに何より、大切な友の願いだ。無碍にはできない」
いい表情するじゃん、セツナ……!
「ははっ。もちろん、大歓迎だ!」
ってな感じで、二人ともオレたちのパーティに入ることになったわけだ。仲間が増えてオレはめちゃくちゃ上機嫌だ。
「アリアさん」
「あら、ノアさん。お久しぶりですね」
「新しく冒険者登録をしたい二人がいるんだけど、いいかな」
「ええ、構いませんよ」
オレは二人を前へと出した。
「では、この石に順番に触れてください」
まずはセツナが触れる。すると透明な白い光の後に輝かしい緑色の光が周囲へと放たれた。
「うわ、なんだあの光」
「見たことないぞ、あんなの」
「眩しすぎる……!」
「きゃっ。こんなに、輝くなんて……」
他の冒険者たちと同様に、受付嬢アリアさんも心底驚いた様子だった。
ちなみにオレもびっくりした。オレたちがやったときはこんなんじゃなかったし、たまに検玉石に触れてる人を見かけた時もこんなに光ってはいなかった。
「えと、とりあえず次いきましょうか……」
その言葉を聞きセツナはリュウを持ち上げた。背丈的にギリ届かなかったのだ。
結果は白い透明な光が放たれたのみ。これがいたって普通だし、あの輝きからしてかなり氣の保有量は多そうだ。まあ、それに関してはあの眼をもっていることが影響してそうだけど。
「ありがとうございます。では、ギルドカードをお渡ししますね。……っ!これは……!!」
「何?なんかまずいのか?」
セツナの問いかけにアリアさんは口早に答えた。
「すごいですよ!あなた!霊氣がSだなんて。今現在、確認されているだけでは三人しかいない超希少な存在です!」
へ?世界に三人しかいない……?それ、普通にすごくないか?セツナを含めても、たった四人だけ……。
えーと……もしかしなくてもさ、うちのパーティって結構ヤバくないか?
「あ、そう。ねえ、それもらっていいわけ?」
どうでもいいといった感じでセツナはアリアさんからギルドカードを受け取ろうとする。
「あ、はい。えと、これがギルドカードになります。こちらの詳細についてはーーー」
「いらない。ノアたちに聞くから」
さっとギルドカードを二枚受け取ったセツナは、アリアさんにそっけなく返答する。
「で、では、これで冒険者登録は終了となります。それと、あとで精霊殿の方にお立ち寄りください。霊氣をお持ちの方は皆さまそちらへ向かわれると、精霊と契約ができますので」
「……そう」
セツナはそう言うとリュウを下ろし、リュウのギルドカードも本人へと渡した。
「これで二人の冒険者登録は完了だな。あの、アリアさん。このまま二人をオレたちのパーティに加入することってできる?」
「はい。全く問題ないですよ。パーティに人数制限はありませんから」
「えーと、精霊殿はっと……」
「この広場を左に行くと見えてくるはずだよー」
EDENを出てからオレたちは二手に分かれた。セツナの付き添いで精霊殿へ行くチームと花鳥風月に部屋を取りに行くチームだ。つってもそれぞれが用事を済ませたらあとは自由行動ってことになってる。
オレは精霊殿チームだ。なぜなら、精霊というものを見てみたかったからだ。そう、オレはただの興味本位でついてきたのだ。
オレ、シン、カズハ、セツナは精霊殿チーム。秀、湊、エル、リュウは宿予約チーム。自由時間は圧倒的にあっちのほうが多いだろうな。
そういや、ちょっと揉めたんだよな。セツナがリュウと秀を一緒にするなって急に怒鳴り出して……声荒げるセツナ初めて見たし。いつもクールだったのにさー。だから何事かと思ったけど、湊がうまく話をつけて、結局この形に収まったわけだ。
秀はエルの特訓に付き合うって言ってたし、湊はリュウの面倒をみるって言ってたけど……どうなんだろ。湊とリュウがあんま絡んでるとこ見たことないからなー……大丈夫なのか?
