碧天のノアズアーク

世良シンア

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グランドベゼル編

18 ギルド長からのお話/エルの夢

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side ノア=オーガスト

輝夜とのほんのわずかな時間を終え、オレたちはEDENへと戻った。新しい仲間とこんな風に別れるのはやっぱり寂しいけれど、輝夜とまた会える日まで、オレたちも元気に冒険者を続けていこうと思う。

いつものようにアリアさんに報告を済ませ、オレたちは無事に依頼を達成した。

「あ、ノアさん」

「はい?」

報酬金を受け取り、受付を離れようとしたところ、アリアさんに声をかけられた。

何かあったのかな。

「グレンギルド長が至急ノアズアークのみなさんに会いたいとのことで、今お時間は空いてますか?」

グレンさんがオレたちを呼んでる……?

……もしかしてオレ、なんかしらやらかしちゃったか?

「いいけど……。それってなんかまずい話だったりする?」

「すみません。私もそこまではわからないです」

「そっか……まあでもこの後特に予定はないし……今から行けばいいんだよな?」

「はい。案内はつけますか?」

「あ、大丈夫大丈夫。場所は覚えてるから」

オレは早速みんなにこのことを伝えて、あの赤い扉が目印の部屋へと向かった。道中エルが、「このお話の後、私はギンプティムに寄りますね」って言ってたんだけど、エルってほんとに勉強熱心だよなー。スザンヌさんに薬についていろいろ教えてもらってるらしいけど、こんな風に暇さえあればギンプティムに行ってるんだよなー。

あとで差し入れでも持ってこうかな。

『コンコンコン』

「グレンさん。ノアズアークだけど。入ってもいい?」

「いいぞー」

オレたちは扉を開け中へと入った。ちょうど正面奥にあるデスクには、山積みの書類が置かれていて、今まで仕事を頑張っていたことがうかがえる。

「来たな、ノアズアーク諸君。そっちのソファーに座ってくれ。茶は用意できないのは許してくれ。ちょっと忙しくてな。呼び出してなんだが、そんなに時間は取らせないんでな」

グレンさんは慌ただしくデスク上を整理し、服をピシッと整える。

オレたちは言われた通り部屋の右側にあるソファーに座った。そしてすぐにグレンさんも来て、ひとり用のソファーに座って、話し始めた。

「んんっ。お前たちには少し聞きたいことがあってな。昨日、ハピネスを助けにノアズアークが向かったことは俺も把握しているんだが、その後何があったか、具体的なことを教えて欲しい」

あ、オレが何かやらかしたとかじゃないのか。よかったー。

「えーと、めっちゃ端的に言うと、でっかい亀の魔物と戦って、なんやかんやありつつもなんとか倒して宿に戻った、って感じかな」

「ノア。それは少し省略しすぎだろう」

「湊の言う通りだぞ。なんやかんやありつつもってなんだそりゃ」

「えー。長々説明するのもされるのも嫌じゃない?」

「でもさー、なんやかんやって言われると、何があったのかなーって気になっちゃうよねー」

「説明も下手だな、ノア」

「う。そこまで言わなくてもいいじゃんか、セツナ」

「本当に仲がいいな、お前たちは。……まあなんだ。お前たちがこうして無事に戻ってきてくれたことだけでも俺個人としては十分なんだが、ギルド長としてはその全容を少しでも把握しておかないといけないもんでな。悪いが、少なすぎず長すぎずの説明を頼む」

「それなら湊が一番適任だな。頼んだ!」

「……了解した。まず…………」

湊は嫌がることなく、淡々と説明した。大事なポイントをしっかりと踏まえつつ、聞きやすくかつまとまった話をしてくれた。

さっすが湊!

「なるほどな。大体把握した。ありがとう……つまりあいつの言ったことは間違っていなかったということか……」

グレンさんは湊にお礼を述べた後、ボソッと何かを呟いた。

「んんっ。その魔物はEDENでも把握し得てはいない、未知の存在だ。お前たちの情報をまとめるに、Sランク相当にあたるのはほぼ確実だろう。以後そいつをSランク魔物『霊亀』と名付け、登録しておこう。容姿が分かれば冒険者たちも把握しやすいと思うんだが……」

「それなら俺の力で見れるぞ」

「……へ?」

グレンさんは、ポカンと間抜けな表情をする。

「見た目が知りたいんだろ?それなら俺の力でどうにでもなるって言ってんだ」

「そんなことが可能なのか?……いやそれよりも……いいのか?」

「まあな。EDENには結構世話になってっからなぁ」

「恩に着る」

秀は指輪型のエスパシオから八咫鏡ヤタノカガミを取り出し、目の前のテーブルに置く。そして目を瞑り鏡に触れる。すると、鏡から天井付近に光が放たれ、何かの映像が流れ始めた。

「これが俺たちが見た、グレンの旦那が言う霊亀ってやつだな」

「……!す、すごいな、これは……」

「これは俺の記憶だが、俺が思い出している記憶がこの鏡を通して映し出されている。……これで霊亀の姿がわかっただろ?」

「あ、ああ。本当に助かる」

秀は鏡から手を離す。すると映像も光も消えた。そして秀はエスパシオへと再び鏡を戻した。

「改めて、ありがとう、ノアズアーク諸君。何かあればこの俺、グレン=トワイライトをいつでも頼ってくれ」

「分かった。じゃあオレたちはこれで」

「あ、待った待った。これを言うのを忘れていた。伝えとかねぇとあいつに怒られちまう。明日の朝、帝城に行ってくれ。皇帝陛下がお前らに会いたいんだとよ」

「…………」

………………は?今、なんて?

思考がまったく追いついてないんだけど。ん?何?どゆこと?

「ア、アイザック皇帝陛下がですか?!」

隣から発せられた大きな声に、オレは身体をビクッとさせてしまう。

「あ、すみません……」

いや、わかるぞー、エル。びっくりしすぎてオレは声にならなかったし。

だってこの国のトップオブトップとご対面するってことだろ?そんなことがオレたちのような駆け出し冒険者パーティに起こり得ると思うか?普通さー。

「はははっ。大声を出すのも無理はない。冒険者が一国の主に呼ばれるなんて、そうそうないからな。そういう経験があるのはSランク冒険者ぐらいなものだ」

やっぱそうだよなー……って、Sランク冒険者なんて誰ひとりいないんだけど……?!

「大丈夫だ。八割はあいつの好奇心で呼んでいるから」

好奇心……もしかしてオレと似たタイプ、かも……?

「ちなみに残りの二割は……?」

「残りの二割は、今ちょうどお前たちが話してくれた件の謝礼だな。本人は逆だとか言ってたが……ま、とにかく、明日帝城に向かってくれ。あ、いや、どうせ俺も行かないとだしな……。なんなら一緒に行くか」

「えっ。グレンも呼ばれてんのー……?」

「なんだ、カズハ。俺が行ったらダメなのかー?そんなの悲しいぞ、俺は」

「別にそういうわけじゃないけどさー」

「オレたちはそれで構わない。帝城の場所とかよくわかってないし、グレンさんが案内してくれるならこっちも助かる」

「そうか。なら決まりだ。……あ、そうだ。カズハ。今日は家に帰ってくるように」

「え?なんでよ」

「理由は言えんが……とにかく絶対に帰るように。いいな」

「…………まあいいけど……」

少し不満そうにしながらも、カズハはグレンさんの言い分を受け入れた。

その後オレたちは自由解散した。

宣言通り、エルはギンプティムに向かったため、オレはその辺りをぶらぶらと歩いて、いい差し入れを探した。疲れた時は甘いものに限るって理由で、ちょっとお高そうなチョコレートを買ってみた。店内は女性ばかりだったから、ちょっと場違い感がすごかったけどな。

ちなみにシンも一緒に選んでくれた。シンはいつもオレのそばにいたがるからな。オレとしてはすげー安心感あるし居心地もいいけど、シンがオレ以外とも仲良くなってくれたら、オレはもっと嬉しい。

けどまあ最近はノアズアークのみんなとならある程度交流をとってるし、仲間意識みたいなのがシンの中で芽生えてるとは思う。ノアズアーク結成前のシンならまずあり得ないことだ。

オレはその変化をとても好ましく思う。シンには今後ももっといろんなやつと出会って、いろんなことを経験してもらいたい。

とまあそんなこんなで、オレはエルに差し入れを持って行ってそのまま宿に戻った。そんで軽く寝たらいつのまにか夕食どきになってて、ちょっと焦った。

誰も起こしてくれなかったのはちょい悲しかったな……。

こうしてオレたちは翌朝、帝城へと向かうこととなったのである。







side エル

「お邪魔します」

私は扉を開け中へと入りました。部屋の奥にあるカウンターでは、新ポーションの開発に勤しむ尊敬する女性がいました。

「お忙しそう……今日はやめーーー」

スザンヌさんには聞こえない程度の小さな声で私はポツリとこぼします。そしてすぐに部屋から出ようとして、ドアノブに手をかけました。

「ここにいなさい。もうすぐ終わるわ」 

あ……やっぱり気づかれてしまいました。

私はドアノブから手を離し、スザンヌさんの方へとそっと近づいていきました。

「そこ、座っときな」

「ありがとうございます」

スザンヌさんは、私が来ることが分かっていたのか、あらかじめ椅子を用意してくれていました。私はカウンター内に置かれたひとつの木製椅子へと座ります。

「これを入れれば……」

スザンヌさんは、緑色の液体が入った容器へ粉末状の何かを入れました。そして容器を何度か回し混ぜ合わせます。

「ほう。若干明るくなったか。見た目は変わったが、果たして効果のほどは……」

そう言いながら、スザンヌさんは状態の悪そうなリンゴへその試作品をかけました。

「ふむ……やはり失敗か……」

液体をかけられた少しばかり腐ったリンゴは、特に何が変化することもなく、ただその身体を濡らしただけにとどまりました。

「この素材もダメとなると……」

スザンヌさんは、文字が敷き詰められた用紙に、さらに文字を書き足していきます。

今日もたくさん研究なされたみたいです。やっぱりすごいです、スザンヌさんは。

「ふむ。とりあえず、今日はここまでだわ」

スザンヌさんはペンをカウンターに置き、椅子から立ち上がりました。

「待たせたわね、エル」

私は立ち上がり、挨拶をします。

「いえ、全然です。それより、またお忙しいところすみません。今日もご指導よろしくお願いします」

「ふ。そんなに固くなることはない。こんなにも勉強熱心な子が来てくれるのは、私としても嬉しいもんさ」

スザンヌさんはその足でしっかりと地を踏みしめ、カウンターのさらに奥にある部屋へと入っていきます。私もその後に続きます。

「それじゃあ今日は……」

スザンヌさんは、無数の引き出しから薬をひとつ取り出し、その名称や効能を教えてくれます。実際に使用したらどうなるのかという実践的な説明もあって、とても勉強になります。

だいたい一度で一つあるいは二つの薬についてを教えてもらっています。その中にはその薬のもととなった素材に関する話も出てきます。なので私も時間が空いたらよく採集に行って、自分で薬を作れるか試すことにしています。

スザンヌさんは世界で最も使用頻度の高い薬であるポーションだけでなく、傷や病を治す飲み薬の研究にも力を入れています。それに加えて自らも冒険者として復帰し活躍しています。あの悲惨な事件、アンフェールの犠牲となりスザンヌさんはその足を失い、冒険者の方は席は残しているものの実質引退していたそうです。

しかし、ノアさんの奇跡のような氣術のおかげで、治るはずがないと思われていた足が再生し、神秘的な復活を遂げました。その後懸命なリハビリを続けて、現在のようになんの不自由なく歩けるようになったそうです。

薬師を目指す私としては、できればノアさんの氣術を再現したいと思うのは当然のことです。これが再現可能になれば、多くの人の人生を救うことができます。

死を回避できても、その後幸せに生きられる保証はありません。足を失えば歩くという当たり前のことができなくなります。手を失えば、食事をとるという当たり前の行為が難しくなります。今までの当たり前な日常が、一瞬にして苦に変わってしまいます。

命を救う薬はもちろん、その後の人生をも救う、そんな薬を私は作りたいです。でもこれは、スザンヌさんでさえ未だ成し遂げられていないことです。だからまだまだヒヨッコな私には到底不可能なこと。それは重々承知しています。

ですが私は、それでも絶対に諦めません。私のこの諦めの悪さが、苦しむ人々を救う一番の薬だと信じて。

「……とまあ、こんな感じだわ」

私はいつも通りスザンヌさんの話しをしっかりと耳に入れつつ、それを文字に起こして忘れないようにしました。

「ありがとうございました」

私はお辞儀をして感謝の意を視覚的にも表しました。

「礼儀もよくて勉強熱心。こんな子はそうそういないわ」

「あのー、スザンヌさん、いませんかー?」

この声は……。

「珍しいお客だね」

スザンヌさんはカウンターの方へと向かいました。私もその後に続きます。カウンター前には、予想通りの方がいました。

「ノアさん、それにシンさんも。どうされたんです?」

「いやさ、エルがめちゃくちゃ頑張ってるからさ、そのねぎらいの意味も込めて、これ買ってきたんだ」

ノアさんはカウンターに、茶色い箱を置きました。

「なんか帝都で評判のチョコレートらしくてさ。やっぱ疲れた時は甘いものが欲しくなるだろうし。あ、スザンヌさんも良かったら食べてよ」

「それはありがたいわね。遠慮なくいただくとするよ」

「ありがとうございます!ノアさん、シンさん」

「おう。じゃオレたちはこれで。邪魔しちゃ悪いし。行くぞ、シン」

ノアさんとシンさんは長居することなく去っていきました。

……お二人の気遣い、とても嬉しいです。もっともっと頑張らないと!

「ちょうどきりもいいし、休憩にしようか」

「分かりました」

私とスザンヌさんは、高級そうなチョコレートをいただいた後、再び講座を行いました。チョコレートのおかげか、私はいつも以上に集中して講座を聞くことができましたし、その後の復習もかなり捗りました。ただいつのまにか外は真っ暗になっていて、スザンヌさんに声をかけていただかなければずっとここに残っていたかもしれません。

でも今までで一番有意義に時間を使えた気がします。今度ノアさんにチョコレートを買ったお店を聞かないと!







side カズハ

「ただいまー」

私は小さなリビングルームに入り、ソファーへボンッ、とダイブする。ソファーの長さは私の身長よりやや短いから、私の足が少し外に出た状態になっている。

「今日も疲れたー」

もちろんいい意味でだけどねー。

「あら、おかえりカズハ。今日はうちで休むのね」

お母さんはキッチンで今日の夕飯を作ってるみたい。

「え?だってグレンに今日は絶対家に帰れって言われたから……」

「あらそうだったの?……何かあるのかしら」

お母さんも知らないって……なんなの、一体……。

「カズハ!いるか!」

大きな声を出してドンッ、と扉を開けて部屋に入ってくる。ようやく私を呼び出した男が来た。

「いるけど?……それでなんなの、私を呼んだ理由って……は?」

私がソファーから立ち上がって顔を上げた途端、身体に予想外の衝撃が走った。私は倒れないように、体にのしかかる力に抗う。

「ちょ、なんなのー?グレン」

グレンはなぜか私に抱きつき、離そうとしない。

「グレン、グレンってば。……聞いてる?」

「しばらくこのままにしてくれ……頼む」

なに、その弱々しい声……。

「ねえ、お母さん……」

「あらあら、珍しいわね。こんなに甘えたなお兄様は。……かなり疲れてるみたいだから、そのままにしてあげなさい」

「ええ……」

もうなんなのよ……。

私は顔を上げる。

何が何だかよくわからないけどしょうがない。今日だけはグレンの気が済むまでやらせてやるか……。

この後、私は思ったより早くグレンに解放された。理由を問いただしてもグレンははぐらかすばかりで、話してはくれなかった。

本当になんだったわけー……?


























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