「んー」
「……?どうしたのー?」
「あ、いやなんでもない。ここを左に行けばいいんだっけ?」
「そうそう。このまま道なりに行けば右手に見えるはずだよー」
オレたちは広場の中央にある噴水を起点に左方向へと足を進めた。
「あれ?なんか……全体的に白いな」
あの広場からこの道に足を踏み入れてからまだ数歩しか歩いていないが、妙なことに気づく。
そう、建物や道に至るまで、全てが純白なのだ。
「やっぱりビックリするよねー。ここだけ世界違うって感じだしー。……精霊殿は神聖な場所に建立されなければならないっていう、まあ規則っていうか信仰?みたいなのがあってさー」
神聖な場所……この国の王が住むであろう城すらまともには見たことなかったけど、下手したらその城よりも外観とか環境にこだわってそうだよな。力入ってる感じするし。
どこを見回しても白、白、白……ちょっと怖いくらいだ。
「白ってそれだけでなんか綺麗っていう感じがするじゃん?」
「そうだな」
「だから精霊殿が安置されてる区域では、その一帯を白で覆うことになってるんだよねー」
だからってここまでするか?反射した陽の光がめちゃくちゃ眩しいんだけど……。
「あ、言い忘れてたんだけど、このままじゃ精霊殿には入れないからねー」
「へ?」
なぜに?
「この区域に入るのは問題ないんだけど、精霊殿は最も神聖な場所だからねー。全身白の服装じゃないとダメなんだよー」
……ひとつ、文句を言ってもいいだろうか。いや、これはこの世界特有の文化なのだから不満を言ってはいけないのかもしれない。郷に入っては郷に従えとも言うし……。
ただこれだけは言いたい。
メンドクサ!
「……はぁ」
「兄さん?」
「あ、いや、なんでもない」
「ここが精霊殿とやらか?」
セツナの言葉にオレは顔を上げた。するとそこにはこれまた真っ白で大きな建造物が聳え立っていた。
「そうそう。で、ここに精霊士長がいるはずで……」
カズハは精霊殿の扉前に立つ門番らしき人物のもとへと歩き出した。その門番は白いローブに金の装飾をいくつかつけていた。
「すみませーん。精霊契約をしに来たんですけど、精霊士長さんっていますかー?」
「はい。おられますよ。では、皆様この白いローブをご着用くださいませ」
……ほんっとに、白に染まってんなー、ここは。
門番の方が扉を開ける。中へ入ると、真っ白な空間のあちこちに金の装飾が施された、それはそれは豪奢な景色が広がっていた。天井はかなり高く、声を出せば結構響きそうだ。そして物が少ないからか、外から見た時よりも広く見える。
広々しすぎて逆に落ち着かないなー。
「おや。精霊様の契約者様がやってきましたね」
「精霊士長さん。お久しぶりです」
「おや。あなたはカズハさん。お久しぶりですね」
ニコッと朗らかに笑う男。どうやらこの人が精霊士長らしい。
「あなたが精霊様と契約を交わしにきた方ですね」
精霊士長はカズハに挨拶をした後、セツナの方へと足を進め手をセツナの前に出した。
「お会いできて光栄です」
「……は?」
意味がわからないと言いたげなセツナ。何この手?とか思ってそう。
「これは失礼。見ず知らずの者といきなり握手はできませんよね。コホン……では皆様、早速精霊様の寵愛を受けに行きましょうか」
精霊士長の後を追い前へ進んでいくと、五つの像が円状に並んでいる場所が近づいてきた。像の形状はそれぞれ違うみたいだな。
えーと、左から、鳥っぽい像、虎っぽい像、龍っぽい像、亀っぽい像、最後も龍っぽい像だけど、真ん中にある龍っぽい像とは形が違うな。真ん中は角が一本だけど右端のは二本ある。表情も真ん中は穏やかそうだけど、右端は凛々しそうな感じだ。
どの像もかなり凝って造られてるっぽいなー。
「ではあなたはこの像たちの中央にお立ちください。それ以外の方はここには立ち入らないようにお願いいたします」
中央に立つセツナには不安そうな表情は見られない。初めての体験のはずなんだけどな。まあオレだって、ほとんどの未体験にはワクワクする派だけどなー。
「……」
セツナはただ黙ってことの成り行きを受け入れている。すると、突然セツナを中心に緑色の光が拡散した。それはEDENでセツナが検玉石に触れた時と同じ光景だった。
「こ、これは……?!」
オレたちの近くで状況を見守っていた精霊士長から驚愕の様相が見てとれた。淡い緑色の光が輝き続ける。セツナは一体何を感じているのだろうか。
side セツナ
精霊士長とかいう男に言われるまま、私はよくわからない像に囲まれた場所に立たされた。あの男の行動は、ほとんどが不可解にしか思えなかった。とは言え、あの頃のようにやたらめったら人を疑うことはやめたからな。とりあえずは言う通りにした。
そして私はまたあの光に包まれた。淡い緑色の光に。この光はなぜだかわからないけど、心地いいと感じる。あたたかいと感じる。
……不思議だ。
「キミがボクの愛し子か?」
突然、幼い少年のような声がした。眩しくて全く見えないが、確かに声がした。
「ん?もう目を開けてもいいぞ?」
「……誰?」
そこにいたのは、龍だった。青や緑色の体をしている。大きさは……とにかく大きい。木と比べれば、たぶんこの龍の身体の三分の一がそれに当たるかもしれない。
「ボクはキミの精霊さ。個体名は青龍だ」
……なんか、幼い。見た目は幼くないのに声が幼い。そういえば、あそこに立ってた時に見た、右端の像とこの目前の龍は似ている気がする。気のせいかもしれないけど。
「あ、そう……青龍はーーー」
「ストーップ!」
「は?」
「まずはボクに名前を与えてほしい」
「……なんで?」
「それが契約するための条件だからさ」
契約って名前あげるだけでいいわけ?戦って強さを証明しなきゃいけないとか考えてた。
「じゃあ……セイで」
青龍だから、セイ。シンプルでいい。
「セイ、か。……ハハッ。またその名で呼んでくれるなんて、嬉しいよ」
また?何言ってんの?
「私、あんたと初対面なんだけど」
「そうだね。でもそうじゃないんだよ」
「………」
意味がわからない。
……変な精霊だ。
「とにかく、これで契約は成立だ。これからよろしく、セツナ!」
ニコッと笑顔を向けるセイ。心底嬉しそうだ。
よくわからないけど、私はこの不思議な精霊と契約したらしい。そしてこの出会いは私の人生において二番目に大切なものとなっていくけど、それはまだ先の話。
side ある冒険者たち
「おい、なんだってんだよ、あの光はよお」
「わっからん。でも、やばそうだぞ」
「ああ。光に色がついたんなら珍しい霊氣持ちなんだろうけどよお、それにしたってあんなに光ることあるかあ?」
「俺は見たことないぞ」
「おれもだ」
「わたしもよ」
「うわ。急に入って来んなよお。びっくりするだろお」
「ごめんて」
「てか依頼はどうなったんだ?受けられたか?」
「いやそれがさ、なーんかおかしいのよね」
「おかしいって何がだ?」
「ほら、いつもなら魔物の討伐依頼ってあんまりないじゃない?冒険者が出る前に国の兵士がある程度片付けるからさ」
「まあそうだなあ。特にここ大帝国グランドベゼルは、兵の質が他国より高いしな」
「だな。それにおれたちだって依頼として魔物を狩った回数はそんなにないしな」
「そうそう。でもさっき依頼ボード見たら七、八割は魔物討伐の依頼だったんだよね」
「ほんとか?」
「ええ」
「……なあんか、きなくせぇことになってきたなあ」
10
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる